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ロシア軍がウクライナを690発の長距離ドローン・ミサイル攻撃、オレシュニクを含む弾道ミサイル大量投入

軍事/生き物ライター
ウクライナ空軍より2026年5月24日迎撃戦闘の集計報告

 2026年5月24日のウクライナに対するロシア軍の長距離ドローン・ミサイル攻撃は合計690飛来(ドローン600機+ミサイル90発)でした。なお中距離弾道ミサイル「オレシュニク」が4カ月ぶりに使用され(記事)、この戦争の通算で3回目の使用となっています。

  • 2026年5月24日:合計690飛来(ドローン600機+ミサイル90発)67突破
  • 2026年5月18日:合計546飛来(ドローン524機+ミサイル22発)39突破
  • 2026年5月14日:合計731飛来(ドローン675機+ミサイル56発)48突破
  • 2026年5月13日:合計892飛来(ドローン892機+ミサイル0発)71突破
  • 2026年5月05日:合計175飛来(ドローン164機+ミサイル11発)23突破
  • 2026年5月03日:合計510飛来(ドローン502機+ミサイル8発)33突破※
  • 2026年5月02日:合計390飛来(ドローン390機+ミサイル0発)28突破
  • 2026年5月01日:合計619飛来(ドローン619機+ミサイル0発)41突破

※5月の大規模攻撃。なおドローンは対独戦勝記念日の停戦期間(5月9日~11日)の5月11日を除いて毎日飛来している。

※5月3日の33突破は暫定数値。詳しい説明はリンク先を参照。

2026年5月24日迎撃戦闘:ウクライナ空軍司令部

  • オレシュニク中距離弾道ミサイル×1飛来0撃墜
  • キンジャール空中発射弾道ミサイル×2飛来0撃墜
  • ツィルコン極超音速巡航ミサイル×3飛来0撃墜
  • イスカンデルM弾道ミサイル/S-400転用ミサイル×30飛来11撃墜
  • Kh-101/イスカンデルK/カリブル巡航ミサイル×54飛来44撃墜
  • 自爆無人機と囮無人機×600飛来549排除(バンデロールを含む:参考

合計690飛来604排除19未到達、67突破 ※阻止率88%

Крім того, 19 ворожих ракет, імовірно, не досягли цілей, інформація уточнюється, можливі місця падіння встановлюються.

※ミサイル19発が未到達の可能性大。空軍の報告には種類の言及が無いが、おそらく弾道ミサイル。

ウクライナ空軍より2026年5月24日迎撃戦闘の集計報告
ウクライナ空軍より2026年5月24日迎撃戦闘の集計報告

攻撃はキーウに集中

ППО радар と monitoring による共同作業の可視化地図(2026年5月24日)
ППО радар と monitoring による共同作業の可視化地図(2026年5月24日)

攻撃経路の可視化地図の出典 : ППО радарmonitoring

  • 紫色直線:中距離弾道ミサイル(オレシュニク:地上発射)
  • 青色直線:空中発射弾道ミサイル(キンジャール:空中発射)
  • 桃色直線:極超音速巡航ミサイル(ツィルコン:地上発射)
  • 橙色直線:弾道ミサイル/転用ミサイル(イスカンデルM/S-400:地上発射)
  • 赤色曲線:亜音速巡航ミサイル(Kh-101:空中発射)
  • 橙色曲線:亜音速巡航ミサイル(イスカンデルK:地上発射)
  • 緑色曲線:亜音速巡航ミサイル(カリブル:艦船発射)
  • 黄色曲線:各種ドローン(自爆無人機/囮無人機:地上発射)

※ППО радар と monitoring による共同作業の可視化地図。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスをCC 4.0に設定されてある。なお monitoring のリンク先には地図の宇語版と英語版の両方が用意されている。

高速ミサイル×36飛来11撃墜19未到達、6突破 ※阻止率83%

  • オレシュニク中距離弾道ミサイル×1飛来0撃墜
  • キンジャール空中発射弾道ミサイル×2飛来0撃墜
  • ツィルコン極超音速巡航ミサイル×3飛来0撃墜
  • イスカンデルM弾道ミサイル/S-400転用ミサイル×30飛来11撃墜19未到達?

