「あのページどこだっけ?」を一生言わなくなるChrome拡張機能を作った話
「前に見たあのページ、どこだっけ?」
PCで仕事や調べものをしていると、この言葉が口をついて出る瞬間が必ずあります。
Amazonで先週見かけた仕事用のガジェット。日経の記事で読んだ、企画書に引用したかった市場データ。業務ツールのヘルプページで見つけた、あの設定手順。
「確かに見たはず」なのに、いざ必要になると見つからない。
ブラウザの閲覧履歴を開いて、時系列に並んだ膨大なリストをスクロールしながら探す。キーワードで検索してみても、タイトルが思い出せなければヒットしない。10分、15分と時間だけが過ぎていく——。
この「あのページ探し」のストレスを根本的になくしたくて、Chrome拡張機能を自分で作りました。
Chromeの標準履歴機能だけでは「あのページ」にたどり着けない理由
まず前提として、Chrome標準の閲覧履歴はよくできた機能です。ただ、「あのサイトで前に見たあのページ」を探すには、構造的な限界があります。
ひとつは、すべての履歴がフラットな時系列で表示されること。業務ツールもニュースサイトもSNSもECサイトも、すべてが一列に並びます。「Amazonで見たあのモニター」を探そうとしても、同じ時間帯に開いたまったく関係のないページが大量に間に挟まっていて、目的のページまでたどり着くのに時間がかかります。
もうひとつは、量の問題です。日常的にブラウザを使っていると、1日の履歴は簡単に数十〜数百件になります。Chrome履歴の検索欄にドメイン名を入力すれば絞り込みはできますが、毎回「履歴を開く → ドメインを入力 → 検索」という手順を踏む必要があります。「ちょっと確認したいだけ」の場面で、この一手間が意外とストレスになるのです。
つまり、「あのサイトで見たあのページ」という人間の自然な記憶の仕方で、開くだけですぐ探せる仕組みがChrome標準にはないわけです。
ブックマークも万能ではない
「大事なページはブックマークすればいい」という話もあります。もちろんその通りなのですが、問題は「後で必要になるかどうか」が、見ている時点ではわからないことです。
調べもの中にざっと目を通しただけのニュース記事が、翌日の会議の話題にぴったりだったと気づく。何気なく開いたヘルプページの手順が、3日後にまったく同じ作業で必要になる。
こうした「あとから必要になるパターン」は、事前にブックマークしておくことが原理的に難しい。仮にすべてのページをブックマークしたとしても、今度はブックマークが膨れ上がって管理できなくなります。
つまり、必要なのは「意識的に保存するアクション」ではなく、「見たものが勝手に整理されている仕組み」です。
作ったもの:Historium — サイト別にブラウザ履歴を自動整理するChrome拡張機能
こうした自分自身の課題を解決するために、Historium(ヒストリウム)というChrome拡張機能を作りました。
なぜ作ろうと思ったのか
きっかけは、仕事中に感じていた3つの小さなストレスでした。
1つ目は、「ブックマークするほどではないけど、後で見返したくなるページ」の存在です。前に見せてもらった他部署のスライド資料、あの時見つけたトラブルシューティングの記事、先々週リリースした案件の仕様書——こうした「またアクセスするかもしれないページ」はブックマークに入れるほどでもないけれど、いざ必要になると探すのに苦労します。
2つ目は、あるサイトの閲覧履歴を見るためにわざわざそのサイトを開かないといけないこと。たとえば社内ドキュメントツールの閲覧履歴を見たいだけなのに、まず新規タブを開き、サイトにアクセスし、そこから閲覧履歴をたどる。本来なら直接見たいページに飛びたいのに、毎回この手順を踏むのが地味に面倒でした。
3つ目は、サイト側が用意している閲覧履歴が使いづらいケース。たとえばデザインツールの「最近のファイル」画面で、ファイル名が一覧表示されずホバーしないとタイトルが見えない、といった具合です。
この3つに共通するのは、「自分が見たページに、最短でもう一度たどり着きたい」というシンプルな欲求でした。
最初からうまくいったわけではない
実は、最初に作ったバージョンは今とは違うアプローチでした。ブラウザがページを表示するたびに、そのページの情報をリアルタイムに記録していく仕組みです。
