うごめく「神仏の売人」、JKリフレや占いビジネスも経験したブローカーが明かす舞台裏 相場は3000万~1億円、地面師も登場?魔手にかかった住職の末路は…
「滋賀県 重要文化財の仏像あり 2億8千万円」「北海道 超有名神社 おさい銭収入あり 特別セール5千万円」―。とあるウェブサイトを開くと、100件以上の寺や神社などの名前とともに、こんな文言が目に飛び込んできた。 【写真】刑務所の前で「出待ち」を毎朝続けるひとりの男性、何をしている? 「刑務官はいい顔をしないが、やめられない」同行して分かった理由
ここで売り買いされているのは、宗教法人だ。なぜ宗教法人が売買対象になるのか。その秘密は、税制優遇にある。一般企業とは違う公益性の高さを理由に、寄付やお布施などの宗教行為による収入は非課税となっている。 買い取った宗教法人に寄付金名目で財産を移して課税を逃れようとする人が近年増加。インターネット上を中心にブローカーがうごめいている。 「売買自体は違法ではない。あくまで脱法行為だ」。共同通信の取材に応じたブローカーはこう強調。取引の実態や寺院が買い手に人気の背景など、ベールに包まれた“宗教ビジネス”の内幕を明かした。(共同通信=斎藤修真) ▽3千万円超取引も「証拠残しちゃいけない」 観光客でにぎわう繁華街・ミナミにほど近い、大阪市浪速区の雑居ビル2階。細く薄暗い階段を上ると、事務所で青いポロシャツ姿の初老の男性が笑顔で出迎えた。 宗教法人を売買するサイトの主、山本隆雄氏(66)。活動実態のない宗教法人のブローカー業を営む、いわば「神仏の売人」とも呼べる人物だ。 「昔はJKリフレ(女子高生を装った性風俗店)のあっせんや、霊能者を集めて占いのビジネスをやっていました」
山本氏は長年「裏稼業」に身を置き、宗教法人の売買仲介を始めたのは6~7年前からだという。売買募集をするためのサイトを開設したところ、売り先を探す宗教法人の代表役員や、購入希望者からの問い合わせが相次いだ。 「買いたいという人からの相談は年間で数百件くらい。売却を希望する宗教法人の情報は、他のブローカーからも流れてきます。ブローカーの中には墓石屋とか、宗教関係者と付き合いのある奴がいますから」 山本氏は、法人格を管理する代表役員の交代は「法人名義の実印さえあればいつでもできる」と明かす。実際の取引は事務所において対面で行われ、実印と現金を交換する。 訴訟リスクを回避するため、契約書や領収証は一切残さない。「証拠を残しちゃいけない。だから銀行振り込みもダメなんです」。 相場は約3千万円~1億円で、“成約”は多くても年間5件程度。売却価格のうち、500万円~1千万円ほどが仲介手数料として山本氏の手元に入ってくる。
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