※ミサイル19発の未到達はウクライナ空軍の報告には種類の言及が無いが、おそらくS-400の可能性が高い。

 ロシア軍の高速ミサイルが一度に36発も使用されるのは過去最大です(ただし開戦初期の混乱で集計が不正確な時期は除く)、これまでの最大数は2025年11月8日の32発(記事)でした。今日の攻撃ではオレシュニクの使用に注目が集まっていますが、本命の攻撃はイスカンデルM/S-400の30発の方でしょう。

オレシュニクについて

 ただし今回のロシア軍の長距離攻撃についてウクライナ空軍はミサイル19発が未到達だったと報告しており、おそらくこれはイスカンデルM/S-400の飛来30発に含まれている可能性が高く、その場合はイスカンデルM/S-400は30飛来11撃墜19未到達で突破ゼロという事になります。確たる証拠はありませんが、地対空ミサイルを対地攻撃に転用して準弾道ミサイルとして使用したS-400の命中精度が悪く、目標から外れたのではないかと推測します。

 このミサイル未到達19発を仮に無かったものとして除外して計算すると、高速ミサイルは16飛来11撃墜で阻止率69%となります。迎撃戦闘の成績としてはこちらの方が実態に近いと思われますが、この数字でも高速目標の迎撃としてはかなり良い数字であり、ウクライナの首都キーウに配備されたパトリオット防空部隊は善戦しています。

低速ミサイル×54飛来44撃墜、10突破 ※阻止率81%

  • Kh-101/イスカンデルK/カリブル巡航ミサイル×54飛来44撃墜

※巡航ミサイル3種類が飛行途中で正確な判別ができず混ざってしまったので、そのまま纏めて集計報告されている。

 亜音速巡航ミサイル相手に阻止率81%はこれまでの迎撃戦での平均的な数字の範囲内です。Kh-101空中発射巡航ミサイルは5月14日以来、イスカンデルK地上発射巡航ミサイルは5月18日以来、カリブル艦船発射巡航ミサイルは4月25日以来の使用となります。

各種ドローン×600飛来549排除、51突破 ※阻止率92%

  • 2026年5月24日:600飛来549排除、51突破 ※阻止率92%
  • 2026年5月18日:524飛来503排除、21突破 ※阻止率96%
  • 2026年5月14日:675飛来652排除、23突破 ※阻止率97%
  • 2026年5月13日:892飛来821排除、71突破 ※阻止率92%
  • 2026年5月05日:164飛来149排除、15突破 ※阻止率91%
  • 2026年5月03日:502飛来472排除、30突破 ※阻止率94% ※注
  • 2026年5月02日:390飛来362排除、28突破 ※阻止率93%
  • 2026年5月01日:619飛来578排除、41突破 ※阻止率93%

※5月5日はドローン攻撃は大規模ではないが、ミサイル飛来数が今月4位なので参考用に掲載。

※なおドローンは対独戦勝記念日の停戦期間(5月9日~11日)の5月11日を除いて毎日飛来している。

※5月3日の30突破は暫定数値。詳しい説明はリンク先を参照。

※5月1日、5月2日、5月3日、5月4日、5月13日は夜間に加えて昼間の空襲が仕掛けられている。

 長距離ドローンの阻止率92%はこれまでの迎撃戦と比較しても良好な数字ですが、ウクライナ空軍はドローン阻止率95%を目標としており、やや届いていません。

突破数の打撃力換算:ミサイル1点、ドローン0.1点で計算

  • 2026年5月24日:合計21.1点(ドローン5.1点+ミサイル16点)
  • 2026年5月18日:合計20.1点(ドローン2.1点+ミサイル18点)
  • 2026年5月14日:合計17.3点(ドローン2.3点+ミサイル15点)
  • 2026年5月13日:合計7.1点(ドローン7.1点+ミサイル0点)
  • 2026年5月05日:合計9.5点(ドローン1.5点+ミサイル8点)
  • 2026年5月03日:合計6.0点(ドローン3.0点+ミサイル3点)※注
  • 2026年5月02日:合計2.8点(ドローン2.8点+ミサイル0点)
  • 2026年5月01日:合計4.1点(ドローン4.1点+ミサイル0点)

