帯広の老舗スナック「遊食空間あっぷ」 50年の歴史に幕
帯広市名門通の老舗スナック「遊食空間あっぷ」(大通南10)を経営する佐藤道博さん(77)が30日で同店を閉店し、50年間の飲食店経営から引退する。市内で1975年から、のれんを掛け替えながら計4店を経営してきたが、一緒に店に立ってきた妻文子さん(76)と自身の体調を考慮し、決断した。夫妻は「皆さまと共に歩んだ月日はかけがえのない宝物。感謝の気持ちでいっぱい」と話している。(友田壮祐)
釧路市出身の道博さんは、バンドマンを目指して上京していた際、兄の邦弘さんに誘われ、来帯した。75年にスナック「君の家」(西1南9)を開店。78年には「君の家」を畳んで、花月ビルでホストクラブ「ジュテーム」(大通南10)を始めた。帯広で最初のホストクラブだった。
さらに、85年には再び業態をスナックに戻して同所で「アップスタート」(大通南10)を開き、88年にナガハラビル(現NCオビヒロ館)に引っ越し、「遊食空間あっぷ」に店を変えた。
現在の店になってから、料理にも力を入れた。文子さんが作る卵焼きが人気で、目当てにしている客も。日曜日以外は必ず店を開き、看板の明かりを絶やさず、「客が気軽に立ち寄ることができる店であるよう心掛けていた」と道博さん。
50年の飲食店経営で、管内の会社経営者や病院関係者らのほか、故中川一郎氏ら政治家も通ってくれたという。最初の店の頃から通っている人もおり、「何も変わらずに続けてきたからこそ、通い続けてくれた」と語る。
夫妻は店を経営する傍ら、名門通の環境改善にも力を入れた。道博さんは2002年に帯広名門通共栄会の会長に就任し、違法駐車対策などに積極的に取り組んだ。
閉店の情報を聞いた常連客からは「やめないで」という言葉を多く寄せられたという。夫妻はねぎらいの言葉を励みに最後まで自分たちらしく店に立つ。
営業時間は午後7時~午前0時で、日曜定休。