はてブの政治コメント、あれ本当に「良いコメント」が上に来てると思ってる?
いや、もちろん鋭いコメントもある。参考になる指摘もある。
でも政治、ジェンダー、表現規制、歴史認識あたりになると、スターはもうほとんど「有用性評価」ではない。
あれは同意票。
「よく言った!」
「それな!」
「敵陣に刺さった!」
だいたいこれ。
というわけで、政治系ブックマーカーたちのCSVをいくつか見て、コメント率、攻撃語彙、idコール、スターの付き方、誰からスターをもらっているかを雑に分析してみた。
ユーザー名を直接出すのは禁止なので、ここではコードネームで呼ぶ。
もちろん完全に分かれるわけではない。
でもスターの流れを見ると、かなり分かる。
どの顔ぶれが毎回出てくるか。
このグループは、人権、反差別、反歴史修正主義、福祉、貧困、反自民、反維新、性被害、ジェンダーあたりが主戦場。
このグループの良いところは、社会的弱者、差別、権力の非対称性への感度が高いこと。
これは普通に強い。
一方で、悪いところも分かりやすい。
すぐ裁判官になる。
「それは差別」
「歴史修正主義」
「ネトウヨ」
「ミソジニー」
「権力側に立っている」
こういう判決文が秒で出る。
もちろん本当にそういうケースもある。
でも、ブコメ欄だとだんだん「議論」ではなく「処刑」になってくる。
相手の誤りを指摘するというより、相手を倫理的に格付けして終わり。
反差別を掲げながら、コメントの温度はかなり攻撃的なことも多い。
このグループは、自民支持というより、反リベラル、反フェミ、反表現規制、反左派メディア、移民慎重論あたりでまとまっている。
主な論点はこのへん。
同じ顔ぶれが何度も出てくる。
同じ論点で伸びる。
同じ敵を殴るとスターが付く。
特に強いのは、
表現の自由を守れ
このあたり。
短い。敵が明確。押しやすい。
しかも押す側が「俺たちは現実を見ている」「綺麗事に騙されない」と思える。
だから強い。
このグループのスターは、かなりの割合で「同意」ではなく「反撃参加」に近い。
コメントにスターを付けることで、自分も敵陣を殴った気分になれる。
要するに、逆張りと被害者意識を燃料にした文化戦争スター圏である。
一方で、政治だけでは分類できない人たちもいる。
増田を読む。
Togetterを見る。
面白いのは、この層が左右どちらからもスターをもらうことがある点。
特に「ブコメ欄そのものを批判するタイプ」は、右派からも左派からも拾われる。
人気コメ欄の手のひら返しを突っ込むと、左右関係なく刺さるからである。
この層は、政治闘争というより、はてブ民そのものを観察している連中である。
ざっくり分類できたユーザーを、左派・反差別系、右派・反リベラル系、雑食・中間系に分けると、だいたいこうなる。
| 指標 | 左派・反差別系 | 右派・反リベラル系 | 雑食・中間系 |
|---|---|---|---|
| 分類人数 | 31 | 31 | 75 |
| 平均ブクマ数 | 16,832 | 19,551 | 18,537 |
| 平均コメント率 | 74.1% | 75.1% | 70.9% |
| 平均スター/ブクマ | 5.52 | 3.23 | 3.91 |
| 平均スター付き率 | 49.6% | 40.1% | 35.7% |
| 平均攻撃コメント数 | 48.0 | 151.1 | 14.6 |
| 平均idコール数 | 111.3 | 208.9 | 51.6 |
| 上位スター付与者の同クラスタ比率 | 16.4% | 39.6% | 25.0% |
ここ、かなり面白い。
つまり、右派・反フェミ系がスター総量で常に無双しているわけではない。
「味方が敵を殴ってる、押しとこ」
になりやすい。
もちろん左派側にもある。
見ていると、反リベラル・反フェミ系のスター動員力は普通に強い。
そんな証拠はない。
でも、行動としてはかなり組織的に見える。
同じ論点。
同じ敵。
同じようなコメント。
同じような伸び方。
これが繰り返される。
このへん。
逆に言うと、はてブの人気コメント欄はこのセットにかなり弱い。
「アホ」
「ネトウヨ」
「歴史修正主義者」
「レイシスト」
「差別主義者」
このへんは普通に飛ぶ。
しかも左派系は「正義の言葉」で殴るので、殴られる側からするとかなりきつい。
単に意見が違うではなく、「お前は倫理的に間違っている」と言われるからである。
どっちも殴っている。
結局これ。
はてブの人気コメントを見て、「この意見が支持されているんだな」と思うのは危ない。
それは世論ではない。かなりの場合、クラスタ内の同意票である。
というより、
に近い。
特に文化戦争系では、スターはほぼ「よく言ったボタン」である。
だから人気コメントだけ見ていると、特定クラスタの声がやたら大きく見える。
今回見て思ったのは、はてブ政治圏は議論空間というより、かなり陣営別スター投票所になっているということ。
左派は左派で、自民、維新、ネトウヨ、差別、歴史修正主義を殴る。
右派は右派で、フェミ、左派、メディア、共産党、移民擁護、表現規制派を殴る。
そしてスターが付く。
右派系は、反フェミ、反表現規制、反左派メディア、移民慎重論に強い。
雑食系は、増田、Togetter、生活、作品、技術、ニュースを横断する。
そしてスターを見ると、右派・反リベラル・反フェミ系はかなり内輪密度が高い。
平均スター数で常に圧倒しているわけではない。
でも、同じ論点に同じ顔ぶれが集まり、同じ方向にスターを押す力はかなり強い。
つまり、はてブ政治コメントのスターは、もう有用性評価ではない。
これは本当に良いコメントなのか?
を分けて見た方がいい。
というか、政治系の人気コメント欄を世論だと思って読むのは、かなり危ない。