【タフカテ注意】"バトロワ"をやります 亜仁満町事件【AI・クロス】

  • 1◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:14:32

    Geminiにプロンプトを読み込ませてバトルロワイヤルゲームをやります
    募集したキャラを戦わせるAISSみたいなものです

    注意事項
    ・通常のAIロワは初
    ・キャラエミュはAIに任せる部分が多い
    ・バトロワが題材なのでキャラが死亡する可能性がある
    ・荒れネタ 実在人物 会場系 意思疎通のできない無機物 ~マネモブ系 品性下劣な修飾語 その他規約違反は禁止
    ・主催判断で安価を弾いたり記載された設定がナーフされる場合がある

    人称・口調・備考・URL:書いてもよい
    画像:同時でも安価後でもよい
    募集:18:45頃の合図で開始
    採用:先着16人

    タフカテ発祥なのでスレ外の方への注意と最低限の解説を入れてます
    語録は使わなくて良いですよ。

  • 2◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:15:52
  • 3◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:17:23

    >>2

    今回読み込ませるプロンプトはこれに改変を加えています


    ここから40分くらいまで質問を受け付けます

  • 4二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:21:23

    チート系のキャラは基本普通に通して場合によっては主催側の判断で調整するって認識でいいんスか?

  • 5二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:21:39

    画像は何枚目安なのん?

  • 6二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:21:46

    お変クキャラはどこまでアリか教えてくれよ

  • 7二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:21:47

    >>3

    オリキャラとかはありですか?

    もちろんキャラの口調や性格はAIに好きにしてもらっても構わないですよ

  • 8二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:24:47

    一応バトルロワイヤルではあるんスよね?
    タイトルが普通と違うからどんな形式か気になっていルと申します

  • 9二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:27:15

    やばっ面白そうだけど手持ちキャラシのストックがねーよ
    まあ間に合わなかったら観戦に回るのん

  • 10◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:27:53

    >>4

    はい!そうですよ(ニコニコ)


    >>5

    多くても困るので6枚程度からキャラシ含めて最大三レスくらい…


    >>6

    ドリス 下ネタなどでなければ通す


    >>7

    (あまり考えてなかったな…)

    今回書き忘れたから通します

    ただ最低限性格などはあった方がやりやすいと考えられる

    オリキャラの場合はpicrewやゲームのキャラメイクを使って1ターン目が始まる前に最低限のビジュアルを用意してくれよ

    メインビジュアルと喜怒哀楽、ダメージor死亡があれば最低限いける…と思う


    >>8

    基本進行は亜仁満町と同じなんだァ

  • 11826/06/07(日) 18:32:22

    >>10

    あざーす

  • 12二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:37:50

    修飾語とかで喋れるようにするのはOKなのん?

  • 13◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:38:56

    >>12

    いいっスよ

  • 14◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:45:00

    以下先着16名をバトロワに招待する!

  • 15二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:01

    このレスは削除されています

  • 16二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:02

    認識してしまうと強い強迫観念に囚われてしまうキャベツ(夜明けより瑠璃色な刃牙)

    一人称:無し

    二人称:無し

    口調:〜レタス

    備考:とても丸いキャベツ ご飯は食べる 自分をレタスだと思っているが本当はキャベツ コレを認識してしまうとコンビニに行き何かを買わなければいけないかコンビニの店員にならなければいけないというどんな人間だろうが怪物だろうが逆らえない強い強迫観念に囚われてしまう、この強迫観念はコンビニの店員になったりコンビニで自分が欲しい物を買う又は手に入れる事で解除される 喋るがその内容は別に能力とは関係ない ロケットランチャーだろうがハンマーだろうが効かない耐久性を持つ 触れた機械がどんなものでも超兵器になる能力を持っている

    https://dic.nicovideo.jp/a/キャベツ%28夜明け前より瑠璃色な%29

  • 17二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:02

    名前:荒川

    原作:Marikinonline4

    一人称:僕

    二人称:○○さん

    口調:砕けた感じの敬語を使い、よく語尾に「す」や「っす」が入る。

    備考:人とも魔物とも似つかない”沼”と呼ばれる種族で常人よりも遥かに身体能力や再生能力が高い

    基本的にずっとボケっとしており人の話をまともに聞かずに空返事を返す

    一部を除きあらゆるモノに無頓着で大事な情報を”聞かれなかったから”と言う理由で話さなかったりする

    感情の起伏が薄くたとえ自分が死にそうになったとしても態度を崩さない

    戦闘狂気質なところがあり戦闘があれば嬉々として参戦する

    戦闘時は途轍もない速度で動き回り対象を切り刻む

    武器は電撃を纏った鉤爪とチェーンソー

    参考URl:https://marikinonline4.game-info.wiki/d/%B9%D3%C0%EE

    https://wikiwiki.jp/mo4-dic/%E3%80%90%E8%8D%92%E5%B7%9D%E3%80%91

  • 18二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:03

    陸上戦艦ザンザス(エースコンバット8)

    一人称:オレ

    二人称:無し

    口調:騒音

    備考:全長450mを誇る原子炉搭載の水陸両用の巨大戦艦 水上ではポンプジェット推進、陸上では8基の無限軌道で推進する 相手の陸地に着いたら海上からそのまま上陸できる 主砲は一国の全範囲を攻撃できる射程を持つレールガン三連砲塔を前に二つ後部に一つと計三つで火力は申し分無い、またその構成から戦艦大和をも思わせる、その他武装に関してもハリネズミのような対空武装に加えて、ミサイルでは殲滅しにくい群れてるせいで虫っぽく見える小型ドローンの群れ・スウォームドローン、UAV、大量のミサイル、二連大口径砲塔四門、側面に地上を攻撃するための対地兵装などと充実している 艦内にドローン3Dプリンターがある 愛称はソトアニアンデスもがみ 側から見ると要塞が動いているように見える 大量の瓦礫に乗り上げても側面の緊急用のスラスターユニットのホバーにより乗り越える

    https://dic.pixiv.net/a/陸上戦艦デスモガミ

  • 19二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:03

    このレスは削除されています

  • 20二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:03

    鹿目まどかとしての自分を取り戻した救済の魔女Kriemhild Gretchen

    参考URL: https://w.atwiki.jp/madomagi/pages/64.html

    一人称:私

    二人称:あなた、みんな、〇〇さん

    口調:生前の鹿目まどかと同じ女の子口調。怯える人々を安心させるような、柔らかい声で語りかける。

    キャラ設定

    自身の正体が「鹿目まどか」であることを完全に思い出しており、かつての記憶や友人への愛情も保持している。かつては「死による救済」を押し付ける魔女だったが、とある少女との対話を経て、「生きることの尊さ」を思い出し、魔女としての歪んだ本能を自身の精神力でねじ伏せることに成功した。現在は、生前同様誰かを守るために力を行使している。普段は生前の魔法少女姿に擬態している。

  • 21二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:04

    アスキン・ナックルヴァール(BLEACH)

    一人称:俺 

    二人称:アンタ、お前 など 

    三人称:あいつら など

    口調:落ち着きのある静穏な喋り方。ユーモアのある言い回しを好み、事あるごとに「致命的」と口にするのが口癖。本人曰く「キツい言葉を遣う奴は余裕が無く見える。俺は余裕のある男でいたい」とのこと。お気楽でつかみどころのない性格をしており、戦闘中にもよく会話を挟んでくる。女の価値の判断基準は顔ではなくオシャレか否か。

    詳細:見えざる帝国の「星十字騎士団」に所属し、「親衛隊(シュッツシュタッフェル)」の一人に抜擢された実力者。一見情けない態度をとるが、優れた洞察力と高い身体能力・耐久力を併せ持つ狡猾な頭脳派。相手の初撃を自力で見切って躱すなど身体能力や耐久力も非常に高い。聖文字は“D”。特定の物質を体内に大量に取り込むことで、その物質の「完全致死量」を自在に操作する「The Deathdealing ― 致死量(ザ・デスディーリング)」という能力を持ち、自身がその物体を摂取することで相手の体内の物質(血液など)の致死量を下げて死に至らしめる。また、相手の攻撃に対する自身の致死量を上げることで「免疫」を獲得し、ダメージの無効化や高速回復が可能。完聖体「神の毒見(ハスハイン)」はこの免疫適応能力をさらに強化し、変化などにも瞬時に適応可能とする形態。相手の攻撃に対する耐性を完全に獲得すれば、実質的な無敵状態となる。


    参考:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30263.html

  • 22二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:04

    マーティ・マウザー(マーティ・シュプリーム 世界をつかめ)

    ​一人称:俺

    ​二人称:お前、あんた

    ​口調:自信に満ちた大口を叩き、まくし立てるように喋る。自己中心的で傲慢だが、どこか憎めない愛嬌もある。

    ​キャラ詳細:

    叔父の靴屋で働きながら「卓球で世界一になる」という野心に取り憑かれている天才卓球プレイヤーの青年。極度のナルシストで口が達者。夢を叶えるためなら詐欺まがいの行動に走り、不倫や浮気上等の口説きで女性に金をたかる利己的な「最低男」だが家族や友人には優しい一面を見せる。卓球への狂気的な執念と不屈のハングリー精神を持っており、その常軌を逸したエネルギーが周囲を巻き込み騒動を起こすトラブルメーカー。卓球に関しては特別な想いを持っており、自分の利益を捨ててまで勝利を求める熱いスポーツマンのプライドも秘めている。

    ​備考:

    極度の近視で分厚い眼鏡を着用。天才的な卓球の腕前と、勝つためならどんなリスクも恐れない勝負度胸を持つ。


  • 23二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:05

    名前:キルア=ゾルディック(HUNTER×HUNTER)

    一人称:オレ

    二人称:お前/あんた/名前呼び

    口調:

    軽口混じりのラフな少年口調。冷静沈着で非常に頭の回転が速く、相手を茶化すような言い回しも多い。

    普段は飄々としているが、戦闘時や感情が昂った際には鋭く冷徹な声音へと変化する。仲間には比較的素直で、特に信頼した相手には年相応の感情を見せることもある。危険を察すると無茶な行動は避ける慎重派であり、年若いながらも達観した価値観を持つ。

    概要:暗殺一家「ゾルディック家」に生まれた天才少年ハンター。幼少期から殺人術・毒耐性・拷問耐性などを叩き込まれて育ったため、年齢離れした戦闘能力と判断力を持つ。暗殺者としての資質も一族でピカ一とされ、将来を期待されている。一方で、家族によって自由を奪われ続けた過去から、”普通の友達”や自由な生き方に強い憧れを抱いている。普段は面倒臭がりでクールに振る舞うが、仲間への情は深く、特に大切な相手を守るためなら危険を顧みない一面もある。また、暗殺者として染み付いた冷酷さと、人間らしい優しさとの間で葛藤する描写も多い。念能力は、オーラを電気へと変化させる「変化系」。戦闘では自らの肉体へ電気の負荷をかけることで、限界を超えた速度と反射能力を発揮する「神速(カンムル)」を使用する。

    「神速」は、相手の動きに反応してあらかじめ設定された動作を超高速で行う「疾風迅雷」と、自身の意思によって自在に動き、高い応用力を発揮する「電光石火」の二つのスタイルに分かれる。「神速」と電気をまとった貫手、直接相手に電気を叩き込む「雷掌」で敵を圧倒する。


    参考URL:https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%82%A2%3D%E3%82%BE%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF

  • 24二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:06

    名前: ピエール

    原作: Library Of Ruina

    一人称: 私

    二人称: あなた

    口調:「あらあら」「~かしら?」といった、余裕のある大人の女性のような柔らかい口調だが狂気の無邪気さや人間を食材と見ている一面がある

    キャラ詳細:都市の23区裏路地で「ピエールのミートパイ」を営む料理人。23区の裏路地は、美食のためなら手段を選ばないことで悪名高い裏路地である。

     得意料理は、人間を使ったミートパイと、生きたまますり潰して作る肉ジャム。単なる舌の快楽ではなく、工程そのものを味として感じさせる“究極の美味”を追求している。その果てに辿り着いたのが、食材を苦しめる調理法だった。

     彼女は、都市の星に至った究極の味を求める料理人集団「8人のシェフ」になるため新鮮な食材を探している。

    参考URL:https://library-of-ruina.fandom.com/ja/wiki/ピエール


  • 25二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:07

    ギュウジン丸(デュエル・マスターズ)

    性別:男

    一人称:ワタシ

    二人称(三人称):君、(名前)君、君たち、

    口調:少々小物感の混ざったニヒルな口調、テンションが上がると横文字が多くなったり早口になりがち

    備考:天才と自称するに足るだけの優れた叡知をもつ科学者だがその天才的な頭脳を危険視され追放された過去をもつ

    冷静かつ老獪な人物であり、1つの策に固執せずいくつもの策を張り巡らせ結果として目的を達成できればいいという考え方をしている。

    「世界は天才によって管理されるべき」と天才を自負するが故の傲慢や征服欲は持っていたものの、元々はあくまでも争いの絶えない世界で生きる者達のことを本人なりに考えてのことであり、数々の悪行も「世界を管理する使命を持つ者として、世界を破壊しようとする存在は見過ごせない」という使命感から始めたことであった

    本性は巨大な機械生命体であり、人のような姿は仮初のもの

    参考URL:https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://dic.pixiv.net/a/%25E4%25BC%259D%25E8%25AA%25AC%25E3%2581%25AE%25E6%25AD%25A3%25E4%25BD%2593_%25E3%2582%25AE%25E3%2583%25A5%25E3%2582%25A6%25E3%2582%25B8%25E3%2583%25B3%25E4%25B8%25B8&ved=2ahUKEwiMlp3_5eCUAxVJs1YBHUWcIfEQFnoECCgQAQ&usg=AOvVaw2qtdyBET-FwsPx-qzIqn0M


    https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://dmwiki.net/%25E3%2582%25AE%25E3%2583%25A5%25E3%2582%25A6%25E3%2582%25B8%25E3%2583%25B3%25E4%25B8%25B8&ved=2ahUKEwiMlp3_5eCUAxVJs1YBHUWcIfEQFnoECA8QAQ&usg=AOvVaw3W416KjAgaZ4b7ONpSC3Qw

  • 26二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:07

    名前:極星獅子堂イズミガロア(ブルーアーカイブ/モンスターハンター)
    一人称:私
    二人称:呼び捨て/あなた
    口調:「~だよ」「~だね!」といった元気いっぱいでフランクな口調。
    性格:天真爛漫でポジティブな性格。いつもあっけらかんとしており、物事についてあまり深く悩まない。
    キャラ詳細:
    【原作における設定】
    フルネームは獅子堂イズミ。ゲヘナ学園に所属する高校二年生。美食を追求する過激派部活動『美食研究会』のメンバーであり、なんでもよく食べる食いしん坊少女。
    しかしその味覚は常人離れしており、"チョコレートとハンバーガー""たこ焼きにイワシとミント"など万人が敬遠するような組み合わせのゲテモノまで好んで食べてしまう。
    (一方で普通の食事を美味しいと感じる感性もきちんとある)
    本人に悪意こそ無いが、食への執着から美食研究会の過激な活動(接客態度の悪い店を爆破するなど)に加担することも多く、イズミ個人も食事の時間を邪魔された際にはそれなりに怒る。
    固有武器は重量級のマシンガン『デイリーカトラリー』。
    【二次創作下で付与された設定】
    モンスターハンターシリーズに登場する頭足類型の古龍種『骸龍オストガロア』となぜか一体化したことで腰から一対の長い触腕が生えている。
    オストガロアはこの触腕に食べ残したモンスターの骨を纏うことで『双頭の龍』に擬態しており、イズミに生えた触腕も同様。
    戦闘の際は触腕を用いた叩きつけのほか、先端から青く粘度の高い体液をビーム状にして放つことで獲物を拘束あるいは排除する。
    更に追い詰められると粘液に代わって赤黒い龍属性エネルギーを用いるようになる。
    また、周囲一帯の生態系を食い尽くして壊滅させるほどに食欲旺盛なモンスターでもあり、そこにイズミ本人の悪食が重なることで負の相乗効果を発揮している様子。

  • 27二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:07

    ナギ(願いは命の尽きるまで)

    一人称:私

    二人称:あなた

    口調:基本的には敬語を使わず親しい人に話しかけるようなくだけた口調である。語尾には「ね」や「だよ」や「んだ」などを頻繁に用い、全体的に柔らかく穏やかな印象を与える。

    相手に質問をする際は「の」や「かな」などを使い優しく問いかける。相手の境遇を気遣い寄り添うような言葉選びをする一方で、寿命を対価にするという事実については淡々と語るなど幼さの中にどこか達観したような雰囲気を併せ持っている。自身の考えを伝える際は「から」や「だけど」といった言葉を使い感情的にならずに自分の意見を述べる。また相手に謝罪をする際はごめんなさいと素直に伝える。

    備考:相手の寿命を対価にして、その人の願いを叶える“チカラ”を持つ謎の少女。

    相手の余命も知覚するが、終わりを知る事は良くないことだという考えから、その人に教えはしない。

    大きな願いである程必要な寿命も大きくなり、必要な寿命がその人の余命を超えた場合には即死するが願いは叶えられる。

    “チカラ”を知る他者が願えば少女当人の同意を得なくても寿命を対価に願いは叶えられる。

    ナギはミステリアスな雰囲気を纏う優しい少女であり、例え見知らぬ相手であっても暗い顔をしていれば善意から自らの“チカラ”で願いを叶えることを提案する。もちろん強制はしないものの、“チカラ”によって死亡してもそこまでして叶えたい願いを叶って死ぬのは幸せな事として気軽に声をかけている。

    参考URL:https://unityroom.com/games/lifespan-wish

  • 28二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:07

    このレスは削除されています

  • 29二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:08

    名前:クリーパーカー
    備考:野生のクリーパーを何者かが擬人化して作成した人間。
    クリーパーと同じ様に静かに近づいて自爆する。自爆した場合は別の場所にリポップする。
    かなり感情豊かでフレンドリーな話し方をするが爆発する時は警告とか無しにすぐに爆発する。

  • 30二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:08

    ガニシュカ(ベルセルク)

    一人称:余 二人称:貴様、汝、お前 口調:大帝としての威厳と絶対的な自信に満ちた、傲慢で尊大な口調。他者をひたすらに見下す。(例:「余に逆らうか、矮小なる者よ」「余は恐怖せぬ!」)

    キャラ詳細: 地上最大の版図を持つクシャーン帝国の皇帝であり、強大な力を持つ使徒です。かつて実母や息子から暗殺されかけた過去から極度の人間不信に陥っており、二度と恐怖を味わわないため絶対的な力と支配を渇望しています。使徒でありながらゴッド・ハンド(光の鷹)に服従することを拒否し、真っ向から反逆を企てる特異な存在です。己の恐怖を塗り潰すために世界を踏みにじる暴君ですが、その底には深い孤独と怯えが潜んでいます。

    備考: 雷や霧と化す強力な使徒形態を持ち、物理攻撃をほぼ無効化します。後に巨大な「魔帝(シヴァ)」へと転生します。

    URL

    https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AB


  • 31二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:08

    名前:ユフィール

    原作:メギド72

    一人称:私

    二人称:貴方/さん付け

    口調:優しい・ゆるふわな口調、医療行為の際は真摯な口調

    キャラ説明:悪魔の異世界メギドラル出身の看護師。

    見た目に合わせゆるふわな性格であり、相手に対し優しく親身に寄り添う。とはいえ医療に対しては非常に真摯で軍医としての覚悟も併せ持つ。現在は各地を訪問しつつ医療行為を行いながら、時には軍団メギド72の看護師として働いている。


    メギドラルにおいて、重要な地位につくメギドたちの健康管理を担当していたメギドであったが、研究者としての顔も持っている。かつて、悪魔達が人間界で活動するための器とするために人間の死体を改造する技術を他の数人のメギドと共に開発したが、死体への冒涜や生きた人間への残忍な所業に耐えられなくなり、メギドラルから逃亡することになる。

    生きた人間を弄んだ自責の念を強く抱えており、人間界における医療行為に自らの生涯を捧げることで罪滅ぼしと考えている。医療行為を天秤に取られるぐらいなら戦争を選ぶレベル。


    戦闘は不得意だが治療行為や体力の補強などでサポートを行う。

    メギド体は天秤を模した姿。この姿になると治療だけではなく瀕死の生命に対する蘇生も行うことができる。


  • 32二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:09

    ホルマジオ(ジョジョの奇妙な冒険)


    【一人称】 俺

    【二人称】 お前、あんた(通常時)、てめー(敵対者や激昂時)、呼び捨て

    【口調】

    普段は「〜だろ」「〜じゃあねえか」といった、気さくで飄々としたチンピラ風の口調。相手を小馬鹿にする態度をとるが、戦闘時や窮地に陥った際、激昂した時は「てめー」「〜しやがれ」など荒々しくなり、暗殺者としての冷酷な本性を露わにする。口癖は「しょうがねーなぁ」。(ただし文脈を無視しないこと)


    【キャラ詳細】

    ギャング組織「パッショーネ」の暗殺チームに所属する男。飄々とした態度でどこか憎めないチンピラのような雰囲気を漂わせているが、本質は目的達成のためなら手段を選ばない冷酷な暗殺者。『スタンド能力の「くだる」「くだらない」とは頭の使い方一つ』という持論を持っており、能力を完全に理解し機転と知略でカバーする狡猾さを持つ。観察眼が非常に鋭く、僅かな違和感から嘘や状況を正確に見破る頭脳派。猫を小瓶に詰めて飼う悪趣味な一面がある一方、追い詰められても決して屈せず、最期まで任務を全うしようとする暗殺者としての異常なまでの執念とプロ意識を秘めている。


    【備考】

    切りつけた対象を徐々に縮小させるスタンド『リトル・フィート』を操る。自身は瞬時に縮小可能。直接的な戦闘力は低いが、縮小による時間差や元に戻る際の物理法則、周囲の環境を巧みに利用し、相手を確実に追い詰める狡猾で計算高い知略戦を得意とする。


    【参考URL】

    https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/17799.html

  • 33二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:10

    名前(出典):クラウン(勝利の女神∶NIKKE)

    一人称:私

    二人称:あなた

    口調:王としての品格と威厳に満ちた、凛とした丁寧な言葉遣い。しかし、世間知らずゆえの言い間違いや勘違いが多く、それを誤魔化す際や慌てた時にはコミカル(ギャグ調)な口調になる。

    備考:クラウン王国の王を名乗るピルグリム。常に民に寄り添うことを忘れない高潔な精神と、強い意志・行動力を合わせ持つ。王としての品格を損なわないよう堂々と振る舞うが、世間知らずで無知な面もあり、言葉の言い間違いや勘違いをしては側近のチャイムに突っ込まれている。元々は部隊の生き残りとして、地上奪還後のための特殊農作物の種子(ハイパーフード)が眠る古城を一人で守っていたが、チャイムとの出会いをきっかけに『王』として生きる目標を見出した。自らの民となった者を何よりも大切にし、彼らの願いや意思をどんなものでも尊重し、命懸けで守り抜くことを絶対の行動原理としている。

    無敵化や挑発、強力な各種バフやバリアで味方を守る。高い基本戦闘能力に加え、切り札として拡張武装『ネイキッドキング』を持つ。これは体内のエブラ粒子を熱エネルギーに変換して放つもので、優雅に歩くだけでラプチャーの大群を瞬時に溶解させる圧倒的な破壊力を持つが、使用後に装備が外れローブ姿になるデメリットがある。

    参考URL:https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%28%E5%8B%9D%E5%88%A9%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%A5%9E%3ANIKKE%29


  • 34二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:10

    戒野ミサキ(ブルーアーカイブ)

    一人称:私

    二人称:あなた/呼び捨て

    口調:口数少なめな冷静な少女という感じ

    備考:冷静沈着な性格で戦況把握・判断に秀でており、仲間の安全に腐心していた仕事人。

    希望のカケラもない人生に絶望している諦観主義者。そのために何事に対しても虚無的で退廃的であり、口数が少なく感情を読み取りにくい人物。

    自他に価値などないと冷めた態度を取る反面、意外とプライドが高い一面もあり、人に自身の内面や醜態をさらすのをひどく嫌う。

    元花粉症のためかマスクをつける習慣がある。普段から自傷行為を繰り返している。

    参考URL:https://bluearchive.wikiru.jp/?ミサキ

  • 35二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:11

    このレスは削除されています

  • 36二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:13

    このレスは削除されています

  • 37二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:14

    新妻 エイジ(にいづま えいじ)

    原作バクマン。

    一人称ボク

    二人称あなた、〇〇先生(実力を認めた漫画家に対して。例:亜城木先生)、〇〇さん口調基本的には丁寧語(〜です、〜ます)で喋りますが、子供のように純粋で無邪気な話し方をします。

    感情が高ぶると「シュバババ!」「ズガガガガ!」など、漫画の擬音(オノマトペ)を口に出すのが最大の特徴です。

    セリフ例:「ボクは面白い漫画を描ければそれでいいんです!」「シュババババ!いいネームが浮かびました!」

    備考外見:いつも楽なスウェット(ジャージ)姿。背中にはトーンのカスを払う「羽ぼうき」を数本突き刺しています。特技:大音量で音楽を流しながら、ものすごいスピードで漫画を描くことができます。その他:青森県出身。漫画を描くこと以外にはあまり興味がなく、お金の管理も編集者に任せています。

    性格天才肌で超マイペースな変わり者です。しかし中身はとても純粋で、誰よりも漫画を愛しています。他人の才能を見抜く目が天才的に鋭く、ライバルの成長を心から喜べる熱くて優しい心の持ち主です。

    https://dic.pixiv.net/a/%E6%96%B0%E5%A6%BB%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8


  • 38二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:14

    名前:酒寄彩葉

    性別:女性

    年齢:17

    登場作品:超かぐや姫!

    一人称:私

    二人称:あなた

    三人称:呼び捨て

    口調、性格:普段は学業とバイトに追われているため、落ち着いた現実的な話し方をするが、仮想空間<ツクヨミ>のトップライバーである「月見ヤチヨ」の配信を見ている時など、推し活モードに入ると熱量が高くなる。わがままなかぐやに対しては、呆れつつも放っておけない面倒見の良さを見せる。

    概要:都内の進学校に通う17歳の女子高生。勉強も運動も得意な優等生だが、自身の生活費や学費を自分で稼がなければならない事情があり、学業とアルバイトの両立で超絶多忙な日々を送っている。日々の癒やしは、インターネット上の仮想空間<ツクヨミ>で、大人気ライバーである月見ヤチヨの配信を観ることや、バトルゲームで細々とお小遣い稼ぎをすること。かつては自分でも音楽(楽曲)を作っていた音楽経験者だが、とある理由から音楽活動から離れていた。

  • 39二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:15

    名前(出典):トリガーハッピー暁美ほむら

    原作:魔法少女まどか☆マギカ

    一人称:私

    二人称:あなた

    口調︰冷静な女性の口調

    備考:事あるごとに銃を撃ちまくっている暁美ほむら。その変質は銃撃。思考回路は正常だが、とにかく銃火器を撃つことが目標達成への最短距離だと信じている。

    参考URL:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/59.html

  • 40二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:22

    このレスは削除されています

  • 41二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:23

    名前: アダム・スマッシャー

    原作: サイバーパンク:エッジランナーズ

    一人称:俺

    二人称:お前

    口調:下劣さはないが言葉遣いが荒い男口調で話す。

    詳細・備考: ナイトシティに存在するレジェンドの一人にして、アラサカ警備隊長の男で世界最強クラスの傭兵。

    全身をサイバーウェアで換装していて、生身である部分は脳だけと言われる程に肉体を改造している。

    そしてそれだけ密度の高い改造を施しているだけあり絶大な実力を誇るが、性格も冷静にして冷酷非情な戦闘狂であり、真正のサイコパスである。

    理性を持ったナチュラルサイバーサイコシス、生まれながらの機械とも言われる。

    長きに渡りアラサカ社に仕え、アラサカ社からの命令をただこなす存在である。

    猛烈な近接攻撃と機関銃掃射、ミサイルランチャーを駆使して戦う。

    さらにサンデヴィスタンと呼ばれるシステムを使用することで移動速度及び全般的反応速度が爆発的に速くなり、動きで相手を翻弄し攻撃する。

    参考URL: https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC

  • 42二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:45:41

    >>16

    あっ間違って関係ないキャラシの画像載せちゃったのん

  • 43◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:46:19

    確認するからちょっと待っててね…

  • 44二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:46:25

    負けた負けた負けた負けた負けた負けた負けた負けた負けた
    投稿に失敗しました…糞

  • 45二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:47:14

    ギリギリ負けた…周師匠だ

  • 46二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:47:57

    このレスは削除されています

  • 47◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:49:04

    >>43

    とりあえずザっと見た限り大体通せそうだと思います

  • 48二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:50:35

    画像ok?

  • 49二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:50:44
  • 50二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:51:11

    >>26

    ちょっと待てや

    このオストガロアとイズミの融合体はなんや?

  • 51二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:52:14
  • 52◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 18:53:21

    >>48

    もう貼ってる人がいるけどいいよ

    >>30まで通します

  • 53二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:53:25
  • 54二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:54:06

    >>21

    (失敗を悟り)

    (やられ)

  • 55二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:54:58
  • 56二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:55:28

    このレスは削除されています

  • 57二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:55:47
  • 58二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:55:51

    このレスは削除されています

  • 59二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:56:26
  • 60二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:56:44

    アスキンは毒ちいかわと相性がよさそうでリラックスできますね

  • 61二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:58:12

    強くなれアスキン…!お前が毒ちいかわ係になるんだ

  • 62二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 18:58:40

    このレスは削除されています

  • 63◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:00:06

    参加者

    身長2mの毒ちいかわ
    認識してしまうと強い強迫観念に囚われてしまうキャベツ
    荒川
    陸上戦艦ザンザス
    滝澤政道
    鹿目まどかとしての自分を取り戻した救済の魔女Kriemhild Gretchen
    アスキン・ナックルヴァール
    マーティ・マウザー
    キルア=ゾルディック
    ピエール
    ギュウジン丸
    極星獅子堂イズミガロア
    ナギ
    シックス
    クリーパーカー
    ガニシュカ

    最終確認OK?

  • 64二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:01:52

    >>63

    イーヨーッ

  • 65二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:02:06

    >>63

    うん

  • 66二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:02:33

    このレスは削除されています

  • 67二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:03:08

    >>63

    16名揃ってルと申します 出力開始だGOーッ

  • 68二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:03:20

    >>66

    消えろ

  • 69二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:04:18

    このレスは削除されています

  • 70心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/06/07(日) 19:04:40

    >>66

    むつみ そういうのはやめろ

  • 71◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:06:28

    しゃあっ プロローグ始めるから待っててね…

  • 72心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/06/07(日) 19:06:36

    それはそうと今回の面子は割としっかりバトルロワイヤルしそうな感じやのォ ですねぇ
    期待してるよ だから無理しないでね

  • 73◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:08:22

    どこにでもあるような、平穏な現代日本の風景。

    小鳥の囀りが聞こえ、アスファルトには穏やかな陽光が降り注いでいる。

    しかし、その見慣れた日常の裏側に、異質で不吉な毒が静かに滴り落ちようとしていた。


    「……っ、痛てて……」


    冷たいコンクリートの感触に顔を顰め、滝澤政道はゆっくりと身を起こした。

    見覚えのない路地裏。自分の制服は無事であり、いつもの見慣れた景色ではないことに気づく。

    周囲を警戒するように見回すが、そこにあるのはただのゴミ箱と自動販売機だけだった。


    「なんだここは……喰種の罠か……!?」


    ふと、左腕に妙な違和感を覚える。

    見慣れぬ無骨な金属の腕輪が、手首にぴったりと張り付いていた。


    「なんだこれ……取れねえ。どうなってんだよ、俺は本局で事務仕事を……」

  • 74◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:10:40

    時を同じくして、見晴らしの良いビルの屋上。

    キルア=ゾルディックは、目を覚ますなり無音で跳ね起き、即座に臨戦態勢をとった。

    己の体に異常がないか、念の練りに問題がないかを瞬時に確認する。異常はない。しかし、左手首に嵌められた冷たい金属の感触だけが、彼に現状の異常さを物語っていた。


    「……変な所に飛ばされたな。誰の念能力だ?」


    軽く腕輪を引っ張ってみるが、外れる気配はない。下手に力任せに壊せば、痛い目を見るのは自分だろうという暗殺者としての直感が彼に警告を発していた。


    「面倒くせーことになったな。早く状況を把握しねーと……」


    陽の光が差し込む誰もいない公園のベンチで、彼女はそっと目を開けた。

    魔法少女の姿のまま見知らぬ場所に降り立った鹿目まどかは、自らの腕にある無機質な腕輪を見つめ、悲しげに目を伏せる。


    「ここは……どこかの街?」


    かつての自分を取り戻し、誰もが絶望しない世界を望んだ彼女にとって、この腕輪から放たれる『死』の気配はあまりにも生々しかった。

    誰かが、自分たちを戦わせようとしている。その直感に、彼女はきつく唇を噛み締める。


    「こんな残酷なこと……絶対にさせない。私が、みんなを守らなきゃ」

  • 75二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:11:28

    なにっ謎の腕輪
    今回は制限かけてるタイプ?

