原子で光を測る「原子カメラ」、分子研が開発 量子計算機に貢献
分子科学研究所の大森賢治教授らは原子を使って光を測定する技術を開発した。従来の光学顕微鏡では捉えきれない微弱な光を検知でき、原子を使って作動する量子コンピューターの研究開発や量子力学の研究に役立つ。
研究成果は英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
新たに開発した「アトムカメラ」は1つの原子を使って光を測定する技術だ。ルビジウムの1個の原子を「光ピンセット」という技術を使って捉える。この原子に光が当たるとエネルギーが変化する量子力学的な反応が起きる。この変化を捉えて光の強さを測定する。
実験ではルビジウム原子をナノ(ナノは10億分の1)メートルのレベルの精度で動かし、液晶が生み出す光の干渉を撮影した。計測できる最も小さな値を示す分解能は100ナノメートル以下だという。光の強弱だけでなく、光の波の性質である「偏光」も計測できた。
アトムカメラは原子を使って計算する「中性原子」方式の量子コンピューターの性能向上に役立つ可能性がある。この方式では光を使って捕捉した原子を動かして計算する。照射する光の形状が真円に近いほど計算精度が高まるため、原子カメラで光の形状を捉えて調整する技術などに使えるという。
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