「国民の総意」はどこへ?「皇室典範改正案」にいきなり浮上した“皇位継承権” 旧宮家の「男系男子」本人が明かす本音【報道特集】
6月、皇族数の確保に向けた立法府の総意が取りまとめられた後、陛下はこう述べられている。 天皇陛下 「皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えており、こうした皇族数の確保の在り方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」 ■「血さえあればいい 前近代的な論理」国民の総意はどこへ? 名古屋大学 日本近現代史 河西秀哉教授 「『国民の理解を』と言われたことは、よほど思うことがあったのだと思う」 こう推し量るのは、天皇制を研究する河西秀哉教授。 名古屋大学 日本近現代史 河西秀哉教授 「象徴天皇というのは、日本国憲法にも書いてあるように、国民の総意に基づくと。国民に全然開かれてないままに、なし崩し的に議論が進んでいる」 男系男子の血統を重んじる制度設計は、今後も男子を産むことや、養子に入ることなど、当事者に極めて重い精神的な負担を与えかねないと危惧する。 名古屋大学 河西秀哉教授 「今回の政府与党が出した案は、非常に非人間的。皇室の人たちのことをどこまで考えているのかイデオロギー先行で、頭の中で考えた話になっている」 天皇を神とまつり上げ、戦争に突き進んだ時代のあと、新しい憲法では第一章第一条で、天皇の地位をこう定めた。 「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基く」 戦後の皇室は、「国民と苦楽を共にする」という在り方を模索してきた。 日下部キャスター 「今回の議論の中で、何か大切なことが抜け落ちている?」 名古屋大学 河西秀哉教授 「“私たちにとって天皇とは何なのか”ということが一番抜けていると思う。被災地訪問や、いろんなことも含めて公務をされてきて、国民がこういうふうに自分たちを受け入れてくれている、こういうふうに理解してくれていると見ながら今までやってきた。 今の政府のあり方というのは、もうそんなものはどうでもいいと、とにかく“血”さえあればいいという、その論理は非常に前近代的」