美郷町(みさとちょう)は、秋田県南部・横手盆地の東部に位置する人口16,443人の町です。奥羽山脈のふもとで水が自噴する「清水の里」として知られています。
美郷町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 六郷湧水群──町内に100カ所を超える湧水がわく「名水百選」の里
- ✅ のど薬「龍角散」発祥の地──江戸時代の藩医・藤井家がこの地の出身
- ✅ 六郷のカマクラ──700年余り続く火祭り「竹うち」は国の重要無形民俗文化財
- ✅ 美郷町ラベンダー園──2万株が咲き、白いオリジナル品種「美郷雪華」も見られる
- ✅ 千屋断層──陸羽地震で地表に現れた、逆断層としては国内最大級の国天然記念物
「水と地形が好きな旅行者」「歴史や地学に興味がある人」「静かな田園で暮らしたい移住希望者」に向いた町です。この記事では、観光の見どころ・歴史・暮らしの文化から、名水を使った特産品まで、地元目線で紹介していきます。
| 人口 | 16,443 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 168.34 km² |
| 人口密度 | 97.7 人/km² |
美郷町は、東は奥羽山脈を境に岩手県西和賀町、南は横手市、北と西は大仙市に接しています(出典:秋田県美郷町)。2004年に千畑町・六郷町・仙南村が合併して生まれた、秋田県の「平成の大合併」第1号の町です。
鉄道はJR奥羽本線が通り、町内には後三年駅と飯詰駅の2駅があります。国道13号も縦断し、秋田新幹線は隣の大仙市・大曲駅が最寄りです(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。水・薬・火祭り・花・地層と、小さな町にいくつもの顔があります。ひとつずつ見ていきましょう。
美郷町の推しポイント
この町の顔は、なんといっても「水」です。奥羽山脈にしみ込んだ雨や雪どけ水が扇状地の先で湧き出し、暮らしの真ん中に清水があります。その水が薬・サイダー・酒を育て、冬には火祭り、初夏にはラベンダーが町を彩ります。ここでは異なるジャンルから5つ選んで紹介します。
六郷湧水群──名水百選の「清水の里」
町内では100カ所を超える湧水が確認され、そのうち六郷地区の湧水は1985年(昭和60年)に環境庁の「名水百選」に選ばれています(出典:環境省 名水百選)。年間を通して水温が低く澄んだ清水がわき、住民は今も野菜を冷やす「天然の冷蔵庫」として使っています。きれいな水にしか棲まない淡水魚イバラトミヨ(地元名ハリザッコ)が見られるのも、水の良さの証です。
のど薬「龍角散」のふるさと
「ゴホン!といえば龍角散」で知られるのど薬は、六郷(現在の美郷町)出身の藤井家がルーツです。秋田藩の藩医だった初代・藤井玄淵が藩の薬として原型を作ったと伝えられています(出典:株式会社龍角散)。現在も町内では龍角散と連携してキキョウなどの生薬栽培が行われ、江戸時代の縁が今の産業につながっています。
六郷のカマクラ──700年続く火祭り「竹うち」
毎年2月中旬に5日間かけて行われる小正月行事で、鎌倉時代から700年余り続くとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されています(出典:秋田県美郷町)。最終日夜のクライマックス「竹うち」では、男衆が南北に分かれて長い青竹を激しく打ち合い、その年の豊凶を占います。燃え上がる炎と竹の音が真冬の夜に響く、迫力ある行事です。
美郷町ラベンダー園──2万株と白い「美郷雪華」
大台野広場内の約2ヘクタールの畑に、2万株のラベンダーが咲きます。ここで発見され2013年に品種登録された、白いオリジナル品種「美郷雪華(みさとせっか)」も見どころです(出典:秋田県美郷町)。紫と白のコントラストは、この町ならではの初夏の風景。ラベンダーまつりは例年6月に開かれます。
千屋断層──陸羽地震が残した「大地の傷跡」
1896年(明治29年)の陸羽地震で地表に現れた断層で、逆断層としては国内最大級とされ、1995年に国の天然記念物に指定されました(出典:秋田県美郷町)。地震のとき東側の土地が最大3.5メートルも隆起し、その段差が今も地形に残っています。「大地が動く」ことを実感できる、貴重な学びの場です。
