中国海警船が日本のEEZで海保測量船に退去要求 中国の「管轄権」主張が新段階に #エキスパートトピ
中国海警局の船が6月30日夜、日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査を行っていた海上保安庁の測量船「拓洋」に対し、無線で調査中止と退去を繰り返し要求した。日本政府は外交ルートを通じて抗議したが、中国側が日本のEEZ内で自らの「管轄権」を実際の行動で示そうとする動きは新たな段階に入りつつある。東シナ海だけでなく南シナ海でも同様の手法が見られ、中国の海洋進出はより強引かつ組織的な様相を強めている。
ココがポイント
日本のEEZ内で中国海警局の船舶が海上保安庁の測量船に中止要求 調査は「国際法に従った正当なもの」として続行
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2026/7/1(水)
日本のEEZ内で海保の測量船が中国公船から中止要求を受けるのは、2012年以来、14年ぶり
出典:読売新聞オンライン 2026/7/1(水)
中国海警局の船舶が、沖縄県・与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)で活動を活発化させていることが分かった。
出典:Bloomberg 2026/6/29(月)
尖閣周辺で中国船が海洋調査 巡視船が中止要求
出典:沖縄八重山日報 2026/6/29(月)
エキスパートの補足・見解
今回の事案は、単なる海上での偶発的なトラブルではない。中国海警船が日本のEEZ内で活動する海保の測量船に調査中止と退去を要求したことは、中国が自らの「管轄権」を既成事実化しようとする動きの一環とみるべきだ。
最近では、与那国島南方の日本のEEZで中国海警局船が中国の海洋調査船や公船を支援し、中国側の権益を主張した。尖閣諸島沖でも、中国の海洋調査船が海中にパイプ状の機器を下ろす活動を繰り返し、日本側が中止を求めている。さらに東シナ海の日中中間線付近では、中国が新たなガス田試掘を進め、一方的な海洋進出を加速させている。
同様の動きは南シナ海でも見られる。中国軍と中国海警局は6月以降、スカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺で警戒・法執行活動を強化し、外国の航空機や船舶に退去を要求している。海警船や調査船を前面に立て、管轄権を実際の行動で示すことで、新たな海洋秩序を既成事実化しているとみられる。
個別の事案は小さく見えても、積み重なれば新たな現状変更の常態化につながりかねない。日本としては抗議にとどまらず、監視・警戒や情報発信を強化し、国際法に基づく海洋秩序を粘り強く守っていく必要がある。
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