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住宅団地に命中したドローンはロシアの自爆無人機と断定、その唯一の責任はロシアにあるとルーマニア大統領

軍事/生き物ライター
ΓΕΡΑΗ-2(ゲラン-2)と書かれた部品。ルーマニア大統領、ニクショル・ダン氏の投稿

 5月29日にルーマニア東部のガラツィ(Galaţi)の10階建て住宅団地にドローンが命中して民間人2名が負傷した事件について当局の調査が完了し、当該ドローンはロシア軍のゲラン-2自爆無人機(シャヘド-136のロシア名称)だと断定されました。現場からロシア語のキリル文字でГЕРАН-2(ゲラン-2)と書かれた部品の破片が発見回収されています。

ルーマニア大統領、ニクショル・ダン氏のX投稿

「木曜日の夜、ガラツィで墜落したドローンは、ロシアのゲラン-2であることが判明した。これは、ルーマニア政府の専門家らがまとめた技術報告書による疑いのない結論である。」~中略

「このような機体がルーマニアの住宅団地に衝突し、負傷者と物的損害をもたらしたという事実は極めて重大であり、その唯一の責任はロシアにある。」後略~

出典:Nicușor Dan 2026/5/31(日) ※元文はルーマニア語

※「木曜日の夜」とは深夜に日付けが変わって金曜日になった時間帯を含む。ルーマニア東部のガラツィ市の住宅団地にドローンが命中した推定時間は現地時間2026年5月29日(金)の午前2時頃。当時ロシア軍がウクライナ西部のオデーサやイズマイルに多数のドローンで攻撃を行っていた。

 同じ内容はニクショル・ダン大統領のFacebookでも投稿されています。この調査結果は同盟国およびNATOと欧州連合内の関係機関に伝えられる予定だと大統領は述べています。以前からロシア軍はシャヘド-136自爆無人機の機体に堂々とГЕРАН-2(ゲラン-2)とロシア語で書き込んでいるので(隠す気が無い)、ほぼ間違いないでしょう。一緒に見付かったエンジンの残骸もシャヘド-136(ゲラン-2)用の4気筒ガソリンエンジンのものに見えます。

 ロシアはイラン製のシャヘド-136(ゲラン-2)自爆無人機を初期はイランから完成品を輸入していましたが、現在はライセンス生産許可を取ってロシア国内の工場で生産しています。

inscripţie motor 1346/11(エンジン刻印 1346/11)

ロシア自爆無人機ゲラン-2のエンジン部分の残骸。ルーマニア大統領、ニクショル・ダン氏の投稿
ロシア自爆無人機ゲラン-2のエンジン部分の残骸。ルーマニア大統領、ニクショル・ダン氏の投稿

Inscripţia ΓΕΡΑΗ-2(ゲラン-2の刻印)

破片で確認できる「ΓΕΡΑΗ-2/ゲラン-2」の刻印。ルーマニア大統領、ニクショル・ダン氏の投稿
破片で確認できる「ΓΕΡΑΗ-2/ゲラン-2」の刻印。ルーマニア大統領、ニクショル・ダン氏の投稿

ルーマニア国防省の調査報告のX投稿

※2026年5月31日発表、内容は要約的な簡素なもの。

【以下和訳】

 2026年5月29日午前2時頃、ガラツィ県ガラツィ市、ブライーレイ通り50番地、STIREX地区、BR1B棟、第二階段(staircase 2)、10階、80号室において発生した事案を受け、国防省の専門チームも参加した技術調査の結果、以下の結論が導き出された。

  • 不審物の種類:UAS(無人航空システム);
  • 機種:ロシア製ゲラン-2(「ГЕРАНЬ 2」と刻印された部品を確認、ただし「ГЕ___Ь 2」と部分的にしか判読できない);
  • 運用目的:使い捨て攻撃ドローン/片道攻撃用UAV(神風特攻型);
  • 機体:炭素繊維製の構造フレームとキリル文字の刻印を含む残骸;
  • 主翼:炭素繊維製の構造フレームを含む破片;
  • 推進装置:空冷式4気筒ピストン2ストローク水平対向型内燃機関およびプロペラ;
  • 電子部品:衛星システムの同時位置特定を可能にするKOMETA型GNSSシステムの使用を示す;
  • 電気サーボモーター:UASの飛行制御および軌道安定化に使用;
  • 弾薬:弾頭(衝突時に起爆)は高性能炸薬(HE)型で、重量は約30キログラム(TNT換算);

 現場で特定された証拠は、ゲラン-2型無人機が関与した過去の事件において回収され、ロシア連邦のものと特定された証拠品と、構造上および機能上同一である。

  • キリア・ヴェチェ村/トゥルチャ県 – 2025年1月17日
  • チェアタルキョイ村/トゥルチャ県 – 2025年1月17日
  • ガラツィ市/ガラツィ県 - 2025年2月28日
  • グリンドゥ村/トゥルチャ県 – 2025年2月13日
  • ガラツィ市/ガラツィ県 - 2026年4月25日
  • ルンカヴィツァ村/トゥルチャ県 – 2026年4月26日

 目標は当初、ウクライナの領空内、国境から約19キロメートル(レニの街の東10キロメートル)の地点で、午前1時46分に確認された。 【和訳ここまで】

※KOMETA型アンテナ:ロシア製のCRPA(Controlled Radiation Pattern Antenna : 受信パターン制御アンテナ)。GNSS(Global Navigation Satellite System : 全球測位衛星システム)へのジャミング/スプーフィング対策として妨害電波や偽信号の方向を特定し、その方向からの電波を無効化することで、正規の方向からの電波のみを受信する。

ゲラン2のプロペラ基部の刻印

ロシア自爆無人機ゲラン-2のエンジンとプロペラの残骸。ルーマニア国防省の投稿
ロシア自爆無人機ゲラン-2のエンジンとプロペラの残骸。ルーマニア国防省の投稿
  • 002598
  • 109666
  • ДВС: 85064
  • ERP: 90582
  • 25
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ありがとうございます。
軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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