美郷町の歴史
この町の歩みは、大きく3つの時代で捉えられます。豊かな湧水と扇状地を舞台にした古代からの米づくり、平安期の戦乱や江戸期の街道・薬づくりに彩られた中世〜近世、そして3町村が一つになった現代です。水と農がつねに暮らしの土台にありました。
古代〜中世──米づくりと後三年の役の舞台
千畑地区の一丈木遺跡などから縄文時代の土器や住居跡が見つかっており、古くから人が暮らしてきた土地です(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。平安時代後期には、源義家と清原氏が戦った「後三年の役」ゆかりの地としても知られています。扇状地の先端に湧く清水を頼りに、早くから稲作が発達しました。
近世の開拓と発展──羽州街道と藩の薬
江戸時代には佐竹藩の治下となり、六郷は羽州街道の宿場町として地域の行政・経済の中心に、千畑・仙南は秋田を代表する穀倉地として栄えました。名水を生かした酒づくりも古くから盛んでした。この頃、六郷出身の藩医・藤井家が藩の薬をつくり、それが後の「龍角散」の原型になったと伝えられています(出典:株式会社龍角散)。
現代──3町村合併で生まれた「美郷町」
1896年の陸羽地震では、現在の町域を中心に多くの家屋が倒壊する大きな被害を受けました。その後、戦後の田沢疏水の開通で扇状地の中央部まで水田化が進み、農業の規模が広がりました。そして2004年11月1日、千畑町・六郷町・仙南村の3町村が合併して美郷町が誕生します。これは秋田県の平成の大合併の第1号でした。
美郷町の文化・風習
方言と話し方の特徴
美郷町で話されるのは、県南(仙北地域)の秋田弁です。濁音が多く、短い言い回しでテンポよく話すのが特徴なんですよ。会話でよく耳にするのが、相づちのんだ(そうだ・そうだね)。お礼や気づかいの場面ではなんも(どういたしまして・大丈夫)も使われます。
ほかにも、がっこ(漬物)、おがる(成長する・育つ)、しったげ(とても・すごく)、別れぎわのへば(それじゃあ)など、やわらかい響きの言葉がたくさん。ちなみにこわいは「怖い」ではなく「疲れた」の意味で使われることがあるので、初めて聞くとちょっと驚くかもしれません。
清水とともにある食卓
この町の暮らしを語るうえで外せないのが、やっぱり水です。夏になると、家の裏手の清水でスイカやトマト、きゅうりを冷やす光景が今も見られます。冷蔵庫いらずの「天然の冷やし場」で冷えた野菜は、格別なんですよね。名水で炊いたごはんや、湧水を使った流しそうめんも、この土地ならではの味わいです。
人の気質と地域のつながり
雪深い冬を共に越してきた土地だけあって、人と人との距離が近く、助け合いの気風が根づいています。六郷のカマクラのように、町内総出で準備する行事が今も本来の形で残っているのは、地域の結びつきが強い証といえるでしょう。派手さより実直さを大事にする、あたたかい人の多い町です。
美郷町の特産品・食
美郷米──清水が育てる主役
この町の産業の中心は、昔も今も稲作です。奥羽山脈の伏流水と扇状地の豊かな土壌が、県内有数の穀倉地帯を支えてきました(出典:秋田県美郷町)。同じ清水で炊いて、同じ清水で冷やした野菜と一緒に食べる——そんな「水でつながる食卓」が、この土地のごちそうです。ふっくらと甘みのあるごはんは、旬の新米の時期(秋)にぜひ味わってほしい一品です。
ニテコサイダー──名水で作る地サイダー
六郷湧水群のひとつ「ニテコ清水」の水で作られる地サイダーで、明治期から100年以上愛されてきました(出典:JR東日本秋田支社)。名水を生かすため甘さは控えめで、炭酸はまろやか。夏、清水めぐりの途中でキンと冷えた一本を飲むと、その爽やかさが体にしみます。りんごや巨峰など、味のバリエーションも楽しめますよ。
りんご──扇状地の日当たりが育てる果実
水の得にくい扇状地の中央部では、古くから畑作や果樹栽培が営まれてきました。今では金沢地区・飯詰地区を中心にりんごの栽培が盛んです(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。昼夜の寒暖差が大きい気候が、蜜の入った甘いりんごを育てます。秋の収穫期には、もぎたてのシャキッとした食感をその場で楽しめます。
龍角散ゆかりの生薬──キキョウ畑という新しい特産