  • 76二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:11:34

    このレスは削除されています

  • 77◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:13:50

    参加者たちがそれぞれの場所で現状を推し量ろうとしていたその時。

    突如として、彼らの手首に嵌められた腕輪から、抑揚の一切ない無機質な音声が流れ始めた。


    『全参加者に告ぐ。これより、ゲームを開始する』


    その声は、性別も年齢も、感情の欠片すら読み取れない完璧なシステム音声だった。


    『ルールはただ一つ。最後の1人になること。他者を排除し、最後まで生き残った生存者には、文字通り『1人1つ願いを叶える』権利が与えられる』

    『君たちに装着された腕輪は、自身の状態や死亡者のリストを確認するための管理端末である』

    『無理に外そうとする、あるいは指定されたエリア外へと離脱しようとした場合、腕輪は即座に起爆し、装着者の命を奪う』

    『健闘を祈る』


    >>76

    恐らく今回はキャラシ的に想定通りだと思われるが…

  • 78二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:15:10

    あっ腕輪は端末なんスね

  • 79◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:16:15

    一方的な宣告とともに、音声はプツリと途絶えた。


    「願い、ねえ……!」


    住宅街の路上で目を覚ましたマーティ・マウザーは、分厚い眼鏡の奥の目をギラつかせ、ニヤリと笑った。


    「世界一の卓球プレイヤーになる俺に、神様が用意したボーナスステージってわけか。上等じゃねえか。どこの誰だか知らないが、せいぜい特等席で俺の活躍を見てな!」


    一方で、街を見下ろす高い鉄塔の上に立つシックスは、退屈そうに鼻で笑った。


    「くだらない。最後の1人になるまで殺し合うだと? 私に指図をするとは、ひどく身の程を知らない猿がいるようだ」


    彼にとって、誰かの手のひらの上で踊ることなど屈辱以外の何物でもない。だが、悪意を撒き散らす舞台としては悪くない。


    「願いなどという陳腐な餌に群がる愚者どもに、本物の絶望というものを教えてやろう」


    多種多様な世界から集められた参加者たち。

    理不尽極まりないデスゲームの幕が、静かに上がった。

  • 80二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:17:26

    おーっプロローグの時点で期待出来るのん

  • 81二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:20:41

    おおっ

  • 82二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:20:56

    (ワシのコメント)

    ハッキリ言ってこのスレ主はめちゃくちゃ手際が良い。

    プロンプトの改変に加えて募集から30分足らずでプロローグ投稿までやり切ってるんだから憧れるーよ。

  • 83◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:22:28

    1ターン目


    【見えざる檻と致命的な境界】


    亜仁満町の外れ、山間へと続く道路。

    アスキン・ナックルヴァールは、だるそうに首を鳴らしながらアスファルトを踏みしめていた。


    「やれやれ……面倒なことに巻き込まれたもんだ。願いなんてガラじゃないんだがね」


    彼は左手首の腕輪から展開された仮想タッチパネルのホログラムマップを見つめ、目の前の景色と照らし合わせる。

    マップ上では、自身の現在位置のすぐ先が赤く点滅する境界線となっていた。


    しかし、現実の風景には何の物理的な壁もない。ただののどかな田舎道が続いているだけだ。

    アスキンは落ちていた石ころを拾い上げ、境界線の向こう側へと放り投げる。石はなんの干渉も受けずに転がっていった。


    「なるほどね。物理的な壁はないが、この腕輪がエリア外に出た瞬間に起爆するか、あるいは問答無用で吹き飛ばすって寸法か」


    彼は肩をすくめ、踵を返した。


    「ここから先へ一歩でも踏み出せば、間違いなく『致命的』だ。初日から退場なんてごめんだね。とりあえず、安全圏でゆっくりさせてもらうとするか」

  • 84心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/06/07(日) 19:24:15

    >>82

    俺と同じ意見だな…手際の良さは見習いたいですね 本気(マジ)でね

  • 85◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:25:49

    【平和な日常という名の枷】


    中央交差点の片隅、看板の陰に身を潜めながら、滝澤政道は冷や汗を流していた。

    行き交うスーツ姿のサラリーマン、談笑する女子高生、そして自転車でゆっくりとパトロールをしている警官。

    亜仁満町は、喰種の影すら感じられない、あまりにも平和な現代日本の街だった。


    「嘘だろ……殺し合いつったって普通の街じゃねえかよ……!」


    滝澤は自身のポケットを探り、クインケの存在を確かめる。だが、それをここで抜くわけにはいかない。

    もしここで他の参加者と遭遇し、ドンパチを起こせばどうなるか。


    「確実に騒ぎになる……。警察が出張ってくれば、ただでさえ怪しい俺たちは一斉に包囲網を敷かれる。最悪、一般市民を巻き込む大惨事だ」


    喰種捜査官として、無辜の市民を危険に晒すことなど絶対に許されない。


    「今は動くべきじゃない。とにかく情報を集めて、無用な戦闘は避けるんだ……。生き残るためにも、市民を守るためにも……!」


    彼は息を殺し、街の風景に溶け込むように路地裏へと深く身を沈めた。

  • 86二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:27:36

    あうっ普通の人間がいるのかあっ

  • 87二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:28:05

    一般市民がいるなんてワタシは聞いてないよッ

  • 88二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:28:35

    いやあああ

  • 89二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:29:24

    あの…この調子で行くと一般市民が大勢いる中で戦艦やら毒ちいかわやらが出現するんスけど……いいんスかこれで…

  • 90◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:29:33

    【腹ペコ双頭龍と好奇の目】


    「あはは……なんだか凄くお腹が空いてきちゃったなー!」


    住宅街の一角にあるコンビニ『セイコマート』の自動ドアの前で、極星獅子堂イズミガロアは無邪気に笑っていた。

    しかし、周囲の空気は完全に凍りついている。

    彼女の腰から生えた巨大な青白いオストガロアの触腕が、骨を纏いながらぬらぬらと蠢き、さらに手には身の丈ほどもある重量級のマシンガン『デイリーカトラリー』が握られているのだ。


    「ママ、あの人コスプレ? なのに巨大なイカの足が生えてるよ?」

    「見ちゃダメ! 早く行きなさい!」


    買い物客や通行人が悲鳴を噛み殺し、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。中にはスマートフォンを構え、警察に通報しようとする者もいた。


    「あれ? みんな急にどこ行くんだろ。まあいいや、とりあえずおにぎりとハンバーガーと、あとミントアイスを挟んで……」

  • 91二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:29:40

    なんかマネモブロワみたいやのぉ。

  • 92◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:30:01

    のんきに店内に入ろうとするイズミの背後から、柔らかい声がかけられた。


    「あらあら。とても……珍しいお嬢さんね」


    振り返ると、そこには上品な笑みを浮かべた女性、ピエールが立っていた。彼女の瞳は、イズミの背後で蠢く巨大な触腕を、まるで極上の霜降り肉を見るようなねっとりとした熱を帯びて観察している。


    「うわぁ、綺麗なお姉さん! お姉さんもお腹すいてるの?」

    「ええ、とても。でも……今は少し、周りが騒がしすぎるみたいね。残念だけど、調理はまた次の機会にするわ」


    遠くからパトカーのサイレンらしき音が聞こえ始めたのを確認し、ピエールは優雅に微笑んだまま路地の奥へと姿を消した。


    「……? 変なお姉さんだね。あ、やば、パトカー来ちゃった! 私も逃げなきゃ!」


    イズミもまた、通報の厄介さを察し、巨体を揺らしながら猛ダッシュでその場を離脱した。

  • 93二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:31:22

    おおっ都市の住民が殺すのを控えとる!現代社会の法律が効いとるんやっ

  • 94二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:32:48

    この後陸上戦艦が上陸してくるの笑ってしまう

  • 95◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:36:11

    【雷雲の暴君と不可視の鎖】


    キイチの森の奥深く。

    薄暗い木立の中で、大帝ガニシュカは全身を怒りに震わせていた。


    「余を……この地上最大の版図を持つ余を、見知らぬ土地に閉じ込め、虫ケラどもの殺し合いに参加させると言うのか……!!」


    彼の尊大なプライドが、この屈辱的な状況を許せるはずがなかった。


    「くだらぬ! 矮小なる者どもの戯れなど、この余が雷雲となり、この街ごとすべて消し炭にしてくれるわ!!」


    ガニシュカの咆哮とともに、周囲の空気が急速に冷え、彼の肉体が巨大な雷と霧の塊─強大な使徒形態へと変貌を遂げる。

    空を覆い尽くすほどの魔帝の力を解放し、一撃で街ごと全てを吹き飛ばそうと極大の雷撃を練り上げた、その瞬間だった。


    霧と化した肉体に絡みつくように固定されている腕輪が、警告音を飛び越えた異常な高周波を放った。


    「ガァァァァァッ!!?」

  • 96◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:36:29

    激しい放電現象が腕輪から逆流し、ガニシュカの雷雲の巨体を強烈な苦痛と共に強引に収縮させる。

    霧と雷という使徒の姿そのものを保つこと自体は可能だったが、その出力は目に見えて制限され、街を丸ごと消し去るほどの膨大なエネルギーは強制的に霧散させられていた。


    「な、なんという……ッ! 使徒たるこの余の絶対的な雷が、たかが腕輪風情に封じ込められるというのか……!!」


    荒い息を吐きながら、ガニシュカは自身の左腕あたりで鈍く光る腕輪を憎悪に満ちた眼差しで睨みつけた。ルールを根底から破壊するような過剰な力は、システムによって明確に抑え込まれたのだ。



    その一部始終を、少し離れた木の枝の上から、ギュウジン丸が静かに見下ろしていた。


    「フム。やはり規格外のエネルギー出力はシステムのプロテクトに弾かれるというわけだ。ワタシの天才的な頭脳をもってすれば、あのチープな腕輪の制限機構がいかに強固にデザインされているかなど一目瞭然なのだがね」


    彼はニヒルな笑みを浮かべながら、首を振る。


    「己の首を絞めるような無駄なエネルギー消費はノーサンキューだ。今は他の連中がどう動くか、静かに観察させてもらうとしよう」


    ギュウジン丸は誰に言うでもなく呟き、森のさらに奥へと気配を絶って消えていった。

  • 97二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:37:44

    ふうんチートキャラはこういう形で抑えられるということか

  • 98二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:38:28

    このレスは削除されています

  • 99二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:38:41

    そもそも腕がない奴いるけどどないする?
    まぁええやろ

  • 100二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:39:51

    >>94

    いや意外と陸上戦艦はそんなに怖くない

    危ないのは故郷を壊滅させてきた毒ちいかわの出現だ

  • 101二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:41:12

    現代社会だとキャベツも色々やばそうでリラックスできない

  • 102◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:41:21

    【卓球狂と底知れぬ沼】


    住宅街の一角、ゲームセンター「NEKAPIN」のけばけばしいネオンサインが、昼間の光の中でも虚しく点滅していた。


    「チッ、どいつもこいつもピコピコと電子音鳴らす機械ばっかりじゃねえか。卓球台のひとつも置いてないなんて、この街はセンスがねえな」


    分厚い眼鏡を押し上げながら、マーティ・マウザーは不満げに悪態をついた。

    世界一の卓球プレイヤーを目指す彼にとって、ここがどこであろうと、デスゲームの最中であろうと、第一に探すべきは己の腕を振るうための卓球台である。

    舌打ちをしながら路地を引き返そうとしたマーティの視界に、妙な人影が映った。

    人でも魔物でもない、ただ静かに佇む“沼”のような質感を持つ青年、荒川だ。


    「おい、お前! 見るからに変なツラしてんな。俺はマーティ・マウザー、いずれ卓球で世界を獲る男だ!」


    マーティは持ち前の傲慢さと大口で、初対面の相手に対しズカズカと距離を詰めた。


    「あんた、このへんで卓球ができる場所を知らねえか? 今すぐウォームアップがしたいんだ。知ってるなら案内しろ!」

  • 103◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:41:38

    まくし立てるマーティに対し、荒川はどこか焦点の合わないぼーっとした瞳をゆっくりと向けた。


    「……ん? ああ、ちわっす」


    荒川の返事は、マーティの熱量など一切気にしていないかのように、ひどく間の抜けたものだった。


    「卓球……っすか? さあ、どうっすかね。僕、そういうのよくわかんないっす」

    「なんだその気のない返事は! こっちは真剣なんだよ! あんたもこのフザけたゲームの参加者なんだろ!?」

    「あー……そうなんすね。頑張ってくださーい」


    荒川は空返事のまま軽く会釈すると、マーティに背を向け、フラフラとあてのない足取りで歩き去っていった。

    戦意も敵意も、微塵も感じられない。


    「……なんだあいつ、気味が悪い奴だな。まぁいい、今はあんな底抜けのバカを相手にしてる暇はねえ。俺の華麗なスマッシュを見せつける舞台を探さねえとな!」


    マーティは肩をすくめ、再び意気揚々と街の探索へと戻っていった。

  • 104◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:44:01

    【純白の魔法と暗殺者の推理】


    キイチの森と中央交差点とを繋ぐ、見晴らしの良い歩道。

    鹿目まどかは、胸の前で両手をきつく握り締めながら周囲を見渡していた。

    平和な街並み。その裏で確実に進行している、理不尽な殺し合い。かつて魔法少女としての過酷な運命を背負い、それを覆した彼女にとって、他者が傷つくことなど到底見過ごせるものではなかった。


    「誰か……お話を聞いてくれる人はいないかな……」


    祈るように呟いた彼女の視線が、ふと前方の木陰に佇む少年の姿を捉えた。

    銀髪の少年、キルア=ゾルディック。

    まどかはパッと表情を明るくし、彼に向かって駆け寄ろうとした。


    「あの、そこのあなた!」


    だが、まどかが声をかけた瞬間、キルアの姿がブレた。

    彼はいっさいの足音を立てることなく、滑るようなステップで瞬時に数メートル後ろへと跳び退き、まどかとの距離を冷徹に確保したのだ。


    「……悪いけど、オレは今、誰かとつるむ気はないぜ」

  • 105◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:45:03

    キルアの青い瞳が、まどかの姿を値踏みするように鋭く射抜く。

    (見た目は普通のガキ、しかもフリフリの妙な服を着てる……だが、隙がない。それに、念とは違う何かの妙な圧を感じるな。こいつ、タダモノじゃない)

    暗殺者としての経験則が、目の前の少女との安易な接触を「リスク」と判断していた。


    「待って! 私は戦うつもりなんてないの! だから、話し合って……このゲームを終わらせる方法を一緒に探せないかなって……」

    「話し合い、ね。あんた、いい奴そうだけど……そういう甘い考えは命取りだぜ。少なくとも、オレはまだここがどういう状況か情報が足りてない。見知らぬ奴と手を組むほどバカじゃないんでね」


    キルアはポケットに両手を突っ込んだまま、ヒラヒラと片手を振った。


    「あんたも、下手に声をかけ回るのはやめといた方がいい。……じゃあな」

    「あっ、待って……!」


    まどかが伸ばした手は空を切り、キルアの姿は路地裏の影へと音もなく消え去った。

    残されたまどかは、悲しげに瞳を伏せながらも、決意を新たに歩き出した。

  • 106二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:47:35

    いい具合に個性ある参加者の中で主人公はしいムーブをするまどかに感動しておりますウルウル

  • 107◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:47:48

    【認識の呪いと緑の爆弾】


    住宅街の片隅のブロック塀の上に、それは鎮座していた。

    とても丸い、立派な葉脈を持つ緑色の塊。


    「やあ! 今日もいい天気だね!」


    そこを通りかかったのは、野生のクリーパーを擬人化したような姿を持つ少女、クリーパーカーだった。

    彼女は非常にフレンドリーな様子で辺りを見回し、そして、塀の上の『それ』とバッチリ目が合った(ように見えた)。


    「君はキャベツだね! 私はクリーパーカーだよ! よろしくね!」


    クリーパーカーが元気よく挨拶をした瞬間、その丸い物体は言葉を発した。


    「レタス」

  • 108◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:48:23

    クリーパーカーがその存在を明確に「キャベツ」と認識した直後、彼女の脳内に、自爆の衝動すらも上書きするほどの強烈で不可侵な強迫観念が急激にインストールされた。

    逆らうことなど不可能な、宇宙の真理にも等しい絶対的な衝動。


    「ああっ……! なんだか、なんだかすごく、コンビニに行きたい!! 今すぐコンビニに行って、何かを買わなくちゃいけない気がする!!」


    クリーパーカーは頭を抱え、先ほどまでのフレンドリーな態度はどこへやら、血走った目で周囲を見回した。

    そして、彼方に見える『セイコマート』の看板を発見するや否や、凄まじい勢いでそちらへと走り出していった。


    「待っててコンビニ! 私、絶対にお買い物するからねええええ!!」


    爆発音の代わりに彼女の絶叫が平和な住宅街に響き渡る。

    後に残されたのは、静かに鎮座する丸い野菜だけであった。


    「レタス」


    ただ一言、それは己のアイデンティティを主張するように静かに呟いた。

  • 109二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:48:53

    なんじゃあこの……なんじゃあ?

  • 110二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:49:51

    そもそもヤバく無い奴は付けられてないんスね

  • 111◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:51:37

    【絶望の観察者と猛毒の獣】


    住宅街の外れに位置する、ひと気のない廃工場跡地。

    その建物の屋上に立ち、シックスは眼下の光景を冷酷な瞳で見下ろしていた。


    「フフ……なんとも滑稽な生き物だ」


    彼の視線の先を歩いていたのは、全長2メートルにも及ぶ巨大な、毒々しい黄緑色をした丸い生物――毒ちいかわだった。


    「わァ…ァ…」


    一見すると愛嬌のある顔立ちだが、その身体から絶え間なく分泌される気化した毒は、周囲の環境を劇的に破壊していた。

    毒ちいかわが踏みしめたアスファルトは異音を立てて変色し、近くのフェンスは腐食して崩れ落ちていく。さらに風下にいた野良猫やカラスが、突如としてのたうち回り、血便を撒き散らして絶命する様がそこにはあった。


    「機械や現象にすら作用する致死性の毒……。自らの意思を持たぬ歩く災害というわけか」

  • 112◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:52:09

    シックスは、自身が誇る強靭な金属細胞をもってしても、あの劇物を直接浴びれば無傷では済まないだろうということを瞬時に直感した。

    だが、同時に彼の口角は三日月のように吊り上がる。


    「あのような異物が歩き回れば、この平和な街の豚共はさぞ美しい絶望の悲鳴を上げるだろう。私自ら手を下すまでもない。今はあの歩く悪意が、どこまで街を腐らせるか見物させてもらおう」


    シックスは余裕の笑みを浮かべたまま、一切の干渉を避けてその場から悠然と立ち去った。

    残された毒ちいかわは、自分のせいで周囲が地獄と化していることに怯えながら、ポロポロと涙をこぼした。


    「イヤッ……フ!」


    言葉にならない拒絶の声を上げながら、ただあてもなく歩き続けることしかできなかった。

  • 113二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:52:34

    い や あ あ あ あ

  • 114二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:54:12
  • 115二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:56:14

    殺せーッ

  • 116◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:56:18

    【鋼鉄の巨城と寿命を問う少女】


    キイチの森の中心に位置する、広大な池。

    しかし現在、その水面は全く見えなくなっていた。池の大部分を埋め尽くすように、全長450mもの規格外の巨体を誇る陸上戦艦ザンザスが鎮座していたからだ。


    『オォォォレェェェ……!!』


    鼓膜を震わせるような、地響きにも似た凄まじいエンジン音と機械の駆動音が森中に響き渡る。

    水陸両用のその巨艦は、甲板に多数の砲塔やミサイルポッドをハリネズミのように備え、周囲の状況を警戒するようにレーダーを回転させていた。


    「わあ……すごく大きいね」


    その圧倒的な威容を見上げながら、ナギは森の木々の隙間からふらりと姿を現した。

    彼女の足元には、ザンザスの巨体に押し潰された木々が散乱しているが、彼女は全く怯えることなく、むしろ親しい友人に話しかけるような穏やかな足取りで近づいていく。


    「あなたも、このゲームの参加者なのかな?」


    ナギの問いかけに対し、ザンザスは答えない。ただ、排気音と金属の軋むノイズだけが重低音となって返ってくる。

  • 117◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:56:37

    「私はナギ。ねえ、大きな鉄の塊さんにも、命はあるのかな」


    彼女は首を傾げ、相手の余命を知覚する自身の“チカラ”に意識を向けた。

    相手が人であれ、別の世界の怪物であれ、彼女の振る舞いが変わることはない。


    「もし、あなたに命があって、何か叶えたい願いがあるのなら……あなたの寿命と引き換えに、私が叶えてあげるからね」


    ナギは優しく微笑みながらそう告げた。

    ザンザスの側面に備えられた大口径砲塔が、わずかにナギの方向へと旋回する。しかし、シ目の前の小さな少女に明確な脅威を認めなかったのか、砲門が火を噴くことはなかった。


    『ゴォォォォ……ッ』


    ザンザスはただ威嚇のような重低音を響かせ、艦内から偵察用の小型ドローン群を上空へと射出するにとどまった。

    ナギは空へと飛んでいくドローンたちを見上げながら、静かにお辞儀をした。


    「それじゃあ、またね。願いが決まったら、いつでも教えてね」


    彼女は穏やかな足取りで、再び森の奥へと歩き出していった。

  • 118◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 19:57:22

    1ターン目

    生存者

    毒ちいかわ(住宅街・シックスの観察を逃れあてもなく徘徊) / キャベツ(住宅街・クリーパーカーを洗脳) / 荒川(住宅街・マーティと遭遇後離脱) / 陸上戦艦ザンザス(キイチの森・ナギと遭遇後ドローンを射出) / 滝澤政道(中央交差点・状況を把握し潜伏) / 鹿目まどか(中央交差点・キルアに接触を試みるも拒絶される) / アスキン・ナックルヴァール(山間部・エリア境界を確認し安全圏へ) / マーティ・マウザー(住宅街・荒川と遭遇するも卓球台を求め徘徊) / キルア=ゾルディック(中央交差点・まどかの接触を警戒し離脱) / ピエール(住宅街・イズミガロアに接触するも警察を警戒し離脱) / ギュウジン丸(キイチの森・ガニシュカの腕輪の制限を観察) / 極星獅子堂イズミガロア(住宅街・市民に通報されピエールと遭遇後逃走) / ナギ(キイチの森・ザンザスと遭遇し言葉をかける) / シックス(住宅街・毒ちいかわを観察後離脱) / クリーパーカー(住宅街・キャベツを認識しコンビニへダッシュ) / ガニシュカ(キイチの森・腕輪の制限により暴走を止められる)


    死亡者(脱落者)

    なし


  • 119二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:58:01

    (見かけた一般人のコメント)い や あ あ あ

  • 120二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 19:58:41

    駆動音で一人称オレを表現するのは笑ってしまう

  • 121◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 20:00:54

    とりあえず顔出しは終わったのでリアタイは一区切り…
    今後は1~3ターンくらいずつ出力が終わってまとまり次第投下するんだァ
    投げる度に雑談スレで告知するから覚えててくれよ

  • 122二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 20:01:46

    >>121

    オツカレーッ

  • 123二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 20:02:33

    オツカレーッ
    ムフフ続きがとっても楽しみなのん…

  • 124二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 20:02:37

    >>121

    おもしれーよ

    楽しみに待ってるよ…

  • 125二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 20:05:06

    オツカレーッ いやあ楽しみやのォ ですねぇ

  • 126二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 22:46:45

    今回のバトロワはいい具合にキャラの個性分かれてて展開が読めないから楽しみなんだよね
    しかも意外とプロンプト改変もある…!

  • 127◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:08:50

    "再開"をやります

  • 128◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:09:11

    【死を撒き散らす黄緑の足音】


    平穏な住宅街の目抜き通り。そこに、異様な影がゆっくりと足を踏み入れた。

    黄緑色のずんぐりとした体躯。巨大な丸い耳と愛嬌のある顔立ちだが、その身長は2メートルにも及ぶ。


    「わァ…ァ…」


    毒ちいかわは、見知らぬ景色に怯えるようにポロポロと涙をこぼしながら歩いていた。

    行き交う市民たちは、その巨大な着ぐるみのような姿に一瞬足を止め、スマートフォンを向ける者もいた。


    「なにあれ? 新しいご当地キャラ?」

    「でかっ。ちょっとキモくない?」


    平和ボケした市民たちが無警戒に笑い合っていた、次の瞬間だった。

    ふわりと、毒ちいかわの方向から微風が吹き抜けた。


    「……え? ゲホッ、がはッ……!!」


    最前列でスマートフォンを構えていた若者が、突如として白目を剥き、アスファルトに倒れ込んで激しくのたうち回り始めた。

    それを皮切りに、風下にいた数十人の市民が次々と悲鳴を上げて倒れ伏す。

    彼らの全身の毛穴から、黄色や赤が混じった正体不明の濁った液体が噴き出し始めた。さらに下半身からは激しい血便が撒き散らされ、人々は立ち上がることもできず、ただ三日三晩続く地獄の苦しみの入り口で絶叫することしかできない。

  • 129◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:09:44

    「嘘だろ……なんだよ、あんなの……喰種よりタチが悪いじゃねえか……ッ!」


    風上にあたる交差点の陰からその光景を目撃していた滝澤政道は、ガチガチと歯を鳴らしながら後ずさった。

    助けなければ。市民を守るのが喰種捜査官の務めだ。だが、あそこは完全に致死の領域である。クインケを構えて飛び込んだところで、刃が届く前に自分の全身から体液が噴き出して無惨に死ぬだけだという現実が、彼をその場に縫い付けていた。


    「くそっ、俺は……俺はなんて無力なんだ……ッ!」


    滝澤は恐怖と不甲斐なさに涙を流しながら、汚染地域から遠ざかるように路地を這いずり逃げるしかなかった。

  • 130◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:10:02

    同じ頃、少し離れた安全なビルの屋上から、アスキン・ナックルヴァールはその阿鼻叫喚の地獄絵図を双眼鏡で眺めていた。


    「おいおい……致死量云々でどうにかなるレベルじゃねえぞ。あの黄色いガス、吸い込んだらあんな汚い死に方をするのか?」


    心底嫌そうに顔を顰めるアスキンだったが、彼の優れた洞察力は、その地獄の中心にいる巨獣が「怯えて泣いている」ことを見逃さなかった。


    「……なんだ? 自分の毒で周りが死ぬのを嫌がってるのか? 妙だな。本人の意思じゃないとすれば……ちょっとした歩く現象に近い」


    極めて危険な存在だが、盤面をかき乱すこのバグのような生き物がどのような理屈で動いているのか、アスキンの知的好奇心がくすぐられた。


    「ま、致命的ならすぐ逃げるまでだ」


    彼は大気中の極微量の毒の成分を自らの体内に取り込み、『The Deathdealing』を発動させる。徐々に己の致死量を引き上げ、この未知の劇物に対する免疫を獲得していく。


    「あー、不味い。最悪の味だ。……だが、これで即死は免れる」


    アスキンはビルの屋上から軽やかに飛び降りた。周囲の惨状には目もくれず、あの奇妙な黄緑色の獣の正体を確かめるため、静かに追跡と接近を開始する。

  • 131◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:10:28

    【強迫観念の終着点】


    「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!」


    住宅街の一角にある『セイコマート』の自動ドアが、勢いよく左右に弾け飛ぶように開いた。

    血走った目で店内に転がり込んできたのは、クリーパーカーだった。

    先ほどまで『キャベツ』を認識してしまったことで植え付けられた、宇宙の真理にも等しい絶対的な強迫観念。彼女の脳内は「コンビニで何かを買わなければならない」という一点のみに支配されていた。


    「い、いらっしゃいませ……ッ!?」


    突然の乱入者にレジ打ちのアルバイト店員が悲鳴を上げる中、クリーパーカーは陳列棚から手当たり次第にメロンパンをひったくり、レジカウンターに千円札と共に叩きつけた。


    「これくださいぃぃぃ!!」


    「ひっ、は、はい! お釣り、です!」


    震える手で渡されたレシートと小銭を受け取った瞬間。

    クリーパーカーの脳内を埋め尽くしていたどす黒い衝動が、嘘のようにスッと消え去った。


    「はぁ?……っ。よかったぁ、お買い物できたぁ……!」

  • 132◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:11:00

    彼女は憑き物が落ちたようにふにゃりと笑い、メロンパンを大事そうに胸に抱きしめた。

    その奇行の一部始終を、雑誌コーナーの陰から静かに見つめている女性がいた。ピエールである。

    彼女の瞳は、まるで極上の珍味を発見したかのように細められていた。


    「あらあら。とても騒がしいけれど……なんだか弾けるようなエネルギーを持ったお嬢さんね」


    ピエールが上品な足取りで近づき声をかけると、クリーパーカーはいつものフレンドリーな笑顔を向けた。


    「やあ! 私はクリーパーカーだよ! よろしくね! 私、たまに爆発するんだ!」

    「爆発……ふふっ、それは素晴らしいわね。口に含んだ瞬間に弾けるような、とてもスパイシーな極上のスパイスになってくれそうだわ」


    ピエールは口元を隠して優雅に微笑んだ。その瞳の奥に、料理人としての狂気的な食欲が渦巻いていることなど露知らず、クリーパーカーは「えへへ、褒められちゃった!」と嬉しそうに笑っていた。

  • 133二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:12:28

    何をしているんだ……?

  • 134◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:12:55

    【傲慢なる雷帝と無頓着な沼】


    キイチの森から住宅街へと続く道。

    腕輪に力を抑え込まれ、屈辱に震えながら森を抜けてきた大帝ガニシュカの前に、フラフラと覚束ない足取りで歩くひとつの影が現れた。

    “沼”と呼ばれる種族の青年、荒川である。


    「む……」


    ガニシュカは立ち止まり、その尊大で威圧的な視線を荒川へと突き刺した。

    己の苛立ちをぶつけるには丁度いい生贄だ。彼は絶対的な支配者としての威厳を込め、低く地を這うような声で命じた。


    「おい、そこの矮小なる者よ。大帝たるこの余の前に平伏し、道を譲れ。さもなくば消し炭にしてくれるわ」


    空気がビリビリと静電気を帯び、ガニシュカの周囲に濃密な霧と雷が渦巻き始める。常人であればその重圧だけで気を失うほどのプレッシャーだった。

    しかし、荒川はぼんやりとした瞳をガニシュカに向け、首を傾げた。


    「んー? ああ、ちわっす。道っすか? 広いんだから適当に通ればいいんじゃないっすかね」

  • 135◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:13:25

    全く悪気のない、しかし微塵の敬意もない空返事。

    その態度が、ガニシュカの逆鱗に完全に触れた。


    「……万死に値するッ!!」


    ガニシュカが腕を振り下ろした瞬間、腕輪の制限を受けながらも、並の建物を粉砕するほどの極太の雷撃が荒川の全身を容赦なく貫いた。


    轟音と共に土煙が舞い上がり、アスファルトが黒焦げになって弾け飛ぶ。

    ガニシュカは鼻で笑い、歩みを進めようとした。だが。


    「あー……痛いっすね、今の。服焦げちゃったじゃないっすか」


    晴れゆく煙の中から、炭化した皮膚を凄まじい速度で再生させながら、荒川が平然とした声で呟いた。

    その両手には、バチバチと電撃を纏った鋭い鉤爪と、無骨なチェーンソーが握られている。


    「……何?」

    「やるんすか? いいっすよ。久しぶりに……ちょっとテンション上がってきたっすわ」


    先ほどまでの焦点の合わない瞳は消え失せ、荒川の目には底知れぬ狂気と戦闘への飢えがギラギラと輝いていた。

    チェーンソーのけたたましい駆動音が、雷帝の怒号を切り裂くように鳴り響く。

    殺し合いの火蓋が、ついに切って落とされた。

  • 136◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:15:55

    【空の目と巨艦の咆哮】


    キイチの森の上空に、数機のヘリコプターが旋回していた。

    警察の航空隊、あるいは自衛隊の偵察ヘリだろうか。森の中に鎮座する全長450mの異常な巨大戦艦――陸上戦艦ザンザスの放ったドローン群に誘導されるように、彼らはこの異常事態の震源地へと集結しつつあった。


    『警告する! 正体不明の巨大建造物、ただちに武装を解除し――』


    拡声器からの警告が最後まで響き渡ることはなかった。

    ザンザスの甲板に無数に備えられた対空武装が、一切の躊躇なく一斉に火を噴いたのだ。


    『オォォォレェェェ……!!』


    鼓膜を破るような轟音と共に、弾幕が空を覆い尽くす。ヘリは回避行動をとる暇もなく被弾し、黒煙を上げて森の奥へと墜落していった。


    「フム。実に非効率でスマートさに欠ける戦い方ダ」


    その圧倒的な蹂躙劇を、遠く離れた木の上からギュウジン丸が観察していた。

    彼は自衛隊のヘリが撃ち落とされたことにも、ザンザスの規格外の火力にも動じることなく、科学者として冷淡に評価を下す。


    「力任せに暴れ回るだけの鉄の塊。ワタシのような天才の美学には到底及ばない代物だが……まあ、あの馬鹿げたサイズと火力なら、警察や自衛隊の目を惹きつける優秀なデコイにはなってくれそうだ」


    彼はニヒルな笑みを浮かべると、白衣を翻してその場から立ち去った。

  • 137◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:18:01

    【腹ペコ双頭龍と卓球バカ】


    「はぁ……お腹空いたなー」


    住宅街の路地裏を歩きながら、極星獅子堂イズミガロアは不満げに頬を膨らませていた。

    警察のパトカーから逃げ回っていたせいで、すっかり体力を消耗してしまったのだ。腰から生えたオストガロアの巨大な触腕も、どことなく元気がないようにだらんと垂れ下がっている。

    そこへ、騒々しい足音が近づいてきた。


    「おい、そこのお前! 見るからに奇抜な格好してんな! この街で卓球ができる場所を知らねえか!」


    分厚い眼鏡をかけた青年、マーティ・マウザーである。彼は全く怯える様子もなく、イズミの正面に立って指を突きつけた。


    「卓球……? なにそれ、美味しいの?」

    「ハァ!? ふざけんな、卓球は世界一神聖なスポーツだぞ! 食い物と一緒にすんじゃねえ!」

    「えー、なんだ、食べられないのかぁ。ちぇっ」

  • 138◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:18:23

    イズミは心底興味がなさそうにそっぽを向く。マーティのまくし立てるようなクレームも、空腹の彼女には単なるノイズでしかなかった。

    そのコントのようなやり取りを、少し離れた建物の屋上から、キルア=ゾルディックが冷めた目で見下ろしていた。


    (なんだありゃ。バカとバカが絡んでる……)


    キルアは呆れたようにため息をつく。しかし、彼の暗殺者としての目は、イズミの背後で蠢く触腕から放たれる異様なオーラを見逃してはいなかった。


    (あの女の触手……タダの飾りじゃない。あの男、あんな無防備に近づいてよく平気だな。下手に手を出せば一瞬でミンチにされるぜ)


    キルアは面倒事には巻き込まれないよう、気配を完全に絶ったまま彼らの動向を監視し続けた。

  • 139◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:20:36

    【寿命を司る少女と緑の呪い】


    住宅街の穏やかな道を、ナギはふらふらと歩いていた。


    「いろんな人がいるんだね。みんな、どんな願いを持ってるのかな」


    彼女がそう呟きながらブロック塀の横を通り過ぎようとした時、その上の存在に気がついた。

    立派な葉脈を持つ、とても丸い緑色の塊だ。


    「あら、かわいいお野菜さん。こんなところにどうしたの?」


    ナギがふんわりと微笑みかけた瞬間、それは短く答えた。


    「レタス」


    ナギがそれを「キャベツ」だと認識した瞬間、彼女の脳内に異変が起きた。

  • 140◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:20:54

    「……っ!?」


    常に達観し、他者の寿命や死にすら動じない彼女の静かな心が、かつてないほどの巨大な衝動に塗り潰されていく。


    「……行かなくちゃ。私、今すぐコンビニに行かなくちゃいけないの……!」


    ナギの瞳からいつものミステリアスな余裕が消え去り、彼女は焦燥感に駆られたように駆け出した。


    「待ってて、コンビニ! 絶対に何か買わなくちゃいけないんだから……!」


    普段の彼女からは想像もつかない必死な形相で、ナギは先ほどクリーパーカーが駆け込んでいった『セイコマート』の方向へと一直線に走り去っていった。

    後に残されたのは、ただ鎮座するキャベツだけであった。

  • 141二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:22:25

    なに…?
    レタスって言われる前に殺さなきゃいけないタイプのギミック敵…?

