驚異の防御率0.76 入団会見で涙を流した「中日の新人王候補」は
打者との駆け引きを楽しみながら
2022年から4年連続50試合以上登板した清水達也が今年は腰痛の影響で4試合登板にとどまり、守護神の松山晋也につなぐセットアッパーに苦心していた中で、吉田の台頭は大きなプラスアルファだ。新人王の有力候補でもある。今年のセ・リーグは新人の竹丸和幸、田和廉(ともに巨人)のほか、2年目以降では浦田俊輔(巨人)、工藤泰成(阪神)、廣澤優(ヤクルト)の活躍が光るが、吉田が今後もリリーバーで活躍を続ければ、タイトル受賞が見えてくる。 順風満帆な野球人生だったわけではない。佐賀の伊万里農林高でエースだったが無名の存在で、3年夏の大会は伊万里実業高、伊万里商業高との連合チームで登板したが、初戦でコールド負けを喫した。西濃運輸に入社後は登板機会が少なく、退部を考えた時期もあった。 社会人4年目で頭角を現して中日にドラフト2位で指名された際は、「2位という高評価には驚きましたし、ホッとしています。西濃運輸にとって、地元の人気球団なので、楽しみです。同じ左腕の1位の金丸夢斗投手へのライバル意識ですか? ないです(苦笑)。僕に期待してもらっているのはありがたい。そこは意気に感じますが、自分を見失わないように頑張っていきたいです」とコメント。地に足がついている印象があったが、入団会見で4年間を過ごした社会人野球について聞かれると、こみ上げる感情を抑えきれなかった。「苦しい4年間でした。本当にいろいろな方々に支えられました。自分1人ではここまで来られなかったので、関わってくださった全員に感謝を伝えたいです」。涙が頬を伝っていた。 打者との駆け引きを楽しみながら、アウトを積み重ねる。理想の投手は幼少の頃にソフトバンクのエースだった杉内俊哉(現巨人一軍投手コーチ)だ。「自分は子どものころからプロ野球選手にあこがれてプロ野球選手を目指したので、今度は自分が子どもたちにあこがれられる選手になる番です」。有言実行で、勝負どころのマウンドに立ち続ける。 写真=BBM
週刊ベースボール