13歳で精神科に強制入院は「適法」、病院の窓から“脱走”した原告の請求棄却 「せめて違法とは言って」東京地裁
●東京地裁「粗暴な言動があり、要件を満たす」
東京地裁は、原告側の請求を全面的に退けた。 一時保護について、神野裁判長は、火山さんが母親に対する粗暴な言動や器物損壊を繰り返していたと認定。 「速やかに対応しなければ、より重大な事態に発展することが懸念される状況にあった」として、児童福祉法上の要件を満たし、適法だったと判断した。 約10人で取り囲んだ態様についても「過剰なものであるとまではいえない」とした。 医療保護入院についても、火山さんは精神障害者で、医療・保護のため入院の必要があり、任意入院がおこなわれる状態になかったと認定。 母親の同意も有効だったとして、精神保健福祉法33条1項1号の要件を満たす適法な措置と判断した。 隔離や通信・面会の制限についても、いずれも適法と結論づけた。 一方、原告側が求めた憲法判断については、各措置が適法である以上、「その余の点について検討するまでもなく、原告の主張は理由がない」として、処分違憲・法令違憲の主張には立ち入らなかった。
●原告「指定医1人の診断で無期限に自由を奪われる」
判決後の記者会見で、火山さんは「(判決の勝ち負けは)正直どうでもいいと思っていた」と振り返った。 「ある程度は違法性が認定されると考えていた。仮にそうでも、失った10日間が戻るわけではない」と話した。 そのうえで「指定医1人の診断で、無期限に自由を奪われてしまうのは理解しがたい」と、医療保護入院の制度そのものに疑問を呈した。
●倉持弁護士「裁判所の認識の甘さを強く感じた」
倉持弁護士は「いわゆる全負けで、非常に不当な判決だ」と述べた。 「8年前に重大な自由の侵害を受けた本人を、法廷で裁判所がもう一度『精神障害者』と認定し、病院がやったことはすべて正しかったと判断した」と批判した。 また、「3年間、しつこいくらい憲法判断をしてほしいと求めてきたが、被告からの反論すら必要ないとして取り合ってもらえなかった」と述べ、「精神科医療と自由・人権に対する裁判所の認識の甘さを強く感じた」と語った。 控訴するかどうかは検討中だが、「代理人としては控訴したいと思っている」と述べた。
弁護士ドットコムニュース編集部