理屈としては間違ってないけど、今回はそれで押し通すのは無理筋だと思いますよ。
理由は二つ。
まずこの理屈は主に実写化の方で有効な手段だから。
身も蓋もない言い方すると、実写化は少なくないケースで、原作ファンは最初からある程度生贄なんですよね。
地雷とわかっても観に来るファン+新規客で基本的に元が取れる。
元を取った上で、新規顧客に対して原作や新作などへの導線を作る。
けど、実写でこれができるのは、アニメとは客層が大きく変わるからというのがあります。
実際、実写化で一番叩かれやすいのは発表時と序盤の情報公開時点で、公開してしまえば中身ハズレでもいう程叩かれない。
それどころか、原作ファンには不評でも、映画としての評価はそこそこってケースもままあります。
わかりやすいのは『原作知らければそこそこ面白い』って言われるケースですね。
最近だと福田監督作品の『SAKAMOTO DAYS』は、賛否両論はあれど映画のレビューサイトでの評価は悪くないです。
アニメだと、原作ファンと新規顧客の比率が変わります。
視聴割合に原作ファンが増えると、当然原作へのリスペクト度合いが重視されます。
それはたとえ個々の感想であっても、数があれば傾向になり、同時に世間的な評価となります。
二つ目、過度な不評は興行収入に大きく響くため。
叩かれ過ぎるとかえって見たくなる人間も中にはいますが、それって基本的に奇特な人で、観るの控える方が増えます。
現在の映画というのは、コスパとタイパも悪いんです。
一般料金だと2200円+移動費、そしてスマホも使えない空間で一定時間拘束される。
逆に言えば、それに見合うだけの価値が求められます。
映画というのは売れ行き次第で上映巻数増やしたり、公開期間を伸ばすので、最初にコケると大ダメージを受けます。
初週三日の興行収入は、最近のヒット作アニメ、もしくは福田監督作品と比較するとこんな感じ。
ケロロ軍曹:1.5億(全国350館)
ガンダムGQuuuuuuX:5.98億(全国426館)
超かぐや姫:2.3億(全国19館)
SAKAMOTO DAYS(実写):4.78億(全国451館)
目に見えて低いですね、はい。
日本だと主に最終興行収入10億以上がヒット作として扱われますが、ケロロ軍曹はこのコースから外れてて、まぁいかないだろうなぁと。
このまま伸び悩むと最悪の場合、6億代の過去作にも勝てるかどうか怪しいレベルだと思っています、
ちなみに初週で燃えた『果てしなきスカーレット』は2.1億(全国447館)で、最終は6億程でした。
その上で制作側は、ケロロ軍曹はどれくらいを期待していたでしょうか?
もはや過去になりつつあるとはいえ、一時代を築いたケロロ軍曹というIPを使用。
近年はヒットメーカーの福田監督を起用。
サプライズ役で短い時間とはいえ豪華メンバーも含んだ福田組のスケジュールを押さえて出演。
これらから考えて、ヒット作くらいの売上は当たり前に想定していたと思います。
そして想定の収益や動員数を下回ってしまった(コケた)時点で、導線とか知名度を上げるとか、次に繋げるとか全部崩壊しますからね。
だって、次に繋げようにも「でもあれ、映画コケたじゃない」ってなると企画が通らない。企画が通らないなら知名度を上げるも何もない。
利益が出る保証というのも、本来なら『映画でこのぐらいの収益があったから、この企画もこれくらいが見込めます』と言えるわけです。
実写で福田監督作品を見た人達が「ヨシヒコや銀魂のキャラが実写版の俳優さんの声で出る」と聞いて見に行ったらそれだけで目標達成なんですよ。
その後すぐにケロロの客になるかはともかく、まず『ケロロ軍曹』という作品とキャラを知ってもらえれば十分効果がある。