第16話

【💛🍼】 白いあなたはもう見えない
1,283
2026/03/24 08:00 更新
Side あなたの下の名前

私の家は代々『祓い屋』をしている
簡単に言うと、色々なところにいる成仏できてない霊を
成仏できるようにする仕事




私もこの家系の力からか小さい頃から霊が見えたし、両親の仕事も何度も手伝ってきた
そして今日、ついに1人前の祓い屋として実家を出るんだ
mob
お前もついに1人前になったな、おめでとう
あなた
ありがとうお父さん
mob
これからも祓い屋として頑張ってね
また困ったことがあれば話聞くから
あなた
うん、ありがとうお母さん
それじゃあ行くね
mob
気をつけてな👋



見慣れた実家を去り、駅まで歩いて向かう
でも私には1つだけ心残りがあった
あなた
……“あの人”にまだ会えてないなぁ
“あの人”とは、私が小さい頃から見える不思議な人だ
いつも真っ白な服を着てる、私と同い年くらいの青年



彼はいつも私の側にいた
前か、後ろか、横か、少しだけ離れたところにいつもいた
手を伸ばせば触れる距離 でも私は触れられなかった
彼が何のために私の前に現れるのか分からなかったから



いつの日か、私は彼に尋ねてみたことがある
あなた
《どうして私の前に現れるの?》
Y.Jnt
《……一番弱いから》
あなた
《そんなこと言うなんてひどい!》
Y.Jnt
《ひどくない これは事実だ》
しばらくの沈黙の後、彼は口を開いた
Y.Jnt
《君は気づいてるのか分からないが、いつも
 無理してる それを止めるのが俺の役目》
あなた
!!
Y.Jnt
《俺は君を守りたいんだ でもそれは君を
 縛っているのと同じだから…もう、君に会う
 のをやめるよ》
あなた
《私は縛られてなんかないよ
 お願い、いなくならないでよ》
Y.Jnt
《でも俺がいる限り、君はずっと俺のことを
 捜し続けるだろ?》
あなた
《……っ》
—私の感情を全て見抜かれているような気がして、私は彼の言葉に一度も反論できなかった

その日から、彼の姿を見ることはなかった
















そよそよと風が吹く散歩道の奥に公園が見えた
あの公園は、私が初めて彼と出会った場所だ



広場に行くと、あの日と変わらない姿で正面を向いて彼が
立っていた まるで私が来るのをずっと待ってたみたいに
Y.Jnt
…何年ぶりだろう
あなた
!
Y.Jnt
言わなくても分かってる…君は怒ってるんだね僕が君を置いていってしまったことを
あなた
どうして?
Y.Jnt
君は怒る時、いつもそういう顔をしてた
あなた
怒ってなんかないよ、ただ……会いたかったの
ただそれだけだよ
私は彼の隣に立った
見上げると、彼の綺麗な瞳に私が映ってるのが見えた
Y.Jnt
君はひとりでも立っていられる
だから…俺はもういらないね
あなた
…いなくなるの?
Y.Jnt
君はもう立派な祓い屋になった
だから…君に頼みがある


Y.Jnt
俺を、祓ってくれないか?
体の奥底からじわじわと熱くなっていくのを感じた
涙は出そうじゃないけど、でもどこか辛くて、悲しくなる
あなた
もし嫌だって言ったら、?
Y.Jnt
……揺らぐ でも、それでも、ダメなんだ
Y.Jnt
俺は君の未来に影を落としたくない
だから、俺はいちゃいけないんだよ
あなた
…私、いつかあなたのことを忘れちゃうのかな
そんなの嫌だよ
Y.Jnt
……っ
彼にそっと抱きしめられる
私は震える手でポケットからお祓いのお札を取り出した
ゆっくりと彼の背中へ手を伸ばす


彼の心臓のある場所にそっとお札を掲げると、彼はそっと
つぶやいた
Y.Jnt
……ありがとう、あなたの下の名前
あなた
!!!
初めて彼が、私の名前を呼んでくれた
その喜びとは裏腹に、彼の身体はどんどん透明になっていく
それは彼と二度と会えなくなっちゃうサインだ


彼は再び私に向き直ると、そっと私の唇に口づけをした
それはとても優しくて、とても温かかった
Y.Jnt
…愛してたよ
その一言を最後に、彼はとうとう見えなくなった





懐かしい散歩道を戻っていく
相変わらず風がそよそよと木々の葉を靡かせる


その風の音の間に、「いってらっしゃい」と言う彼の声が
隠れているような、そんな気がした






今作は『伊佐の祓い屋三姉妹』という作品を元にしています
jntさんも出演されているショートフィルムです!
とあるツイートがきっかけで知ったのですが、切なくて儚いjntさんに涙腺大崩壊しました😭😭

私もそんな儚さとかを表現したかったのですが、私の力ではこれが限界でした、、、駄作気味なのですが供養として投稿
いたします🙇‍♀️


『伊佐の祓い屋三姉妹』の動画リンクを貼っておりますので
良ければご覧くださいね(*^^*)

プリ小説オーディオドラマ