龍角散のふるさとという歴史を生かし、町では2013年からのど薬の原料となるキキョウなどの生薬栽培に取り組んでいます(出典:株式会社龍角散)。休耕地を活用したこの取り組みは、農家の新しい収入源にもなっています。夏に紫の花を咲かせるキキョウ畑は、「薬の町」らしい景色として静かに広がっています。
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美郷町の観光スポット
美郷町の観光は、なんといっても「水」を軸に回るのがおすすめです。清水が湧く六郷の町を歩き、名水を使った施設で一息つき、花や地層を訪ねる——町のあちこちに、この土地ならではの見どころが点在しています。ここでは「水」「花と大地」「宿場町の町並み」の3つの切り口で紹介していきますね。
清水めぐりスポット(六郷エリア)
- 六郷湧水群 – 六郷地区に点在する湧水群で、1985年(昭和60年)に環境庁の「名水百選」に選ばれています(出典:環境省 名水百選)。佐竹の殿様が料理に使ったと伝わる「御台所清水」、樹齢100年のケヤキが見守る「ニテコ清水」など、それぞれに名前と物語があります。木漏れ日の下でコンコンと湧く冷たい清水を、のんびり歩いてめぐる時間は格別なんですよ。夏に訪れると、清水で冷やされたスイカや野菜に出会えることもあります。
- 名水市場湧太郎 – 旧京野酒造の蔵を改修した複合施設で、営業時間は9:00〜18:00、定休日はなく、住所は美郷町六郷字馬町83です(出典:秋田県美郷町)。館内の学習室「水文館」では、きれいな水にしか棲まない淡水魚イバラトミヨを水槽で見られます。名水まんじゅうやニテコサイダーなどのお土産も揃うので、清水めぐりの起点にぴったりです。
花と大地を感じるスポット(千畑エリア)
- 美郷町ラベンダー園 – 大台野広場内の約2ヘクタールの畑に2万株のラベンダーが咲き、入園は無料です(出典:秋田県美郷町)。ここで発見された白い品種「美郷雪華」と紫のコントラストは、この園でしか見られない景色。奥羽山脈を背に紫の絨毯が風に揺れる初夏は、写真好きにはたまらない時間帯です。摘み取り体験もあるので、香りをお土産に持ち帰れますよ。
- 坂本東嶽邸・千屋断層学習館 – 風情ある庭園を持つ邸宅で、敷地内の学習館では陸羽地震と千屋断層を学べます。営業期間は4月〜11月、9:00〜17:00、月曜休、入館料は大人300円・高校生以下無料、住所は美郷町千屋字中小森91です(出典:秋田県美郷町観光情報データベース)。裏手では、地震で隆起した断層崖を実際に歩いて観察できます。「大地が動いた跡」を目の前にすると、地図で見るのとは違う迫力が伝わってきます。
宿場町の面影が残る六郷の町並み
- 六郷の寺町通り・羽州街道の町並み – 六郷は江戸時代に羽州街道の宿場町として栄えた地区で、今も古い建物や寺社が残ります。清水めぐりの合間に路地を歩くと、格子戸の家並みや軒先の水路など、水とともに暮らしてきた町の空気を感じられます。急ぎ足ではなく、清水の音を聞きながらゆっくり歩くのが似合う町並みなんですよね。
美郷町の観光ルート
美郷町は鉄道の駅から少し距離があるので、車で回るのが基本になります。清水めぐりだけなら半日、花や地層まで欲張るなら1日。周辺の大仙市や仙北市と組み合わせれば、旅の幅がぐっと広がります。3つのモデルルートを紹介しますね。
【車・半日】六郷まちなか清水さんぽルート
9:00 名水市場湧太郎 → 9:20 御台所清水・ニテコ清水 → 10:30 寺町通り → 11:30 湧太郎(お土産)
①名水市場湧太郎(30分)
→ まずは水文館でイバラトミヨを眺め、町全体の水のしくみを頭に入れてから歩き出すと、清水めぐりの解像度が上がります。
②御台所清水・ニテコ清水(60分)
→ 徒歩やレンタサイクルで名前の付いた清水を順にめぐります。朝のうちは人も少なく、水音と鳥の声だけが響く静かな時間を楽しめます。
③六郷の寺町通り(40分)
→ 清水の間に残る宿場町の町並みを散策。古い家並みと水路の組み合わせが、この地区らしい風景です。
【車・1日】清水と大地の里めぐりルート
9:00 六郷湧水群 → 11:00 坂本東嶽邸・千屋断層学習館 → 13:30 美郷町ラベンダー園 → 15:30 道の駅雁の里せんなん
①六郷湧水群(90分)
