東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部は14日、大会スポンサーの選定で有利な取り計らいを受けた謝礼などとして、大会組織委員会元理事・高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=側に約6900万円の賄賂を渡したとして、贈賄の疑いで出版大手KADOKAWA会長の角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)を逮捕した。今回の事件で、スポンサー企業の経営トップが逮捕されたのは、紳士服大手AOKIホールディングス(HD)に続き2社目となった。
自ら前面に登場してのパフォーマンスを好んだ1歳年上の兄・春樹氏に対し、弟の歴彦氏はリーダーとして真逆という印象だ。ある取材で会うなり「先日はうちの映画で京都まで取材に行ってくれたんだね。製作日報を読んで知っていたよ」と言われた。
そんなトップに会ったのは初めてだった。同時に自社に関わる者たちへの信頼、愛情のようなものを感じた。5日の会見の映像を見た時もこの人らしい行動ではと感じたが、気になったのは容疑を否定する言葉が明確な断定でなく、端々に推量を含んでいたことだった。
今でこそ東京国際映画祭の屋外イベントは珍しくない。最初に試みたのは歴彦氏だ。2003年からしばらくチェアマンとして陣頭指揮。邦画界のドンといわれた岡田茂氏から「頼むよ。君しかおらんのだよ」と託された。
長い赤じゅうたんの始まりは石原慎太郎元東京都知事に「レッドカーペットがないなんて映画祭とは言わんよ」の一言から。やる限り、とことん「盛大に」と決めた。功績があるのに手柄話は好まなかった。何度か「迷い悩む前にまず行動」と話していたのが寂しく、皮肉に響く。