※5月3日はドローン30突破(暫定数値)+ミサイル3突破で計算。

※5月5日は合計175飛来(ドローン164機+ミサイル11発)とドローンは少ないが、ミサイルは今月4位(ミサイル11飛来)の数量なので、突破打撃量も今月4位(ミサイル8突破)となっている。

 5月24日は迎撃が困難で防空網突破能力が高い高速ミサイルが過去最大36発も使用されましたが、19発も未到達が出てしまっています。このため実際に突破できた数はあまり多くはなく、打撃量はそこまで突出して高い数字とはなっていません。

オレシュニクの着弾Times of Ukraine

※キーウの集合住宅「ワルシャウスキー」の21階から撮影されたオレシュニクの多弾頭の落下。6×6で36個の弾頭。映像では地表まで突入する6グループの光が見えるが、1グループ内に6個の弾頭が存在している。なお弾頭を収納していたカーゴ部分も一緒に落下しているが、こちらは耐熱部品ではないので空中で焼失している。

※オレシュニク着弾先のビラ・ツェルクヴァはこのキーウの撮影場所から南西の約80kmの位置にある。つまり動画後半で撃ち上がっている迎撃ミサイルはオレシュニクを迎撃しようとしているのではなく、別のミサイルを迎撃しようとしている。

※関連記事:ロシア軍がオレシュニク中距離弾道ミサイルでウクライナを攻撃、この戦争で通算3回目の使用

キーウに着弾するロシア軍のミサイル

パトリオットPAC-3迎撃ミサイルの残骸

※キーウのドニプロ川左岸(東岸)の道路上に転がっているパトリオット防空システムのPAC-3迎撃ミサイルの残骸。敵弾道ミサイル目標に直撃した後だと思われる。PAC-3は体当り直撃式の特殊な迎撃ミサイルであり、炸薬は僅か数百グラムしか内蔵していない。

巡航ミサイルのクラスター弾頭(推定2発)

  • 0:03:空中で大きな閃光(クラスター子弾の放出)
  • 0.05:地表で連続的な爆発(クラスター子弾の着弾)
  • 0:18:空中で大きな閃光(クラスター子弾の放出)
  • 0:20:地表で連続的な爆発(クラスター子弾の着弾)

※過去に同じような映像が注目された時に、閃光があまりに大きいので迎撃が命中したと筆者は推測していましたが(2025年6月17日:記事)、この様子からすると迎撃ではなく、ロシア式の巡航ミサイルのクラスター弾頭の子弾散布はこれが通常の手順である可能が高い。派手に起爆しながら子弾を散布しています。

ミサイルの至近での着弾

ゼレンスキー大統領の報告

※「全国で約100人が負傷し、さらに4人が亡くなるという悲劇的な事態となっています。ご遺族やご遺族の皆様に、心よりお悔やみ申し上げます。キーウだけでも、約30棟の住宅が損壊または全壊しました。」

※「今夜、ロシア軍はキーウをはじめとするウクライナの各都市や地域を攻撃しました。最も多くのミサイルが首都キーウに向けられ、一般の住宅や学校が標的となりました。また、キーウで最も古い市場の一つである食品市場も焼失しています。ロシア軍の攻撃により、チェルノブイリ博物館は事実上破壊され、国立美術館やドイツのARD放送局の事務所が入る建物も被害を受けました。」

Kh-101巡航ミサイルがキーウの国立チェルノブイリ博物館に落下

※Kh-101巡航ミサイルがL-504ディスペンサーからフレア(囮熱源)を放出しながら突入。

キーウの地下駐車場にミサイルが着弾

Kh-101巡航ミサイルの不発弾頭を非常事態庁が回収処分

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ありがとうございます。
軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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