→ 午前の澄んだ空気の中で清水をめぐり、名水を使ったサイダーやカフェで一息。旅の始まりにふさわしい爽やかさです。
②坂本東嶽邸・千屋断層学習館(90分)
→ 昼をはさんで、地学の学びへ。断層崖を歩けば、この土地が地震とともに形づくられてきたことを実感できます。
③美郷町ラベンダー園(120分)
→ 6月なら紫と白のラベンダー畑へ。摘み取り体験や園内の展望台で、初夏の光と香りを浴びる午後になります。
④道の駅雁の里せんなん(40分)
→ 国道13号沿いの道の駅で、地元の農産物やおからドーナツを仕入れて旅を締めくくります。
【車・1日】広域ルート:美郷町+角館・大曲
9:00 美郷町(六郷湧水群)→ 11:30 仙北市角館(武家屋敷)→ 14:30 大仙市大曲 → 16:30 美郷町
①美郷町(150分)
→ 午前は清水めぐりでゆっくりスタート。名水の町の空気をたっぷり味わってから移動します。
②仙北市・角館(120分)
→ 車で北へ向かい、武家屋敷の町並みで知られる角館へ。美郷町の清水とはまた違う、城下町の風情が楽しめます。
③大仙市・大曲(120分)
→ 花火のまちとして知られる大曲へ。雄物川沿いの景色を眺めながら、盆地の広さを体感できます。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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美郷町の年間イベント
美郷町のイベントは、やっぱり「水」と深く結びついています。初夏はラベンダー、真夏は清水を使った夏祭り、秋は町ぐるみの収穫祭、そして真冬には700年続く火祭り。季節ごとに町の表情がくるくる変わるので、順番に紹介していきますね。
初夏:美郷町ラベンダーまつり
大台野広場のラベンダー園を舞台に、例年6月に「美郷町ラベンダーまつり」が開かれます(出典:秋田県美郷町)。2万株の紫と白のラベンダーが咲く畑に、ラベンダーアイスやグッズの出店が並びます。奥羽山脈から吹き下ろす風に乗って香りが漂う中、摘み取り体験を楽しむ——初夏の美郷を代表するお祭りです。
夏:清水まつり(樽みこし・舟ッコ流し)
六郷地区では、水にちなんだ夏祭り「清水まつり」が例年8月上旬に行われます(出典:秋田県美郷町)。酒樽のみこしに沿道から水を浴びせる「樽みこし(水かけみこし)」と、笹竹や短冊で飾った小舟を子どもたちが引く、およそ300年続く七夕行事「舟ッコ流し」が見どころ。夜、ろうそくの灯が川面に映る舟ッコの光景は、清水の里ならではの幻想的な夏の風物詩なんですよ。
秋:美郷フェスタ
秋には、町の総合体育館リリオスなどを会場に、全町あげての収穫祭「美郷フェスタ」が例年10月下旬に開かれます(出典:秋田県美郷町観光情報データベース)。地元農家の農産物がずらりと並び、わら細工や書、短歌などの作品展示、ステージ発表でにぎわいます。実りの秋を町ぐるみで祝う、家族連れに人気のイベントです。
冬:六郷のカマクラ(竹うち)
真冬の主役は、700年余り続く小正月行事「六郷のカマクラ」。例年2月中旬に5日間かけて行われ、国の重要無形民俗文化財に指定されています(出典:秋田県美郷町)。最終日夜のクライマックス「竹うち」では、男衆が南北に分かれて青竹を激しく打ち合います。燃え上がる炎、割れる竹の音、木貝の響き、男衆の掛け声——雪原に立つと、その熱量に体の芯まで揺さぶられます。
美郷町のエリア別の顔
美郷町は、2004年に千畑町・六郷町・仙南村の3町村が合併して生まれた町です(出典:秋田県美郷町)。そのため今も、旧町村にあたる「六郷」「千畑」「仙南」の3つのエリアが、それぞれ違った顔を持っています。旅の目的に合わせて、どのエリアを軸にするか考えると回りやすいですよ。
六郷エリア──清水と宿場町の「観光の中心」
湧水群、名水市場湧太郎、六郷のカマクラ、そして龍角散ゆかりの地と、この町の見どころが最も集まるエリアです。羽州街道の宿場町として栄えた歴史があり、古い町並みと清水が同居しています。徒歩やレンタサイクルでのんびり散策したい人、水と歴史の両方を味わいたい人に向いた、旅の起点にしたいエリアです。
千畑エリア──花と大地を楽しむ「体験の里」
ラベンダー園のある大台野広場や、陸羽地震の跡を残す千屋断層があるのが千畑エリアです。奥羽山脈のふもとに扇状地の田園が広がり、花・地学・自然をまとめて楽しめます。初夏のラベンダー、断層ウォーク、扇状地の風景と、「見て歩いて学ぶ」旅がしたい人にぴったりのエリアなんですよ。
