第14話

【🩷🍼】今日だけの偽物恋人
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2026/03/10 09:00 更新
Side あなたの下の名前

クラスの中心で笑ってる彼と、教室の隅で本を読む私
本来ならいる世界も違うし、交わるはずなんてなかった


—はずなのに。



S.Hyt
…で、元カレとケリをつけるために俺と付き
合ってるフリしろって?
あなた
…うん、そういうこと
S.Hyt
なるほどねぇ…
私は今、そんな彼と1対1で向かい合っている
視線がまぶしすぎてうまく目を合わせれないけど…
S.Hyt
それにしても鈴木って彼氏いたんだな
…あ、別に皮肉ってるわけじゃなくて、驚きね
あなた
まぁ、あんまり言ってなかったから…
彼は机に肘をつきながら「ふーん」とつぶやいた




事の発端は元カレからのしつこいLINE
何度ブロックしてもアカウントを変えて連絡してくるし、
学園祭にも来るなんて言ってきたから、いい加減ケリをつけたかった

だから、佐野くんに学園祭の日だけ彼氏役になってもらおうと思ったんだ
あなた
が、学園祭の日だけでいいの 1日だけ
お願いしてもいい?
S.Hyt
いいよ 即答)
あなた
え、
まさかの即答で思わず思考が停止した
あなた
ほ、本当にいいの?
S.Hyt
うん、いいよ
だって鈴木困ってるんだろ?
当たり前のことみたいに言うから、胸がきゅっとする
でも彼はにやっと笑って言った
S.Hyt
俺、こういうの全力でやるタイプだから、
当日は覚悟しといて
あなた
?? うん、分かった
あの時はさらっと流してたけど、この言葉の本当の意味を
私はまだ知らなかった




ついに来た学園祭当日
校舎の中から出た瞬間、音と人の波に揉まれる


こういう雰囲気があまり好きじゃないから、正直言ってもう帰りたい。



そう思ってたら急に目の前に手が差し出された
顔を上げると、その手の正体は佐野くんだった
あなた
さ、佐野くん?
S.Hyt
おう、おはよう 今日はよろしくな、“あなたの下の名前”
あなた
!!! 名前…
S.Hyt
だって今日は鈴木の彼氏だろ?
彼氏だったら普通彼女を名前で呼ぶじゃん
あなた
それはそうだけど…え、演技、だよね?
S.Hyt
うん だから今日は俺のこと“勇斗”って呼んで
あなた
分かった、は、勇斗
S.Hyt
ん、合格
さらっと自然に指を絡めてくるから、心拍数がみるみる早くなっていく
これ演技だよね…? だとしてもだいぶイケメンすぎん…!?



そんなこと考えてたら急に歩き出したから、私は置いていかれないように急いで追いかけた


S.Hyt
あなたの下の名前はさ、どういうのが好きなの?
あなた
どういうのって…
S.Hyt
ホラー系とかお笑い系とか
何かお気に入りのジャンルとかある?
あなた
うーん……🤔 アニメ、かな
深夜にやってるアニメ見るの好きだから
S.Hyt
アニメかぁ…じゃあここのゲームする?
アニメがモチーフらしいしさ
あなた
わぁいいね! そこ行ってみたい!
S.Hyt
よし、そうと決まればさっそく行くか
自然と私の前に行って、人の流れから守ってくれてる
それだけで少し息が少し楽になった






(時間飛ばします)




いくつか出し物を回って、お昼ご飯を買うために列に並んでいると、横から聞きたくない声がした
mob
おぉ、あなたの下の名前じゃん
久しぶりだな
あなた
!!!(振り向く)
mob
やっぱ相変わらずそんな感じか笑
そんなんだから誰にも選ばれねえんだよ
あなた
……っ
そう言いながら段々と距離を詰められる
思わず目を瞑ると、不意にぐいっと引き寄せられた
あなた
!?
S.Hyt
俺の彼女に何か用ですか?
mob
!! お前彼氏いたのかよ!
S.Hyt
あなたがあなたの下の名前の元カレですよね?
あなたの下の名前はあなたがしつこいって困ってるんですよ
毎日LINE来るし気持ち悪いって
S.Hyt
なのでもう二度とあなたの下の名前の前に現れないでください(#^ω^)
顔はにっこり笑ってるけど目の奥は全く笑ってない
佐野くん、本気で怒ってくれてるんだな…
その顔を見た元カレは怯えるように去っていった



元カレの姿が完全に見えなくなったのを確認すると、佐野
くんはいつもの顔になった
S.Hyt
…ふぅ、ミッション完了
あなた
…うん。 ありがとう、助かったよ
S.Hyt
それはよかった
あなた
もう一緒にいなくて大丈夫だよ?
S.Hyt
知ってる でも離れる気ないから
あなた
な、なんで…?
S.Hyt
だって〝今日は〟あなたの下の名前の彼氏だから
そう言われて、私は何も言い返せなかった




売店で私たちはソース焼きそばを買った
空いてたテーブルに向かい合うように座る
あなた
ŧ‹”(o’ч’o)ŧ‹”
S.Hyt
これ、めっちゃ美味いね
あなた
うん!(*^^*)
想像以上の美味しさに思わず顔が緩む


しばらく食べてると、急に佐野くんの手が伸びた
S.Hyt
口にソースついてるよ(親指で拭う)
あなた
!!っ…///
S.Hyt
ふはっ、顔赤くなりすぎだって笑
あなた
だ、だって、距離近すぎるから…!!
S.Hyt
彼氏だったら普通でしょ
平然と答えるからまた顔が熱くなっていく
でも、彼の隣は全然怖くなかった



人混みも、ざわつきも、彼の隣にいると怖くない
むしろ全然気にならないくらい



これは佐野くんの素じゃない。これは演技だ。
何度もそう言い聞かせてきたはずなのに、いつの間にか、
私は佐野くんに恋に落ちていた












ちょっと長くなっちゃったので次回に続きます!

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