米政府、アンソロピックAIモデル「Mythos 5」「Fable 5」規制を解除
(ブルームバーグ): 米政府は、AI開発を手がける米アンソロピックのAIモデル「フェイブル(Fable)5」に対する外国のアクセス規制を解除した。安全対策を巡るトランプ政権の懸念を解消したことで、フェイブル5はより幅広く提供できるようになる。
商務省は6月12日付の非公開書簡を通じて輸出規制を課し、アンソロピックに対し、所在地を問わず外国籍の利用者が高性能AIモデル「ミュトス(Mythos)5」と、より幅広い用途向けのフェイブル5にアクセスする場合や、世界中のいずれの地域へ提供する場合には、事前に米政府の許可を取得するよう義務付けていた。
これを受け、アンソロピックは両モデルの提供を停止。当局の懸念解消に向けて協議を続けていた。
アンソロピックは6月30日、X(旧ツイッター)への投稿で、商務省から両モデルへのアクセス制限を解除する通知を受けたと発表。ミュトス5に対する規制の一部は先月26日に緩和されていた。
同社は7月1日から利用者への提供を再開すると説明した。
アンソロピックの共同創業者トム・ブラウン氏らはここ数日、ラトニック商務長官や他の当局者と協議し、最新モデルを巡る政府の当面の懸念解消に取り組んでいた。
輸出規制の解除に向けた最大のポイントは、悪意ある利用者がモデルの安全対策を回避するのを防げるかというホワイトハウス当局者の懸念を払拭(ふっしょく)することだった。
ブルームバーグが確認したアンソロピック宛て書簡で、ラトニック商務長官は、アンソロピック側が「同モデルに関連するセキュリティーリスクを積極的に抑止し、対処する」ことを約束したと明記。また、将来のモデルについて「手順や基準」の策定で政府と協力することにも同意したと指摘した。
アンソロピックの企業価値は、直近の資金調達ラウンド後で9650億ドル(約157兆円)と評価され、世界有数の未上場企業となっている。先月1日には、非開示で新規株式公開(IPO)を申請したと発表。ブルームバーグは、同社が早ければ10月にも上場を検討していると報じていた。