仙南エリア──田園と道の駅の「くつろぎゾーン」
田沢疏水が拓いた広大な美田が広がり、国道13号沿いに道の駅「雁の里せんなん」があるのが仙南エリアです。旅の行き帰りに立ち寄って、地元の農産物やグルメを仕入れるのに便利な場所。のどかな田園風景を眺めながら一息つきたいとき、ドライブの休憩に組み込むのがおすすめですよ。
美郷町の気候・季節の暮らし
美郷町は横手盆地の内陸部にあり、夏と冬の寒暖差が大きい町です。隣接する大仙市・大曲の平年値では、年平均気温は10.9℃、いちばん暑い8月で平均24.3℃、いちばん寒い1月で平均マイナス1.6℃です(出典:気象庁)。四季の表情がはっきりした、雪国らしい気候なんですよ。
夏(7月〜8月)──清水が活きる季節
夏は日中の気温が上がり、高温多湿になります。ただ、この町には清水があるのが強み。冷たい湧水で野菜やスイカを冷やす暮らしが今も生きていて、暑さをやわらげてくれます。流しそうめんやニテコサイダーが恋しくなる季節ですね。
秋(9月〜11月)──黄金色に染まる田園
秋は扇状地の田んぼが黄金色に染まり、実りの季節を迎えます。朝晩の冷え込みが日ごとに強まり、りんごの甘みが増していくのもこの時期。10月下旬の美郷フェスタの頃には、そろそろ冬支度が始まります。
冬(12月〜3月)──雪とともに暮らす
冬は本格的な雪国です。美郷町の冬期の積雪は、平野部で150cm前後、山間部で200cm前後になります(出典:秋田県美郷町)。雪かきは日常の一部で、暖房・除雪・冬タイヤは欠かせません。とはいえ、雪があるからこそ六郷のカマクラのような火祭りが育まれてきたわけで、雪と付き合う知恵が暮らしに根づいています。
春(4月〜5月)──雪どけと芽吹き
春は雪どけとともに一気に景色が動き出します。田んぼに水が張られ、清水のまわりでは芝桜が咲き始める頃。長い冬を越えた分、春の光や芽吹きの鮮やかさをひときわ強く感じられる季節なんですよね。
美郷町の移住・暮らし情報
美郷町は、田園と清水に囲まれながら、隣の大仙市や横手市まで車ですぐという立地が魅力です。買い物や通院は近隣市とあわせて考えると不便が少なく、「静かに暮らしつつ、都市機能もそこそこ使いたい」人に向いた町だと考えられます。項目ごとに見ていきますね。
通勤・通学
隣接する大仙市・横手市への通勤・通学は、車でおよそ15〜20分です(出典:ニッポン移住・交流ナビ JOIN)。町内から近隣市の職場や学校に通う人も多く、車があれば生活圏はぐっと広がります。
住宅環境
賃貸物件はそれほど多くなく、2LDKでもおよそ5万円前後が目安と考えられます(出典:SUUMO)。持ち家・一戸建てで暮らす世帯が中心で、町では宅地分譲や移住体験の受け入れも行っています。広い庭付きの家をゆったり構えたい人には合う環境です。
買い物環境
日常の買い物は、国道13号沿いのロードサイド店やスーパーが中心になります。道の駅「雁の里せんなん」や「道の駅美郷」では地元の農産物も手に入ります。大きな買い物は大仙市・大曲エリアまで足を延ばすのが現実的です。
子育て・教育
町内には認定こども園3園、小学校3校、中学校1校、高校1校があります(出典:ニッポン移住・交流ナビ JOIN)。子育て支援として、第3子以降を含む3人以上の子を養育する世帯に子育てサービスの利用料を助成する「子育てファミリー支援事業」があり、1世帯あたり年間上限15,000円が助成されます(出典:秋田県美郷町)。学力の高さで知られる秋田県の中でも、落ち着いた環境で子育てできる町です。
医療環境
町内には内科・外科・歯科など医療機関が数軒あり、隣市の総合病院までは車で約15分で往来できます(出典:ニッポン移住・交流ナビ JOIN)。日常の通院は町内で、専門的な医療は近隣市で、という組み合わせで考えると安心です。
エリア別の暮らし視点
旅の視点では六郷・千畑・仙南の3エリアを紹介しましたが、住む視点で見ると印象が少し変わります。六郷エリアは商店や施設が集まり生活利便が高め、千畑エリアは役場やこども園があり田園の中の住宅地、仙南エリアは国道13号と道の駅が近く車移動に便利、といった具合です。どのエリアも車があることが前提になりますが、静けさと利便のバランスで選べるのが強みですね。
