公益情報システム株式会社が、2026年6月29日15:00をもって突然の業務停止。
公益法人向けの会計・人事給与・謝金・固定資産管理などを提供し、公式サイト上でも「全国600団体以上の実績」と掲げていたベンダーです。
問題は、停止そのものよりも撤退のやり方。
6月29日15:00。
月末最終営業日の前日です。
公益法人の経理担当から見れば、これは「6月の月次を締める直前」に基幹システムが止まるという話です。
しかも、同社サービス利用法人には、7月5日まで利用可能との案内が送られているとの情報も出ています。
つまり実質1週間で、仕訳、予算、各種マスタ、総勘定元帳、補助元帳、試算表、決算書類、固定資産一覧、科目体系など、出せるものを全部退避しろということになる。
公益法人は普通の会社と違い、内閣府や都道府県への提出書類、公益目的事業ごとの区分、収支相償、遊休財産、事業報告など、制度上の説明責任を抱えている。
月次が遅れる、で済む話ではない。
停止するにしても、本来なら少なくとも月末締め後。
データ移行期間は3ヶ月。
帳票・CSV・マスタ・監査対応資料の退避手順を示す。
それがSaaS事業者の最低限の撤退作法だと思う。
今回は中途半端どころか、最悪の部類に近い。
該当システムを利用している法人は、判断に迷うものも含め、7月5日までに出力できるデータをすべてPDF・CSV・Excelで保存した方がいい。
会計だけでなく、給与、謝金、固定資産、マスタ、帳票、過年度データも対象です。
クラウドは便利です。
でも、クラウドの中にしかデータがないということは、ベンダーが突然死した瞬間に、自分たちの業務記録に触れなくなるということでもある。
契約時に見るべきなのは、機能表だけではない。
データ返還条項。
終了時の移行期間。
標準エクスポート形式。
バックアップ取得権。
エスクロー。
倒産・事業停止時の扱い。
SaaSは、使い始める時より、終わる時に本性が出る。
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