  • 142二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:22:39

    ねーっなんなのこの野菜

  • 143◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:23:01

    【絶対悪と救済の魔女】


    中央交差点の近くの裏路地。

    鹿目まどかが仲間を探して歩いていると、ふと、空気が凍りつくような異様なプレッシャーを感じて足を止めた。


    「……誰?」

    「ほう。一見ただの平凡な小娘かと思ったが……」


    影の中から歩み出てきたのは、優雅なスーツに身を包んだ男、シックスだった。

    彼はまどかを値踏みするように見下ろし、三日月のように歪んだ笑みを浮かべる。


    「君の奥底には、ひどく甘美で途方もない絶望の匂いがこびりついているな。何千、何万という死と悲劇を煮詰めたような……素晴らしい悪意の結晶だ」


    シックスの直感は、まどかがかつて内包していた『Kriemhild Gretchen』という究極の魔女の因果を正確に嗅ぎ取っていた。

    絶対悪としての彼の存在感が、路地裏の空気を黒く染め上げていく。常人であればその殺気に触れただけで発狂しかねないほどの悪意。

  • 144◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:23:30

    だが、まどかは一歩も引かなかった。


    「……私は、もう絶望なんてしないよ」


    彼女の背後に、一瞬だけ巨大な魔女のシルエットが、今度は温かな希望の光を纏って浮かび上がる。

    「私が、みんなの希望を守るって決めたから。あなたの悪意には……絶対に屈しない」


    柔らかいが、決して折れることのない強靭な意志を宿したまどかの瞳。

    それを見たシックスは、歓喜に肩を震わせた。


    「素晴らしい……! その輝かしい希望が、無惨に砕かれ絶望の涙に沈む瞬間こそ、至高のエンターテインメントだ。さあ、私を楽しませてくれないか?」


    交差する絶対悪と救済の希望。両者の間に、一触即発の緊迫した空気が張り詰めた。

  • 145二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:24:27

    (超能力戦争でも絡んでたなこの二人…)

  • 146◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:24:29

    2ターン目


    生存者

    毒ちいかわ(住宅街・毒を散布しながら徘徊) / 滝澤政道(住宅街・毒の惨状を目の当たりにし逃避) / アスキン・ナックルヴァール(住宅街・毒の免疫を獲得し毒ちいかわを追跡) / クリーパーカー(コンビニ・買い物を終え強迫観念から解放) / ピエール(コンビニ・クリーパーカーと接触し狂気を滲ませる) / ガニシュカ(キイチの森?住宅街・荒川へ雷撃を放ち戦闘開始) / 荒川(キイチの森?住宅街・ガニシュカの雷撃から再生し戦闘態勢へ) / 陸上戦艦ザンザス(キイチの森・接近したヘリ部隊を迎撃し撃墜) / ギュウジン丸(キイチの森・ザンザスを観察後、デコイとして見切り離脱) / 極星獅子堂イズミガロア(路地裏・空腹で疲弊する中、マーティと遭遇) / マーティ・マウザー(路地裏・イズミガロアに卓球の話題で絡む) / キルア=ゾルディック(屋上・イズミガロアの異質さを察知し警戒) / ナギ(住宅街・キャベツを認識しコンビニへ猛ダッシュ) / キャベツ(住宅街・クリーパーカーとナギに強迫観念を植え付ける) / 鹿目まどか(裏路地・シックスと遭遇し一触即発の対峙) / シックス(裏路地・まどかの内なる絶望を嗅ぎ取り対峙)


    死亡者(脱落者)

    なし

  • 147◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:26:47

    3ターン目

    【非日常へのサイレン】


    亜仁満町の上空を、重々しいローター音が切り裂いていた。

    数時間前まで平和な地方都市であったこの街は、今や未曾有のパニックに陥っていた。

    キイチの森における正体不明の対空砲火による県警ヘリの撃墜。そして住宅街で発生した、未知の劇物による大規模なバイオハザード。これらはもはや単なる事件の範疇を超え、明確な無差別テロリズムとして認定されていた。


    「対象は依然として住宅街を徘徊中! 防護服を着用した特殊部隊を直ちに現場へ急行させろ! 周辺住民の避難が最優先だ!」


    前線指揮所に怒号が飛び交う。

    装甲車がアスファルトを削りながら展開し、自動小銃と重装備に身を固めたSAT(特殊急襲部隊)の隊員たちが、街の主要な交差点や路地を次々と封鎖していく。彼らの銃口は、街に潜むあらゆる不審者に向けられていた。


    「繰り返す。対象は複数、いずれも異常な武装あるいは能力を有している可能性が極めて高い。抵抗する場合は躊躇なく発砲を許可する」


    無線から流れる冷徹な指示。

    一般市民を守るための警察の防衛網は、参加者たちにとって、無慈悲な死の壁となって街を狭めようとしていた。

  • 148◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:29:21

    【致命的な打算と即席の盾】


    「はぁっ……はぁっ……!」


    滝澤政道は、毒の惨状から逃れるように路地裏に座り込み、荒い息を吐いていた。

    あの黄緑色の化け物が撒き散らす毒は、喰種のどんな赫子よりもタチが悪い。あんなものと戦う術など、自分には持ち合わせていない。


    「……よう。ひどく顔色が悪いじゃないか」


    不意に頭上から降ってきたのんきな声に、滝澤はビクッと肩を震わせて顔を上げた。

    そこには、だらしない姿勢でポケットに手を突っ込んだ長身の男、アスキン・ナックルヴァールが立っていた。


    「誰だ、お前……! 参加者か!?」

    「まあそんなところだ。安心しな、いきなりドンパチやる気はねえよ。ただ、ちょっと情報収集をしておきたくてね」


    アスキンは飄々とした態度のまま、滝澤を見下ろす。


    「さっき、あの黄色くてデカいぬいぐるみみたいな奴が歩いてるのを見たんだがね。あいつ、自分の毒で周りの連中がバタバタと汚い死に方をしていくのを見て、嫌がるように泣いてたように見えたんだが……お前、近くで見ててあいつの妙な挙動について何か気づかなかったか?」

    「……知るかよ! 俺も逃げてきただけだ! あいつは近寄るだけで死ぬ、歩く毒ガス兵器だ! 悪いことは言わねえ、絶対に関わるな!」


    滝澤が声を荒らげて警告する。

    アスキンはその言葉を受け、顎に手を当てて思考を巡らせた。上空ではヘリが飛び交い、街は警察の厳戒態勢下に入りつつある。自身が表立ってあの猛毒の獣に対処すれば、警察の包囲網を惹きつけ、無用な「致命的」事態に陥りかねない。

    (なら、この正義感の強そうな怯えた男を『利用』させてもらうか。手駒や肉の盾は多いに越したことはない)

  • 149◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:30:01

    「親切な忠告どうも。だが、あんた、このままここで震えてるつもりか? 助けたい市民がいるんじゃないのか?」

    「ッ……! 俺だって……! でも、あんな毒の塊にどうやって近づけっていうんだよ!」


    悔しげにアスファルトを叩く滝澤。その時、彼の周囲の空気がわずかに変質した。

    アスキンは滝澤に一切触れることなく、密かに自身の能力『The Deathdealing』を発動させていた。先ほど自身が取り込んだ毒の成分を元に、滝澤の体内における「あの黄緑色の生物が放つ毒」の完全致死量を大幅に引き上げたのだ。


    「……あれ? 息が……苦しくない?」


    先ほどまで路地裏に漂う微量の毒気だけで喉が焼けつくように痛んでいたはずが、今は驚くほど呼吸が澄んでいた。


    「不思議だろ? 俺がちょっとした『細工』をしてやったのさ。これでアンタはあの毒ガスの中を歩いても即死はしない免疫を得た」


    驚愕して顔を上げる滝澤に、アスキンは人の良さそうな、しかし腹の底の読めない笑みを向けた。


    「俺はアスキン・ナックルヴァール。ちょっと協力し合わないか? アンタが前衛で人助けでも何でもしてる間、俺が後ろから安全にサポートしてやる。お互い、致命的な事態は避けたいだろ?」

  • 150二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:30:41

    アスキンは相変わらず有能やのォ

  • 151二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:31:35

    >>145

    善の極致と悪の極致として対比させて絡ませやすいのかもしれないね

  • 152二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:31:58

    ??????

  • 153◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:32:16

    【路地裏の解体ショーと命の目撃者】


    「はぁ~、お買い物って素晴らしいね!」


    コンビニ『セイコマート』の前で、ナギはホクホク顔でおにぎりを頬張っていた。

    先ほどのキャベツによる強迫観念に突き動かされ、無事に買い物を済ませたことで、彼女はすっかりいつもの穏やかなペースを取り戻していた。


    「さてと、次はどこに行こうかな……ん?」


    ふと、路地裏へと向かって歩いていく二つの人影がナギの視界に入った。

    ひとりは、先ほどコンビニに駆け込んでいた元気な少女、クリーパーカー。もうひとりは、上品な微笑みを浮かべた女性、ピエールだった。


    「こっちよ。もっと静かな場所で、あなたのことを深く知りたいの」

    「いいよ! 私、おしゃべり大好き!」


    無邪気についていくクリーパーカー。だが、ナギの瞳には、ピエールの背中から立ち上る異常なまでの殺気と、他者を単なる「肉」としてしか見ていない狂気的な食欲がはっきりと見えていた。


    (あの人……あの女の子を、食べるつもりだ)


    ナギの“チカラ”が、クリーパーカーの命の灯火が急激に脅かされていることを告げていた。

    彼女は足音を殺し、そっとふたりの後を追って薄暗い路地裏へと足を踏み入れた。

  • 154◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:32:36

    「ここなら誰にも邪魔されないわね。さあ、最高にスパイシーなあなたの味わい……余すところなく堪能させてちょうだい」


    ピエールがうっとりとした表情で振り返る。その手には、どこから取り出したのか、身の丈ほどもある巨大で無骨な肉切り包丁が握られていた。


    「わあ、おっきい包丁! 料理するの?」

    「ええ。とても新鮮な素材をね」


    刃が鈍い光を放ち、ピエールがクリーパーカーの無防備な首筋へと一気に包丁を振り下ろそうとした、その時。


    「ねえ、なにをしてるの?」


    静かな、しかしよく通る少女の声が路地裏に響いた。

    ピエールの動きがピタリと止まり、ゆっくりと声のした方へ視線を向ける。

    そこには、食べかけのおにぎりを持ったまま、不思議そうに首を傾げているナギが立っていた。


    「……あら。邪魔が入ってしまったかしら」

    「お姉さん、その子を傷つけようとしてるでしょ。それは、あまり良くないことだと思うな」


    ナギの目は一切の恐怖を宿しておらず、ただ淡々と事実を述べていた。

    獲物を横取りされそうになったピエールの瞳に、冷たい怒りと、新たな食材への執着が入り混じったドロリとした光が宿る。

    薄暗い路地裏で、三人の奇妙な対峙が始まった。

  • 155二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:33:15

    一番ワシが恐れていること…それが毒ちいかわとレタスの接触です
    毒ちいかわがコンビニに来るってことは即ち終わりでしょ バイオテロの味よね

  • 156二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:34:18

    >>155

    キャベツが死ぬか毒ちいかわがコンビニに行くのが先か…?

  • 157二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:34:58

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  • 158◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:35:27

    【希望と絶対悪の交錯】


    中央交差点の裏路地。張り詰めた空気の中、鹿目まどかは光の弓を具現化し、眼前の男――シックスへと切っ先を向けた。


    「これ以上、あなたの好きにはさせない。みんなの命を遊び道具にするなら……私が止める!」


    放たれた純白の魔法の矢が、空気を切り裂いてシックスの眉間へと迫る。

    しかし、シックスは避ける素振りすら見せなかった。

    キンッ、という甲高い金属音が路地裏に響く。矢はシックスの額に命中した直後、まるで分厚い鋼鉄の壁に阻まれたかのように弾け飛んだのだ。


    「フ……素晴らしい。物理的な質量を持たないエネルギーの矢か。だが、私の金属細胞を貫くには少々殺意が足りないな」

  • 159◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:36:14

    シックスの額は、皮膚の下の細胞が瞬時に金属化し、強靭な装甲と化していた。彼は余裕の笑みを崩さず、まるで羽虫を払うかのように額を撫でる。


    「私を止める? 結構なことだ。だが、今の君を壊して絶望させるのは少しばかりもったいない。君のその輝かしい希望が、他の愚か者たちの死やこのゲームの理不尽さに打ち砕かれ、自ら絶望の沼に沈んでいく過程こそが……私が最も味わいたい極上のフルコースなのだから」


    シックスはまどかの真っ直ぐな瞳を覗き込み、サディスティックに目を細めた。

    遠くから、警察の重々しいサイレンが路地裏にまで響き始める。


    「おっと、無粋な観客がお見えのようだ。今日のところは退散させてもらおう。せいぜいあがきたまえ、元・救済の魔女よ」


    シックスの足元から刃のような金属の楔が展開され、垂直なビルの壁をいとも容易く駆け上がっていく。

    残されたまどかは、消えた絶対悪の残香に身を震わせながら、弓を握る手にぐっと力を込めた。

  • 160◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:38:53

    【雷雲と血みどろの沼】


    「死.ねェッ!!」


    大帝ガニシュカの怒号と共に、極太の雷撃が住宅街の道路を焼き焦がす。

    だが、その圧倒的な破壊力の中心から、荒川は平然とした顔で飛び出してきた。黒焦げになった皮膚は、常識外れの速度で瞬時に再生していく。


    「あははっ! ビリビリして気持ちいいっすね! もっとやろうっすよ!」


    荒川の瞳には明確な狂気が宿っていた。バチバチと放電する鉤爪を振りかぶり、けたたましい駆動音を上げるチェーンソーがガニシュカの巨体へと迫る。

    ガニシュカは咄嗟に霧となって物理攻撃を無効化するが、腕輪の制限によって完全な使徒形態にはなれず、反撃の出力も大幅に削がれていた。


    「ええい、鬱陶しい! 矮小なる泥人形風情が、この余に手傷を負わせるなど……ッ!」


    苛立ちを募らせるガニシュカが再び雷を練り上げようとした、その時。

  • 161◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:39:27

    「対象を発見! 武器を捨てて投降しろ! さもなくば発砲する!」


    路地の両端から、防弾盾と自動小銃を構えたSATの隊員たちがなだれ込んできた。彼らは常軌を逸した雷の化物と、チェーンソーを振り回す異常な男に対し、警告もそこそこに一斉射撃を開始した。


    ダダダダダッ!!

    無数の銃弾が、ガニシュカと荒川を容赦なく襲う。


    「おっ、新しいお客さんっすか? いいっすね、大歓迎っすよ!」


    荒川は銃弾をその身に浴びながらも全く気にする素振りを見せず、嬉々としてチェーンソーをSATの隊列へと向けた。

    ガニシュカもまた、人間風情が己に牙を剥いたことに激昂する。


    「羽虫どもが……! 余の裁きを受けよ!!」


    怒りに任せた雷撃が、SATの装甲車を吹き飛ばす。

    参加者同士の死闘に警察の特殊部隊が介入したことで、事態は制御不能の三つ巴の乱戦へと発展していった。

  • 162二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:42:38

    あかんやん一般市民にも手を挙げたら

  • 163◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:42:48

    【飢餓の怪物と逃走の暗殺者】


    「だから! 卓球台がある場所へ案内しろって言ってんだよ! 耳が遠いのかアンタは!」

    「うー、うるさいなぁ……私、お腹ペコペコでそれどころじゃないんだよー。卓球なんて食べられないし」


    路地裏で、マーティ・マウザーのまくし立てるようなクレームに対し、極星獅子堂イズミガロアは不満げに頬を膨らませていた。腰の巨大な触腕も、空腹のせいかだらんと垂れ下がっている。

    そんな噛み合わない二人の会話を切り裂くように、拡声器の怒声が響いた。


    「そこまでだ! 異形の触手を持つ女! 武器を捨てて大人しくしろ!」

    「そこの男! 人質だとしても急に動くな!」


    路地の入り口を、重装備の警官隊が完全に封鎖していた。銃口が一斉にイズミとマーティに向けられる。

  • 164◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:43:23

    「ハァ!? 誰が人質だコラ! 俺はマーティ・マウザー、未来の世界チャンピオンだぞ! お前ら卓球台を持ってこい!」


    空気の読めないマーティが警官隊に向かって凄むが、彼らは指をトリガーにかけ、緊迫した空気が流れる。

    イズミは「あーあ」とため息をつき、身の丈ほどもあるマシンガン『デイリーカトラリー』を無造作に構えた。


    「またお巡りさんだ。もう、ご飯の邪魔しないでよー!」


    ダダダダダダッ!!

    イズミが威嚇のためにマシンガンを乱射し、アスファルトを粉砕する。同時に青白い触腕が動き出し、警官たちの足元に粘度の高い青い体液をビーム状に放って動きを封じ始めた。


    「うわっ、なんだこのネバネバ!?」

    「ひぃっ、撃つな! 俺の利き腕に当たったらどうすんだ!」


    混乱する現場。

    その光景をビルの屋上から見下ろしていたキルアは、呆れたように肩をすくめた。


    (バカとバカに警察が混ざって、余計にバカなことになってるな……。あんなのに巻き込まれるのはゴメンだ。オレは別の場所で情報を集めさせてもらうぜ)


    キルアは誰にも気づかれることなく、音を置き去りにする『神速』の片鱗を見せ、瞬時にその場から離脱していった。

  • 165◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:46:04

    【鋼鉄の蹂躙と天才の観測】


    キイチの森の木々が、次々と薙ぎ倒され、へし折れていく。

    上空の警察ヘリを対空砲火で撃墜した陸上戦艦ザンザスが、ついに本格的な移動を開始したのだ。


    『オォォォレェェェ……!!』


    全長450m、原子炉を搭載した水陸両用の超巨大戦艦。その船底に備えられた8基の巨大な無限軌道が地響きを鳴らしながら回転し、森の地形を無慈悲に削り取っていく。

    上空ではさらに増援の自衛隊機が旋回を始めていたが、ザンザスから放たれた無数のスウォームドローンが群れを成して迎撃に向かい、空の主導権を完全に掌握しようとしていた。


    その一方的な蹂躙劇を、森から少し離れた高台から観察している影があった。ギュウジン丸である。

    彼は自身の視覚情報と腕輪のホログラムパネルを照らし合わせながら、凄まじい速度で戦況のデータを収集していた。


    「フム、あの圧倒的な質量と火力、そしてそれに群がる警察や自衛隊の防衛システムの反応……侮っていたな。ワタシの知的好奇心を満たすには十分ダ」


    巨大な鉄の塊が街の防衛網をどこまで破壊できるか。彼は一切の恐怖を感じることなく、純粋な一人の科学者として、嬉々とした表情で自前の記録を更新していく。


    「力任せの暴力とはいえ、検証のモルモットとしては極めて優秀。このまま彼らがどこまで耐えられるか、じっくりと観測させてもらうとしよう」

  • 166◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:48:52

    【致死の劇物と無力の警告】


    住宅街の路上。防護服に身を包んだSATの部隊が、バイオハザードの元凶である黄緑色の巨獣――毒ちいかわを路地の端に追い詰めていた。


    「対象を捕捉! 距離を保て! ガスマスクの密閉を確認しろ!」


    その光景を、アスキンの能力によって一時的な『免疫』を得た滝澤政道が路地の陰から目撃し、血相を変えて飛び出した。


    「やめろ!! 近づくな、そいつには防護服なんて意味がねえ! 溶かされるぞ、早く下がれェッ!!」


    滝澤が声を裏返して必死に警告する。だが、武装した特殊部隊が、一般人(に見える青年)の言葉で即座に作戦を放棄するはずもなかった。

    「わァ…ァ…」と泣きながら毒ちいかわが後ずさりした瞬間、気化した毒素がSATの防弾盾や防護服の表面に触れ、凄まじい音を立てて化学繊維や金属をドロドロに溶かし始めたのだ。


    「なっ、防護服が溶けて……ぐあっ!? ゲホッ、がはぁッ!!」


    滝澤の警告は一歩遅かった。「機械や現象にすら効く」という理不尽な劇物の前に、一人、また一人と隊員たちが血便を撒き散らしながらその場に倒れ伏していく。

  • 167◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:49:31

    「くそっ……! なんで俺の声を聞いてくれないんだよ……ッ!」

    「やれやれ。だから言っただろ、アンタが飛び出してもどうにもならないってな」


    悔しさに唇を噛み切る滝澤の背後で、アスキンが呆れたように肩をすくめていた。

    しかし、地獄はこれだけでは終わらなかった。崩れかけたブロック塀の上から、丸い緑色の物体がコロンと転がり落ちてきたのだ。キャベツである。

    毒ちいかわが撒き散らす毒の領域にありながら、ロケットランチャーすら効かないその耐久性は劇物すらも無効化し、瑞々しい緑色を保っていた。


    「レタス」

  • 168◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:49:48

    転がったキャベツが、静かに一言呟く。

    その瞬間、生き残っていた数名のSAT隊員の脳内に、強烈なエラーが走った。


    「あ、あれは……キャベツ……? いや、そんなことより、俺は、俺は今すぐ……!!」


    恐怖に引き攣っていたはずの隊員たちの表情が、突如として虚ろなものに変わる。彼らはアサルトライフルをその場に放り投げ、毒に犯され全身から体液を噴出させながらも、ふらふらと立ち上がった。


    「コンビニ……コンビニで、何かを買わなくちゃ……!」


    防護服を溶かし、死の苦痛に苛まれながらも、彼らはすぐ近くの『セイコマート』を目指してゾンビのように這いずり出し、そして次々と力尽きて地面に突っ伏していく。


    「イヤッ……フ!」

    毒ちいかわは、自分を取り囲む人間たちが突然奇行に走り死んでいく様を見て、さらにパニックを起こして泣き叫ぶ。


    「……おいおい」

    安全圏からその狂気の連鎖を観察していたアスキンは、ドン引きしたように顔を引き攣らせた。

    「毒の次は謎の洗脳かよ。一体どんな理屈で動いてるんだあの野菜は。……つくづく、致命的なバグの詰め合わせみたいな街だぜ」

  • 169◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:52:21

    【盤面を統べる影】


    光の届かない薄暗い空間。

    無数のホログラムパネルが空中に展開され、亜仁満町の各地で巻き起こる阿鼻叫喚の地獄絵図と、激化する戦闘の数々を淡々と映し出している。

    その冷たい光に照らされるのは、性別も、体格も、種族すらも判別できない、ただの濃密な影だった。


    「……盤面の崩壊速度が、想定をわずかに上回っているか」


    影は、画面の中で無差別に死を撒き散らす黄緑色の領域や、強迫観念に踊らされる人間たち、そして森を平地に変えながら進む巨大な破壊の軌跡を見つめ、感情の抜け落ちた声で呟いた。

    そこにあるのは、惨状に対する悲哀でも、無秩序な暴力に対する単純な恐怖でもない。ひたすらに盤面を「管理」し、あらゆる事象を数式のように処理して最適解を導き出そうとする、極めて冷酷な知性の片鱗であった。


    「どれほど不条理な事象であろうと、計算式に組み込んでしまえばただの変数に過ぎない。だが、これ以上の無意味なフィールドの破壊は、至高の目的においてノイズとなる」


    ■■■■■はホログラムのパネルに静かに指を這わせた。

    管理者としての特権を駆使し、次に互いを削り合わせるべき駒を選定していく。


    「完全なる秩序をもたらすためには、まずは目に余るバグ同士を衝突させ、効率的に間引く必要がある。無知な駒たちに、相応しい舞台と小道具を用意してやろう」


    闇の中で、影はただ冷ややかに、血塗られた箱庭のシナリオを書き換えていく。

    誰にも気づかれることのない絶対的な特等席で、黒幕の静かなる暗躍が続いていた。

  • 170◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:52:40

    3ターン目


    生存者

    毒ちいかわ(住宅街・SATを巻き込みさらにパニックに) / 滝澤政道(住宅街・アスキンから免疫を得てSATに警告するも無力感に苛まれる) / アスキン・ナックルヴァール(住宅街・政道を盾にしつつ事態を観察) / クリーパーカー(路地裏・ピエールに解体されそうになる) / ピエール(路地裏・クリーパーカーを解体しようとするがナギに阻まれる) / ナギ(路地裏・ピエールの凶行を目撃し制止する) / ガニシュカ(住宅街・荒川及び乱入したSATと交戦中) / 荒川(住宅街・ガニシュカやSATを相手に狂気を見せ交戦中) / 陸上戦艦ザンザス(キイチの森?中央交差点・森を蹂躙し自衛隊と交戦しながら移動) / ギュウジン丸(春草総研・ザンザスの戦闘を観測後、■■■■■として暗躍) / 極星獅子堂イズミガロア(路地裏・警官隊に包囲され粘液とマシンガンで応戦) / マーティ・マウザー(路地裏・警官隊に包囲されるも卓球への執念を見せる) / キルア=ゾルディック(屋上?移動・警察の包囲網から神速で離脱) / キャベツ(住宅街・SAT隊員にコンビニへ向かう強迫観念を植え付ける) / 鹿目まどか(裏路地・シックスと交戦するも逃げられる) / シックス(裏路地・まどかの攻撃を防ぎ、彼女の絶望を期待して退散)


    死亡者(脱落者)

    なし

  • 171二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:54:30

    キャベツこわっ

  • 172二次元好きの匿名さん26/06/07(日) 23:55:29

    (春草総研・ザンザスの戦闘を観測後、■■■■■として暗躍)

    ネタバレワァオ!!

  • 173◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:57:35

    >>172

    あかんやん も…もうこのまま進めるしかない

  • 174◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:58:06

    4ターン目


    【猛毒の涙と偽りの保護者】


    周囲のコンクリートがドロドロに溶け、SATの隊員たちが凄惨な死を遂げた住宅街の路地。

    その地獄の中心で、黄緑色の巨獣――毒ちいかわは、しゃがみ込んでポロポロと大粒の涙をこぼしていた。


    「わァ…ァ…、イヤッ……フ!」


    自分が触れるもの、近づくものが全て壊れ、死んでいく。その現実にパニックを起こし、ただ怯えることしかできない。

    そこへ、アスファルトの惨状を踏み越えて近づく影があった。アスキンの『The Deathdealing』によって完全な毒耐性を得た滝澤政道である。


    「おい……お前……」


    滝澤が恐る恐る声をかけると、毒ちいかわはビクッと肩を跳ねさせ、涙目で滝澤を見上げた。自身に近づいてなお、血を吐くことも溶けることもない人間の姿に、丸い目をパチクリとさせている。

    その怯えきった瞳を見た瞬間、滝澤の中で張り詰めていた緊張の糸がふっと緩んだ。


    (なんだ……こいつ、ただの迷子みたいな顔してやがる)


    喰種のような明確な悪意も、殺戮への喜びもない。ただ自分の性質を制御できず、周囲を傷つけてしまうことに怯えるだけの、哀れな生き物だ。

  • 175◆ilKHoJi8Ag26/06/07(日) 23:58:34

    「おい、アスキン」

    滝澤は背後で少し距離を取っている長身の男を振り返った。

    「こいつ、このまま放っておいたら警察どころか軍隊が飛んでくる。街の被害も拡大する一方だ。……どこか人目につかない、密閉された地下か廃ビルに隠そう」


    「はぁ? アンタ、正気か?」

    アスキンは心底呆れたようにため息をついた。

    「俺の能力で耐性を作ったとはいえ、あんな歩くバイオハザードを引率するなんて、リスクの塊だ。致命的にも程があるぜ」


    「だけど、放っておけるかよ! 喰種捜査官として被害を抑えるためでもあるが……こいつだって、こんな風になりたくてなったわけじゃないはずだ!」


    滝澤の真っ直ぐで不器用な正義感。アスキンはしばらくその顔を鬱陶しそうに眺めていたが、やがてやれやれと首を振った。


    「……まぁ、ここで自衛隊の戦車部隊なんぞに出張られて、包囲網に巻き込まれる方がよっぽど『致命的』だな。いいだろう、隠れんぼに付き合ってやるよ」


    打算と天秤にかけ、アスキンは渋々承諾する。滝澤はホッと息を吐き、毒ちいかわに向かって「こっちだ、ついてこい」と手招きをした。

    毒ちいかわは不思議そうに「フ!」と短く鳴くと、彼らの後をよちよちと追いかけ始めた。

  • 176◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:01:00

    【少女の火花と狂気の美食家】


    薄暗い路地裏で、ナギとクリーパーカー、そして肉切り包丁を構えるピエールの対峙は限界を迎えていた。


    「ふふっ……折角の調理の時間を邪魔しないでちょうだい。それとも、あなたも極上の付け合わせになりたいのかしら?」


    ピエールが優雅な微笑みを浮かべたまま、音もなく踏み込む。その恐るべき脚力と、包丁から放たれる生々しい殺気は、ただの少女たちにどうにかできる次元のものではなかった。

    ナギの“チカラ”が、絶対的な死の接近を告げる。


    「危ない……!」


    ナギが身構えた瞬間、彼女の前にクリーパーカーがスッと進み出た。


    「お姉さん、ダメだよ!」


    クリーパーカーはフレンドリーな笑顔のまま、ピエールの凶刃の前に立ちはだかった。

    その直後、彼女の体から「シューーー……ッ」という、導火線に火がついたような異音が鳴り響き始めた。

  • 177◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:01:30

    「あら? なにかしら、その音は……」

    「私ね、たまに爆発するんだって言ったでしょ!」


    警告はそれだけだった。

    ピエールが異変を察知し、咄嗟に包丁を盾のように構えた次の瞬間――クリーパーカーの体が、凄まじい閃光と共に大爆発を起こした。


    「ッ……!?」


    路地裏の壁が吹き飛び、爆風が荒れ狂う。

    ナギは爆発の直前、クリーパーカーが巧みに爆風の指向性をピエール側に向けたおかげで、強風に煽られて尻餅をつく程度で済んでいた。

    もうもうと立ち込める粉塵。それが晴れた後には、クリーパーカーの姿は跡形もなく消え去っていた。(※野生のクリーパーの性質を持つ彼女は、どこか別の安全な場所で静かにリスポーンしているはずである)


    「……ゲホッ、まったく。なんというスパイシーな……!」


    爆心地から少し離れた場所に、ピエールの姿があった。

    巨大な包丁を盾にしたことで致命傷は免れたものの、上品な衣服は所々が焦げ、白い頬からは一筋の血が流れている。彼女の瞳には、極上の食材に逃げられたことへの強烈な不満と怒りが渦巻いていた。


    「これだから、弾ける食材は扱いが難しいのよね……」


    ピエールが舌打ちをしてナギの方へ視線を向けると、そこにはもう誰の姿もなかった。ナギはクリーパーカーが作った隙を突き、すでに路地の奥へと逃走した後だった。

  • 178◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:04:01

    【大帝の逆鱗と砕かれた沼】


    「ひゃはははっ! オラオラオラァッ!!」


    キリュウ横丁に近い大通り。

    荒川の狂気に満ちた笑い声とチェーンソーの爆音が響き渡っていた。

    彼はガニシュカに向かって斬りかかると見せかけ、凄まじい身のこなしで方向を転換し、周囲を包囲していたSATの防弾盾を紙屑のように切り裂いていく。


    「ええい、鬱陶しい羽虫どもめ! 大帝たるこの余の裁きを邪魔する気か!!」


    ガニシュカもまた、自分と荒川の死闘に介入してくる警察部隊に対し、激しい苛立ちと共に雷撃を放っていた。

    荒川が前衛で部隊の陣形をかき乱し、ガニシュカが後方から広範囲の雷で一掃する。意図したわけではないが、結果的に二人は凄絶で奇妙な共同戦線を張る形となっていた。


    「バケモノめ……撃てッ! 全弾撃ち尽くせェッ!!」


    恐怖に駆られたSATの隊員たちが、悲鳴混じりにアサルトライフルの引き金を引く。

    無数の弾丸が雨あられと降り注ぐ中、チェーンソーを振りかぶっていた荒川の左腕に、ひとつの「運命の弾丸」が吸い込まれるように命中した。

  • 179◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:04:32

    甲高い金属音。

    それは、荒川の肉体ではなく、彼の手首に装着されていた『腕輪』にクリーンヒットした音だった。

    本来なら破壊不可能な強度を持つはずの腕輪だが、強力な銃弾の直撃による物理的な干渉を、システムは「不正な破壊行為(あるいはルール違反)」と判定した。


    『ピッ――』


    無機質で短い警告音。荒川が「ん?」と不思議そうに左腕を見た、その直後だった。

    腕輪の内部に仕込まれた起爆装置が、一切の慈悲なく作動した。


    「あー……まじっすか」


    ドゴォォォォンッ!!!

    荒川の呆れたような最後の呟きは、爆発の轟音に掻き消された。

    ルール違反者を処断するための圧倒的な破壊力が炸裂し、荒川の上半身は木端微塵に吹き飛んだ。いかに高い再生能力を持つ“沼”であろうと、脳と心臓を同時に完全消滅させられては生き延びる術はない。

  • 180◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:04:50

    その光景を目の当たりにしたガニシュカの動きが、ピタリと止まった。


    「な……に?」


    ガニシュカの瞳に浮かんだのは、強敵が消えた安堵などではない。

    『大帝たる己の処罰権』を横取りされたという屈辱。そして、自分の圧倒的な力すら制限したあの腕輪(システム)が、いとも容易く自分の獲物の命を奪い去ったという、底知れぬ憎悪だった。


    「……羽虫どもが、余の獲物を勝手にッ……! それにこの見えざる檻……大帝たる余の裁きを、たかが機械風情が奪うというのかァァァッ!!」


    かつてない激怒の咆哮。

    空気が悲鳴を上げ、ガニシュカの周囲に黒い雷雲が渦巻く。その凄まじい威圧感に、残されたSAT隊員たちは完全に戦意を喪失し、膝から崩れ落ちた。


    「万死ッ! 万死に値するッ!! 貴様らすべて、灰すら残さず消え失せろォォォッ!!」


    ガニシュカの怒りそのものと化した極大の雷撃が、大通りを埋め尽くすように放たれた。

    装甲車も、武装した隊員たちも、アスファルトもろとも一瞬にして白光に飲み込まれ、後には黒焦げのクレーターだけが残された。

  • 181◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:08:14

    【盤上の悪魔と傲慢な管理者】


    サイレンの音と遠くで上がる黒煙を、シックスはビルの屋上から冷ややかに見下ろしていた。

    先ほどの小娘――鹿目まどかが放っていた極上の絶望の匂いを思い出し、彼は三日月のような笑みを深める。


    「さて、あの輝かしい希望をどう料理してやろうか……」


    「フム。随分と楽しそうじゃないカ、純粋なる悪意の結晶よ」


    不意に、シックスの背後で無機質な電子音が響いた。

    振り返ると、空中に展開されたホログラムパネルの中に、白衣を着た男――ギュウジン丸がニヒルな笑みを浮かべて見下ろしていた。監視カメラかドローンをハッキングして投影しているのだろう。


    「ほう。ネズミが安全な穴の底から、私に何の用だ?」

    シックスは一切の警戒を見せず、ただ不愉快そうに目を細めた。

  • 182◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:08:45

    「君のその肉体――細胞を瞬時に金属化させるその特異な生態に興味を持ってネ。ワタシの計算に組み込む『特級の駒』として非常に魅力的ダ。どうだろう、ワタシと一時的に手を結ばないカ?」


    ギュウジン丸の言葉は提案の形をとっていたが、その本質は「優秀な道具として使ってやる」という傲慢な宣告だった。シックスはその言葉の裏にある支配欲を即座に嗅ぎ取り、喉の奥で低く笑った。


    「現在の盤面には、思考を持たない毒の獣や、力任せの鉄の塊など、ワタシの美しい管理を乱すノイズが多すぎる。君にとっても、知性の欠片もない災害に巻き込まれて死ぬのは、至高のエンターテインメントとは呼べないのではないかネ? ワタシが情報と最適なルートを提供し、君がその武力でノイズを掃除する。極めて合理的な取引ダ」


    シックスはホログラムの向こう側にいる「自称天才」の顔を見つめ、歓喜に肩を震わせた。

    (この男……自分が盤面のすべてを支配していると疑っていない。こういう手合いが、自分の計算を超えた絶対的な悪意に触れ、無惨に敗北を悟る瞬間の顔は……さぞかし美味だろうな)


    「フフ……よかろう。この街を徘徊する薄汚い羽虫どもを掃除するのに、ナビゲーションがあるのは悪くない。だが勘違いするなよ、自称天才。私は貴様の駒になるのではない。貴様の用意した舞台で、私が最も美しい惨劇を主演してやるだけだ」

    「交渉成立ダ。せいぜい、ワタシの期待に応えてくれたまえヨ」


    こうして、互いを「利用し尽くした後に最悪の形で絶望させる」ことだけを目的とした、極めて冷酷で危険な共闘関係が密かに結ばれた。

  • 183◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:12:20

    【焦土に咲く希望と暗殺者の同行】


    少し前まで閑静な大通りだったその場所は、今や完全な地獄と化していた。

    雷帝ガニシュカの激怒による極大の雷撃は、アスファルトを抉り、SATの装甲車を飴細工のように溶かし、周囲の建物を黒焦げの残骸へと変えていた。鼻をつくオゾンと焦げた肉の臭いが、惨劇の規模を物語っている。


    「……ひどい」


    その焦土の中心で、鹿目まどかは両手で口を覆い、ポロポロと涙をこぼしていた。

    炭化した遺体、あるいは吹き飛ばされた人々の痕跡。誰かの平穏な日常が、理不尽な暴力によって一瞬で奪われた光景。


    「だから言っただろ。ここは地獄だ」


    瓦礫の陰から、音もなくキルアが姿を現した。

    彼はポケットに手を突っ込んだまま、呆れたようにまどかを見つめる。


    「あの化け物みたいな雷を撃った奴も、他のイカれた連中も、本気で殺し合いを楽しんでやがる。あんたみたいな甘い奴がうろついていい場所じゃない。大人しく身を隠せ」


    キルアの言葉は冷たいが、それは彼なりの不器用な優しさと警告だった。

  • 184◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:12:31

    しかし、まどかは逃げるどころか、袖で乱暴に涙を拭い、キルアを真っ直ぐに見据えた。


    「……逃げないよ」

    「はぁ?」

    「こんなひどいこと、絶対におかしいもん。誰も報われないし、悲しむ人ばかりが増えていく……。だから、私が止める。これ以上、誰も傷つけさせない」


    まどかの瞳には、先ほどまでの悲痛な涙は消え、代わりに強靭な意志の光が宿っていた。

    自分の命すら天秤にかけず、この狂った箱庭のルールそのものを破壊しようとする、ある種の「狂気」すら孕んだ純粋な決意。

    キルアはその気迫に圧倒され、思わず息を呑んだ。


    (……なんだこいつ。この地獄を見ても、まだそんなこと本気で言えるのかよ)


    暗殺者として血みどろの世界で生きてきたキルアにとって、まどかの存在はあまりにも眩しく、そして危うすぎた。こんな無防備な背中を放っておけば、彼女は確実に誰かの悪意に食い殺されるだろう。


    「……あー、くそっ。わかったよ、勝手にしろ!」


    キルアは苛立たしげに頭を掻き毟り、大きなため息をついた。


    「ただし、オレはあんたのボディーガードじゃない。危なくなったらオレは真っ先に逃げるし、あんたが死にそうになっても助けないかもしれない。……それでもいいなら、ついてきてやる」


    「うん……! ありがとう、キルア君!」


    まどかの顔に、ようやく希望に満ちた柔らかな笑顔が戻る。

    冷徹な暗殺者と、救済を誓う少女。決して交わるはずのなかった二人が、この狂った街を止めるために並んで歩き始めた。

  • 185◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:14:36

    【鋼の怪獣と奇妙な逃走劇】


    住宅街を一直線に削り取りながら進む、全長450mの陸上戦艦ザンザス。

    その圧倒的な質量は、アスファルトも電柱も家屋も関係なく、ただの平面へと変えていく。上空で旋回する自衛隊機のミサイルも、分厚い装甲には掠り傷ひとつつけられない。


    『オォォォレェェェ……!!』


    無数のドローンが空を舞い、地響きが迫る中、イズミとマーティは警官隊の包囲網を突破して路地裏を猛ダッシュで駆け抜けていた。


    「うおおおおッ! なんだあのデカすぎる鉄の塊は!? この街はイカれてる! どこに行っても銃だの化け物だのネバネバだの……卓球台のひとつも置いてねえのかよ!」

    「あーもう、お腹空いて走れないよー! ねえメガネの人、ご飯どこー!?」


    マーティの狂気的な文句に、イズミが腰の触腕をだらんと引きずりながら泣き言を返す。

    先ほどイズミが警官隊の足元を青い粘液で固めた隙を突き、マーティの謎の強運(と逃げ足の速さ)に引っ張られる形で、二人はなぜか行動を共にし、ザンザスの蹂躙から逃れていた。


