2025.4/30 (スプリセル20mg9日目)



今日は微熱が38℃まで上がったせいか、体がいつもよりもだるかった。



夜になってもなかなか寝付けず、今日の出来事を振り返っていたら、採血がうまくいかずに焦る研修医の先生の姿がなんだか昔の自分と重なって見えて、当時のことを色々と思い出した。




21才、理学療法士(PT)1年目のとき。


初めて弛緩性片麻痺の患者さんを担当した。



その方は80代後半の男性で、元々は中学校の理科の先生をしてた方だった。



教頭や校長への推薦を何度も受けながらも、「生徒の成長や笑顔を一番近くで見守っていたい」と辞退しつづけ、退職するまで担任を持ちつづけたというお話がすごく印象に残ってる。




担当した当初、わたしはその方の移乗が全然うまく出来なくて、上司に見守ってもらったり、手伝ってもらいながら移乗をしてた。



早く上達したいのに、体格差から “重たい”ってことで頭がいっぱいになってしまって、踏ん張りの効かない方のリハビリの難しさに、初めて実際に直面した患者さんだった。



お昼休みや業務後には、よく上司や先輩に患者さん役をお願いして練習に付き合っていただいたりもしてたけど、なかなかコツが掴めず、患者さんが不安に感じるようなやり方でしかできないのが不甲斐なくて、申し訳なくて、ものすごく焦ってた。




そんなとき、


「気にしたらあかん!これで何度も練習したらええ!」


その方は、自分の体を指してそう言ってくれた。




今になって身に染みて分かる、


体力が落ちているときのリハビリは、身体的にも精神的にもものすごくハードで、苦しい。



高齢で普段車椅子で生活されていたその方にとって、立ったり座ったりすることだけでも重労働だったに違いないのに、下手くそな移乗で余計に大変な思いをさせてしまっていても、「これも自分のリハビリ」と、わたしを気遣ってまでくれて。




何度も挑戦したいけど、申し訳なさから躊躇して遠慮してしまうわたしに、


「はい、もう一度やってみなさい!」

「あなたならできる!」


そうやって声をかけてくれた。




初めてその方の移乗がうまくいったとき、「よく出来ました!よう頑張りました!立派な先生やなぁ!」と言って、車椅子から手を伸ばして、よしよしと頭を撫でてくれたなぁ。




女性は力が弱いからとか、小柄で負担が大きいからという理由で、体格の大きな患者さんは男性のセラピストが担当につくケースはよくあると知ってはいたけど、


その方のおかげで、わたしはそのときひとつの自信を持つことができて、小柄な女性でも安心して任せてもらえるPTになるという目標を持つこともできた。




担当した患者さんはみんな覚えてる。



その方はわたしの中で、患者さんだけど先生だった。




今日、その方を一番に思い出して、たかが採血や点滴の針ごときで、いちいち “しんどい” と思ってしまう自分は、人間まだまだだと思った。



上司や先輩だけでなく、患者さんにもPTとして大切に育てていただいたのに、わたしは入院してから今日まで、その方からもらった恩に一度も応えられていなかった。




全部自分のためなのに。


自分のために、みんなが必死になって動いてくれているのに。




反省。


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