ところが、この方法だとページのタイトルがうまく取得できなかったり、データの保存容量に上限があったりと、実用に耐えない問題が出てきました。
そこで方針を転換し、Chrome自体が保持している閲覧履歴データを「サイト別に切り出して表示する」というアプローチに切り替えました。Chromeにはすでに閲覧履歴が蓄積されているのだから、それを見やすく整理すればいい——この発想の転換で、一気に実用的なものになりました。
コンセプトはシンプルで、「指定したサイトの閲覧履歴を、サイトごとに分類して自動で蓄積する」というものです。
たとえば、Amazon、日経電子版、NotionやConfluenceなどの社内ドキュメント、業務ツールのヘルプサイトなど、自分がよく使うサイトを登録しておく。あとは普通にブラウジングするだけで、各サイトで閲覧したページが自動的に記録・整理されていきます。
「Amazonで先週見たモニター」を探したいときは、HistoriumでAmazonの履歴を開くだけ。そのサイトの閲覧履歴だけが時系列で表示されるので、あっという間に見つかります。
Historiumの主な特徴
インストールするだけで自動記録。 複雑な設定は不要です。追跡したいサイトを指定すれば、あとはバックグラウンドで閲覧履歴が蓄積されていきます。ブックマークのように手動で保存する手間はありません。
サイト別に閲覧履歴を整理。 Chrome標準の履歴のように全サイトが混在するのではなく、サイトごとにきれいに分類されます。「あのサイトで見たあのページ」という自然な記憶の仕方で探せます。
キーボードショートカット対応。 マウス操作なしで素早くアクセスできます。
完全ローカル。データは一切外部に送信しない。 これは個人的にとても重要だと思っているポイントです。閲覧履歴は極めてプライバシー性の高いデータです。Historiumでは、すべてのデータがブラウザ内にのみ保存され、外部サーバーには一切送信されません。
無料で利用可能。 Chrome ウェブストアから誰でもインストールできます。
使ってみてどう変わったか
自分自身が最初のユーザーとして使い続けていますが、一番変わったのは「探す」という行為自体がほぼなくなったことです。
以前は「あのページどこだっけ」と思ったら、Chrome履歴を開き、キーワードをいくつか試し、スクロールして探して……と5〜15分かかることも珍しくありませんでした。
今はHistoriumを開いて、目的のサイトを選んで、直近の履歴を眺めるだけ。たいてい10秒もかからず見つかります。
地味ですが、この「ちょっとしたストレスの消滅」の積み重ねは、日々の作業の快適さに大きく影響します。
「あのページどこだっけ?」がなくなると、情報の扱い方が変わる
Historiumを使い始めてから気づいたことがあります。
「あとで見つけられる」という安心感があると、情報の扱い方そのものが変わるのです。
以前は「このページ、あとで使うかも……ブックマークしておこう」と考えていた場面で、今はそのまま通り過ぎます。必要になったときにHistoriumを開けば見つかるとわかっているからです。
ブックマーク整理に使っていた時間もゼロになりました。結果的に、本来やるべき仕事に集中できる時間が増えています。
まとめ:まずは試してみてください
「あのページどこだっけ?」は、PCで仕事をする人なら誰もが経験する小さなストレスです。ただ、それが毎日のように繰り返されると、積もり積もって意外と大きなロスになります。
Historiumは、その問題をインストールするだけで解決します。
無料
セットアップ不要(サイト指定だけ)
データは完全ローカル(プライバシーの心配なし)
軽量(約25KB)
もし「前に見たあのページが見つからない」という経験に心当たりがあれば、ぜひ一度試してみてください。
▶ Historiumをインストールする(Chrome ウェブストア)
使ってみた感想やご要望があれば、この記事のコメントや、Chrome ウェブストアのレビューでお聞かせいただけると嬉しいです。
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この記事を書いた人:個人開発者。ふだんはAndroidアプリエンジニアとして働きながら、自分の「あったらいいな」を形にするプロダクト開発をしています。


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