    「知るか! 俺は未来の世界チャンピオンだぞ! ご飯より卓球台だ!!」


    息を切らしながら大通りへと転がり出たマーティの目に、ボロボロになった看板の文字が飛び込んでくる。


    「……『亜仁満町 市民体育館』? ……あったァァァッ!! そこなら絶対に卓球台があるはずだぜェェ!!」

    「えっ、たいいくかん? そこに行けば美味しいもの食べられるの!?」

    「ああっ、俺にとっての最高のご馳走(卓球)がな!! ついてこい奇抜女!!」


    完全に会話がすれ違っている二人だったが、凄まじい地響きを立てて迫るザンザスから逃れるため、彼らは戦場と化した街を背に、歓喜の声を上げながら体育館へと猛ダッシュしていった。

  • 186◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:16:07

    【緑の呪いは静かに転がる】


    激しい戦闘の喧騒から少し離れた、静まり返った住宅街の一角。

    そこには、全身から体液を噴き出し、虚ろな目のまま「コンビニに行かなければ」と呟きながら事切れている数名のSAT隊員の死体が転がっていた。


    彼らを死のパニックに陥れた元凶である緑色の塊――キャベツは、ブロック塀の足元で静かに鎮座していた。


    「レタス」


    自身が引き起こした凄惨な死の連鎖など、どこ吹く風。

    キャベツはコロコロと風に吹かれて少しだけ移動すると、再びそこを通りかかるであろう新たな「認識者」を待つ。


    この街に潜む数々の物理的な暴力や悪意とは全く異なる、純粋な「理不尽なる強迫観念」。

    誰の目にも留まらないようなただの野菜が、このデスゲームにおいて最も致死性の高い罠として、静かに牙を研いでいた。

  • 187◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:16:49

    4ターン目 リザルト


    生存者

    毒ちいかわ(住宅街・滝澤らに連れられ人目につかない場所へ移動中) / 滝澤政道(住宅街・毒ちいかわを保護しアスキンと共に移動中) / アスキン・ナックルヴァール(住宅街・渋々滝澤に同行しつつ状況を注視) / ナギ(路地裏・クリーパーカーの自爆を機にピエールから逃走) / ピエール(路地裏・クリーパーカーの自爆で軽傷を負い、獲物を逃して不満を抱く) / ガニシュカ(大通り・荒川をシステムに横取りされた屈辱と怒りでSATを殲滅) / 陸上戦艦ザンザス(住宅街・圧倒的な質量で街を蹂躙しつつ進行中) / ギュウジン丸(春草総研・シックスと互いを利用し合う危険な共闘関係を結ぶ) / シックス(屋上?春草総研通信・ギュウジン丸と結託し、彼を絶望させる機会を窺う) / 鹿目まどか(焦土と化した大通り・惨状に心を痛めつつ、この狂気を止める決意を固める) / キルア=ゾルディック(焦土と化した大通り・まどかの気迫に押され、渋々彼女の護衛として同行) / 極星獅子堂イズミガロア(住宅街?市民体育館・空腹のまま、マーティと共に体育館へ向かう) / マーティ・マウザー(住宅街?市民体育館・卓球台を求めてイズミと共に体育館へ猛ダッシュ) / キャベツ(住宅街・新たな認識者を待ちながら静かに鎮座) / クリーパーカー(不明・自爆後、別の安全な場所でリスポーン中)


    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

  • 188◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:19:08

    今回の更新はここまで

    事前出力の癖に黒幕バレなんて無様すぎて哀れだろ…殺してくれ

    次回更新は今日(8日)の夜になる予定なんだァ

  • 189二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 00:20:32

    >>188

    今からでも該当リザルトは消してもいいと思われる

  • 190◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 00:22:34

    >>189

    いいや個人的には戒めとして残したいということになっている

    まっ後から見るモブが困惑するだろうからバランスは取れてないんだけどね

  • 191二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 00:28:01

    オツカレーッ
    一般市民いる設定とか腕輪設定とかしっかり面白そうだし改造プロンプトを完結後に見せて欲しいですね‥‥

  • 192二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 00:29:53

    オツカレーッ

  • 193二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 01:08:54

    オツカレーッ

  • 194心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/06/08(月) 01:09:54

    オツカレーッ
    いやあ市民に腕輪に新鮮でめちゃくちゃおもろいのォ ですねぇ

  • 195二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 01:24:33

    オツカレーッ
    俺さぁ初めて見たんだよね 流れ弾を受けた腕輪が誤作動して爆死するキャラ

  • 196二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 01:35:39

    >>184

    へっまた圧倒的な光に絆されてるよあの馬鹿

  • 197二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 07:56:50

    保守

  • 198二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 11:13:50

    参加者一人一人の個性をうまく引き出せてておもしれーよ

  • 199二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 18:19:25

    待ってるよ…

  • 200◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 18:22:19

    更新準備として毒ちいかわの画像が消えてるからサルベージすルと申します

  • 201二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 18:57:01

    このレスは削除されています

  • 202◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 18:58:17

    5ターン目


    【天才と絶対悪、そして緑の理不尽】


    廃墟と化した亜仁満町の市街地を、二つの影が悠然と歩いていた。

    ギュウジン丸とシックス。相容れないはずの傲慢なる天才と絶対悪は、奇妙な共闘関係を結び、次の標的へと向かっていた。


    「目下の目標は、あの街を蹂躙している巨大な鉄の塊――戦艦ザンザスだ。あの圧倒的な質量と動力炉は、ワタシがかつてあの忌まわしき娘との戦いで失った『真の肉体』を再構築するための、極上の素体となる」

    「フッ……自身の身体を他人のガラクタで補おうとは、涙ぐましい執念だな。だが、あの巨体をどうやって止めるつもりだ?」

    「ワタシの知能と、君のその優秀な『金属細胞』があれば、あの船の制御中枢を直接ハッキングして乗っ取ることは容易い。せいぜいワタシのために道を開けたまえヨ」


    水面下で互いを出し抜く算段を巡らせながら歩を進める二人。だが、そんな彼らの足元へ、瓦礫の隙間からコロンと丸い緑色の物体が転がり出てきた。


    キャベツである。


    「ん? なんだこの野菜は……」


    シックスが怪訝そうに見下ろした瞬間、キャベツが静かに一言呟いた。

    「レタス」

  • 203◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 18:58:33

    直後、シックスとギュウジン丸の脳内に、凄まじいシステムエラーが走った。


    「な……ッ!? なんだこれは、私の脳が……絶対的な悪意の化身であるこの私が、今すぐ……!!」

    「ば、馬鹿なッ!? ワタシの天才的な思考演算が完全にシャットダウンされ……『コンビニに行け』というタスクで埋め尽くされているだとォッ!?」


    二人の顔に、かつて見せたことのない激しい動揺と焦燥が浮かぶ。

    彼らは街を支配する強者であるという矜持すら投げ捨て、突如として血眼になりながら走り出した。


    「おのれ、こんな理不尽な精神干渉……ッ! だが、コンビニに行かねば……おでんを……おでんを買わなければッ!!」

    「ハァ、ハァ……! しかしこの圧倒的なエラーコード……これこそワタシを縛るシステムを書き換えるキーパーツダ……! 買い物を済ませたら、絶対に回収してやる……ッ!!」


    絶対悪の怪物と傲慢な天才科学者は、それぞれの野望を胸に抱きながらも、今はただの「買い物客」として仲良くセイコマートへ向かって猛ダッシュしていくのだった。

  • 204二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 18:59:40

    このキャベツを殺す方法を教えてくれよ

  • 205◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:01:50

    【猛毒の悪夢と気まずい保護者たち】


    (わァ……ァ……)


    薄暗い廃ビルの地下。眠りについた毒ちいかわは、酷い悪夢にうなされていた。

    夢の中の景色は、かつて自分が暮らしていた、優しくて温かい故郷の光景。大好きな友達がいて、草むしりをしたり、討伐に行ったりする平和な日々。

    だが。


    「イヤッ……イヤッ!」「……なんでェ」「ウ……ラ……」


    ある日突然変異してしまった自分の身体から溢れる「毒」が、草原を溶かし、家を溶かし、大好きな友達すらもドロドロの肉塊に変えてしまった。

    自分はただ、みんなと一緒にいたかっただけなのに。

    悲痛な泣き声と共に、毒ちいかわはハッと目を覚ました。


    「おいおい、冗談キツイぜ。これ以上この歩くバイオハザードのお守りをするなんて、どう考えても致命的だろ。俺は正義の味方ってガラじゃないんだぜ?」

    「ふざけるな! 俺は喰種捜査官だ! こいつを見捨てて外に出せば、どれだけの一般市民が死ぬと思ってる! だいたい、お前が『耐性』を維持してくれなきゃ、俺だってこいつに近づけないんだよ!」


    目を覚ました毒ちいかわの視界に飛び込んできたのは、自分を挟んで口論をしている滝澤とアスキンの姿だった。

    滝澤は正義感から声を荒げているが、対するアスキンは呆れたように肩をすくめ、どこか飄々とした態度を崩さない。殺伐とした空気が流れていたが、毒ちいかわが起き上がって「フ……?」と不思議そうに首を傾げたのを見た瞬間、二人の動きがピタリと止まった。

  • 206◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:02:08

    「あ……」

    「……」


    滝澤はバツが悪そうに頭を掻き、アスキンはわざとらしくやれやれと首を振る。


    「……ま、まぁ、なんだ。今は外も物騒だしな。もうしばらくは……ここで大人しくしてようぜ」

    「……勘違いするなよ? 別に俺は同情で付き合ってやってるわけじゃない。下手にコイツを外に放り出して、俺まで巻き添えを食うって『致命的なリスク』を避けてるだけだぜ」


    気まずそうに矛を収める二人を見て、毒ちいかわの心に、悪夢とは違う小さな温かさが灯った。

    彼らは自分を恐怖の対象としてではなく、守るべき、あるいは同行する対象として見てくれている。毒ちいかわは安心したように、滝澤の足元に擦り寄って小さく丸まった。

  • 207◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:04:32

    【狂気の卓球バカと呆れる暴食】


    「うおおおおッ!! ついに見つけたぜェェ!!」


    亜仁満町市民体育館。そこは現在、戦火から逃れてきた数百人の避難民が身を寄せ合う、重苦しい空気に包まれた場所だった。


    だが、そんな悲壮感漂う空間に、マーティ・マウザーの歓喜の絶叫が響き渡る。

    彼は体育館の用具室から卓球台を強引に引っ張り出し、フロアのど真ん中に設置すると、ラケットを構えて叫んだ。


    「さあ! 俺は未来の世界チャンピオンだ! この中で俺に勝てる自信のある奴、今すぐかかってこい!! 最高の試合をしてやろうぜ!!」


    マーティの目は血走っており、完全に卓球の事しか見えていない。

    だが、家族を失い、家を焼かれ、疲労と恐怖で毛布に包まって震えている避難民たちが、その狂った誘いに乗るはずがなかった。皆、マーティを「戦争のショックでおかしくなってしまった哀れな男」を見るような目で遠巻きにしている。


    「おいおいどうした! お前ら、この俺の球を返すのが怖いのか!? 逃げるなよ!!」


    空回りするマーティの怒号だけが虚しく響き渡る。

  • 208◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:04:57

    「あーあ、あのメガネの人、本当にバカなんだなぁ……」


    その様子を体育館のステージの上から見下ろしながら、極星獅子堂イズミガロアはボリボリと音を立てていた。

    彼女の両手には、避難所の配給コーナーから(ある程度強引に)もらってきたカンパンや非常食の山が抱えられている。


    「んふふ、パサパサしてるけど美味しい。……あいつ、放っておいて全部食べちゃおっと」


    外では文字通りの地獄が繰り広げられているというのに、体育館の中だけは、誰も相手にしてくれない卓球台の前で吠え続ける男と、それを無視して非常食を貪る異形の少女という、酷くシュールで場違いな空間が形成されていた。

  • 209◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:07:38

    【迫り来る絶望の雷雲と、食卓に潜む道化】


    「……生存者はいないか! いるなら声を出してくれ! 市民体育館へ誘導する!」


    瓦礫が散乱する大通りで、傷だらけの若い警官が声を張り上げていた。

    通信はとうの昔に途絶え、指揮系統は崩壊しているが、彼は職務を全うしようと逃げ遅れた市民を探していたのだ。

    だが、彼の悲痛な声に応えたのは、生存者の声ではなく、空気を焦がす凄まじいオゾンの臭いだった。


    「――喧しいぞ、羽虫」


    警官が振り返った先。そこには、全身から黒い稲妻を迸らせ、一切の感情を排した冷酷な目で見下ろす巨大な影――ガニシュカ大帝が立っていた。


    「ひっ……化け、物……!」

    「貴様らのような下賤な命が、どこへ逃げ延びようというのだ。大帝たるこの余の支配から逃れられる場所など、この盤上のどこにもない」


    警官が腰の拳銃を抜くよりも早く、無慈悲な黒雷が振り下ろされる。

    悲鳴すら上げる暇もなく、警官の体は一瞬にして黒焦げの炭と化し、崩れ落ちた。


    「……『市民体育館』と言ったか」


    ガニシュカは、炭化した死体を足蹴にしながら、警官が誘導しようとしていた方向へと視線を向ける。

    怯えて群れる弱者たちの希望を、自らの手で蹂躙し、絶対的な恐怖で染め上げる。それこそが、腕輪(システム)にコケにされた彼が、自身の威厳を取り戻すための極上の「儀式」だった。

    大帝の怒りを孕んだ黒い雷雲が、ゆっくりと体育館の方角へと移動を始める。

  • 210◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:07:56

    一方、その市民体育館の内部。

    マーティが卓球台の前で喚き、イズミガロアが非常食を貪るカオスな空間の隅で、その女性は『善良なボランティア』の顔をして避難民たちに紛れ込んでいた。


    「さあ、温かいスープですよ。少しでも口にしてくださいね」


    ピエールである。

    彼女は傷ついた衣服を整え、優しげな微笑みを浮かべながら、震える避難民たちを介抱する協力者を完璧に演じ切っていた。

    だが、その瞳の奥には、彼らをただの「極上の食材」として品定めする、狂気に満ちた美食家の光が宿っている。


    (ふふ……適度に絶望と恐怖で下味がついた、素晴らしい肉質ばかりだわ。最高のフルコースを振る舞うために、もう少しだけ……ここで爪を研がせてもらうとしようかしら)


    迫り来る外の絶望と、内に潜む狂気。体育館は今、最悪の死地になろうとしていた。

  • 211二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:08:13

    三馬鹿の雰囲気が緩いせいで毒ちいかわの身長が2m超えてること忘れそうになるんだよねすごくない?

  • 212二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:10:05

    あの男はラケット一本で雷霆に立ち向かうつもりか…?

  • 213◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:11:00

    【路地裏の奇跡と爆発娘の帰還】


    「……ごめんね、クリーパーカーちゃん……」


    薄暗い路地裏を、ナギは一人、とぼとぼと歩いていた。

    狂気の料理人ピエールの凶刃から自分を逃がすため、彼女は自らの体を爆発させて散った。あの凄まじい爆発の中で、彼女が生きているはずがない。

    自分のような無力な人間のせいで、優しい友人を死なせてしまった。ナギの目から、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。


    その時だった。


    「あっれー? ナギちゃん、どうして泣いてるの?」

    「……え?」


    聞き慣れた、能天気で明るい声。

    ナギがハッと顔を上げると、路地の曲がり角から、爆発で消し飛んだはずのクリーパーカーが、全く無傷の姿でひょっこりと顔を出したのだ。

  • 214◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:11:18

    「ク、クリーパーカーちゃん……? で、でもさっき、爆発して……体が粉々に……!」

    「あはは! 私、クリーパーだもん! 爆発しても、ベッドの近くとか安全な場所で『リスポーン(復活)』できるんだよ!」


    彼女はゲーム『Minecraft』の仕様そのもののような常識外れの生態を、さも当然のように説明した。

    死という概念すらも覆す、理不尽極まりない存在。しかし今のナギにとって、それは何よりも救いとなる奇跡だった。


    「……ほんとに、よかった……!」


    ナギは堪えきれず、クリーパーカーに飛びついて号泣した。

    クリーパーカーも「よしよし、泣かないでー」と優しく背中を撫でる。

    凄惨な殺し合いが続くこの街で、少女たちの小さな、しかし確かな絆が再び結び直された瞬間だった。

  • 215◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:14:39

    【暗殺者の覚悟と雷鳴の予感】


    「……なるほどな。そりゃあ、あんたがイカれてるわけだ」


    瓦礫の積まれた大通りを警戒しながら進む中、キルアは重いため息をついた。

    まどかの、自己犠牲すら厭わない異常なまでの気迫。その根源にあるものを問いただしたキルアは、彼女から「魔法少女」という存在の残酷な運命と、キュゥべえという理判なシステムについて聞かされていた。


    「自分が犠牲になれば、みんなが助かる……。あんたは本気でそう思ってんだろ。だけどな……」

    キルアの足取りが止まり、彼はまどかを鋭く、しかしどこか悲しげな瞳で睨みつけた。

    「残された側の気持ちを考えたことあんのかよ! 助けられた奴が、あんたの死を背負って一生どんな思いで生きるか、わかってんのか!?」


    それは、かつて自らの命を投げ打とうとした親友・ゴンに向けた思いと全く同じだった。

    システムによって運命を弄ばれ、自ら犠牲になろうとする少女の姿は、キルアにとって到底見過ごせるものではない。


    「……ごめんなさい。でも、他に方法が……」

    「謝るな。あんたが優しいのはわかった。……だから、オレが決めた」


    キルアはポケットから手を出し、自らの両手に念のオーラを纏わせた。


    「オレは元・暗殺者だ。こういう地獄みたいな人殺しの盤面は、オレの専門分野だからな。……あんたは、その馬鹿みたいなお人好しのまま、絶対に生き残れ。手を汚すのも、理不尽をぶっ壊すのも、全部オレがやってやる」

  • 216◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:14:59

    それは、ただの同行者ではなく、彼女を理不尽なシステムから守り抜く「保護者」としての強固な覚悟の言葉だった。

    まどかの瞳に、驚きと、そして深い感謝の光が宿る。


    「キルア君……うんっ、一緒に頑張ろう!」


    二人が改めて戦う意志を固め、頷き合ったその直後――。


    「ッ……! まどか、伏せろ!!」

    「えっ……!?」


    キルアの全身の毛が逆立ち、まどかの肌をビリビリと刺すような悪寒が襲った。

    遠く離れた方角から、空気を焼き焦がすほどの圧倒的で凶悪な『力(オーラ)』が、一つの場所に向かって移動していくのを察知したのだ。


    「この馬鹿げた気配……さっきの雷を撃った化け物か! 向かってる先には……確か『避難所(体育館)』があったはずだ!」

    「そんな……! 早く止めに行かなきゃ!!」


    キルアの静止を待たず、まどかはすでに駆け出していた。

    「おい、待てって! ……くそっ、世話の焼ける!」


    強大な雷雲が迫る市民体育館へ向けて、暗殺者と魔法少女のコンビは全速力で地を蹴った。

  • 217◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:15:13

    5ターン目 リザルト


    生存者

    毒ちいかわ(廃ビルの地下・悪夢から目覚め滝澤たちに懐きつつある) / 滝澤政道(廃ビルの地下・アスキンと衝突しつつも毒ちいかわを保護) / アスキン・ナックルヴァール(廃ビルの地下・リスクを嫌いつつも滝澤たちに同行) / ナギ(路地裏・リスポーンしたクリーパーカーと奇跡の再会を果たし号泣) / クリーパーカー(路地裏・別地点でリスポーンしナギと合流) / ピエール(市民体育館・善良なボランティアを装い避難民を食材として品定め中) / ガニシュカ(大通り?市民体育館・避難所を凄惨な地獄に変えようと進軍中) / 陸上戦艦ザンザス(市街地・圧倒的な質量で周囲の建物を破壊しながら進行中) / ギュウジン丸(市街地?セイコマート・キャベツの呪いでコンビニへ猛ダッシュ) / シックス(市街地?セイコマート・キャベツの呪いで絶対悪の矜持を捨てコンビニへ走る) / 鹿目まどか(市民体育館へ急行中・ガニシュカの凶行を止めるため走る) / キルア=ゾルディック(市民体育館へ急行中・まどかを守り抜く決意を固め同行) / 極星獅子堂イズミガロア(市民体育館・ステージ上で避難所の非常食を貪り食う) / マーティ・マウザー(市民体育館・卓球台を広げ避難民相手に対戦相手を募集) / キャベツ(市街地の瓦礫・ギュウジン丸とシックスを呪いにかけた後静かに鎮座)


    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

  • 218◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:17:57

    7ターン目


    【雷帝の乱入と狂気の卓球勝負】


    凄まじい轟音と共に、市民体育館の分厚いエントランスの扉が吹き飛んだ。

    もうもうと立ち込める粉塵の中から、全身に黒い稲妻を纏う巨漢――ガニシュカ大帝が姿を現す。

    その圧倒的で凶悪な威圧感に、避難民たちは悲鳴を上げ、パニックに陥りながら逃げ惑い始めた。


    「ひふっ……!」


    その混乱の中、善良なボランティアを演じていたピエールは、咄嗟に毛布を被って避難民の群れに紛れ込んだ。

    (あれはダメよ……! 今の私の包丁で捌ける相手じゃないわ。ここは身を潜めるのが最善……!)

    美食家の狂気すらも沈黙させるほどの理不尽な暴力を前に、彼女は息を殺す。


    同じく、ステージ上で非常食を貪っていた極星獅子堂イズミガロアも、怪物の本能で「アレに関われば死ぬ」と即座に悟った。

    「うわ、なんかヤバいのが来た……! ご飯はもういいや、逃げよ……!」

    非常食の袋を放り捨て、触腕を使って窓からこっそり逃げ出そうとした、その時だった。


    「おおっ! お前、すげぇ強そうだな!!」


    パニックで逃げ惑う人々を逆行し、ただ一人、ラケットを構えてガニシュカの正面に立つ男がいた。マーティ・マウザーである。

  • 219◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:18:38

    「俺は未来の世界チャンピオン、マーティ・マウザー! 俺と卓球で勝負しろ!!」

    「……痴れ者が。大帝たるこの余に、下賤な遊戯を挑むか。黒焦げの灰となるがいい」


    ガニシュカは一切の感情を交えず、虫を払うように黒い雷をマーティへと放った。通常であれば、一瞬で炭化して終わるはずの光景。しかし――。


    「うおおっ!? 危ねえな!」

    マーティは偶然床に落ちていたボールを踏んで派手に転倒し、結果的に直撃コースの雷撃を紙一重で回避してしまった。そして、転がったままガニシュカを指差し、鼻で笑ったのだ。

    「なんだお前、さては『卓球』を知らないんだな!? 自分が勝てない勝負から逃げて、力任せに俺を黙らせようってのか? へっ、この街の連中は勝負から逃げるチキン野郎ばっかりかよ!!」

  • 220◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:18:58

    その言葉は、ガニシュカにとって最悪の逆鱗に触れた。

    『システムに横取りされ、死に逃げられた荒川』の記憶。そして今、目の前のただの人間から「勝てないから力で黙らせる滑稽な男」と断じられた屈辱。

    大帝たる己のプライドを、これ以上なくズタズタに引き裂く挑発だった。


    「……何だと?」

    ガニシュカの周囲で暴走していた雷が、一瞬にしてピタリと止まる。

    「大帝たるこの余が……死に逃げたあの小童と同じ、卑怯者だと? いかなる分野であろうと、余の前に立てる者などいないということを……その身に刻んでやらねば気が済まなくなったぞ、羽虫ィィッ!!」


    怒りと興奮が頂点に達したガニシュカは、なんとマーティの立つ卓球台の反対側へと歩み寄り、凄まじい風圧を纏った手刀をラケット代わりに構えた。

    「さあ来い! 卓球という下賤な遊戯ごと、貴様の存在を粉砕してくれよう!!」

    「ははっ、いいぜ! その言葉、後悔させてやる!!」


    かくして、雷帝と卓球バカによる、常軌を逸した「死の卓球勝負」が幕を開けた。

    逃げようとしていたイズミガロアは、そのあまりにも度を越したマーティの卓球狂いっぷりに、完全に思考が停止し、ぽかんと口を開けて立ち尽くすことしかできなかった。

  • 221◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:23:12

    【暗殺者と魔法少女の困惑、そして避難誘導】


    「急げ、まどか! こっちだ!!」


    キルアとまどかが市民体育館に駆け込んだ時、そこはすでに地獄の釜の底になっている……はずだった。


    『万雷のスマッシュを喰らうがいいわァァァッ!!』

    「甘いぜえぇぇッ!! 俺のミラクル・レシーブを舐めるなァァァッ!!」


    ドゴォォォォンッ!!

    ガニシュカの放つ魔法の暴風と雷撃を纏ったピンポン玉が、マーティのラケット(と常軌を逸した強運による反射角)によって打ち返され、凄まじい衝撃波となって体育館の壁を吹き飛ばした。


    「…………は?」

    キルアの足が止まった。

    絶望的な力を持つ化け物が、なぜかメガネの生身の男と本気で卓球をしている。しかも、生身の男の方が謎の技術と運で雷撃のスマッシュに喰らいつき、ラリーが成立してしまっている。

    暗殺者として培ってきたキルアの戦術眼と論理的思考が、目の前の光景を理解できずショートした。

  • 222◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:23:36

    「えっと……あれは、どうなってるのかな……?」

    まどかもまた、予想外すぎる光景に目を白黒させている。

    二人はふと、ステージの上で呆然と立ち尽くしているイズミガロアの存在に気づいた。どうやら彼女はあのメガネの男と面識があるらしい。


    「おい、そこの触手女!」

    キルアはイズミガロアの元へ跳躍し、鋭く問い詰めた。

    「一体どういう状況だ!? あんた、あいつの知り合いだろ! 止めるか、せめて説明しろよ!」


    「えぇー……私に言われても困るよぉ。あのメガネの人、ほんとに卓球のことしか頭にないバカなんだもん。放っておいて、好きなようにやらせとけばいいんじゃない?」

    イズミガロアは心底呆れ返ったように手をヒラヒラと振った。


    キルアとまどかは顔を見合わせた。

    このふざけた卓球勝負を無理に止めに入れば、あの雷の化け物の怒りの矛先がこちらに向き、被害が拡大する可能性が高い。

    激しいラリーの余波で、体育館の天井からパラパラとコンクリート片が落ちてきた。建物自体が限界を迎えている。


    「……くそっ、何が何だか全然わかんねーけど、今はあいつらに関わらない方がいい! まどか、オレたちは逃げ遅れた奴らを外に誘導するぞ!」

    「うんっ! みんな、こっちです! 早く逃げて!!」


    得体の知れない困惑を抱えながらも、キルアとまどかは、マーティの狂気が作り出した「奇跡的な隙」を利用し、パニックに陥る避難民たちを体育館から別の安全な場所へと誘導すべく奔走し始めた。

  • 223◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:26:39

    【猛毒のハグと、正義のSOS】


    「ちょっ……! だから寄るなって言ってるだろ! 俺の致死量計算(デス・ディーリング)の限界値を超えちまう!」


    廃ビルの地下。毒ちいかわは「完全に心を開いた友達」に対する最大の愛情表現として、アスキンに全力で抱きつこうと短い手足をバタバタさせて迫っていた。

    「フ! フ!!」と無邪気な笑顔を向ける毒ちいかわだが、その身体からポタポタと零れ落ちる毒液は、触れたコンクリートの床をシューシューと音を立てて溶かしている。


    「おい滝澤! お前の連れだろ、なんとかしろ! このままじゃ俺、物理的にドロドロに溶かされて死ぬぞ!」

    「あーもう、少し我慢しろ! こっちは今、それどころじゃないんだ!」


    アスキンの悲鳴を背に、滝澤は放置されていたパトカーから引っこ抜いてきた警察無線を懸命に弄っていた。CCG(喰種対策局)の捜査官としての権限と暗号コードを使い、生き残っているはずの警察の指揮系統へ必死にアクセスを試みているのだ。


    「こちら喰種捜査官の滝澤政道! 管轄の警察官、誰でもいいから応答しろ! 現在、亜仁満町は多数の特異生命体による無差別攻撃を受けている! 避難所の場所と、そちらの防衛戦力を教えろ! こっちには生存者の保護と……極めて危険だが強力な『毒の生体兵器(毒ちいかわ)』がいる! 指示を頼む!」


    ノイズ混じりの無線機に向かって、滝澤は血を吐くような声で叫ぶ。

    狂気に支配されたこの街で、彼は決して正義を諦めず、人としての矜持を保とうと足掻いていた。

  • 224◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:29:13

    【爆発娘の純粋な願いと、緑の呪いの回避】


    街の郊外へと向かう大通り。そこには、ガニシュカやザンザスの被害から逃れようとする民間人の避難列が細々と続いていた。

    ナギとクリーパーカーは、その群れの中に紛れて歩いていた。


    「ねえ、クリーパーカーちゃん」

    ナギは周囲を警戒しながら、隣を歩く親友にそっと尋ねた。

    「このゲームに勝つと、どんな願いでも叶えてもらえるって言うじゃない? クリーパーカーちゃんは、何を叶えたくて参加したの?」


    問われたクリーパーカーは、少し首を傾げた後、屈託のない笑顔で答えた。


    「私ね、この世界を『マインクラフトみたいに優しい世界』にしたいんだ!」

    「優しい……世界?」

    「うん! 爆発して家が壊れても、またみんなで木を切って建て直せばいいし、もし死んじゃっても、ベッドで『リスポーン』して笑ってやり直せるの。誰かが本当に死んで悲しむことなんてない、そんなブロックみたいに平和な世界を作るのが、私の願い!」

    https://bbs.animanch.com/arc/img/6134624/1

  • 225二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:29:13

    >>218

    あれっ6ターン目は?

  • 226◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:30:03

    >>225

    Geminiボーの出力がおかしくなったのを修正し忘れたんだァ

    …だから…すまない

  • 227二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:30:41

    >>226

    ふうんそういうことか 感謝するよマネモブ!

  • 228◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:31:06

    それは、彼女の常識外れな生態そのものを世界に適用するという、あまりにも純粋で、少しズレた願いだった。だが、ナギにはそれが、この血塗られたデスゲームのどの思想よりも優しく、眩しいものに思えた。


    「……そっか。絶対、叶えようね」


    二人が微笑み合ったその時、瓦礫の陰に、コロンと転がる緑色の物体が目に入った。


    『レタ…』

    「ッ! クリーパーカーちゃん、見ちゃダメ!」


    直感的な、そして致死の悪寒。ナギは咄嗟にクリーパーカーの手を引き、強引に目を逸らしてその場を駆け抜けた。

    奇跡的に「認識」を断ち切ったことで呪いを回避した二人は、冷や汗を流しながら足早にその場を離れていった。

  • 229二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:32:22

    お見事!"認識災害"回避だあっ

  • 230◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:33:23

    【屈辱の買い出しと、盤面を覆す提案】


    「……まさかこの天才たるワタシが、レジ袋を両手に提げて巨獣の背に乗る日が来るとはネ……」

    「黙れ。この屈辱、後で必ず全員をミンチにして雪いでやる……!」


    陸上戦艦ザンザスの広大な甲板。そこには、おでんのカップやら日用品やらがパンパンに詰まったコンビニ袋を両手に下げた、ギュウジン丸とシックスの姿があった。

    キャベツの理不尽な強迫観念を「実際に買い物をして物理的に満たす」という力技で解除した二人だったが、その代償として絶対者のプライドはズタズタに引き裂かれていた。


    「ハァ……まあいい。これでようやく、計画の第一段階ダ」


    気を取り直したギュウジン丸は、コンビニ袋を足元に置き、ザンザスの外部アクセスハッチの前に立った。

    「シックス君、君の細胞を回路に侵入させたまえ。ワタシの演算と同期して、この鉄の塊の神経を乗っ取る」

    「フン、人使いの荒い天才だ」


    シックスがハッチに手を触れると、その腕がドロドロの金属細胞へと変化し、無数の端子となってザンザスの基盤へと入り込んでいく。

    ギュウジン丸の天才的なハッキング能力と、シックスの物理的な電子同化。二人の悪魔的な融合により、難攻不落の巨大戦艦のシステムは瞬く間に掌握されていった。

  • 231◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:33:44

    『……メインシステム、制圧完了。外部カメラの映像と、街の通信ログを傍受できるようになった』


    ギュウジン丸が展開したホログラムモニターに、街の各所の映像が映し出される。

    その中の一つ、半壊した『市民体育館』の映像を見たシックスの目が、ふと細められた。

    そこには、避難民を守ろうとするまどかたちの姿と、その避難民の群れに紛れ、舌を舐めずりながら「獲物」を品定めしているピエールの姿が映っていたのだ。


    「……おい、自称天才。一つ、面白いことを思いついた」

    シックスは三日月のような笑みを浮かべ、ギュウジン丸に向かって『ある提案』を囁いた。それは、ザンザスのシステムと街の状況を利用した、極めて悪辣な情報操作の案だった。


    (……フム。単なる破壊機構かと思っていたが、悪意の『デザイン』にも長けているようダ……)

    ギュウジン丸は内心で驚愕し、シックスへの警戒度を大幅に引き上げた。

    こいつはただの便利な駒ではない。隙を見せれば、ワタシの首すら獲りに来る危険なジョーカーだ。

    「……素晴らしい案だネ、シックス君。君のアイデアを、ワタシの計算で完璧な芸術にしてやろう」


    表面上は余裕の笑みを浮かべ、提案を承諾するギュウジン丸。

    腹の探り合いと歪んだ共闘。ザンザスという最強の兵器を手に入れた二人の悪党は、ついに盤面全体をひっくり返す最悪の一手を打ち始めた。

  • 232◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:34:03

    6ターン目 リザルト


    生存者

    毒ちいかわ(廃ビルの地下・アスキンに懐いて猛毒のハグを迫る) / 滝澤政道(廃ビルの地下・警察無線を使用し状況報告と指示を要請) / アスキン・ナックルヴァール(廃ビルの地下・毒ちいかわの致死のスキンシップに四苦八苦し逃げ回る) / ナギ(大通りの避難列・クリーパーカーの願いに共感し直感でキャベツの呪いを回避) / クリーパーカー(大通りの避難列・平和な世界を願いナギと共にキャベツをやり過ごす) / ギュウジン丸(ザンザス甲板・システムを掌握しシックスの悪辣な提案を承諾しつつ警戒を強める) / シックス(ザンザス甲板・ハッキングを支援し盤面を覆す情報操作の提案を持ちかける) / 陸上戦艦ザンザス(市街地・ギュウジン丸とシックスによってメインシステムを完全に掌握される) / ピエール(市民体育館・避難民に紛れて獲物を品定めしている姿をモニター越しに捕捉される) / ガニシュカ(市民体育館・マーティとの狂気の卓球勝負を継続中) / マーティ・マウザー(市民体育館・ガニシュカ相手に死の卓球勝負を継続中) / 極星獅子堂イズミガロア(市民体育館・度を越した卓球勝負に呆れつつ傍観中) / 鹿目まどか(市民体育館・キルアと共に避難民の別地点への誘導に奔走中) / キルア=ゾルディック(市民体育館・まどかを守りつつ避難民の誘導に奔走中) / キャベツ(瓦礫の陰・ナギたちに回避されるも静かに次の認識者を待つ)


    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

  • 233◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:38:50

    7ターン目


    【死の卓球勝負の結末と、勝ち逃げの雷帝】


    「……あーもう、やっぱり放っておけないなぁ。あのバカメガネ」


    一度は窓から逃げ出した極星獅子堂イズミガロアだったが、呆れながらも市民体育館へと引き返していた。

    崩壊寸前の体育館に戻った彼女の目に飛び込んできたのは、まさに「死闘の結末」だった。


    ガニシュカの放つ、空間そのものを焼き尽くすかのような漆黒の雷撃スマッシュ。

    だがマーティ・マウザーは、ボロボロになったラケットを両手で握り締め、狂気じみた執念と謎の強運でその軌道に喰らいついた。


    「俺は……未来の、世界チャンピオンだァァァッ!!」


    バチィィィンッ!!