美郷町へのアクセス
美郷町には新幹線駅がないため、玄関口は隣の大仙市・大曲駅になります。最寄りのJR新幹線駅・高速道路ICまでは、いずれも車で15分ほど。首都圏からは秋田新幹線でアクセスするのが基本です。
車でのアクセス
秋田自動車道の大曲ICまたは横手ICから国道13号を経由して町内へ入ります。高速のICから町までは車で15〜20分ほどの距離感です(出典:ニッポン移住・交流ナビ JOIN)。町内の見どころは点在しているので、旅でも暮らしでも車があると動きやすいです。
鉄道+バスでのアクセス
町内にはJR奥羽本線の後三年駅・飯詰駅があります。首都圏からは、東京駅から秋田新幹線「こまち」で大曲駅までおよそ3時間半、そこから町内へ車で15〜20分ほどが目安です(出典:ニッポン移住・交流ナビ JOIN)。大曲駅からはレンタカーやバスを組み合わせると回りやすいですよ。
飛行機でのアクセス
秋田空港を使う場合は、空港から車でおよそ55分です(出典:六郷のカマクラ(秋田県美郷町))。秋田空港ICから大曲IC経由で国道13号に入るルートが分かりやすく、関西・中部方面からは空路が便利な選択肢になります。
町内移動の現実的アドバイス
町内は鉄道の駅が離れているため、移動の基本は車です。清水めぐりをする六郷地区に限っては、レンタサイクルで路地を回るのもおすすめ。清水の音を聞きながらのんびり走ると、車では気づかない町の表情に出会えますよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】美郷町の本当の魅力を聞いてみた
Q1.あなたのご職業を教えてください。
清水を使ったサイダーを作る工房で働いています。名水百選に選ばれた六郷の湧き水を仕込みに使うので、水の良し悪しが味を決める仕事なんですよ。
この町の水があってこその商売ですから、蛇口をひねれば湧き水が出る暮らしのありがたさは、毎日仕事をしながら感じています。
Q2.美郷町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり六郷の湧水群ですね。町のあちこちに名前のついた清水があって、木漏れ日の下でコンコンと水が湧く音を聞いていると、それだけで涼しくなります。
あとは地元の人しか行かないような路地裏の清水も味があります。夏に近所の人がスイカを冷やしている光景に出会えたら、この町の暮らしが分かりますよ。
Q3.美郷町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番はやっぱり清水で作った地サイダーです。まろやかで甘すぎなくて、県外の人にも喜ばれます。町の観光の顔ですね。
地元だからおすすめしたいのは、清水で育ったお米。名水で炊くとまた格別なので、水とセットで味わってほしいです。
Q4.外から人が来たときに、美郷町でまず連れていく店はどこですか?
清水のそばにある、湧き水を使った食事処に連れていきます。夏場の流しそうめんは冷たくて、県外の人はまず驚きますね。
あとは蔵を改修した水と酒の施設。中で湧水の仕組みを学べて、絶滅危惧種の小魚も見られるので、子ども連れでも楽しめます。
Q5.美郷町はどんな気質だと思いますか?
派手さはないけれど、実直で助け合う人が多い町です。雪深い冬を一緒に越してきたからか、人との距離が近いんですよ。
カマクラのように町内総出で準備するお祭りが今も本来の形で残っているのも、その気質があってこそだと思います。
Q6.昔に比べて、美郷町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減りました。三つの町村が一つになってからも、若い人が外へ出ていくのは止まりません。空き家も増えています。
ただ、清水やラベンダーを目当てに外から来る人は増えた実感があります。町の外の人が水の価値を教えてくれる、そんな時代になった気がします。
Q7.美郷町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな箱物というより、清水を守る地道な活動に期待しています。湧水は放っておくと減ってしまうので、住民で守り続けたいんです。
薬の原料になる生薬の栽培も広がっていますし、水と花と歴史を生かした取り組みが、若い人の仕事につながっていけばと願っています。