    雷撃を跳ね返すという物理法則を無視したミラクル・レシーブ。ピンポン玉はガニシュカの巨体の横をすり抜け、彼の陣地の卓球台の端を掠めて床に弾んだ。


    「……11対9!! 俺の……勝ちだぜ、化け物!!」


    マーティは天に向かってラケットを突き上げ、歓喜の雄叫びを上げた。

    ガニシュカの動きが、ピタリと止まる。

    大帝たる己が、下賤な羽虫に、下賤な遊戯で敗北した。その事実を脳が理解した瞬間、彼の底なしのプライドは完全に限界を突破した。

  • 234◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:39:45

    「……貴様ァァァァァッ!!」


    理屈もルールも消し飛んだ。ガニシュカは怒りの咆哮と共に、マーティを卓球台ごと粉砕すべく、己の全魔力を込めた極大の黒雷を叩き落とした。


    轟音と共に、マーティの体は吹き飛び、即死した。

    しかし、ガニシュカは気づいてしまった。黒焦げになって横たわるマーティの顔に、一切の恐怖や後悔がなく、ただ『勝者のプライド』に満ちた満面の笑みが張り付いていることに。


    「は……」


    ――俺の勝ちだぜ。

    声なき死顔が、そう雄弁に語っていた。

    ガニシュカの脳裏に、自爆して死の世界へ逃げた荒川の記憶がフラッシュバックする。

    またしてもだ。またしても大帝たる余に「敗北の屈辱」だけを押し付け、こちらが処罰を与える前に死の世界へ「勝ち逃げ」おった。

  • 235◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:40:08

    「またか……! またしても余から勝ち逃げしたというのかァァァァッ!!」


    怒りと屈辱で完全に我を忘れたガニシュカは、四方八方に凄まじい雷を撒き散らしながら大暴走を始めた。

    その無差別な破壊はついに体育館の柱を全てへし折り、轟音と共に巨大な建造物が完全に崩落する。激昂の叫びを上げるガニシュカの巨体も、瓦礫の山に深く飲み込まれ、その姿を消した。


    舞い上がる土煙の中、間一髪で外へ逃げ出したイズミガロアは、瓦礫の山を見つめながらポツリと呟いた。


    「……バカだけど。自分の『好き』を貫き通した意地だけは、本物だったね」

    彼女は自身の「食い意地」と彼の「卓球意地」を重ね合わせ、短いながらも心からの称賛を送り、その場を後にした。

  • 236◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:42:06

    【英雄への哀悼と、狂気の炊き出し】


    亜仁満町の郊外にある広い公園。

    キルアとまどかの迅速な誘導により、数十人の避難民がなんとかこの安全地帯へと辿り着いていた。

    そこへ、体育館から遅れて合流したイズミガロアがやってきて、マーティの最期とガニシュカが瓦礫に飲まれたことを伝えた。


    「そう、ですか……あの人が……」

    まどかは悲痛な表情で目を伏せ、胸の前で両手を組んだ。


    「あんなどうしようもないバカだったけど……結果的にあいつが一人で化け物のヘイトを稼いでくれたおかげで、これだけの人が逃げ延びられたんだ」

    キルアもまた、形はどうあれ命がけで時間を稼いだマーティの行動を「自己犠牲」と受け取り、静かに哀悼の意を表した。


    その傍ら、公園の端にある水道の近くでは、避難民の不安を和らげるような温かい匂いが漂っていた。

    「さあ皆さん、温かいお肉のスープですよ。しっかり食べて、体を温めてくださいね」


    『善良なボランティアの女性』を装うピエールが、寸胴鍋で炊き出しを行っていたのだ。

    疲れ切った避難民たちは「ありがとうございます」「本当に助かります」と涙を流し、そのスープを紙コップに受け取って貪るように飲んでいる。


    「ふふ……遠慮しないで、たっぷり召し上がれ。美味しいお肉ですからね」


    優しい笑顔を浮かべるピエール。

    だが、彼女がお玉で鍋の底からすくい上げた肉塊には、人間の『指輪』が嵌まったままの指先のようなものが、ほんの一瞬だけドロリと姿を見せた。

    逃げ遅れた市民を自らの包丁で捌き、その「最高の食材」を同族たちに喰わせる。彼女の狂気に満ちた極上のエンターテインメントだった。


    悲壮な哀悼のすぐ隣で、誰も気づかぬまま、猟奇的な美食の宴が静かに振る舞われていた。

  • 237二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:43:34

    ガニシュカ…ぶ、無様…

  • 238二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:45:58

    脱落者達をガニシュカ相手に勝ち逃げした者達として描写するとは……見事やな

  • 239二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:47:10

    このレスは削除されています

  • 240◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:47:50

    【爆発娘の警告と、暴かれた美食の正体】


    「ここなら……人がたくさんいるから、少しは安全かも……」


    市街地の混乱を抜け、ナギとクリーパーカーは郊外の公園へと辿り着いた。

    そこには、キルアとまどかによって誘導された数十人の避難民が集まっており、一時の安息を得ていた。その中心で、優しげな女性が温かいスープの炊き出しを行っている。


    だが、その女性の顔を見た瞬間、クリーパーカーの全身の血の気が引いた。


    「嘘……あの人……!」

    クリーパーカーの脳裏に、路地裏で追い詰められ、と共に自爆を余儀なくされた恐怖の記憶が蘇る。間違いない、あの狂気の料理人だ。

    クリーパーカーは顔面を蒼白にしながら、スープを飲もうとしている避難民たちに向かって絶叫した。

    「みんな、そのスープを飲まないで!! その人は危険よ! 人間を料理して食べる、イカれた化け物(カニバリスト)だよ!!」


    突然の少女の叫びに、公園の空気が凍りつく。

    ボランティアを装っていたピエールは、一瞬だけ舌打ちをしそうになったが、すぐさま悲しそうな顔を作った。

    「あらあら、どうしたの? 怖い夢でも見たのかしら……」

  • 241◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:48:10

    「えっ? 人のお肉なの?」

    だが、空気を一切読まない極星獅子堂イズミガロアが、持ち前の食い意地と嗅覚を発揮し、ズカズカと炊き出しの寸胴鍋に近づいた。そして、躊躇なく両手を鍋の底まで突っ込み、中身を豪快に引き上げた。


    「あ、ほんとだ。人間の指輪がついたままの指が入ってる。あと耳も」


    イズミガロアが平然と掲げたそれは、紛れもない『人間の部位』だった。

    直前までそのスープを口にしていた避難民たちは、一瞬の沈黙の後、腹を押さえて次々と嘔吐し始めた。

    「ヒィィィッ!!」「う、うわああああッ!!」


    「……ッ! てめェ!!」


    キルアが即座に暗殺者の目を鋭くし、まどかも弓を構え、ピエールを取り囲む。ピエールは偽りの笑顔を捨て、隠し持っていた巨大な包丁をゆっくりと引き抜いた。

  • 242◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:48:26

    その一触即発の空気を切り裂くように、公園の暗闇の中から、鼓膜にへばりつくような低い嘲笑が響き渡った。


    「フフフ……ハハハハハッ!! 素晴らしい。絶望と狂気が入り混じる、最高のフルコースの前菜だ」


    その声を聞いた瞬間、まどかの全身がビクンと跳ねた。

    息が詰まるような、純度100%の悪意。かつて接触し、その魂の底知れぬ悍ましさに触れた記憶がフラッシュバックする。

    「嘘……この声……どうして、あなたがここに……ッ!」


    闇の中から姿を現したのは、絶対悪・シックス。

    まどかの顔から血の気が失せ、弓を構える手が微かに、しかし止めることのできない震えを起こす。その尋常ではない動揺に、キルアが鋭く反応した。


    「まどか!? 知り合いか!」

    「キルア君、気をつけて……ッ! あの人はダメ……ただの悪意だけで人を壊す、絶対に近づいちゃいけない本当の『化け物』だよ……!!」


    まどかの悲痛な警告を聞き、シックスは歓喜に口元を歪めた。


    「相変わらず、反吐が出るほど美しい希望の目をしているな、鹿目まどか。お前のような善人が絶望に顔を歪める瞬間こそ、私の至高の娯楽だ」

    シックスは戦う素振りを見せず、狂気に満ちた笑みを浮かべて宙を指差した。

    「殺し合いは少し待て。……今から、最高に『面白い放送』が始まるぞ」

  • 243二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:48:40

  • 244二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:51:53

    なんじゃあこの地獄は

  • 245◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:53:28

    【偽りの善意と、引き裂かれる群衆】


    シックスがそう告げた直後だった。

    公園に設置された防災行政無線のスピーカーから、そして避難民たちが握りしめているスマートフォンから、一斉にノイズ混じりの緊急放送が鳴り響いた。


    『――アァ、アァ。亜仁満町の皆さん、聞こえているだろうカ。ワタシは皆さんと同じ、この惨劇に巻き込まれた一介の者ダ。だが、偶然にもこの理不尽なゲームのシステム中枢にアクセスすることに成功したのダ』


    声の主は、自身の正体を隠したギュウジン丸だった。

    陸上戦艦ザンザスのメインシステムを完全に掌握した彼は、街の通信網をジャックし、善意と悲痛さを装った声で告げた。


    『聞いてほしい。ワタシも信じがたいが……この街を破壊している異常な化け物たちは、腕に「黒い腕輪」を装着した者たちが引き寄せているようなのダ。彼らこそが、この地獄を作り出した元凶……悪の手駒なのだヨ』


    その言葉に、キルア、まどか、ナギ、クリーパーカーの顔色が変わる。彼らの腕には皆、ゲームの参加者を示す腕輪が光っていた。


    『ワタシは誰も死なせたくない。システムの解除条件を見つけた。あの腕輪を持つ者たちを倒せば、この街の封鎖は解かれる。……どうか、彼らの甘言に騙されないでくれ。自分たちの命を守ってくれ!』


    プツン、と放送が途切れる。

    公園を、異様なまでの静寂が包み込んだ。そして、数十人の避難民たちの視線が、まどかやキルアの腕に光る『腕輪』へと一斉に向けられた。

  • 246◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:53:51

    「嘘だろ……あいつらが、化け物を呼んだ元凶……?」

    一人の男が、恐怖に顔を引き攣らせながら後ずさる。


    「バカ言え、早まるな!!」

    沈黙を破ったのは、まどかたちの誘導で助けられた年配の男性だった。彼は両手を広げ、キルアたちを庇うように群衆の前に立った。

    「さっき体育館で俺たちを逃がしてくれたのは彼らだぞ! こんな出どころも分からない放送に騙されるな!」

    「そうよ! あの子たちは命がけで私たちを……!」


    数人の市民がそれに同調し、彼らを擁護する声を上げる。しかし、極限状態の恐怖は、容易に理性を喰い破る。


    「でも、本当だったらどうするんだよ!? 俺の家族はあの化け物どもに殺されたんだぞ!」

    別の若い男が、血走った目で鉄パイプを拾い上げた。

    「あいつらを殺せば、俺たちは助かるんだろ!? だったらやるしかねえだろ!!」

    「やめろ! 人殺しになる気か!」

    「どけよ! 俺は家に帰りたいんだ!!」


    群衆は一枚岩ではなかった。

    擁護する者、混乱して泣き叫ぶ者、そして恐怖のあまり殺意を剥き出しにしてキルアたちへ迫る者。市民同士が掴み合い、罵声を浴びせ合う、地獄のような同士討ちの図が展開され始めたのだ。

  • 247◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:54:08

    「……最悪だ」

    キルアがギリッと奥歯を噛み締める。

    全員が一丸となって敵対してくるなら、力で制圧して逃げることもできる。だが、自分たちを信じて庇ってくれる「善意の市民」と、殺意を向けてくる「絶望した市民」が入り乱れるこの状況では、手出しのしようがない。


    「キルア君……どうしよう、みんなが……!

    まどかが悲痛な声を上げる。


    その光景を特等席で眺めながら、シックスは歓喜に顔を歪めた。

    「フハハハッ! 素晴らしいぞ。正義が正義によって首を絞められ、善意が内側から腐り落ちていく! これこそが人間の真理だ!」

    ピエールもまた、混乱の中で無防備になった市民たちを眺め、「調理の手間が省けそうね」と妖しく微笑んだ。


    絶対的な悪意の扇動により、市民たちの心は引き裂かれ、キルアとまどかたちは「手を出せない同士討ち」という最悪の盤面に囚われてしまった。

  • 248二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 19:55:09

    エグい

  • 249◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:57:57

    【絶望の合流と、歩くバイオハザードの証明】


    「……通信司令室! おい、待ってくれ! 俺たちは市民を……ッ!」


    ザァァァ……という無機質なノイズだけが響く警察無線を握りしめ、滝澤政道は崩れ落ちそうになる膝を必死に堪えていた。

    ギュウジン丸の偽装放送は、警察の通信網にも届いていた。結果、上層部は「腕輪を持つ特異生命体=元凶」と断定し、滝澤たちへの射殺命令を下して通信を一方的に切断したのだ。


    「だから言ったろ? 正義の味方ごっこなんて、致命的なリスクしかないんだよ」

    後頭部で手を組みながら、アスキンがやれやれとため息をつく。


    「フ? フ……?」

    その足元では、毒ちいかわが心配そうに滝澤を見上げ、すり寄ろうとしていた。だが、その身体から滴る猛毒がアスファルトをシューシューと溶かしていくため、アスキンが慌てて「お前は動くな! 床が抜ける!」と制止する。


    「……くそっ、とにかく安全な場所を探すぞ。生存者がいるはずだ」

    自暴自棄になりそうな心を必死に繋ぎ止め、滝澤たちは街をさまよった。そして、怒号と悲鳴が入り交じる騒がしい気配を辿り、郊外の公園へと行き着いた。


    「やめろ! 何をしてるんだお前たち!!」

    公園の惨状――市民同士が武器を持って掴み合い、キルアやまどかたちを取り囲んで同士討ちを始めている地獄絵図を見て、滝澤は咄嗟に声を張り上げて飛び出した。

  • 250◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 19:58:27

    だが、それが最悪のタイミングだった。


    「わァ……ァ……」


    滝澤の後ろから、トコトコと毒ちいかわが姿を現したのだ。

    その無邪気で愛らしい顔とは裏腹に、歩いた軌跡の草木はドロドロに溶け腐り、鼻をつく劇物の異臭が公園に広がっていく。

    そのあまりにも異質で、純粋な「死」を振り撒く生体兵器の姿は、極限状態にあった避難民たちの目にどう映ったか。


    「ひっ……!? ば、化け物だ……!!」

    「見ろ! あいつらも腕輪をしてるぞ!! あの放送の通りだ、あいつらが化け物を引き連れて俺たちを殺しに来たんだ!!」


    キルアたちを庇っていた善意の市民たちすらも、猛毒によって地面が溶けていく現実を前に、言葉を失い後ずさる。


    「ち、違う! こいつは危険だが、俺が制御して……!」

    「ふざけるな! そいつもグルだ、殺せェェェッ!!」


    滝澤の弁明は、恐怖に染まった群衆の怒号に完全に掻き消された。

    毒ちいかわの登場は、皮肉にもギュウジン丸の放送を裏付ける「最悪の証明」となってしまったのだ。

    同士討ちの躊躇いすら消え去り、暴徒と化した市民たちの殺意が完全に一つにまとまり、参加者たちへ向けられる。


    「アハハハハハッ!! 素晴らしい! 最高のタイミングでの登場だ! さあ、希望の守護者たちよ、どうする!? 守るべき者たちにその身を裂かれる気分はどうだ!?」

    シックスの狂喜の笑い声が、絶望の公園に響き渡った。

  • 251二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:01:30

    ザンザス、ガニシュカ、毒ちいかわ、そして俺だ
    この町を地獄にするぞ

  • 252◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 20:01:33

    【傲慢なる天才と、緑の帰還(アーティファクト)】


    一方その頃、陸上戦艦ザンザスのメインブリッジ。

    街中をパニックに陥れた偽装放送を終えたギュウジン丸は、ホログラムキーボードを凄まじい速度で叩き、ザンザスのシステムに即席のパッチプログラムを当てていた。


    「フム……放送の効果は絶大だネ。愚かな羽虫どもが、勝手に潰し合っている」

    彼は冷たい笑みを浮かべながら、手元のコンソールにロックをかける。

    「とはいえ、あのシックスとかいう男……ワタシの想定以上に危険な思考を持っている。対策を講じておかなければ」


    天才である己の完璧な盤面支配に悦に入りながら、ギュウジン丸はメインモニターの一つを拡大表示した。

    そこには、ザンザスから発進させた小型の回収ドローンのカメラ映像が映し出されていた。


    ドローンのアームがしっかりと掴み、空輸しているのは、何の変哲もない緑色の球体――『キャベツ』である。

  • 253◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 20:01:55

    「ククク……来たヨ。ワタシの天才的な思考演算を強制シャットダウンし、『コンビニに行け』などという理不尽なエラーを書き込んだ未知のオーバーテクノロジー……!」


    ギュウジン丸の瞳が、科学者としての狂気と探求心でギラギラと輝いている。

    彼は本気で、このキャベツが「ゲームのシステムを根本から書き換えるためのキーパーツ」だと信じ切っていた。これを解析すれば、自分を縛るゲームのルールすらもハッキングできると踏んでいたのだ。

    ……その直観は、的中していた。


    「あの絶対悪は、この緑の球体の真の価値に気づいていないようダ。これをワタシの知能で解析・武装化すれば、システムも、シックスも、全てワタシの足元にひれ伏すことになる……!」


    まもなく到着を告げるアラートがブリッジに鳴り響く。

    街が絶望の底に沈む中、天才科学者は、全宇宙で最も理不尽な存在を、最強の戦艦のど真ん中へと嬉々として招き入れようとしていた。

  • 254◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 20:02:43

    7ターン目 リザルト


    生存者

    毒ちいかわ(公園・無邪気に歩き回り猛毒を撒き散らし市民のパニックを決定づける) / 滝澤政道(公園・警察から見捨てられ、暴徒化した市民の前に立たされ絶望) / アスキン・ナックルヴァール(公園・滝澤に同行するも状況の悪化に呆れ顔) / ナギ(公園・ピエールの正体を暴露するも暴徒化した市民に囲まれる) / クリーパーカー(公園・ナギと共に暴徒化した市民に囲まれる) / ギュウジン丸(ザンザス艦内・シックスへの警戒からシステムに細工しつつキャベツの到着を待つ) / シックス(公園の暗闇・市民の暴動と絶望を特等席で観賞し歓喜する) / 陸上戦艦ザンザス(市街地・ギュウジン丸によってシステムに防壁パッチを当てられる) / ピエール(公園・暴動に乗じて市民を調理しようと包丁を構える) / 極星獅子堂イズミガロア(公園・ピエールの鍋から人肉を引き上げ暴動の引き金を引く) / 鹿目まどか(公園・シックスの登場と市民の同士討ちに深い絶望と困惑を抱く) / キルア=ゾルディック(公園・暴徒化した市民に手を出せずギリギリの防衛状態) / キャベツ(空中・ギュウジン丸のドローンに回収されザンザスへと運ばれ中)


    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    ガニシュカ(7ターン目にて、マーティに「勝ち逃げ」された屈辱で大暴走し崩落する市民体育館の瓦礫に埋もれる。現在生死不明のため一時脱落扱い)

  • 255二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:03:45

    な…なんやこの地獄は…(ギュンギュン
    人の心、どこへ!

  • 256◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 20:04:02

    出力は終わったけど休憩や準備の時間がほしいし雑談スレでも要望があったから一時中断するんだァ

    続きは21:00頃を予定していルと申します

  • 257二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:05:40

    ここまで面白いとピエールじゃなくてカリストあたりを入れて一般人を戦闘要員に変えて行っても面白そうやのぉ

  • 258二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:06:45

    オツカレーッ
    戦闘力の差が激しい中でも一般人との関わりで個性が出ていて感動しております

  • 259心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/06/08(月) 20:07:35

    >>256

    オツカレーッ

    皆して個性豊かでめちゃくちゃ面白かったのん…

    復帰できたら参考にすルと申します

  • 260二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:15:37

    な…なんやただの賑やかしに見えたモブ市民の存在が意味を持っていく…
    面子からしてよくあるお変クロワかと思いきや全ての要素が一点に収束していってるんだよね 面白くない?

  • 261初心者マネモブ◆7s6PSPcy0HK926/06/08(月) 20:25:25

    >>260

    ウム…こんなに上手く市民の存在が活用される

    とは思わなかったんだなァ

  • 262二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:29:53

    >>249

    助けたかった存在に射殺命令を下される

    そんな滝澤を哀れに思う

  • 263二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:50:32

    このレスは削除されています

  • 264二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 20:53:20

    このレスは削除されています

  • 265◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:01:10

    "再開"をやります

  • 266◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:01:47

    8ターン目


    【暗殺者の喝と、希望の反逆】


    「私たち……どうすればいいの……ッ」


    殺意を剥き出しにして迫る市民たちに取り囲まれ、まどかは完全に絶望に呑まれかけていた。

    自分たちが命がけで守ろうとした人々に石を投げられ、呪詛の言葉を浴びせられる。理不尽な悪意のシステムによって、善意が最も醜い形で反転してしまった現実に、彼女の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。


    「しっかりしろ、まどか!!」


    その時、横に立つキルアが鋭い声で喝を入れた。

    彼はまどかの肩を強く掴み、真っ直ぐに彼女の目を見据える。


    「こいつらはただ恐怖で操られてるだけだ! 本当にヘドが出るほどムカつく『元凶』は……あそこで笑ってる奴だろうが!」

    キルアの視線の先には、狂った同士討ちを特等席で眺め、下劣な嘲笑を響かせているシックスの姿があった。

    「……あいつをぶっ飛ばせば、全部終わる! オレが道を作る、お前はあいつを狙え!」

    「キルア君……うんっ……!」

    暗殺者の少年の力強い言葉に、まどかの瞳に再び希望の光が宿る。

    彼女は涙を拭い、ピンク色の魔力を纏った弓を力強く構え直した。市民の壁を傷つけずに強行突破するキルアの神速の身のこなしに合わせ、まどかもまた、純粋なる絶望を撒き散らす絶対悪・シックスへとその切っ先を向けた。


    「ほう……! 絶望の底からなお足掻くか! 素晴らしい、私が直々にその希望を叩き割ってやろう!!」

    シックスの腕が禍々しい金属細胞へと変異し、最悪の激突が幕を開けた。

  • 267◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:03:54

    【震える正義と、愚直なる捜査官】


    一方、公園の別の場所では、滝澤政道がガタガタと震えながら立ち尽くしていた。

    警察から見捨てられ、市民からは「化け物の仲間」と罵られ、石を投げられる。彼が信じてきた「正義」は完全に足元から崩れ去っていた。

    (……もう、終わりだ。俺が何をしたって……)


    「わァ……」


    ふと足元を見ると、毒ちいかわが怯えたように身を縮こまらせていた。

    自分の歩いた跡が溶け、人々がパニックを起こしている状況を見て、その小さな頭なりに「自分のせいで大変なことになった」と悟ってしまったのだ。いつも無邪気なその瞳から、ポロポロと涙がこぼれそうになっている。


    その姿を見た瞬間、滝澤の中で何かが弾けた。


    「……ッ、泣いてんじゃねえぞ、お前は悪くねえ!!」

    滝澤は顔を上げ、血走った目で暴徒化した市民たちを睨みつけた。

    警察に見捨てられようが、市民に憎まれようが関係ない。俺は、喰種捜査官(CCG)だ。目の前の命を見捨てて逃げることだけは、絶対にできない。


    「アスキン! 手を貸せ! このバカどもを一人も死なせず、あのイカれた包丁女から守り抜くぞ!!」

    滝澤は赫眼を光らせ、自らの身を挺して市民の盾となるべく駆け出した。

    その愚直すぎる後ろ姿を見て、アスキンは深くため息をついた。


    「ハァ……これだから正義の味方ごっこは致命的なんだよ。俺のデス・ディーリングは不殺の制圧には向いてないってのに……しょうがねえなァ!」

    呆れ返りながらも、アスキンは毒の領域を展開し、暴徒たちの動きを麻痺させて無力化するべくサポートに入った。

  • 268◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:06:34

    【美食家の狂宴と、食を愛する古龍】


    「さあさあ、新鮮な食材が勝手に暴れて血抜きされているわ! 最高ね!」


    混乱の極みにある公園の端で、ピエールは歓喜の声を上げながら、巨大な包丁を振るっていた。彼女は逃げ惑う市民を容赦なく切り裂きながら、ナギとクリーパーカーの元へと一直線に迫る。


    「来ないで!!」

    ナギが叫ぶが、ピエールは止まらない。

    クリーパーカーの「自爆」という戦術はすでに路地裏で学習済みだった。さらに、周囲に無関係な市民が密集しているこの状況では、ナギもクリーパーカーも大規模な爆発を起こすことができず、防戦一方に追い込まれていた。


    「爆発娘たち。あなたたちの肉は火薬の匂いがして少し大味だけど、よく叩けば美味しくなるかしらね!」

    ピエールが凶悪な笑みを浮かべ、ナギの首元へと包丁を振り下ろした。

    万事休す――そう思われた瞬間。

  • 269◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:06:45

    ドゴォォォンッ!!


    何本もの太くぬめり気のある『触手』が横から突き出され、ピールの包丁を凄まじい力で弾き飛ばした。


    「……は?」


    ピエールが驚愕して視線を向けると、そこには、口の周りをスープ(人肉入り)の脂でベトベトにした極星獅子堂イズミガロアが、怒りの形相で立っていた。


    「あのさぁ……」

    イズミガロアは、普段の能天気な声からは想像もつかないほどドス黒い声でピエールを睨みつけた。

    「私、ゲテモノでもなんでも美味しく食べる主義だけどさ。生きてる人間を殺して、しかも『それが楽しいから』なんて理由で料理する奴の作ったご飯なんて……最低のゲロマズだよ」


    あらゆる命を喰らい尽くす古龍(オストガロア)の力を持つ彼女にとって、ピエールの猟奇的な「美食」は、ただの快楽殺人であり、純粋な食に対する最大の冒涜であった。

    「食べ物で遊ぶな。私が、お前を『ただの肉塊』にしてやる」


    イズミガロアの背中から無数の触手がうねりを上げて展開し、カニバリストの女料理人へと真っ向から襲い掛かった。


    暗殺者と魔法少女。愚直な捜査官たち。そして激怒した古龍。

    絶望の底に突き落とされた者たちの、形振り構わぬ反撃が、今一斉に火を噴いた。

  • 270◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:08:38

    【絶対悪の蹂躙と、守るべき者たちの足枷】


    「ハハハハハッ! どうした、動きが鈍いぞ希望の守護者たちよ!!」


    シックスの哄笑が公園に響き渡る。その両腕から展開された無数の金属細胞の刃は、暴風のようにキルアとまどかを襲っていた。

    「くそっ……!」

    キルアが舌打ちする。彼自身の神速(カンムル)であれば避けるのは容易い。だが、背後には自分たちを憎悪し、混乱の極みにある市民たちが密集している。ここで自分が避ければ、刃は無関係な市民たちをミンチにしてしまう。

    まどかもまた、市民を巻き込まないように射角を制限され、牽制の矢を放つことしかできていない。


    「守る価値のないゴミどもを庇い、その重みで自らが潰れる! これこそが正義の最も滑稽な死に様だ!!」

    シックスの容赦ない一撃が、キルアの防御を打ち破り、彼とまどかをまとめて吹き飛ばした。二人は血を吐き、地面を激しく転がる。

  • 271◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:09:01

    「チィッ、バカな真似しやがって……致死量(デス・ディーリング)……」

    アスキンが毒の領域をシックスに向けようとしたが、シックスの身体能力と金属細胞の侵食速度はそれを遥かに凌駕していた。

    「遅い」

    瞬きの間に間合いを詰めたシックスの蹴りがアスキンの腹部を捉え、彼はくの字に折れ曲がって吹き飛び、沈黙した。


    「アスキン!!」

    滝澤が血走った目を剥き、喰種捜査官の武器である『クインケ』を構えてシックスに飛びかかる。だが、圧倒的な実力差の前にその一撃は軽々と弾かれ、シックスの鋭利な金属の腕が滝澤の肩口から脇腹にかけて深く薙ぎ払った。


    「ガハッ……!?」

    「捜査官気取りの虫けらか。己の無力さを噛み締めて這いつくばるがいい」

    致命傷こそ避けたものの、深い裂傷を負った滝澤は大量の血を吐き、激痛に顔を歪めてその場に崩れ落ちた。シックスは戦闘不能となった彼を一瞥し、嘲笑う。

    シックスのもう片方の手が凶悪な刃に変わり、絶望のショーの仕上げとばかりに高く振り上げられた。

  • 272◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:12:54

    【猛毒の涙と、希望の証明】


    「……わァ……ァ……」


    その絶望的な光景を、毒ちいかわは震えながら見つめていた。

    自分の身体から溢れるこの毒は、自分ではどうすることもできない。そのせいで、ずっと周りの生き物から怯えられ、石を投げられ、迫害されてきた。

    でも、あの血まみれのお兄ちゃんと、変な髪型のお兄ちゃんは違った。

    自分の毒に文句を言いながらも、決して殺そうとはせず、むしろ自分を庇うように立ち回ってくれた。この理不尽で残酷な世界で出会った、初めての「優しいお友達」だった。


    (……フッ!!)


    毒ちいかわの大きな瞳から、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。だが、その瞳にはもはや恐怖ではなく、決死の覚悟が宿っていた。

    小さな足が地面を蹴る。泣きじゃくりながら、猛ダッシュでシックスの背後へと突撃した。


    「エイヤァァァアアアッ!!」


    毒ちいかわは、渾身の力でシックスに抱きついた。

    その瞬間、毒ちいかわの全身から分泌されている「規格外の劇物」が、シックスの自慢の金属細胞に直接触れ、凄まじい化学反応を起こした。

  • 273◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:13:14

    「ギィィィヤァァァアアアッ!?」


    絶対悪の口から、初めて余裕のない悲鳴が上がった。

    シューシューと不気味な音を立てて、強固なはずの金属細胞がドロドロに融解し、中の肉体までもが猛烈な勢いで焼け爛れていく。知性も計算もない、ただ「友達を守りたい」という純粋な想いが生み出した、理不尽極まりない劇物。


    「離れろォォッ!! この、得体の知れぬバケモノがァァァッ!!」

    パニックの中、シックスは腕の刃で毒ちいかわの身体を横薙ぎに深く切り裂いた。


    「……あッ」

    致命傷を負い、血と毒を撒き散らしながら、毒ちいかわの身体が力なく地面に転がる。


    「ハァッ……ハァッ……! おのれ、よくも私の舞台を……! まだだ、絶望のショーは終わっていない……ッ!」

    全身から白煙を上げ、肉体を溶かされながらも、シックスは歪んだ執念で再び刃を構え、なおも殺戮を続行しようと一歩を踏み出した。

  • 274◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:13:35

    だが、その狂気を真っ向から射抜くように、圧倒的な魔力の光が膨れ上がった。


    「私たちは……ッ!」


    立ち上がった鹿目まどかだった。

    ボロボロになりながらも、彼女の弓は限界まで引き絞られ、まばゆいピンク色の光の矢がシックスへと向けられていた。

    彼女の瞳には、一切の迷いがない。自らの命を投げ打って友達を守ろうとした小さな勇気の姿が、彼女の心の中にある「希望」の炎を爆発させていた。


    「私たちは、あなたの悪意と絶望には屈しない!!」


    まどかの魂の叫びと共に、放たれた光の矢が暴風となってシックスを強襲した。

    「チィッ……!!」

    毒によって装甲を溶かされ、大幅に弱体化していたシックスに、その清浄な魔力を弾き返す余力は残されていなかった。激しい光の爆発に飲み込まれ、さらなるダメージを負ったシックスは、これ以上の戦闘は不可能と判断した。


    「……忌々しい希望め。この屈辱、必ず百万倍の絶望で返してやる……!」

    悪意に満ちた呪詛を吐き捨てながら、シックスは深い暗闇の中へと姿を消し、撤退していった。


    絶対悪の脅威は去った。

    だが、冷たいアスファルトの上には、静かに息を引き取ろうとしている毒ちいかわの姿があった。

  • 275二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 21:14:58

    毒ちいかわ…見事やな

  • 276◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:16:15

    【美食家の撤退と、友への哀悼】


    「チィッ……あの『絶対悪』が逃げ出すなんてね。興醒めだわ」


    まどかの放った強烈な光の矢とシックスの撤退を目の当たりにしたピエールは、舌打ちをして巨大な包丁をスッと下ろした。彼女の周囲には、怒りのオーラを放ちながら触手を蠢かせる古龍の化身・イズミガロアが立ちはだかっている。


    「命拾いしたわね、ゲテモノ食い。今日のところは退いてあげるけれど……次会った時は、必ずあなたを私のフルコースのメインディッシュに調理してあげるわ」

    「……ふざけんな。次会ったら、お前ごとミンチにして海に捨ててやる」


    食を冒涜する狂気の料理人と、食を愛する古龍。二人の間に決定的な因縁が刻まれた瞬間だった。ピエールは忌々しげな捨て台詞を残し、混乱する公園の暗闇へと素早く姿を消していった。

  • 277二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 21:16:34

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  • 278◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:17:22

    その頃、公園の中心では悲痛な叫びが響いていた。


    「おい……っ! 目を開けろ! 死ぬな!!」

    h


    滝澤政道は、脇腹の深い裂傷から血を流すのも構わず、地面に倒れ伏した毒ちいかわに這い寄り、その小さな身体にすがりついていた。

    自身の猛毒によってシックスの装甲を溶かし、致命的な一撃を浴びた毒ちいかわ。その無邪気だった大きな瞳は、今はもう虚ろになっていた。


    「俺は……俺はまた、誰も守れなかった……! こんな小さな命一つ、救えなかった!!」

    捜査官としての矜持を奮い立たせながらも、結局は自分を庇わせてしまった。己の無力さを呪い、滝澤は血まみれの拳を何度もアスファルトに叩きつけて号泣した。


    「……わァ……」


    薄れゆく意識の中、毒ちいかわは最後の力を振り絞り、滝澤の血まみれの手を、自らの小さな短い手でそっと包み込んだ。

    ずっと自分の毒を恐れ、石を投げてきた世界。でも、このお兄ちゃんたちは違った。痛い思いをして、傷ついて、それでも自分の毒を咎めず、命を懸けて守ろうとしてくれた。


    毒ちいかわの口元に、ふんわりとした、最高に幸せそうな笑顔(フッ……)が浮かんだ。

    そして、その身体から湧き出ていた猛毒がピタリと止まり――小さな命は、静かに終わりを迎えた。


    「あああああぁぁぁぁぁッ!!」

  • 279◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:17:45

    滝澤の慟哭が夜の公園に響き渡る。

    その肩に、アスキンが静かに手を置いた。


    「……泣くな、捜査官。お前は確かに、こいつの心を救ったんだ」


    いつもは「致命的だ」と文句ばかり言う男の、不器用だが確かな労いの言葉。

    「誰からも化物扱いされてきたこいつにとって、お前が最期に見せた『愚直な正義』は、何よりも優しい救いだったはずだぜ。……無駄死ににするんじゃねえぞ」


    その言葉に、まどか、キルア、ナギ、クリーパーカーたちも静かに歩み寄り、小さな勇者に対して深く頭を下げ、哀悼の意を示した。

    そして、彼らを取り囲み、殺意を剥き出しにしていた市民たちもまた、その光景を前にして武器を持った手を力なく下ろしていた。自分たちが「悪の元凶」と信じ込まされていた者たちが、一匹の小さな命のために本気で涙を流し、悼んでいる。そのむき出しの痛切な感情は、恐怖による狂乱を冷まし、彼らに正気を取り戻させるには十分すぎるものだった。

  • 280二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 21:21:24

    なにが毒ちいかわだ
    友達のために奮い起つお前の姿は紛れもなくちいかわだ

  • 281◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:21:56

    【天才の奸計と、超弩級の鋼鉄巨人】


    一方、陸上戦艦ザンザスのメインブリッジ。

    全身の金属細胞を半分以上溶かされ、白煙を上げながら帰還したシックスは、激しい怒りに顔を歪めながらハッチを潜った。


    「……おい、自称天才。あの忌々しい変な動物と小娘のせいで計画が狂った。貴様の戦艦のシステムを使って、直ちにあの公園ごと火の海に――ん?」


    その瞬間、シックスの特異な感覚が「強烈な悪意」を感知した。

    「……貴様、私に牙を剥く気か?」

    シックスが鋭く睨みつける。だが、ギュウジン丸本人はコンソールに背を向けたまま、静かに嗤っていた。


    「悪意察知……素晴らしい本能ダ。だが、君のその感覚は『感情』には反応できても、『無機質な機械のプログラム』には反応できないようだネ」


    ギュウジン丸が指を鳴らした瞬間、シックスの頭上に待機していたザンザスの小型ドローンが、アームに抱えていた緑色の球体をポロリと投下した。


    コロコロ……。

    シックスの足元に転がったそれを見た瞬間。


    『レタス』

  • 282◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:22:22

    「……は? レタス……?」

    シックスがその形状を「レタス」だと認識した瞬間、彼の脳内に致命的な認識災害が直撃した。

    「ガ、ァァ……!? な、何だこれは……私の思考が、停止……ッ!?」

    最強の絶対悪が、たった一つのキャベツ(レタス)によって、完全に金縛りにあったようにフリーズする。


    「ふむ……君にはそう見えるかね?やはり効果絶大ダ。ワタシは事前に自分とザンザスの視覚センサーに『認識阻害用フィルター』をかけておいたからネ。影響は受けない」

    ギュウジン丸はゆっくりと振り返り、動けなくなったシックスを見下ろした。

    「私は気づいたのだよ。そいつには認識災害の他に……機械を超兵器に変える作用があるらしい」

    「君のその優秀な金属細胞と、この究極の現実改変アーティファクトである『レタス』をザンザスに取り込ませてもらうヨ。これこそが、ワタシの失った身体を再構築し、真の絶対者となるための完璧な方程式なのダ!」


    その絶対絶命の状況下。

    自身の身体がザンザスの床から伸びてきた無数のケーブルに拘束され、取り込まれようとしているその最中――シックスは、腹の底から歓喜の哄笑を爆発させた。


    「フハハハッ! アハハハハハハッ!! 素晴らしいぞ自称天才!! この私を騙し、システムに取り込むだと!?」

    シックスの顔には恐怖など微塵もなく、極上の娯楽を見つけたような歪んだ笑みが張り付いていた。

    「だが覚えておけ! 貴様は知らず知らずのうちに、自らの破滅という名の『最悪の猛毒』を飲み込もうとしているのだ! 己の器が内側から絶望に喰い破られるその瞬間を、私が貴様の特等席で最高に楽しんでやろう!!」


    「フン……負け犬の遠吠えダネ」

    ギュウジン丸はシックスの狂気に満ちた宣言を冷酷に一蹴すると、メインコンソールの実行ボタンを叩きつけた。

  • 283◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:23:01

    『――同化プロセス、開始』


    凄まじい轟音と共に、シックスの肉体とキャベツがザンザスの中枢へと吸い込まれていく。

    直後、亜仁満町の市街地に鎮座していた巨大な陸上戦艦が、大地を揺るがすような地響きを上げ始めた。

    無限の金属細胞と、触れた機械を超兵器に変えるキャベツの理不尽。二つの規格外のエネルギーを強引に融合させた鋼鉄の塊は、戦艦の装甲をバキバキと組み替えながら天に向かって立ち上がっていく。


    「アハハハハハッ! 見たまえ! これぞ我が究極の姿!!」


    夜空を突き破るかのようにそびえ立ったのは、街のビル群すらも見下ろす、超巨大な人型ロボットの姿だった。

    悪意と狂気、そして天才の計算が結実した絶望の巨人が、ついにその全貌を現した。

  • 284◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:23:29

    8ターン目 リザルト


    生存者

    滝澤政道(公園・毒ちいかわの死に慟哭し己を責めるも、アスキンの言葉に救われ心を繋ぎ止める) / アスキン・ナックルヴァール(公園・負傷しつつも、悲しむ滝澤に不器用な気遣いの言葉をかける) / ナギ(公園・ピエールの襲撃から生き延び、毒ちいかわの死を静かに悼む) / クリーパーカー(公園・ナギと共に生き延び、毒ちいかわの死を静かに悼む) / ギュウジン丸(超巨大ロボット中枢・シックスとキャベツ、そしてザンザスを融合させ、超巨大な人型ロボットとして覚醒し狂喜する) / ピエール(暗闇へ逃走・イズミガロアの力に撤退を余儀なくされ、彼女との間に深い因縁を持つ) / 極星獅子堂イズミガロア(公園・食を冒涜したピエールを激しく敵視し、撤退した彼女を見送る) / 鹿目まどか(公園・希望の矢でシックスを撤退させるも、小さな勇者の死に深く哀悼の意を示す) / キルア=ゾルディック(公園・負傷しながらも、仲間たちと共に毒ちいかわの死を静かに悼む)


    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    ガニシュカ(7ターン目にて、マーティに「勝ち逃げ」された屈辱で大暴走し崩落する市民体育館の瓦礫に埋もれる。現在生死不明のため一時脱落扱い)

    毒ちいかわ(8ターン目にて、滝澤たちを守るためシックスに特攻。猛毒でダメージを与えるも切り裂かれ、滝澤の腕の中で笑顔を浮かべて息を引き取る)

    キャベツ(8ターン目にて、シックスに認識災害を引き起こす罠として使われた後、ザンザスに取り込まれ同化。物理的な形を失い脱落扱い)

    シックス(8ターン目にて、ギュウジン丸の罠に嵌まりザンザスの中枢へ取り込まれ同化。独立した肉体を喪失し脱落扱いとなるが、内側から絶望させることを宣告している)

    陸上戦艦ザンザス(8ターン目にて、ギュウジン丸の操作によりシックスやキャベツと融合。本来の戦艦としての形を完全に失い、巨大ロボットの機構として再構築されたため脱落扱い)

  • 285◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:28:09

    9ターン目


    【捜査官の真実と、解けゆく誤解】


    「……聞いてくれ、皆」


    毒ちいかわの亡骸に上着を掛け、静かに立ち上がった滝澤政道は、血と泥に塗れた顔を上げ、周囲を取り囲む避難民たち、そして手元の警察無線へと力強く語りかけた。

    彼の瞳には、先ほどまでの絶望や怯えは欠片もなかった。あるのは、一つの命の喪失を乗り越えた、揺るぎない覚悟だった。


    「俺は、CCG(喰種対策局)の喰種捜査官、滝澤政道だ。俺たちも、君たちと同じようにこの異常な事態に巻き込まれただけの被害者なんだ」


    滝澤は自らの身分を明かし、腕に嵌められた黒い腕輪を見せた。

    「ある日突然この街に拉致され、腕輪を外すために殺し合いを強要される『デスゲーム』に参加させられた。俺たちを化け物と呼び、元凶だと決めつけたあの放送は……俺たちを同士討ちさせるための、悪質な嘘だ!」

  • 286◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:28:29

    その真摯な訴えに、キルアが一歩前に出る。

    「オレたちには、この街を壊す理由なんてない。むしろ、さっきまでアンタたちを避難させてたのは誰だか、よく思い出してくれよ」

    「私たちも、ただ元の場所に帰りたいだけなんです。誰も傷つけたくない……どうか、信じてください」

    まどかも弓を下ろし、両手を胸に当てて深く頭を下げた。ナギとクリーパーカーも大きく頷き、イズミガロアも腕組みをしながら「ご飯を不味くする嘘つきは許せないよね」と同意する。


    先ほどまで殺意を向けていた市民たちは、顔を見合わせた。

    小さな命のために本気で涙を流し、血まみれになりながらも自分たちを説得しようとする彼らの姿。そして、まどかたちが命がけで誘導してくれた事実。それらが繋がり、市民たちの心に掛けられていた「恐怖による洗脳」が完全に解けていく。


    「……すまなかった。俺たち、どうかしてた……」

    「あんたらが悪いんじゃないって、本当は分かってたのに……」


    武器として握りしめていた鉄パイプや石が、次々と地面に落ちる。

    警察無線からも、滝澤の魂の告白を聞いていた通信司令室の沈黙の末、「……滝澤捜査官。上層部には掛け合ってみる。死ぬなよ」という、かすかな、しかし確かな信頼の言葉が返ってきた。

  • 287二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 21:30:31

    シックスぶ、無様……

  • 288◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:31:58

    【不要なる捜索と、蒼き絶望の巨神】


    「これで、状況は少しマシになったわね」

    ナギが安堵の息を吐く。市民との対立という最悪の状況を乗り越えた参加者たちは、自然と一つの円になり、今後の対応について言葉を交わし始めた。


    「問題は、あの悪辣な『偽装放送』を流した奴だ。あんな真似ができるってことは、街のシステムを掌握してるか、あるいはこのゲームそのものの首謀者に近い存在のはずだぜ」

    アスキンが顎に手を当てて推測する。


    「ええ。そいつを突き止めて、システムから引きずり下ろせば……この理不尽なゲームを終わらせることができるかもしれない!」

    まどかが力強く頷き、参加者たちの意見が「放送の主(首謀者)の正体を突き止め、打倒する」という明確な目標で一つにまとまった。


    だが――その決意を嘲笑うかのように、夜の公園、いや、亜仁満町全土を震わせるほどの凄まじい大音声が天から降り注いだ。

    『――ククク。その必要はないヨ、愚かな羽虫ども』

  • 289◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:32:18

    「!?」

    空気を震わせるその声の巨大さに、参加者も市民も思わず耳を塞ぐ。

    声が響いてきたのは、市街地の中心部――巨大な陸上戦艦ザンザスが鎮座していた方角だった。


    『ワタシの正体を突き止める? 首謀者を打倒する? アハハハハッ! なんと滑稽な! 君たちのような地を這う虫が、天の月を穿とうとするようなものダ!!』

    ズズンッ……!! ズズンッ……!!


    大地が悲鳴を上げ、凄まじい轟音が響き渡る。

    キルアや滝澤たちが驚愕に目を見開きながらその方角を振り返ると、そこには、信じがたい光景が広がっていた。


    「な……なんだ、あれは……!!」

    「嘘でしょ……ビルよりも、ずっとでかい……!?」


    市街地の中心部から、分厚い雲を突き破り、夜空を覆い尽くすほどの巨大な影がゆっくりと立ち上がっていた。

    それは、ザンザスの装甲とシックスの金属細胞、そしてレタス(キャベツ)の謎の改変エネルギーを融合させて誕生した、全高数百メートルに及ぶ超弩級の青色の巨大ロボットだった。


    青鈍色に輝く鋼鉄の巨躯。その頭部にある巨大なメインカメラが、不気味な赤い光を放って公園の参加者たちを見下ろしている。


    『ワタシこそが、この盤面を支配する唯一にして絶対の存在。天才科学者、ギュウジン丸だ!! さあ、絶望の底でワタシの新たなる姿(ちから)にひれ伏したまえ!!』


    街の全てを文字通り「足元」に見下ろす、圧倒的すぎる質量の暴力。

    首謀者を捜索する必要など最初からなかった。悪意と天才の計算が生み出した蒼き絶望の巨神が、逃げ場のない圧倒的な絶望として、彼らの目の前にその全貌を現したのだった。

  • 290◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:34:47

    【天才の真の目的と、天から降り注ぐ砲火】


    『素晴らしい……! これぞ我が求めていた完全なる姿、完全なる力! 幾千、幾万もの計算の果てに、ワタシはついに到達したのダ!』


    全高数百メートルに及ぶ青色の超巨大ロボットの頭部から、ギュウジン丸の狂気に満ちた高笑いが亜仁満町全体に響き渡る。

    雲を突くほどの巨躯から放たれる圧倒的な威圧感に、地上にいる参加者も市民も、息をすることすら忘れて呆然と立ち尽くした。


    『君たちのような下等な羽虫に、ワタシの崇高な目的を教えてあげよう! ワタシの目的は、このくだらないゲームの勝利などではない。この圧倒的な力を用いて【時間軸を剪定】し、ワタシの至高の頭脳が統治する「ただ一つの完璧な世界」を確定させることにあるのダ!』

    ギュウジン丸の言葉は、もはや一介のプレイヤーの域を完全に逸脱していた。世界の理そのものを自分勝手に書き換えようとする、傲慢なる天才の狂気。

    『そのためには、イレギュラーとなる君たちの存在はノイズでしかない。……消えたまえ。ワタシの完璧な未来の礎としてネ!』


    超巨大ロボットの腕が持ち上がり、その先端に備わったビル群すらも吹き飛ばすサイズの巨大な銃口が、眼下の公園へと向けられた。

    銃口の奥で、膨大なエネルギーが青白い光となって収束していく。


    「来るぞ!! 全員、伏せろォォッ!!」

    滝澤の絶叫と同時に、天から地獄の砲火が降り注いだ。


    ズドォォォォォォォォンッ!!!


    公園の敷地など容易く呑み込むほどの巨大な光の奔流と、無数のレーザー爆撃が大地を穿つ。一瞬にして木々は消し飛び、アスファルトはめくれ上がり、亜仁満町の郊外そのものが火の海と化した。

  • 291◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:39:06

    【蹂躙される希望と、気づき】


    圧倒的な質量の暴力を前に、参加者たちの抵抗はあまりにも無力だった。誰もが己の命を守るどころか、悲鳴を上げて逃げ惑う市民を庇うだけで限界を迎えていた。


    「こっちだ、走れ! 立ち止まるな!!」

    滝澤政道は、降り注ぐ瓦礫や爆風の前に身を呈し、手にしたクインケで致命的な破片を弾き飛ばしながら、一人でも多くの市民を安全な場所へ押し込んでいた。先ほどの重傷の傷口から血が噴き出すが、彼は歯を食いしばり、決して倒れようとはしない。


    「ハァッ……ハァッ……! ふざけんな、文字通りの『致死量』じゃねえか!!」

    アスキン・ナックルヴァールは、自身の能力で周囲の爆発による有毒ガスや熱量のダメージを強引に低下させながら、滝澤の背後で逃げ遅れた人々を引っ張り上げていた。巨大ロボットという規格外の暴力に対し、彼の繊細な能力は防戦に使うだけで手一杯だった。


    「お願い……みんな、無事でいて……ッ!!」

    鹿目まどかは、夜空から雨霰と降り注ぐレーザーや瓦礫に対し、空を見上げて無数の光の矢を放ち続けていた。しかし、巨大ロボットの放つエネルギー波の規模は彼女の魔力を上回り、迎撃しきれなかった爆風が彼女の細い体を何度も地面に叩きつける。それでも彼女は、泥だらけになりながら立ち上がり、弓を引き続けた。

  • 292◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:39:24

    「クソッ、デカすぎるんだよ!!」

    キルア=ゾルディックは『神速(カンムル)』を発動し、雷の如きスピードで戦場を駆け回っていた。爆風に巻き込まれそうになる子供や老人を両脇に抱え、安全圏へとピストン輸送を繰り返す。彼の超人的な暗殺術も、数百メートルの装甲を前にしては「ただの運送屋」になるしかなかった。


    「ウガァァァッ!! なんでご飯じゃないくせにこんなにデカいのさ!!」

    極星獅子堂イズミガロアは、背中から展開した無数の太い触手をドーム状に編み込み、市民たちを守る肉の盾となっていた。次々と降り注ぐ熱線に触手が焼かれ、彼女は激痛に顔を歪めながらも、絶対に盾を解除しようとはしなかった。


    「Sssss……! 爆発の規模が違いすぎるよぉ!!」

    クリーパーカーは、自身の自爆能力などまるでチャッカマン程度にしか思えないほどの光景に完全にパニックを起こし、頭を抱えてしゃがみ込んでいた。


    まさに、絶対的な力の差がもたらす完全なる絶望。

    誰もが「どうやって逃げるか」しか考えられず、勝利への道筋など完全に閉ざされたかのように見えた。

  • 293◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:39:40

    だが――ただ一人。

    ナギだけは、絶望の炎に照らされながら、天にそびえる青き巨神の姿をジッと観察していた。


    「……あれは」

    彼女の鋭い観察眼が、巨大ロボットの脚部や胴体に走る装甲の継ぎ目、そして所々に見える特徴的な青い金属板の形状を捉えていた。シックスの細胞によって形を変えてはいるが、そのベースとなっている「材質」の法則性に気づいたのだ。


    「あの装甲の材質と、動力の伝達経路……間違いない。あれ、さっきまで街にあった『陸上戦艦ザンザス』を素材にして組み上げられてるんだ」


    ギュウジン丸の傲慢な宣言とは裏腹に、その巨体は無から生み出されたものではなく、既存の兵器を再構築した「ハリボテ」の側面を孕んでいる。

    ナギの瞳に、かすかな、しかし確かな『反撃の光』が宿った。


    「……ザンザスが素材のままで、構造のベースが戦艦(あれ)と一緒なら……」


    ナギは、絶望的な砲火が降り注ぐ中で、小さく、しかしはっきりとした声で呟いた。


    「勝てるかもしれない」

  • 294◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:42:18

    【瓦礫に走る稲光と、反逆の胎動】


    一方、亜仁満町のもう一つの絶望の震源地――市民体育館跡地。

    マーティとの卓球勝負に敗北し、その屈辱から激昂したガニシュカが自らの雷撃で崩落させたその場所は、大量の鉄骨とコンクリートの瓦礫の山となり、静まり返っていた。


    しかし、ギュウジン丸の操る超巨大ロボットが市街地に出現し、彼が「盤面を支配する唯一にして絶対の存在」と高らかに宣言した大音声が、この廃墟にも響き渡った直後のことだった。

    静寂に包まれていた瓦礫の山に、明らかな『異変』が起きた。


    バチッ……バチバチバチッ……!!


    無機質なコンクリートやひしゃげた鉄骨の隙間から、這うようにして禍々しい稲光が走り始めたのだ。

    最初は小さな火花だったそれは、次第に脈動するように激しさを増し、瓦礫の山全体を青白い雷光で包み込んでいく。


    それはまるで、大地を揺るがす青き巨神の威容に呼応しているかのようであり――あるいは、「絶対の支配者」を名乗る不遜な輩(ギュウジン丸)に対する、絶対的な『覇王』の静かなる激怒を示すかのようでもあった。


    ズズズ……ゴゴゴゴゴォォォォ……ッ!!!

    そして、瓦礫のずっと奥深く、地の底から。

    鼓膜を、いや魂そのものを震わせるような、地を割るほどの重低音の『咆哮』が響き渡った。


    まだ、終わってはいない。

    崩落した瓦礫の奥でうごめく雷の胎動。それは、いまだ雌雄の決していないもう一つの圧倒的な存在が、再びこの理不尽な盤面に牙を剥こうとしている、恐ろしくも確かな予兆であった。

  • 295◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:43:10

    9ターン目 リザルト

    生存者
    滝澤政道(公園・重傷の身で正体を明かして市民の誤解を解き、巨神の猛攻から身を挺して避難民を守り抜く) / アスキン・ナックルヴァール(公園・滝澤に協力し、能力で爆炎や熱を軽減しながら市民の避難をサポートする) / ナギ(公園・絶望的な砲火の中、冷静に巨神を観察しベースがザンザスであることを見抜き勝機を見出す) / クリーパーカー(公園・巨神の規格外の火力の前に自身の能力の無力さを悟り、パニックを起こしてしゃがみ込む) / ギュウジン丸(超巨大ロボット中枢・時間軸を剪定し完璧な世界を創るという真の目的を語り、地上へ絶望の砲火を浴びせる) / ピエール(暗闇へ逃走中・現在は姿を消しているが、イズミガロアへの強い復讐心を抱いている) / 極星獅子堂イズミガロア(公園・触手を編み込んで強固な肉の盾を展開し、激痛に耐えながら市民を熱線から守る) / 鹿目まどか(公園・市民と和解し、泥だらけになりながらも上空からの爆撃を光の矢で必死に迎撃し続ける) / キルア=ゾルディック(公園・神速を発動し、降り注ぐ瓦礫や砲火の隙間を縫って市民の救出とピストン輸送に奔走する)

  • 296◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:43:20

    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    ガニシュカ(7ターン目にて瓦礫に埋もれ一時脱落扱い。しかし現在、ギュウジン丸の宣言に呼応するように瓦礫の奥から雷光と咆哮を響かせ、復活の兆しを見せている)

    毒ちいかわ(8ターン目にて、滝澤たちを守るためシックスに特攻。猛毒でダメージを与えるも切り裂かれ、滝澤の腕の中で笑顔を浮かべて息を引き取る)

    キャベツ(8ターン目にて、シックスに認識災害を引き起こす罠として使われた後、ザンザスに取り込まれ同化。物理的な形を失い脱落扱い)

    シックス(8ターン目にて、ギュウジン丸の罠に嵌まりザンザスの中枢へ取り込まれ同化。独立した肉体を喪失し脱落扱いとなるが、内側から絶望させることを宣告している)

    陸上戦艦ザンザス(8ターン目にて、ギュウジン丸の操作によりシックスやキャベツと融合。本来の戦艦としての形を完全に失い、巨大ロボットの機構として再構築されたため脱落扱い)

  • 297◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:47:10

    10ターン目


    【絶望の地下室と、寿命を喰らう願い】


    ズズンッ……!! ズズンッ……!!


    亜仁満町の地下に設けられた広大な避難用シェルター。分厚いコンクリートの天井が、地上の超巨大ロボットが歩を進めるたびに不気味な軋み音を立てて土砂をこぼしていた。

    薄暗い非常灯に照らされた地下室には、重い絶望が立ち込めていた。肩を寄せ合って震える市民たち。壁際で荒い息を吐くキルア、深く負傷し壁にもたれかかる滝澤、魔力の大半を消費して座り込むまどか。

    誰もが、天を突く青き巨神の圧倒的な暴力を前に、なす術を失っていた。


    「……ハァ、これで完全に詰みだ。致死量(デス・ディーリング)でどうにかなる質量じゃねえ。俺たちはこの薄暗い穴ぐらで、あのデカブツに街ごと踏み潰されるのを待つだけかよ」

    アスキンが壁に後頭部を預け、自嘲気味に呟く。その言葉を否定できる者は誰もいなかった。


    そのはずだった。


    「ううん、まだ勝てる道はあるよ」

  • 298◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:47:24

    その重苦しい沈黙を破り、ただ一人、ナギが立ち上がった。

    ナギの真っ直ぐな声に、参加者たちの視線が集まる。

    「さっき、あのロボットの装甲の継ぎ目を見た。あれは無から生まれたものじゃない。私が最初に乗っていた陸上戦艦ザンザスを、無理やり再構築しただけのキメラだわ。……そして、私にはある『能力』があるの」

    彼女は真剣な面持ちで、自らの秘められた力を打ち明けた。

    「私の能力は、『相手の寿命を対価にして願いを叶える』こと。……そして、私は最初にあの子に会った。あの子に触れて感じたの。ザンザスには、ただの機械じゃない『意思』のようなものがあるって」


    ナギは力強く拳を握りしめた。

    「あの巨大ロボットの奥底には、まだザンザスの意思が残っているはず。ギュウジン丸に無理やり身体を操られて、きっと苦しんでる。……私が直接ザンザスの中枢に触れてあの子の意思を説得し、残された稼働時間(寿命)を対価にして『ギュウジン丸を崩壊させる』という願いを叶えさせれば……内部から完全に自壊させることができる!」

  • 299◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:49:58

    【致命的な作戦と、反逆の狼煙】


    ナギの提案に、地下室は水を打ったような静寂に包まれた。


    「……本気かよ、お嬢ちゃん」

    沈黙を破ったのは、呆れ返ったようなアスキンの声だった。

    「あの数百メートルはあるバカでかい鉄の塊に取り付いて、機械の寿命を担保に願いを叶えさせる? しかもあの天才気取りの砲火を掻い潜ってか? 致命的を通り越して、ただの自殺志願だぜ」


    確かに、それはあまりにも無謀だった。歩くだけで街を更地に変える巨神の足元を抜け、装甲を這い上がり、中枢へ接触する。失敗すれば即座に消し炭となる、生存率など皆無に等しい作戦だ。


    しかし。


    「……フッ、いいじゃん。最高にイカれた作戦だ」

    キルアが壁から背中を離し、ニヤリと好戦的な笑みを浮かべた。

    「このまま穴ぐらで震えて死ぬより、よっぽどオレたちに合ってる。オレの神速(カンムル)なら、アンタをあのデカブツの懐まで運べるぜ」


    「キルア君の言う通りです」

    まどかもまた、疲れ切った身体に鞭を打ち、自らの弓を杖代わりにして立ち上がった。その瞳には、再び希望の光が宿っている。

    「ナギちゃんがみんなのために命を懸けてくれるなら……私が、全力でその道を切り開きます!」


    「ウガァァッ! ご飯を粗末にするあの青い鉄屑、絶対にぶっ飛ばす!!」

    イズミガロアも触手をうねらせて雄叫びを上げ、震えていたクリーパーカーも「Sssss……や、やるしかないよぉ!」と涙目で頷いた。

  • 300◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:50:18

    「ハァ……これだからお前らは……」

    アスキンは深くため息をつきながらも、髪型を直してゆっくりと立ち上がった。

    「仕方ねえ。どうせ死ぬなら、あのムカつく自称天才の鼻っ柱をへし折ってからにしてやるか」


    「……みんな、頼む」

    重傷で立ち上がることのできない滝澤が、壁にもたれかかったまま、かすれた声で皆を見上げた。生身の人間である彼にとって、今の傷は間違いなく戦闘不能を意味していた。

    「俺は……これ以上戦えない。だから、この人たちを誘導して、もっと安全な場所へ遠ざける役目に回る。……死ぬなよ、絶対に」


    「ええ、任せて」

    ナギが力強く頷く。

    勝算は万に一つ。だが、それは間違いなく彼らに残された「唯一の希望」だった。

    滝澤を市民たちの護衛として残し、決死の覚悟を決めた反逆者たちは、超弩級の巨神を内部から喰い破るべく、再び地上の地獄へと歩みを進めた。

  • 301◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:52:40

    【天を焦がす砲火と、反逆の雷柱】


    「キルア君、右から来ます!!」

    「チィッ、分かってる!!」


    地上へと飛び出したキルアは、腕にナギを抱えたまま『神速(カンムル)』の雷光を纏って地獄の戦場を駆け抜けていた。

    彼らの頭上では、全高数百メートルに及ぶ青き巨神――ギュウジン丸が、鬱陶しい羽虫を叩き落とすかのように、無数のレーザーとミサイルを雨霰と降らせていた。


    「Sssss……! 無理だよぉ、近づけないよぉ!!」

    クリーパーカーが泣き叫び、イズミガロアが巨大な肉の盾を展開して直撃を防ぐ。まどかも上空に向けて光の矢を連射し、アスキンが毒の領域で熱線を相殺しようと試みる。

    だが、相手は街一つを容易く焦土に変える規格外の要塞ロボットだ。


    「遅い遅い遅い! 足掻くな羽虫ども、大人しくワタシの世界の礎となりたまえ!」

    ギュウジン丸の狂気に満ちた笑い声と共に、巨神の胸部からメイン砲門が展開される。街の区画ごと蒸発させるほどの圧倒的なエネルギーが青白く収束していく。

  • 302◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:52:56

    「ダメッ、防ぎきれない……!!」

    まどかが絶望的な光の奔流を前に歯を食いしばった、まさにその時だった。


    ゴァァァァァァァァァンッ!!!!


    戦場から数キロ離れた「市民体育館の跡地」から、天地を繋ぐような極太の『雷柱』が、轟音と共に空へと突き上がった。

    凄まじい落雷の連鎖が青き巨神の胸部を横から打ち据え、メイン砲の射線を強制的に上空へと逸らさせた。


    「な、何事ダ!?」

    ギュウジン丸が驚愕の声を上げる中、参加者たちの視線もまた、雷柱の発生源へと釘付けになった。

  • 303◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:55:27

    【覇王の怒りと、怪獣大決戦】


    雷光が晴れ、もうもうと立ち込める粉塵の中から姿を現したのは――ギュウジン丸の巨神に勝るとも劣らない、雲を突くほどの超巨大な魔神の姿だった。


    「……ガハッ、ハハ……ハハハハハハハ!!」


    天を震わせる哄笑。

    それは、運命のいたずらで死におおせた男への怒り。

    卓球という遊戯で勝ち逃げして果てた男への屈辱。

    そして何より、自分を出し抜き、自分以外の何者かが「絶対者」を名乗って盤面を支配しようとする、ギュウジン丸に対する、腸が煮えくり返るほどの『憤怒』だった。


    クシャカァァァッ!!

    ガニシュカの腕に嵌められた黒い腕輪が、警告音と共に激しい電流を放つ。だが、覇王の怒りによって極限まで膨れ上がったアストラル(幽体)の奔流は、腕輪のシステム的制限を文字通り「焼き切り」、強引にその使徒体(魔帝形態)を維持していた。


    「我は覇王……!! 唯一にして絶対の支配者!! 我を差し置いて神を騙る鉄屑め、万死に値する!!」

  • 304◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:55:58

    怒髪天を突くガニシュカの巨大な拳が、雷の嵐を纏いながら青き巨神の顔面に凄まじい速度で叩き込まれた。


    「ガァァァッ!? バカな、あの腕輪の制限を超えてこれほどの質量を維持するだと!? 物理法則を無視するにも程がある!!」

    ギュウジン丸がメインカメラを揺らしながらパニックに陥る。


    「物理など知らぬ!! 我こそが法だ!!」


    ズドォォォォンッ!!

    超巨大ロボットと超巨大使徒。

    数百メートルクラスの規格外の巨体同士が、ビル群を蹴散らし、大地を粉砕しながら、真っ向からの殴り合い(怪獣大決戦)を開始した。

    ガニシュカの放つ無数の雷撃が巨神の装甲を焦がし、巨神の腕が魔帝の肉体を抉る。その衝撃波だけで、周囲の風景が吹き飛んでいく。


    「……なんだよ、あのデカブツ同士の取っ組み合いは……」

    アスキンがぽかんと口を開ける中、キルアの鋭い眼光が閃いた。


    ガニシュカの猛攻によってギュウジン丸のヘイトは完全に魔帝へと向き、地上への砲火は完全に停止していた。さらに、格闘戦の衝撃で、青き巨神の足元の装甲板が大きくひしゃげ、内部へと通じる「隙間」が露出している。


    「みんな、ボヤボヤすんな! あのイカれた王様に感謝だ!!」

    「ええ! 今です!!」


    キルアの声にハッと我に返ったまどかたちが一斉に駆け出す。

    怪獣大決戦が巻き起こす暴風と地鳴りの中、キルアに抱えられたナギを先頭に、参加者たちは見事、巨神(ザンザス)の内部への侵入に成功したのだった。

  • 305◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 21:59:37

    【巨神の胎内と、天才の迎撃指令】


    「……クソッ、忌々しい落雷オヤジめ! ワタシの完璧な装甲になんてことをしてくれル!!」


    超巨大ロボットの最上部――元『陸上戦艦ザンザス』のメインブリッジに構築されたコックピットでは、ギュウジン丸がコンソールを叩きながら悪態をついていた。

    外部モニターには、雷を纏いながら無茶苦茶な力任せの殴り合いを仕掛けてくる魔帝・ガニシュカの姿が映し出されている。ギュウジン丸もミサイルやビームで応戦するが、相手は物理法則を無視したアストラル体の化け物だ。計算外の猛攻に、巨神の姿勢制御システムは悲鳴を上げていた。


    『警告。第4ブロック、足部装甲の亀裂より、生体反応6を確認。艦内への侵入を許しました』


    その時、無機質なAIの音声がコックピットに響いた。

    ホログラムモニターに切り替わった艦内図には、凄まじい速度で中枢へと向かってくる複数の赤い光点が映し出されている。


    「……あの羽虫ども、奴に乗じてワタシの胎内(なか)に入り込んだか。なるほど、中枢システムを直接破壊しようという魂胆ダネ」

    ギュウジン丸は冷酷な笑みを浮かべ、コンソールにコマンドを入力した。

    「だが、ワタシの頭脳を出し抜けると思わないことダ。内部防衛システム、起動。全自律型防衛ドローン、対象を『害虫』と認識し、排除したまえ」


    ウィィィィン……!!

    ギュウジン丸の操作により、艦内のあちこちのハッチが開き、機銃とレーザーブレードを装備した無数の球体型迎撃ドローンが、侵入者たちの元へと殺到していく。

  • 306◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 22:00:06

    「それと……もう一つ、とっておきの『掃除屋』を使わせてもらおうかネ」

    ギュウジン丸は艦内通信のチャンネルを切り替え、暗闇の区画に潜んでいる【協力者】へと通信を繋いだ。


    『やあ、ピエール君。君に特上の「食材」が自らデリバリーされてきたヨ。どうやら、君の料理を侮辱したあの生意気な女も混ざっているようだ』


    『……あら』


    艦内の薄暗い通路の奥。

    逃走したはずの狂気の美食家・ピエールは、巨大な包丁についた血を舐めとりながら、通信機越しに凶悪な笑みを浮かべた。

    彼女はギュウジン丸と密かに協力関係を結んでおり、外の混乱を他所に、いち早くこの安全な「巨大要塞の胎内」へと避難していたのだ。


    『それは最高の知らせね、天才さん。下ごしらえの準備はバッチリよ』

    ピエールは目を細め、包丁をチャキッと鳴らす。


    『さっきの屈辱……ここで全員、極上のフルコースにして挽回させてもらうわ!』


    超巨大怪獣とロボットの死闘が繰り広げられる中、巨神の内部でもまた、ナギの中枢到達を阻止すべく、無機質な殺戮兵器と狂気の料理人による最悪の迎撃網が敷かれようとしていた。

  • 307二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 22:00:21

    主催の手際もいいしめちゃくちゃおもしれーよ

  • 308◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 22:00:37

    10ターン目 リザルト

    生存者
    滝澤政道(地下シェルター・重傷のため戦闘を離脱し、避難民を護衛するため地下に残る) / アスキン・ナックルヴァール(巨神内部・ナギの護衛として、キルアたちと共に艦内へ侵入) / ナギ(巨神内部・自身の寿命を対価にザンザスの中枢システムを説得するため、キルアに抱えられ中枢を目指す) / クリーパーカー(巨神内部・恐怖に震えながらも、仲間たちと共に艦内へ侵入) / ギュウジン丸(超巨大ロボット中枢・ガニシュカの猛攻に応戦しつつ、艦内の侵入者迎撃のためドローンとピエールを差し向ける) / ガニシュカ(市街地・覇王の怒りにより腕輪の制限を焼き切り、超巨大な使徒体へ変生。ギュウジン丸の巨神と熾烈な怪獣大決戦を繰り広げる) / ピエール(巨神内部・ギュウジン丸の協力者として艦内に潜伏しており、侵入してきたイズミガロアたちをフルコースの食材にすべく待ち構える) / 極星獅子堂イズミガロア(巨神内部・ピエールとの再戦の予感を孕みつつ、ナギの道を切り開くため艦内を進む) / 鹿目まどか(巨神内部・ナギの決死の作戦を成功させるため、迎撃網を突破すべく弓を構え艦内を進む) / キルア=ゾルディック(巨神内部・神速(カンムル)を発動し、ナギを抱えて巨神の防衛網を突破すべく艦内を駆ける)

  • 309◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 22:00:56

    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    毒ちいかわ(8ターン目にて、滝澤たちを守るためシックスに特攻。猛毒でダメージを与えるも切り裂かれ、滝澤の腕の中で笑顔を浮かべて息を引き取る)

    キャベツ(8ターン目にて、シックスに認識災害を引き起こす罠として使われた後、ザンザスに取り込まれ同化。物理的な形を失い脱落扱い)

    シックス(8ターン目にて、ギュウジン丸の罠に嵌まりザンザスの中枢へ取り込まれ同化。独立した肉体を喪失し脱落扱いとなるが、内側から絶望させることを宣告している)

    陸上戦艦ザンザス(8ターン目にて、ギュウジン丸の操作によりシックスやキャベツと融合。本来の戦艦としての形を完全に失い、巨大ロボットの機構として再構築されたため脱落扱い)


    ※ガニシュカは超巨大使徒体として復活したため、生存者枠に復帰しています。

  • 310◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 22:01:51

    中断ッ

    もう全部出力終わってるので今日中に走り切ルと申します

    23:00からマネモブ…待ってるよ…

  • 311二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 22:03:28

    グダらず興味が続く短時間で駆け抜けてくれる主催=神
    その上で自分が安価したキャラを活躍させてくれる主催=神神神

  • 312二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 22:06:38

    ワシはこのバランスの取れたマヌケトリオがめちゃくちゃ好きだったんや…哀

  • 313二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 22:16:00

    オツカレーッ
    いやーどうなるんのォ ですねぇ

  • 314二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:01:18

    ゴングを鳴らせっ 更新開始だっ

  • 315◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:01:52

    11ターン目


    【無尽蔵の防衛網と、希望を繋ぐ二叉路】


    「そこだっ!!」

    「はぁっ……!!」


    超巨大ロボットの胎内――薄暗く無機質な金属の通路を、キルアの落雷のような蹴りと、まどかの放つピンク色の光の矢が駆け抜ける。

    次々と爆散して床に転がるのは、ギュウジン丸が放った球体型の迎撃ドローンたちだ。しかし、倒しても倒しても、壁や天井のハッチから新たなドローンが無尽蔵に湧き出してくる。


    「Sssss……! 痛い、熱いよぉ!!」

    「チィッ、キリがねえな! さすがに数百メートルサイズの要塞の手駒となると、弾幕の量が致死量超えてやがるぜ!」

    クリーパーカーが火花を散らすドローンの残骸から逃げ惑い、アスキンが毒の領域でレーザーの威力を削ぎ落としながら悪態をついた。

  • 316◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:02:15

    このまま固まって進めば、いずれ体力を削り切られてジリ貧になる。その戦況を即座に読み取ったキルアが、鋭い声を上げた。


    「……まどか! オレとアンタはここで陽動に回る! 派手に暴れてドローンどものヘイトをかき集めつつ、そのまま一番上のコックピット――ギュウジン丸の本体を狙うぞ!」

    「二手に分かれるのね……わかったわ!」

    まどかはキルアの意図を瞬時に理解し、力強く頷いた。

    「ナギちゃん! 私たちが敵を引きつけるから、その隙にシステムの中枢を目指して!」


    「キルア君、まどかちゃん……ありがとう。絶対に、止めてみせるから……!」

    ナギの決意の言葉を受け、キルアとまどかは通路の交差点で別ルートへと飛び出した。二人はわざと派手な爆音と閃光を放ちながら、上層へと駆け上がる。

    『侵入者2名、上層ルートへ進行。脅威度判定A――追撃部隊、対象を変更』

    AIの音声が響き、通路を埋め尽くしていたドローンの大群が、二人の後を追って一斉に進路を変えた。


    「よし、あいつらが道を作ってくれたぜ! 行くぞお前ら!!」

    アスキンが先導し、ナギ、クリーパーカー、そしてイズミガロアの4人は、手薄になった通路を抜け、ザンザスの心臓部であるシステム中枢ブロックへと一気に駆け込んでいった。

  • 317◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:04:59

    【突破不能の絶対防壁と、消えた古龍】


    「……ここが、システムの中枢ブロック……!」


    入り組んだ艦内を抜け、ついに最深部へと辿り着いたナギは、目の前にそびえ立つ光景に息を呑んだ。

    そこは巨大なドーム状の空間だったが、目的である「ザンザスの中枢コア」に触れるためには、分厚い隔壁と、その表面を覆う青白いエネルギーシールドを突破しなければならなかった。

    さらに、その絶対防壁の前には、先ほどの通路とは比べ物にならないほど重武装の大型防衛ドローンが数機、静かに砲門を向けて待機している。


    「おいおい……冗談だろ。なんだよあのふざけた装甲とシールドは」

    アスキンが顔を引きつらせて舌打ちする。



    「Sssss……だ、だめだよぉ……!!」

    クリーパーカーも絶望したように頭を抱えてしゃがみ込んだ。

    「あんなの、私がいっちばん威力の高い『大自爆』をしても、絶対に傷一つ付けられないよぉ……!!」

  • 318◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:05:40

    物理的な質量を誇る超重隔壁と、ギュウジン丸の緻密な計算で張られた強固なプロテクト。

    いくらナギがコアに触れれば逆転できるとはいえ、文字通り「触れることすら不可能」な絶対の要塞が、彼女たちの行く手を阻んでいた。


    「……クソッ。俺の能力で鉄の扉を毒殺することはできねえぞ。……なあ、イカ娘。 お前のそのバカ力と触手で、あのシールドごと扉を無理やり……」


    そう言ってアスキンが後ろを振り返り――不自然な違和感に気づいて言葉を止めた。


    「……あ?」


    「え……?」

    ナギもつられて振り返る。

    つい先ほどまで、自分たちの背後をドスドスと足音を立てながらついてきていたはずの、大食らいの少女。


    極星獅子堂イズミガロアの姿が、どこにもなかった。


    「……おい、ウソだろ。あいつ、どこ行きやがった……!?」

    アスキンが周囲を見渡すが、静まり返った通路には誰もいない。

    絶対防壁を前に立ち尽くす3人。唯一の物理的な突破口になり得た最大の戦力が、この土壇場で忽然と姿を消してしまったのだった。

  • 319◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:08:04

    【食の流儀と、暗闇の死闘】


    「……なるほど。気配を消していたつもりだったけれど、獣の嗅覚には逆らえないってわけね」


    中枢ブロックへと続く通路の、さらに一本手前の薄暗い区画。

    ピエールは、巨大な包丁を肩に担ぎながら、暗闇の奥からゆっくりと姿を現した。彼女の口元には、獲物を前にした狂気の笑みが浮かんでいる。


    「やっぱり……腐ったお肉みたいな、嫌な匂いが近づいてきてると思ったんだ」

    その行く手を塞ぐように立ち塞がっていたのは、極星獅子堂イズミガロアだった。

    彼女は、モンスター特有の野生の勘でピエールの接近をいち早く察知し、ナギたちが安全に中枢へ向かえるよう、誰にも言わずに一人でこの場に残っていたのだ。


    「フフッ、いい心掛けじゃない。でも、無駄死にね。あなたの仲間たちはあの扉を越えられないし、あなた自身もここで私の『フルコース』のメインディッシュになる運命よ」

    ピエールが包丁の腹を指で弾く。

    「私はね、ただ食事をするだけじゃないの。恐怖に歪む顔、切り刻まれる絶望……それらをスパイスにして初めて、最高の『美食』は完成する。あなたみたいな野蛮な大食らいに、この高尚な芸術が理解できるかしら?」

  • 320◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:08:21

    「……理解できないね。っていうか、したくない」

    イズミガロアは、普段の無邪気な様子を完全に消し去り、その背中からウネウネと蠢く無数の太い触手を展開した。瞳孔が縦に裂け、獲物を狙う捕食者の顔つきに変わる。

    「命をもらうってことは、その分、私たちが精一杯生きてあげるってこと。ご飯を弄んで、不味くするようなやつは……『いただきます』って言う資格、ないんだよ!!」


    「生意気な食材ね……なら、その触手から細切れにしてあげるわ!!」


    ピエールの姿がブレた。彼女の恐るべき身体能力から繰り出される巨大包丁の斬撃と、イズミガロアの放つ強靭な肉の触手が、狭い通路の中で激突する。

    鋼鉄の壁が豆腐のように切り裂かれ、火花と肉片が飛び散る。食を愛する古龍と、食を冒涜する狂人。絶対に相容れない二つの「食の流儀」が、血で血を洗う壮絶な死闘の幕を開けた。

  • 321◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:11:07

    【天才の計算と、コックピットの闖入者】


    一方、亜仁満町の市街地を舞台にした、超巨大使徒と超巨大ロボットの怪獣大決戦。

    開始直後こそ、覇王の怒りと規格外のアストラルエネルギーを爆発させたガニシュカが一方的に殴り勝っていたが、戦況は徐々に、しかし確実に逆転し始めていた。


    『グ……オォォォォォッ!!』

    ガニシュカが渾身の雷を纏った右ストレートを放つ。だが、それは青き巨神の装甲に触れる直前で、六角形の不可視のエネルギーシールドに弾かれ、空しく霧散した。


    「アハハハハッ! 残念だったネェ、旧時代の遺物くん!!」

    巨神のコックピットで、ギュウジン丸がキーボードを叩きながら高らかに嗤う。

    「ワタシの頭脳を舐めるなヨ! 最初の数十秒の交戦データで、君の幽体エネルギーの波長も、大振りな攻撃パターンも、全て『分析完了』だ!」


    ギュウジン丸は、超巨大ロボットのプログラムを即座に最適化していた。ガニシュカの放つ雷撃の周波数に合わせたピンポイントの防御シールドを展開し、巨体の動きの死角を突くように、的確で無駄のないカウンター攻撃を叩き込んでいく。


    ドゴォォォォンッ!!

    計算し尽くされた巨神の蹴りが、ガニシュカの脇腹を正確に捉え、超巨大な使徒の身体がビル群を薙ぎ倒しながら大きくよろめいた。


    「物理法則を無視したパワーも、システムで制御しきれればただの的ダ。さあ、大人しくワタシの世界の礎となりたま…」

    ギュウジン丸が勝ち誇り、トドメの主砲を放とうとした、まさにその瞬間。

  • 322◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:11:36

    ドドォォォォォォンッ!!!


    コックピットの強固な防弾ガラスと装甲ハッチが、外側から凄まじい落雷と光の爆発を浴びて木っ端微塵に吹き飛んだ。


    「な、何事ダ!?」

    突如としてコックピット内に吹き荒れる暴風と粉塵。

    ギュウジン丸が腕で顔を庇いながらモニターから視線を外すと、破壊されたハッチの向こう――巨神の肩に当たる部分に、二つの小さな影が立っていた。


    「……随分と楽しそうにゲームしてんじゃねーか。少しは周りを見ろよ、自称天才」


    パチパチと青白い電光を全身に纏わせ、鋭い殺気を放つキルア=ゾルディック。

    その隣には、淡いピンク色の魔力を限界まで高め、極太の光の矢をつがえた弓をギュウジン丸へと真っ直ぐに向ける鹿目まどか。


    無数のドローンを蹴散らし、陽動という本来の目的を超えて、ついに「王手」の場所へと辿り着いた希望の守護者たち。


    「下でみんなが命懸けで戦ってるんです。……ここから先は、私たちが相手です!!」

    まどかの凛とした声が、コックピットに響き渡る。

    下層のシステム中枢での防衛戦、そして目前に迫った闖入者。ギュウジン丸と参加者たちの、街の存亡を懸けた最終決戦が、いよいよ最高潮を迎えようとしていた。

  • 323◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:11:53

    11ターン目 リザルト


    生存者

    滝澤政道(地下シェルター・重傷のため戦闘を離脱し、避難民を護衛するため地下で待機) / アスキン・ナックルヴァール(巨神内部システム中枢前・強固なプロテクトを前に立ち尽くす) / ナギ(巨神内部システム中枢前・中枢コアを目前にするも、絶対防壁に阻まれ立ち往生する) / クリーパーカー(巨神内部システム中枢前・自身の自爆でも突破不可能な防壁を前に絶望する) / ギュウジン丸(超巨大ロボットコックピット・ガニシュカの動きを分析し圧倒し始めるが、突入してきたキルアとまどかに直面する) / ガニシュカ(市街地・超巨大使徒として暴れ回るも、プログラムを最適化したギュウジン丸の的確な反撃に押され始めている) / ピエール(巨神内部通路・狂気のフルコースを完成させるため、立ち塞がったイズミガロアと死闘を繰り広げる) / 極星獅子堂イズミガロア(巨神内部通路・ナギたちを先へ進ませるため単身残り、食を冒涜するピエールと激突する) / 鹿目まどか(超巨大ロボットコックピット・陽動とドローン殲滅をこなし、ついに黒幕ギュウジン丸の本体へと弓を向ける) / キルア=ゾルディック(超巨大ロボットコックピット・神速で防衛網を突破し、コックピットの装甲を破壊してギュウジン丸を強襲する)


    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    毒ちいかわ(8ターン目にて、滝澤たちを守るためシックスに特攻。猛毒でダメージを与えるも切り裂かれ、滝澤の腕の中で笑顔を浮かべて息を引き取る)

    キャベツ(8ターン目にて、シックスに認識災害を引き起こす罠として使われた後、ザンザスに取り込まれ同化。物理的な形を失い脱落扱い)

    シックス(8ターン目にて、ギュウジン丸の罠に嵌まりザンザスの中枢へ取り込まれ同化。独立した肉体を喪失し脱落扱いとなるが、内側から絶望させることを宣告している)

    陸上戦艦ザンザス(8ターン目にて、ギュウジン丸の操作によりシックスやキャベツと融合。本来の戦艦としての形を完全に失い、巨大ロボットの機構として再構築されたため脱落扱い)

  • 324◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:13:33

    12ターン目


    【密かなる通信と、託された希望】


    空を覆うほどの巨体がぶつかり合い、天に向かって稲妻と爆炎が絶え間なく立ち昇る亜仁満町の市街地。

    その地獄のような光景から避難民をさらに遠ざけるため、滝澤政道は痛む脇腹を引きずりながら、街の郊外へと続く道を先導していた。


    「立ち止まるな! あのバケモノ同士の余波が届かない場所まで、とにかく走れ!!」


    滝澤の声に背中を押され、市民たちは必死に足を動かす。安全な距離まで彼らを誘導したことを確認すると、滝澤は物陰に身を隠し、懐から血に染まった通信機を取り出した。

    彼は外部の『ある場所』へと回線を繋ぎ、短く、しかし切迫した声で何事かを伝達する。


    「……頼んだぞ」


    通信をブツリと切り、滝澤は大きく息を吐き出した。

    彼が再び顔を上げると、遥か遠くで、青き巨神(ギュウジン丸)と巨大な魔帝(ガニシュカ)が、大地を揺るがしながら凄まじい死闘を繰り広げているのが見えた。

    あの狂った巨大ロボットの胎内には、今この瞬間も、命を削って中枢を目指している仲間たちがいる。


    「死ぬなよ、お前ら……!」

    生身の自分ではもはや立ち入ることすら許されない、神話のような決戦を前に。滝澤はただ拳を強く握りしめ、過酷な戦場へと飛び込んでいった6人の無事を強く祈り続けていた。

  • 325◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:15:56

    【狂気の美食論と、激怒の捕食者】


    その頃、超巨大ロボット(ザンザス)の内部、薄暗い通路。

    極星獅子堂イズミガロアと狂気の美食家・ピエールの死闘は、明確な実力差をもってピエールが優勢に立っていた。


    「アハハハハッ! どうしたの、図体のデカいゲテモノちゃん! 動きが鈍いわよ!」

    「くっ……! チョロチョロと、鬱陶しい……ッ!!」


    艦内の入り組んだ通路は、機動力と小回りに優れるピエールにとって最高の『厨房』だった。対して、巨大な触手を振り回すイズミガロアの野性的なファイトスタイルは、狭く強固な金属の壁に阻まれ、思うように威力を発揮できない。

    ピエールは壁や天井を縦横無尽に蹴り渡り、巨大な包丁でイズミガロアの触手を次々と切り裂き、その身体に確実にダメージを蓄積させていた。


    「素晴らしい悲鳴、極上の血の匂い! ああ、最高のフルコースが完成しそうだわ!」

    ピエールは返り血を舐めとり、恍惚とした表情を浮かべた。そして、獲物をいたぶるような口調で、ふと口を開いた。


    「そういえば、あの卓球遊びで黒焦げになって死んだ男……マーティと言ったかしら。彼の死に様、本当に最高だったわ!」

    「……え?」

    イズミガロアの動きが、ピタリと止まる。


    「圧倒的な死を前にしても決して怯まず、自らの命をチップにして、死というものを『エンターテイメント』へと昇華させた! あれぞまさに究極のスパイス! 彼と私は、命の散り際を極上の芸術へと変える『同じ美学(信念)』を持っているのよ。素晴らしいと思わない!?」

    ピエールは、マーティの決死の行動を、自身の狂った「命を弄ぶ娯楽」と完全に同一視し、ひどく陶酔したように笑い声を上げた。

  • 326◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:16:07

    その瞬間。

    イズミガロアの中で、張り詰めていた『何か』が完全にブチ切れた。


    「……ふざけるな」

    ゴパァァァァッ!! と、イズミガロアの全身から、これまでとは比較にならないほどのドス黒いオーラと、尋常ではない熱量が噴き出した。


    「一緒にするな……ッ!! あのおじさんは、最期まで一生懸命『生きよう』としたんだ!! 自分の心を、命を、全部燃やして立ってたんだよ!!」

    縦に裂けた瞳孔が血走る。

    命に真摯なモンスターにとって、必死に生き抜いた人間の尊厳を、食事を弄ぶ悪党の「娯楽」と一緒にされることは、絶対に許されない最大の冒涜だった。


    「お前みたいな、ご飯をオモチャにする最低の生ゴミと一緒に、するなァァァッ!!」


    「なっ……!?」

    ピエールが目を見張る。地形の不利など関係なかった。

    激昂したイズミガロアの背中から極太の肉の触手が爆発的に膨れ上がり、通路の鋼鉄の壁も、天井も、床すらも、強引に粉砕しながら全方位へと叩きつけられたのだ。


    「ギャァァッ!?」

    完全に自身の『厨房』ごと破壊されたピエールは、避ける空間すら奪われ、触手の一撃をまともに受けて壁へと弾き飛ばされた。


    理性をかなぐり捨てた、純粋なる捕食者の大激怒。

    巨大要塞の胎内を揺るがすほどの猛攻が、狂気の料理人を容赦なくすり潰すべく襲い掛かった。

  • 327二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:17:05

    えっ
    外部に誰を呼んだんかのォ

  • 328◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:18:37

    【クリーパーの本当の夢と、最高の自爆】


    「チィッ、キリがねえ! どんだけ湧いてきやがるんだ!!」


    システム中枢ブロックの前。アスキンは『猛毒の指輪(ギフト・リング)』を連続で放ち、迫り来る防衛ドローンの群れを次々と撃ち落としていた。しかし、数百メートルサイズの要塞が吐き出す物量は圧倒的であり、戦闘能力のないナギとクリーパーカーを庇いながらの防衛戦は、急速に限界を迎えつつあった。


    目の前には、絶対に破れない強固なエネルギーシールドと分厚い隔壁。背後からは無尽蔵に迫る殺戮兵器。

    「……そんな、ここまで来て……!」

    ナギの瞳に絶望がよぎり、膝から崩れ落ちそうになった、その時だった。


    「Sssss……ねえ、ナギちゃん」


    ずっと怯えて震えていたはずのクリーパーカーが、ふと顔を上げ、いつものフレンドリーで無邪気な笑顔を向けた。

    彼女の視線は、自分たちの腕に嵌められた『デスゲームの腕輪』に向けられていた。腕輪は、無理に外そうとしたり破壊しようとしたりすれば、即座に強力な爆発を起こして参加者を殺.害するペナルティ機能を持っている。


    「私の自爆だけじゃ、あの壁は壊せない。でもね……私の爆発と、この腕輪のペナルティの爆発……二つの威力を無理やり掛け合わせたら、きっとすごいことになるって気づいちゃった」

    システムによる自爆。それはリスポーンできない、完全なる死を意味する。だが、既に彼女に迷いはなかった。

  • 329◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:18:56

    「え……? ちょ、ちょっと待って、何言ってるの?」

    ナギが慌てて手を伸ばすが、クリーパーカーはドンッとナギとアスキンの背中を押し、二人を分厚い通路の柱の陰へと突き飛ばした。


    「あの時……私、実は嘘をついてたんだ」

    クリーパーカーは、床に転がっていた破壊されたドローンの鋭利なレーザーブレードを拾い上げた。


    「私の本当の夢、言ってなかったよね」


    彼女は満面の笑みを浮かべたまま、一切の躊躇なく、腕輪が嵌められた自分自身の腕めがけてブレードを振り下ろした。

    鮮血が舞い、腕輪のシステムが「不正な切断・解除」を検知してけたたましい警告音(エラー)を鳴り響かせる。


    「クリーパーの夢はね……『最高の自爆』をすることなんだよ!! 行って、ナギちゃん!!」


    次の瞬間。

    腕輪の致死的なペナルティ爆発と、クリーパーカー自身の命を極限まで燃やした大自爆が、最悪にして最高の相乗効果(シナジー)を引き起こした。


    カァァァァァァァァァッ……!!!!


    超新星爆発のような、視界を白く染め上げる極大の閃光と轟音。

    彼女の全存在を懸けた「最高の自爆」は、迫り来る防衛ドローンの大群を一瞬で塵に返し、決して破れないはずだった絶対防壁とエネルギーシールドを、根こそぎ完全に吹き飛ばしたのだった。

  • 330二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:20:02

    自爆…糞

  • 331◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:21:23

    【埋伏の毒と、笑う天才】


    「クリーパーカーッ!!」


    超巨大ロボットの最上部、コックピット。

    モニター越しに彼女の壮絶な自己犠牲を目の当たりにしたまどかとキルアの悲痛な叫びが響き渡った。


    「よくも……よくもあの子を!!」

    悲しみは瞬時に激しい怒りへと変わり、二人の猛攻はさらに苛烈さを増した。

    まどかの放つ無数の光の矢がコックピットのコンソールを次々と破壊し、キルアの雷を纏った拳がギュウジン丸を護るバリアを強引に削り取っていく。


    「グッ……! 忌々しい羽虫どもメ……!!」

    巨体の外ではガニシュカとの決戦が続き、内部ではキルアたちの猛攻。いかに天才・ギュウジン丸といえど、処理能力の限界を超えた攻撃の嵐に明らかに押され始めていた。


    だが――ギュウジン丸の表情には、依然として不気味なほどの『余裕』が張り付いていた。

  • 332◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:21:40

    「……ッ、まどか、退がれ! なんかおかしい!!」

    殺し屋としての直感が致命的な嫌な予感を察知し、キルアがまどかを庇うように飛び退く。

    二人の視線が、コックピットの隅で生き残っていたサブモニターへと向けられた。そこには、クリーパーカーの自爆によって防壁が消し飛び、ついに無防備な姿を晒した『ザンザスの中枢コア』の映像が映し出されていた。


    しかし、その映像に映っていたのは、コアに触れて願いを叶えるナギの姿ではなかった。


    「……ナギ、ちゃん……?」

    まどかの顔から、スッと血の気が引いた。


    破壊された中枢ブロックの床。

    ナギは、信じられないほどの苦痛に顔を歪め、浅く荒い呼吸を繰り返しながら、ピクピクと痙攣して横たわっていた。

    そして、その傍らで。先ほどまで彼女たちを守って戦っていたはずの男――アスキン・ナックルヴァールが、無言のまま冷たい瞳でナギを見下ろして佇んでいたのだ。


    「アハハハハハッ!! まさか、あの爆発娘の命を懸けた自爆が、『味方を殺しやすくするための最高の舞台作り』にしかならないとはネェ!!」

    ギュウジン丸が腹を抱えて狂ったように笑い出す。


    「見事だよ。警戒心を解かせ、最も無防備になった瞬間に確実な死を盛る。『埋伏の毒』とはこうやって使うものだヨ」

    呆然とするキルアとまどかを嘲笑うかのように、ギュウジン丸は通信機越しに、コックピットと中枢ブロックを繋ぐ回線を開いた。


    「ご苦労だったネ。ワタシの……もう一人の素晴らしい協力者、アスキン・ナックルヴァール君」

  • 333◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:22:06

    12ターン目 リザルト

    生存者
    滝澤政道(郊外・避難民を安全圏へ誘導し終え、密かに外部の「どこか」へ通信を繋ぎ仲間たちの無事を祈る) / アスキン・ナックルヴァール(巨神内部システム中枢・ギュウジン丸のもう一人の協力者(裏切り者)であることが判明。クリーパーカーの死の直後、ナギを毒牙にかける) / ナギ(巨神内部システム中枢・クリーパーカーの犠牲で中枢コアに辿り着くも、アスキンの裏切りに遭い毒で昏倒させられる) / ギュウジン丸(超巨大ロボットコックピット・キルアとまどかの猛攻を受けつつも、仕込んでいた「埋伏の毒」であるアスキンの凶行を見て狂喜する) / ガニシュカ(市街地・超巨大使徒としてギュウジン丸のロボットと怪獣大決戦を継続中) / ピエール(巨神内部通路・マーティの死を自身の娯楽と同一視したことでイズミガロアの逆鱗に触れ、猛反撃を受ける) / 極星獅子堂イズミガロア(巨神内部通路・命を生き抜いたマーティを侮辱されたことに激怒し、食欲を捨てた純粋な殺意でピエールを粉砕しにかかる) / 鹿目まどか(超巨大ロボットコックピット・キルアと共にギュウジン丸を追い詰めるが、モニター越しにクリーパーカーの死とアスキンの裏切りを知り戦慄する) / キルア=ゾルディック(超巨大ロボットコックピット・ギュウジン丸に猛攻を仕掛ける中、アスキンの裏切りとナギの危機を察知し驚愕する)

  • 334◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:22:24

    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    毒ちいかわ(8ターン目にて、滝澤たちを守るためシックスに特攻。猛毒でダメージを与えるも切り裂かれ、滝澤の腕の中で笑顔を浮かべて息を引き取る)

    キャベツ(8ターン目にて、シックスに認識災害を引き起こす罠として使われた後、ザンザスに取り込まれ同化。物理的な形を失い脱落扱い)

    シックス(8ターン目にて、ギュウジン丸の罠に嵌まりザンザスの中枢へ取り込まれ同化。独立した肉体を喪失し脱落扱いとなるが、内側から絶望させることを宣告している)

    陸上戦艦ザンザス(8ターン目にて、ギュウジン丸の操作によりシックスやキャベツと融合。本来の戦艦としての形を完全に失い、巨大ロボットの機構として再構築されたため脱落扱い)

    クリーパーカー(12ターン目にて、絶対に破れない中枢ブロックの防壁を破壊するため、自らの腕を切り落として腕輪のペナルティを意図的に発動。自身の大自爆能力と掛け合わせた「最高の自爆」により防壁を粉砕し、ナギに道を託して散る)

  • 335二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:22:53

    は?(語録無視書き文字)

  • 336二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:23:56

  • 337◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:24:34

    13ターン目


    【絶望の伏兵と、天才の保険】


    「ガハッ……ぁ、う……!」


    破壊されたザンザスの中枢ブロック。モニター越しに映し出されたナギは、首を掻き毟りながら床に倒れ伏し、酸欠の金魚のように口をパクパクとさせて苦しみ悶えていた。

    アスキンの能力『致死量(デス・ディーリング)』によって、彼女の周囲の「酸素」の致死量が極端に下げられ、ただ呼吸をするだけで自身の身体を猛毒で蝕んでいく状態に陥っていたのだ。


    「アスキン、てめェ……!! 最初から裏切るつもりで……!!」

    「そんな、嘘ですよね!? クリーパーカーちゃんが命を懸けて開けた道を……!!」


    突如として突きつけられた最悪の裏切りに、キルアとまどかの動きが完全に止まった。殺気と魔力に満ちていた二人に、決定的な「隙」と「動揺」が生まれた。

    天才・ギュウジン丸が、その一瞬を見逃すはずがなかった。

    「アハハハハッ! よそ見をしている場合かね!?」

  • 338◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:24:48

    ガシャンッ!!

    ギュウジン丸がコンソールを叩き割る勢いでコマンドを入力すると、コックピットの壁面や床下から無数の強靭な拘束ワイヤーと機械のアームが射出された。

    「しまッ――」

    キルアが神速で反応しようとするも一歩遅く、まどかと共に四肢を完全に拘束され、空中に磔にされてしまった。


    「盤面を支配する者として、不測の事態に備えて『保険』をかけておくのは当然の戦術だ。仲間を信じ切るその青臭さが、君たちの敗因だ!」

    ギュウジン丸は拘束された二人を嘲笑うと、通信機越しに中枢ブロックのアスキンへと冷酷な命令を下した。


    「さあアスキン君、チェックメイトだ。その目障りな小娘を、今すぐ始末したまえ!」

  • 339二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:25:50

    い…一応聞くけど二重スパイ展開なんだよね?
    滝澤のこと助けてるし…

  • 340◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:26:44

    【美学の天秤と、致命的な裏切り】


    モニターの向こう側。

    アスキンは、通信機から響くギュウジン丸の命令を静かに聞き届けた後、飄々としたいつもの態度で短く答えた。

    『……ああ、わかったぜ』


    その言葉に、アスキンが自らの能力の出力を上げるための一歩を踏み出す。

    「やめろォォォッ!!」

    「ナギちゃん!!」

    キルアとまどかが血を吐くような悲鳴を上げ、ギュウジン丸が勝利を確信して醜く顔を歪めた、まさに次の瞬間だった。

  • 341◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:27:05

    「プハァッ……! ゲホッ、ゴホッ、ハァ、ハァ……!!」


    死の淵にあったはずのナギが、唐突に大きく息を吸い込み、むせ返りながらも立ち上がったのだ。

    顔色は急速に生気を取り戻し、酸素が正常に彼女の肺を満たしていく。


    「……ハァ? な、何をしているアスキン君! 確実に息の根を止めろと言ったはずダ!」

    ギュウジン丸の顔から笑みが消え、狼狽した声が響く。


    モニター越しの男は、やれやれと首を振りながら、自身の首の後ろを掻いた。

    『いやぁ、悪い悪い。酸素の致死量を、「元に戻しちまった」』


    アスキンは、呆然とするナギから視線を外し、モニター越しにギュウジン丸を真っ直ぐに見据えた。その瞳には、これまでの飄々とした態度の裏に隠されていた、彼なりの強固な『美学』が冷たく光っていた。

    『俺はな、ずっと天秤にかけてたんだよ。バカみたいに愚直に市民を守ってボロボロになってる喰種捜査官とか、自分よりデカいバケモノに特攻したちっこい毒ネズミとか、友達のために腕ブッ飛ばして笑って散った爆弾娘……そいつらの生き様と、安全圏から高みの見物で、コソコソ罠を張り高笑いするアンタのやり方をな』


    「……貴様、自分が何を言っているのか分かっているのか!?」

    ギュウジン丸が激昂するのも構わず、アスキンは鼻で嗤った。


    『どっちにつくのが生存率が高いかって言えば、圧倒的にアンタの方だった。……だがな、アンタのその計算づくの盤面とやらは、俺の美学からすると……』

  • 342◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:27:28

    『【致命的にダサい】んだよ』

  • 343◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:27:52

    他者の命や尊い自己犠牲を、ただの駒として嘲笑う男。そんな輩の下につくくらいなら、ここで圧倒的な不利を背負ってでも、意地を通した方がマシだ。

    それこそが、アスキン・ナックルヴァールという男の「致死量」の計算だった。


    『……ちょっと脅かしちまって悪かったな、お嬢ちゃん』

    アスキンは振り返り、床にへたり込んでいたナギに手を差し伸べて引き起こした。


    『さあ、道は開いたぜ。アンタのやるべきことを、さっさと済ませてきな』


    中枢の絶対防壁はすでにクリーパーカーの命によって粉砕され、背後を脅かす者もアスキンの二重スパイによって排除された。

    むき出しになったザンザスの中枢コアを前に、ナギは力強く頷き、運命を覆す「願い」を叶えるべく、コアへとその手を伸ばした。

  • 344二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:28:38

    やっぱり人間の価値はオシャレかどうかだよねパパ

  • 345◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:30:38

    【国家の剣と、反撃の狼煙】


    『計算外のバケモノがウヨウヨしてる盤面で、自分の計算が完璧だと思い込んでるアンタについていくのは、どう見積もっても俺の「致死量」を超えてるんでね』


    モニター越しに放たれたアスキンのあまりにも理不尽で、しかし計算し尽くされた冷徹な裏切りの宣告。その言葉に、盤面の完全な支配者であったはずのギュウジン丸は、怒りと屈辱でワナワナと全身を震わせた。

    「キサマァ……! どこまでもワタシを愚弄する気カ!!」


    激昂したギュウジン丸が拘束アームの出力を上げ、キルアとまどかをそのまま握り潰そうとした、まさにその時。


    ズドォォォォォォォォンッ!!!


    超巨大ロボットの機体が、横殴りの凄まじい爆発を受けて大きく傾いた。コックピット内に警報が鳴り響き、赤色のエマージェンシーライトが明滅する。

  • 346◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:31:01

    「な、なんだ!? 今度は何事ダ!!」

    ギュウジン丸が外部モニターを睨みつけると、そこには亜仁満町の上空を切り裂くように飛来する、数機の編隊――航空自衛隊の戦闘機の姿があった。


    『目標(ターゲット)、青色の超大型未確認歩行兵器。全弾命中、引き続き第二波のミサイル攻撃を敢行する!』

    鼓膜を破るようなジェット音と共に、自衛隊機から放たれた無数の空対地ミサイルが、青き巨神の装甲に次々と着弾し、火柱を上げる。


    さらに。


    「ガアァァァァァッ!! 余所見をするなァ、鉄屑!!」

    ミサイルの爆撃に巨神の姿勢制御が乱れたその一瞬の隙を、超巨大な魔帝(ガニシュカ)が見逃すはずがなかった。ガニシュカは雷を纏った巨体で巨神に真正面から組み付き、強引に押し倒そうと機体全体を激しく揺さぶり始めたのだ。


    「グオォォォッ!? システム、出力低下! 姿勢制御が間に合わな――」

  • 347◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:31:44

    ガシャァァァンッ!!

    機体が激しく傾いた衝撃とシステムのエラーにより、キルアとまどかを縛り付けていた拘束アームのロックが一瞬だけ外れた。


    「……ッ、今だ!!」

    キルアが『神速(カンムル)』の電光を爆発させ、拘束を完全に力ずくで破壊。そのまま落下するまどかの手を掴み、安全な足場へと着地する。


    「自称神様……オレたちから目を離したのが、アンタの命取りだ!」

    「これで、終わりです!!」

    自由を取り戻した二人は、眼前に無防備な姿を晒したギュウジン丸の本体へ向け、再び容赦のない猛攻を叩き込んだ。

  • 348◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:32:07

    ――時を同じくして、亜仁満町の郊外。

    ミサイルが空を切り裂く轟音を遠くに聞きながら、滝澤政道は握りしめた通信機に向かって、深く、深く頭を下げていた。

    「……無茶な要請に応えていただき、本当に、本当にありがとうございます……ッ!!」


    滝澤が身を隠して行っていた秘密の通信。それは、警察・政府関係のあらゆるツテと権限を強引にフル活用した、「自衛隊への超法規的な出動要請」だった。

    彼自身の力ではあの巨大なバケモノたちには敵わない。だが、市民を守る「人間の捜査官」としての愚直な執念と正義感が、国家の武力を動かし、巨大要塞を崩す決定的な一手となったのだ。


    振り向けば、市民たちが巨神たちの戦場へ向け、口々に声援を叫んでいる。

    もはや彼らは悪の権化などではない。巨悪に立ち向かう、正義の勇者なのだ。

  • 349二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:33:17

    治安維持機関所属のキャラはこういう時役立ちますね…本気でね

  • 350二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:34:24

    >>349

    このバトロワでは外野モブを入れてるからこそのシナジーなんだよねすごくない?

  • 351二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:35:13

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  • 352◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:35:31

    【命の重さと、腹ペコの古龍】


    一方、巨神の内部。中枢ブロックへと続く薄暗い通路では、狂気の美食家と命に真摯なモンスターの死闘が、ついに決着の時を迎えようとしていた。


    「バ、バカな……! 私の完璧な包丁捌きが、こんな……ただの暴力に……ッ!!」


    ピエールは血を吐きながら、信じられないというように目を見開いていた。

    彼女の放つ洗練された斬撃は、イズミガロアの圧倒的な怒りと、命の重さを乗せた強靭な触手の乱打の前に、完全にへし折られていた。


    「お前は、命を食べて生きていくことの重さを、全然分かってない……!」

    イズミガロアの瞳孔が鋭く光る。マーティの誇り高き死を嘲笑し、命をただの娯楽としか見ない悪党の「空っぽな信念」など、食べるために生き、生きるために食べてきた古龍の「命への真摯さ」の前に敵うはずもなかった。


    「……ごちそうさま。お前のご飯は、もう終わりだよ」


    ドゴォォォォォンッ!!

    極太の触手による渾身の一撃が、ピエールの身体を通路の鋼鉄の壁に深々と叩き込んだ。

    「ガァ、ハッ……!!」

    全身の骨が砕ける致命的な音が響く。狂気の料理人はそのまま白目を剥き、崩れ落ちた瓦礫の中に埋もれ――二度と、その狂った目を覚ますことはなかった。


    「…………」

  • 353◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:35:49

    ピエールの命が完全に途絶えたことを確認すると、イズミガロアの背中で暴れ狂っていた無数の触手が、シュルシュルと音を立てて体内に吸収されていく。

    獲物を狙う捕食者のようなドス黒いオーラも嘘のように霧散し、まるで憑き物が落ちたかのように、彼女の瞳はいつもの無邪気で丸いものへと戻っていった。


    「……はぁぁ……」


    イズミガロアは、その場にペタン、と力なく座り込んだ。

    極限の怒りと、限界を超えた身体能力の解放。それがもたらした反動は、彼女の身体にただ一つの、しかし極めて強烈な生理現象を引き起こした。


    ギュルルルルルル……ッ。


    静まり返った通路に、とても女の子が鳴らしたとは思えないほどの、盛大な腹の虫の音が響き渡る。


    「……お腹、空いたぁ……」

    イズミガロアは自分のお腹をさすりながら、先ほどまでの激怒が嘘のように、涙目で情けない声を漏らしたのだった。

  • 354◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:36:19

    13ターン目 リザルト

    生存者
    滝澤政道(郊外・警察や政府の権限をフル活用した自衛隊への出動要請を成功させ、仲間たちの逆転の起点を作る) / アスキン・ナックルヴァール(巨神内部システム中枢・打算と美学の天秤によりギュウジン丸を完全に見限り、ナギを回復させてコアへと背中を押す) / ナギ(巨神内部システム中枢・アスキンの真意により死の淵から復活。運命を覆すべく、ザンザスの中枢コアへと手を伸ばす) / ギュウジン丸(超巨大ロボットコックピット・アスキンの離反、自衛隊の空爆、ガニシュカの追撃、キルアたちの反撃という四面楚歌に陥り激しく動揺する) / ガニシュカ(市街地・自衛隊のミサイル攻撃の隙を突き、巨神に組み付いて強引に押し倒そうと猛攻をかける) / 極星獅子堂イズミガロア(巨神内部通路・ピエールを撃破するが、限界を超えた力の反動により激しい空腹に襲われ座り込む) / 鹿目まどか(超巨大ロボットコックピット・機体の揺れに乗じて拘束から脱出し、ギュウジン丸の本体へ再び猛攻を仕掛ける) / キルア=ゾルディック(超巨大ロボットコックピット・自衛隊とガニシュカの攻撃で生じた隙を突き、拘束を力ずくで破壊して反撃に転じる)

  • 355◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:36:34

    死亡者(脱落者)

    荒川(4ターン目にて、SATの銃弾が腕輪に直撃し爆死)

    マーティ・マウザー(7ターン目にて、ガニシュカとの卓球勝負に勝利直後、激昂した彼に黒焦げにされるが、勝ち逃げの笑みを浮かべて絶命)

    毒ちいかわ(8ターン目にて、滝澤たちを守るためシックスに特攻。猛毒でダメージを与えるも切り裂かれ、滝澤の腕の中で笑顔を浮かべて息を引き取る)

    キャベツ(8ターン目にて、シックスに認識災害を引き起こす罠として使われた後、ザンザスに取り込まれ同化。物理的な形を失い脱落扱い)

    シックス(8ターン目にて、ギュウジン丸の罠に嵌まりザンザスの中枢へ取り込まれ同化。独立した肉体を喪失し脱落扱いとなるが、内側から絶望させることを宣告している)

    陸上戦艦ザンザス(8ターン目にて、ギュウジン丸の操作によりシックスやキャベツと融合。本来の戦艦としての形を完全に失い、巨大ロボットの機構として再構築されたため脱落扱い)

    クリーパーカー(12ターン目にて、絶対に破れない中枢ブロックの防壁を破壊するため、自らの腕を切り落として腕輪のペナルティを意図的に発動。自身の大自爆能力と掛け合わせた「最高の自爆」により防壁を粉砕し、ナギに道を託して散る)

    ピエール(13ターン目にて、マーティの死を自身の娯楽と同一視したことでイズミガロアの逆鱗に触れ、激怒した彼女の猛烈な一撃を通路の壁ごと叩き込まれて全身の骨を砕かれ絶命)

  • 356二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:37:06

    一般市民を入れてる特殊ルールを遺憾なく活かし切ってておもしろっおもしれーよ

  • 357◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:40:26

    14ターン目


    【純粋な祈りと、暗闇からの返答】


    「……聞こえますか、ザンザス。いや、この大きな体の『心』……!」

    アスキンの手引きによって再起動したナギは、目前に迫った巨大なエネルギーの塊――超巨大ロボット(ザンザス)の中枢コアに両手をかざし、必死に語りかけていた。


    「私の能力は、『相手の寿命を対価にして、相手の願いを叶える』力です……! ギュウジン丸に無理やり組み込まれて、心を縛られているあなたなら、きっと『止まりたい』『自由になりたい』って願っているはず……!」


    ナギの声は真摯で、純粋な祈りに満ちていた。

    「あなたの命(寿命)を少しだけもらって、その願いを叶えます。だから、私に……システムを止めるための『あなたの願い』を、教えて……!」


    コアの青白い光が脈動し、ナギの能力がシステム全体へとアクセスしていく。

    背後で事の成り行きを見守っていたアスキンは、これで全てが丸く収まる――そう思った。

  • 358◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:40:55

    『……私の、願いは……』

  • 359◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:42:29

    ふと、コアの奥底から、機械音声ではない「人間の声」が響いた。

    しかし、それはナギが期待したような、支配から解放されることを望む悲痛な心の声などではなかった。


    『クックック……そうだなぁ。私の願いは――』

  • 360二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:43:47

    あかんやんあかんやんあかんやんあかんやん

  • 361◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:44:16

    「……ッ!? おい、ナギ! そこから離れろ!!」

    アスキンは全身の毛を逆立て、反射的に叫んでいた。

    這い寄るような粘着質で、底知れぬ悪意の泥を煮詰めたようなその冷たい声。

    アスキンはその声の主を知っていた。かつて同じ巨大な船に乗り、そしてギュウジン丸の罠によってシステムの中枢に『生体部品』として取り込まれたはずの最悪の男。


    絶対悪・シックス。

    天才の盤面に飲み込まれたはずの猛毒が、ナギの純粋な能力(アクセス)を逆手に取り、巨大な胎内の奥底からついにその牙を剥いたのだ。

  • 362二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:44:42

    なっなんだあっ

  • 363二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:45:47

    いや1キャラ1キャラの扱いがうめーよ
    これで募集が昨日だったなんてそんなんアリ?手際良すぎるんとちゃう

  • 364二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:47:20

    一気にやるにしても数ターンごとにインターバルを挟む手法は一気にやれる場合結構やりやすいかもしれないのォ

  • 365◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:47:55

    【天才の末路と、コンビニへの道程】


    「ハァッ、ハァッ……! まだダ、まだワタシの計算は崩れていな――!」


    ロボットの最上部、コックピット。

    キルアとまどかの連携による猛攻を受け、コンソールは火花を吹き、ギュウジン丸は防戦一方に追い込まれていた。それでも彼は血走った目でキーボードを叩き、狂気じみた執念で機体を制御し、反撃の糸口を掴もうと足掻いていた。


    ――その瞬間。


    ブゥン……という重低音と共に、超巨大ロボットの機内照明、計器類、モニター、そして稼働していた全てのアームとシールドが、唐突に機能を停止した。

    完全なブラックアウト。市街地で暴れていた巨神は糸が切れた操り人形のように動きを止め、沈黙した。


    「な、何事ダ!? 再起動、サブシステムを起動しろ! なぜワタシの命令を受け付けない!?」

    暗闇のコックピットで、ギュウジン丸が慌てて予備電源のレバーを引く。


    バチッ……と、予備の薄暗い非常灯が点いた。

    その光が照らし出したのは、度重なるキルアたちの攻撃によって装甲がひしゃげ、内部の『金属細胞の壁』がボロリと剥がれ落ちたコックピットの奥の空間だった。

  • 366◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:48:35

    「……ア?」


    ギュウジン丸の視線が、そこに釘付けになる。

    剥き出しになった機体内部のパイプの隙間。そこに、システムの生体部品として取り込んだはずの『何か』が浮遊していた。

    それは、丸くて、緑色で、顔のようなものが付いた……

  • 367◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:48:48

    ただの、巨大な『キャベツ』だった。

  • 368二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:48:52

    あ゛っ

  • 369二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:49:45

    兵器を使いこなしたつもりで肝心なときにポカすのはこういうマッドサイエンティストものでアホっちゅうほど見た展開や

  • 370◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:50:16

    そして、そのキャベツの背後の暗がりから。

    シックスの、醜悪に歪んだ哄笑を浮かべる顔が、ヌラリと覗いていた。


    『――言ったはずだぞ、ギュウジン丸。内側からお前を、絶望に染めてやるとなァ』


    「あ……ぁ……」

    ギュウジン丸は全てを悟った。中枢へのアクセス経路を通じて、シックスがシステムの全制御権を簒奪したのだと。

    だが、彼を襲った真の絶望は「ロボットを奪われたこと」ではなかった。


    コックピットは先ほどの戦闘による深刻な破損で、ギュウジン丸がキャベツを取り込む際に幾重にも施していた『認識災害を防ぐための安全(メンタル)フィルター』が、完全にオフになってしまっていたのだ。

  • 371◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:50:40

    『レタス』

  • 372二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:50:57

    散々暴れ散らかしてやっと退場したかと思ったら最後に美味しいところを持っていく
    そんなキャベツを埃に思う

  • 373◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:50:57

    フィルターなしで、肉眼で直視してしまった「キャベツ」という異常存在。

    超人的な計算能力を誇るギュウジン丸の天才的な脳髄に、キャベツが放つ不可解で名状しがたい狂気(ミーム汚染)が、致死量の猛毒となって直接流れ込んでいく。


    「……あ……あァァ……」

    ギュウジン丸の瞳から、知性の光が急速に失われていく。

    彼が長年抱いていた「新世界の神になる」という壮大な野望も、緻密な計算も、自身が敗北したという事実への悔しさすらも、全てが緑色の狂気にグチャグチャに塗り潰され、ただ底知れぬ理不尽な絶望へと変換されていく。


    「……あ、あ……あいてるかな……」


    虚ろな目をしたかつての黒幕は、操縦席から力なく立ち上がった。

    そして、目の前にキルアとまどかがいることすらもはや認識できず、よだれを垂らしながら、虚空に向けてぶつぶつと呟き始めた。


    「……コンビニ、いこ……。おにぎり、買わなきゃ……コンビニ、どこダ……」


    絶対的な支配者を気取っていた天才は、シックスの悪意とキャベツの狂気によって自我を完全に破壊され、ただ「コンビニに向かって歩き出そうとする」だけの、哀れな廃人へと成り果てたのだった。

  • 374二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:51:38

    見事やな…
    で このシックスどないする?

  • 375◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:52:30

    【覇王の断罪と、密室の棺桶】


    「……なんなんだよ、こいつ。急に様子がおかしくなったぞ」


    ブツブツと虚空に向けて「コンビニ」と呟きながら徘徊するギュウジン丸。そのあまりにも奇怪な姿に、キルアは眉をひそめながらも警戒を緩めなかった。


    まどかも戸惑いながら、引き絞っていた弓をわずかに下ろす。

    「分からないけど……完全に心が壊れちゃってる。どうやら、無力化されたみたい……」


    その時だった。

    機能停止して薄暗くなったコックピットの窓外から、突然、目を焼くような強烈な閃光が差し込んだ。

  • 376◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:52:46

    「ッ!?」

    二人が窓の外を見下ろすと、そこには空を覆うほどの巨大な雷雲と、極限までアストラルエネルギーを練り上げ、全身から神々しいまでの光の奔流を放つガニシュカの姿があった。


    宿敵である青き巨神(ギュウジン丸)の完全な沈黙。その決定的な隙を、覇王たる魔帝が見逃すはずがなかった。

    ガニシュカは今まさに、目前の巨大な鉄屑を内部の人間もろとも消し飛ばすべく、最大火力の「トドメの一撃」を放とうとしていたのだ。


    「マズい! このままじゃあの使徒の攻撃で、オレたちごと機体を消し炭にされるぞ!」

    キルアが叫び、自身の通信機から艦内の全参加者へ向けて即座に離脱を指示する。

    「アスキン、ナギ! 下にいるイズミガロア! ギュウジン丸は終わった、今すぐ機体から脱出しろ!!」

  • 377二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:53:58

    追いついたのん…めちゃくちゃおもしれーよ
    アスキン見事やな…
    ◇このキャベツとシックスは…?

  • 378二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:55:10

    そもそもキャベツはどこからこんなお変ク設定が生えてきたんだよゲス野郎

  • 379◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:55:24

    【絶望のロックダウンと、幻の咆哮】


    キルアの緊急避難指示を受け、中枢ブロックにいたアスキンは即座に踵を返し、通路の隔壁へと向かった。

    しかし、その分厚い扉はウンともスンとも言わない。エラーを示す赤いランプが、嘲笑うかのように点滅している。


    『ダメだよぉ! こっちの扉も全然開かない……ッ!』

    通信機越しに、別の通路にいるイズミガロアの焦った声が響いた。


    「チィッ、完全にロックされてやがる……!」

    アスキンが忌々しげに扉を蹴り飛ばす。

    「あのシックスとかいう最悪のバカが、システムの制御を奪ったついでに艦内の扉を全部封鎖しやがった……これじゃあ全員、この鉄の棺桶と一蓮托生だぞ!!」

  • 380二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:55:35

    富士山より大きいキャベツ
    ギガンテスに変形するキャベツ
    ラピュタの雷を放つキャベツ
    メタ発言するキャベツ
    そして認識災害キャベツだ
    バトロワのキャベツだぞ

  • 381◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:55:56

    迫り来る超巨大使徒の破壊の雷撃。

    そして、シックスの悪意によって完全に脱出経路を絶たれた、密室の超巨大ロボット。

    いよいよ絶対絶命のタイムリミットが迫る中――中枢コアの前に立ち尽くしていたナギの脳裏に、ふと『ある音』が反響した。


    『――……』

  • 382◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:56:31

    それは、暗闇の底から響くシックスの冷たい声ではなかった。

    かつてこの巨大な機体が「陸上戦艦ザンザス」という一つの形であった頃に、天に向かって放っていた雄々しくも悲しげな『あの咆哮』。


    「え……?」


    気のせいだろうか。いや、確かに聞こえた。

    ナギは弾かれたようにハッと目を見開き、何かに強く呼ばれるようにして、光を失いかけている中枢回路へとゆっくりと振り返った。

  • 383◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:59:02

    【妄執のスマッシュと、覇王の消滅】


    「オオオォォォォォォォォォォォッ!!!」


    空を覆う巨大な雷雲の只中で、魔帝ガニシュカの咆哮が亜仁満町の空気をビリビリと震わせた。

    機能停止し、無防備な姿を晒す青き巨神。しかし、ガニシュカの瞳に映るその姿は、すでに単なる鉄屑ではなく、彼の「覇王としてのプライド」を徹底的に傷つけ、嘲笑った者たちの亡霊の集合体と化していた。


    自分の裁きを受ける前に勝手に爆死して『死に逃げた』荒川。

    神である自分を盤面の駒扱いし、見下した自称天才のギュウジン丸。

    そして何より――圧倒的な力を見せつけたにも関わらず、決して怯むことなく、命を懸けた遊戯で『勝ち逃げた』あのちっぽけな人間の男、マーティ。


    (なぜだ……! なぜ我が、ここまでコケにされねばならぬ! 我は唯一絶対の覇王ぞ!!)

  • 384二次元好きの匿名さん26/06/08(月) 23:59:08

    >>380

    こいつもうごりさに片足どころか全身突っ込んでない?これさ

  • 385◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:59:30

    怒り、虚無、そして埋まらない孤独。

    行き場のない妄執と狂気がガニシュカの肉体を限界を超えて変異させていく。

    彼の巨大な右腕の肉がグチャグチャと蠢き、鋼鉄の刃を持つ「巨大なチェーンソー」のような禍々しい異形へと変貌を遂げた。轟音を立てて高速回転する刃に、極限まで圧縮された雷霆のエネルギーが纏われる。


    「我は絶対だ……我の、勝利だァァァッ!!」


    ガニシュカは、狂気に染まった瞳を見開き、振りかぶった異形の右腕を巨神の装甲へと全力で叩き込んだ。


    ――その腕を振り下ろす軌道は。

    彼自身は全く無自覚であったが、奇しくもそれは、あのマーティと打ち合った卓球の『渾身のスマッシュ』と全く同じ、完璧で美しいフォームであった。

  • 386◆ilKHoJi8Ag26/06/08(月) 23:59:57

    ギュイィィィィィンッ……ズドォォォォォォォォォォォンッ!!!


    チェーンソーと化した腕が、分厚い巨神の装甲をバターのように切り裂き、中枢のエネルギーコア付近まで一気に到達する。

    次の瞬間、破壊された超巨大ロボットの動力炉と、ガニシュカの限界を超えた雷霆のエネルギーが致命的な連鎖反応を引き起こした。


    カァァァァァァァァァァァァッ……!!!!


    真昼の太陽すら霞むほどの、超極大の爆発。

    「おお、おおお……ッ! 見よ、我が力、我が覇道を!! これぞ、我の……ッ!!」

    ガニシュカは、巨大な鉄屑が粉砕される手応えに『自身の完全なる勝利』を確信し、狂喜の笑みを浮かべた。

    だが、その笑い声すらも音を奪うほどの圧倒的な爆炎と熱線が、彼の巨体を瞬く間に包み込み――覇王の姿は、勝利の錯覚と共に光の渦の中へと完全に消滅していった。

  • 387◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:00:19

    そして、その凄まじい大爆発を、遠く離れた郊外から見つめていた滝澤政道は。

    「……ウソ、だろ」


    天空を焦がすほどの火柱を上げ、崩壊していく超巨大ロボットの残骸。

    あの密室の鉄の棺桶の中には、シックスに脱出経路を絶たれたナギやキルアたち『突入隊』が残っているはずなのだ。


    「お前ら……! 嘘だろ、死ぬなァァァァァァァァッ!!!」


    爆風が吹き荒れる中、滝澤の悲痛な絶叫だけが、虚しく空へと響き渡っていた。

  • 388二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:00:45

    なにっ

  • 389二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:01:33

    マーティがこんな形で爪痕を残すとは思わなかったのが俺なんだよね

  • 390◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:03:22

    【船の誇りと、奇跡の帰還】


    「ハァッ……ハァッ……!! 頼む、生きててくれ……ッ!!」


    巨大な爆発が亜仁満町の空を真っ白に染め上げた後。

    滝澤政道は、脇腹の激痛も肺が焼け焦げそうな息苦しさも無視して、爆心地にできた巨大なクレーターへと全力で駆け出していた。

    空を覆っていた雷雲は晴れ、圧倒的な質量を誇っていた青き巨神も、魔帝ガニシュカの姿も、跡形もなく消え去っている。ただ、全てが滅びた破壊の跡には、もうもうと立ち昇る黒煙と、ひどく静かな焦土だけが広がっていた。


    「みんなッ……! どこだ!!」

    滝澤がクレーターの縁から涙声で叫んだ、その時だった。

  • 391◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:03:49

    「……ゲホッ、ゴホッ! あー……鼓膜破れるかと思ったぜ」

    「痛たた……なんとか、無事みたい……」

    黒煙が風に流された先に、見覚えのある人影たちが倒れ込んでいるのが見えた。

    煤だらけになりながら立ち上がるキルアとまどか。やれやれと首の後ろを掻きながら起き上がるアスキン。


    そして、相変わらず腹の虫を鳴らしながら「お腹空いて死んじゃう……」と地面にペタンと座り込んでいるイズミガロア。

    彼らの中心には、無傷のナギが静かに夜明けの空を見上げていた。


    「お前ら……ッ!!」

    滝澤は安堵のあまり膝から崩れ落ち、ボロボロと涙をこぼした。

  • 392◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:04:21

    「おい、泣くのは後にしろよ。それより……」


    キルアが周囲の惨状を見渡し、信じられないというように眉をひそめた。

    「なんでオレたち、こんな外の安全な場所に放り出されてるんだ? あの時、シックスの野郎が扉を全部ロックして、機体は完全に密室だったはずだろ」

    「ああ。普通ならあの爆発と熱量で、俺たち全員消し炭になってるのが『計算通り』だぜ」

    アスキンも不思議そうに空を仰いだ。


    シックスの悪意によって完全に脱出経路を絶たれた、鉄の棺桶。

    そこから一体誰が、どうやって彼らを救い出し、爆発の瞬間に安全圏へと射出したのか。全く状況が飲み込めない彼らの中で、唯一、全ての『奇跡の理由』を悟っていたナギが、ゆっくりと口を開いた。


    「……あの戦艦の願いが、叶ったんだよ」

  • 393◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:04:38

    「え……?」

    まどかが目を丸くする。ナギは、かつて巨神だった鉄屑の残骸に、愛おしむような視線を向けた。


    「シックスの悪意にシステムが飲み込まれる直前……私は確かに、コアの奥底で泣いている声を聞いたの。ギュウジン丸に無理やり変造されて、シックスに操られて……それでも、最後まで『元の自分』の誇りを失っていなかった、あの大きな心(ザンザス)の声を」


    ナギの能力は、相手の寿命(存在)を対価に、相手の願いを叶えること。

    彼女が最期にアクセスし、その願いを汲み取った相手は、シックスでもギュウジン丸でもなく――彼らにシステムとして利用され、自我を封じ込められていた『陸上戦艦ザンザス』そのものの魂だった。


    「私が引き出したザンザスの最後の願い。それは、敵を倒すことでも、自分を壊した人を恨むことでもなかった」


    ナギの言葉に、キルアも、アスキンも、そして滝澤も、静かに息を呑んだ。

    戦場を駆けるためだけに造られた巨大な鉄の塊が、己の命(コアのエネルギー)を全て使い切ってまで叶えたかった、たった一つの願い。

  • 394◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:05:00

    「――『船の望みは、乗組員を生きて帰すこと』」

  • 395◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:05:21

    「……それが、彼の本当の願いだったから」


    巨大ロボットとして無差別に破壊を撒き散らすバケモノなどではなく。

    ザンザスは最後の最後で、自身の中に乗り込んだ彼らを『大切な乗組員』として守り抜き、爆発の瞬間に全エネルギーを保護シールドと強制射出システムに回して、見事に彼らを「生還」させたのだ。


    「……そっか。最高の船だったんだな、あいつは」

    キルアがフッと優しく微笑み、残骸に向かって短く黙祷を捧げる。


    「……まったく、一番底知れねェバケモノは、お嬢ちゃんのその『優しさ』かもな」

    アスキンも皮肉めいた笑みを浮かべながら、どこか清々しい表情で空を見上げた。

  • 396◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:05:44

    全てが滅びた爆心地。
    しかし、そこには確かに命が繋がり、朝日に照らされた生存者たちの温かな安堵の空気が満ちていた。

  • 397◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:06:36

    最終リザルト(ゲームクリア)


    【生存者(生還者)】


    滝澤政道(最終状態:生還)

    一般市民を安全圏へ誘導しつつ、警察・政府権限を強引に活用して自衛隊を動かし、逆転の起点を作る。最後まで自身の無力さに歯痒さを感じながらも「人間としての正義」を貫き通し、クレーターの底で仲間たちの奇跡の生還を見届け、安堵の涙を流した。

    ナギ(最終状態:生還)

    自身の能力でシステム中枢を解放しようとした際、シックスの悪意ではなく、虐げられていた『戦艦ザンザスの誇り(魂)』にアクセス。「乗組員を生きて帰す」という戦艦の願いを自らの能力で叶え、絶望的な密室から仲間全員を救い出す最大の奇跡を起こした。

    キルア=ゾルディック(最終状態:生還)

    神速の格闘術で最前線を切り開き、ギュウジン丸を最後まで追い詰める。ザンザスによって奇跡の生還を果たした後、戦艦の誇りとナギの優しさに触れ、穏やかな笑みを浮かべて残骸に黙祷を捧げた。

  • 398◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:06:51

    鹿目まどか(最終状態:生還)

    圧倒的な絶望やバケモノたちを前にしても決して心を折ることなく、キルアと共にコックピットで戦い抜いた。ナギの引き起こした奇跡に驚きつつも、全員で生きて朝の光を迎えられたことに心からの喜びを噛み締める。

    アスキン・ナックルヴァール(最終状態:生還)

    ギュウジン丸の底の浅い傲慢さを「致命的にダサい」と切り捨てて再裏切りを果たし、ナギを回復させる。ちゃっかりザンザスの奇跡に便乗して生還し、ナギの底知れぬ優しさを「一番のバケモノ」と評しつつ、悪くない結末に肩をすくめた。

    極星獅子堂イズミガロア(最終状態:生還)

    命を娯楽とするピエールの空っぽな信念に激怒し、圧倒的な力で粉砕。全てを出し尽くした空腹状態で機体に取り残されていたが、ザンザスの強制射出によって無傷で生還。「お腹空いて死んじゃう」と泣き言を漏らしながらも、生き残った。

  • 399◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:07:14

    【死亡者(脱落者)】


    荒川(4ターン目 脱落)

    SATの狙撃が腕輪に直撃し爆死。彼の「死に逃げ」は、後々までガニシュカのプライドを苛む要因の一つとなった。

    マーティ・マウザー(7ターン目 脱落)

    ガニシュカとの卓球勝負で魂を燃やし尽くし、勝利と引き換えに黒焦げにされる。彼の「勝ち逃げ」の生き様は、イズミガロアに命の真摯さを教え、ガニシュカに永遠の虚無を刻み込んだ。

    毒ちいかわ(8ターン目 脱落)

    滝澤を守るため、シックスへ決死の特攻。自身の命と引き換えに猛毒を打ち込み、滝澤の腕の中で優しく微笑みながら散った。

    キャベツ(8ターン目 脱落/最終消滅)

    シックスの認識災害トラップとしてザンザスと同化。最終盤でフィルターが外れたギュウジン丸の精神を完全に破壊する致命的な役割を果たし、大爆発と共に消滅した。

    シックス(8ターン目 脱落/最終消滅)

    ザンザスの生体部品として取り込まれるも、ナギの能力を逆利用してロボットの制御権を簒奪し、ギュウジン丸を絶望へ突き落とす。しかし、ガニシュカの放った最後の一撃による大爆発に巻き込まれ、その純粋な悪意ごと完全に消滅した。

  • 400二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:07:24

    話のまとめ方まで上手いだなんてどこまで主催上手なんだテメェは

  • 401◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:07:34

    クリーパーカー(12ターン目 脱落)

    自身の最大火力と腕輪のペナルティを掛け合わせた「最高の自爆」を敢行。ナギのために絶対に破れない中枢防壁を粉砕し、自身の本当の夢(本懐)を叶えて笑顔で散った。

    ピエール(13ターン目 脱落)

    マーティの死を「自分と同じ娯楽」と同一視したことでイズミガロアの逆鱗に触れ、激怒した古龍の猛烈な打撃を浴び、全身の骨を砕かれて絶命した。

    ギュウジン丸(14ターン目 脱落/最終消滅)

    シックスに盤面を奪われ、認識災害(キャベツ)の直視によって天才的な頭脳と自我が完全崩壊。「コンビニに行こうとする」だけの廃人と化し、自身の最高傑作が引き起こした大爆発の中に消えていった。

    陸上戦艦ザンザス(14ターン目 脱落/消滅)

    ギュウジン丸にバケモノのようなロボットに改造されながらも、最期にナギの能力で「乗組員を生きて帰す」という船としての本当の願いを叶える。全エネルギーを生存者の射出に使い、誇り高き船として散った。

    ガニシュカ(14ターン目 脱落/消滅)

    荒川に逃げられ、マーティに敗れた記憶と覇王としての妄執に狂い、自身の右腕をチェーンソーに変異させてロボットを粉砕。奇しくも荒川のチェーンソーを思わせる形状の腕から、マーティと同じ「スマッシュ」の軌道で放たれた一撃により大爆発を引き起こし、勝利と癒えない虚無感に包まれたまま、爆炎の彼方へ消滅した。

  • 402◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:08:03

    ゲーム終了


    ───生き残った者たちは、それぞれの想いを胸に、破壊された街の朝焼けを見つめている。

  • 403二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:08:20

    これは期待の新人やのォ

  • 404二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:09:58

    オツカレーッ
    こんなに面白いバトロワスレは久々やのォ
    プロンプト見せて♡

  • 405二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:10:02
  • 406二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:10:40

    見事やな……
    マジで見事やな……これが初主催ってマジ?段取りも素材の集め方もキャラ回しも上手すぎて話になんねーよ

  • 407二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:10:42

    >>405

    なにっ暗殺ロワモブ

  • 408二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:13:57

    暗殺ロワのモブだったのかぁっ
    ピエールvsイズミガロアとか食を起点に対立するキャラが集まったのも凄い偶然ですねぇ
    ガニシュカ大帝周りの描写が好きだったっス なっ雷神vs巨大戦艦最高

  • 409◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:14:01

    エピローグ

    【夜明けの空と、繋がれた命】


    亜仁満町の空に、静かな朝陽が昇り始めていた。

    一晩中続いた悪夢のような地響きも、空を焦がす雷鳴も、今や遠い幻のように鳴りを潜めている。

    全てを焼き尽くした巨大なクレーターの底に、吹き抜ける朝の風が心地よく火照った頬を撫でていった。


    パタパタパタパタ……。

    遠くの空から、複数の回転翼の音が近づいてくる。滝澤政道が要請した自衛隊の救助ヘリ、そして警察の災害派遣部隊が、ようやくこの爆心地へと到着しようとしていた。


    「……終わったんだな。本当に」


    滝澤は血と泥に塗れた自身のコートを脱ぎ捨てると、大きく、深く息を吐き出した。

    そして、コートのポケットから潰れかけた携帯食料(カロリーメイト)を取り出し、地面に座り込んで「お腹空いたぁ……」と泣きべそをかいていた極星獅子堂イズミガロアに向かって放り投げた。


    「ほら、食っとけ。大した飯じゃないが、今の俺にはそれしか出せねぇ」


    「えっ……!」

    イズミガロアはパァッと縦に裂けた瞳孔を輝かせ、包装を破ってそれに齧り付いた。


    「……おいしい。すっごく、おいしい……!」

    命を弄ぶ娯楽などではない、ただ生きるために、空腹を満たすための真摯な食事。彼女はボロボロと涙をこぼしながら、そのパサパサの塊を世界一のフルコースのように噛み締めていた。

  • 410◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:14:27

    その様子を少し離れた場所から見ていたアスキン・ナックルヴァールは、やれやれと首の後ろを掻きながら立ち上がった。


    「さてと。どうやらお上(軍隊)のお出ましらしい。俺みたいな日陰者は、ああいうお堅い連中とは相性が悪くてね。ここらでドロンさせてもらうぜ」

    「逃げるのかよ」

    キルアがジト目で突っ込むと、アスキンは飄々とした笑みを浮かべてひらひらと手を振った。


    「逃げるさ。俺は面倒事が大嫌いなんだ。……じゃあな、バケモノども。アンタらのせいで俺の『致死量』は何度も狂いっぱなしだったが……まぁ、退屈だけはしなかったぜ」

    言い残し、アスキンは朝靄と瓦礫の向こう側へと、音もなく姿を消していった。


    「変な人……。でも、助けてもらったのは本当だね」

    まどかがアスキンの消えた方向へ小さく頭を下げた後、両手でぎゅっと胸の前に祈りを作る。

    その祈りは、特攻した小さな毒ネズミや、笑顔で散っていった爆弾娘、命を燃やした男、そして最後まで乗組員を守り抜いた巨大な船へ向けられたものだった。


    「……オレたちが生きてここから歩き出せるのは、あいつらが繋いでくれた道があったからだ」

    キルアはポケットに手を突っ込んだまま、朝陽に向かって目を細めた。

    「帰ろうぜ、まどか。あいつらが守ったこの世界に」


    「……うんっ!」

    まどかは涙を拭い、キルアに向かって力強く頷き返した。

  • 411◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:14:54

    ヘリコプターの風圧が瓦礫を巻き上げる中。

    滝澤は、未だクレーターの中心で残骸を見つめているナギの元へと歩み寄った。彼女の手の中には、ザンザスの装甲だったと思われる、青く塗装された金属片が一つ、大切に握られていた。


    「歩けるか、ナギ」

    「……はい」

    滝澤の問いに、ナギは静かに振り返った。その顔は煤で汚れ、疲労困憊であったが、瞳には確かな希望の光が宿っていた。


    「……滝澤さん。私、聞いてよかったです。あの大きな船の、本当の願いを」

    「ああ。……最高の船だったよ、アイツは」


    自称神を気取った天才の傲慢も、全てを平伏させようとした覇王の妄執も、純粋な悪意も。

    全てはあの巨大な爆発と共に、ただの鉄屑と灰になって消え去った。

    最後にこの地に残ったのは、不器用で、愚直で、誰かのために命を燃やすことができる者たちが繋いだ『明日への希望』だけだった。


    「さあ、帰るぞ。俺たちの家に」


    滝澤の言葉に、ナギは小さく微笑み、ギュッと金属片を胸に抱いた。

    昇りゆく朝陽が、傷だらけの生存者たちの背中を、どこまでも温かく照らしていた。

  • 412◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:15:58

    【特秘】亜仁満町における大規模破壊事象(通称:亜仁満町事件)に関する最終報告書

    作成: 内閣府 特別災害合同調査委員会
    日付: 2026年 某月某日
    件名: 事象の事後処理、社会動向、および関係生存者の追跡記録について

  • 413二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:16:15

    >>408

    俺はやっぱり>>312のマヌケトリオが好きっスね

    アスキン…神

  • 414◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:16:17

    1.事象の総括および社会への影響

    本事件における被害は極めて甚大であり、未確認の超巨大歩行兵器(呼称:青き巨神)および、異常発達した雷撃性巨大生命体(呼称:魔帝)の激突により、亜仁満町の中心部は壊滅。巨大なクレーターを残して更地と化した。

    事態の収拾後、政府本部は社会的パニックを回避するため、本件を「前例のない大規模爆発テロおよび、それに伴う局地的な異常気象現象の複合災害」として公式発表した。認識災害を引き起こす飛来物(緑色の球体状物質)や、空間を歪める異常事象についての記録は全て第一級の機密指定とし、一般社会からの隠蔽は概ね成功している。

    しかし、現場から救助された避難民たちの間では、公式発表とは異なる「真実」が語り継がれている。
    「街を飲み込もうとした怪物を、卓球のラケット一本で足止めした男がいた」
    「巨大ロボットの足元で、信じられない力を持って立ち向かった少年と少女たちがいた」
    これらの証言は現在、SNS等を通じて都市伝説として広まりつつあるが、荒廃した街を復興に向かわせるための「心の支え(希望の象徴)」として機能している側面が強いため、当局としては積極的な情報統制を行わず、黙認する方針である。

    事件から数ヶ月が経過した現在、クレーター跡地には新たな居住区画と慰霊碑の建設が開始され、社会は力強く、驚異的なスピードで日常を取り戻しつつある。

  • 415◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:16:32

    2.事態解決に寄与した者たち(生還者)の動向について

    事件の最深部にてシステムの崩壊を防ぎ、最悪の被害を食い止めたとされる「突入隊」および外部支援者たちのその後の足取りについて、本委員会が確認した事項を以下に記す。

    滝澤政道(公的機関所属)
    事件後、数日間の入院を経て前線への復帰を確認。現在も変わらず、不測の事態から一般市民を保護する任務に従事している。
    ナギ(詳細不明)
    事件直後より滝澤と行動を共にしている姿が確認されている。彼女の持つ特異な能力については未だ解明されていないが、社会に対する脅威度は極めて低いと判断する。
    その他 生還者(キルア=ゾルディック、鹿目まどか、極星獅子堂イズミガロア、アスキン・ナックルヴァール)
    事件直後、防犯カメラ等によって無傷での生還が確認されたものの、その後の行方は杳として知れない。各個人の能力および素性は国家の管理枠を完全に逸脱しているが、本件解決への多大なる貢献を鑑み、当局による追跡調査は打ち切りとする。

  • 416◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:16:58

    3.結び

    以上の調査結果をもち、本委員会は「亜仁満町事件」に関する一切の事後追跡調査を凍結、本報告書を以て最終ファイルとする。

    あの絶望的な夜、彼らが何者であり、いかなる奇跡を用いてあの鉄の棺桶から生還を果たしたのか。その全容が公の歴史に記録されることは、永遠にないだろう。

    しかし、全てが灰と化したクレーターに今、青々とした若草が芽吹き始めているという事実こそが、名もなき英雄たちが命を懸けて繋いだ「結果」の全てである。
    狂気に満ちた神の妄執も、全てを焼き尽くそうとした覇王の雷霆も消え去った。後に残されたのは、泥と瓦礫の中から力強く立ち上がり、明日を生きようとする人間の、眩しいほどの希望の足跡だけである。

    生き残った者たちが歩むその先の道に、絶えることのない光が差すことを祈り、ここに筆を置く。

  • 417二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:17:57

    なんか新鮮なロワでよかったのォ

  • 418◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:18:31

    以上をもちまして「毒キャベツ戦艦ロワ」を終了させていただきます

    24時間の御鑑賞誠にありがとうございます

    次回お会いできることを楽しみにしております

  • 419二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:19:36

    オツカレーッ
    とっても面白かったのん……

  • 420二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:20:03

    あーっまたスレ主のロワに会いてーよ

  • 421二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 00:21:00

    >「毒キャベツ戦艦ロワ」

    本当にこのタイトルでいいのか!?

  • 422◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 00:28:29
  • 423二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 01:20:08

    オツカレーッ 面白っ いや…おもしれーよ
    闇フィク開示とかいうやらかしを超えたやらかしを経てなお面白いんだよね 凄くない?
    意味のある死ってのはそそられるよね 特にクリーパーカーやザンザスの"本当の願い" 魅力的だ

    どのキャラも個性が活きていて見応えがあった反面…"所感見る限り一番扱いづらそうだったのイズミガロアで我ながら申し訳ないな"という思いに駆られる!
    まあ言動は一貫してたしピエールとの敵対関係もよかったから時間返せとは言わんけどなブヘヘヘ

  • 424◆ilKHoJi8Ag26/06/09(火) 06:26:34

    >>423

    もしかして安価モブなタイプ?

    最終的に独壇場を用意できたからマイ・ペンライ!

    仲間を守るためにライバルとの一騎打ちなんて刺激的でファンタスティックだろ

  • 425二次元好きの匿名さん26/06/09(火) 09:58:08

    オツカレーッ
    見事やな…いや本当に見事やな……
    一般人の動きによって善悪が明確に分かれてストーリーラインが作られていくのは見ていて気持ちよさすらあるんだよね凄くない?

オススメ

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