「子宮を休ませろ!」大谷翔平夫妻の〈年子出産〉を疑問視する人にも、「年子なんて昔からいる」と反論する人にも欠けている視点
6月20日、ドジャースの大谷翔平選手が妻の真美子さんと連名で、第2子の誕生を発表した。昨年の4月に第1子が誕生していることから、いわゆる「年子」での出産となった。この年子出産について、ネット上では一部で批判が噴出。さらにインフルエンサーらが批判に反論する様子も見られた。他人の個人的な事情に口を出すのはよろしいことではない。ただ、「年子批判」とそれに対する反論は、やや噛み合っていないようにも見えた。(フリーライター 鎌田和歌) ● 大谷夫妻への「年子批判」 一般基準で測る無意味さ 騒動を最初に知った筆者の率直な感想は「あの大谷夫妻を一般人の基準で測っても意味がなかろう」だった。 出産や育児の負担を軽視するわけではない。 まず出産自体が母体に大きな負担があるのは間違いないし、次の出産までが1年2カ月ほどであればさらに過酷である。これは出産を経験したことのない人でも少し知識があれば想像しやすいだろう。上の子の子育てに追われる時期での妊娠・出産となれば怒涛の日々だ。 しかし、大谷翔平・真美子夫妻は、世界でもトップレベルのハイスペ夫婦である。夫婦ともに身体能力や体力に恵まれ、経済的にも言わずもがな。母体ケアでも育児サポートでも(何なら幼児教育でも)、最高級のものが受けられるであろうことは想像に難くない。そのような方々に対して「年子は大変」と一般論を押し付ける意味はあるのだろうかと、思ったのである。 だからこの件は大して広がらずにすぐに収束するだろうと考えていた。しかし予想に反して、多くのインフルエンサーが「反論」に乗り出す騒動となっていた。
● 「年子批判」への反論 著名人たちも過激化 実業家の「ひろゆき」こと西村博之氏は、いつもの「おいら」節で「おいら、昭和世代だけど、一歳違いの兄弟は当たり前にいっぱい居た」と非難。西村氏が引用しているポストには、大谷翔平夫妻と思われる家族に対して、顔を真っ赤にして何か言っている女性の姿が描かれている。 起業家などたくさんの肩書を持つ田端信太郎氏も「大谷に『奥様の子宮を休ませろ!』ってwwwwwもはや、女性の人権を守るために出産自体を禁止したほうがいいよな!?」と投稿した。田端氏が引用しているポストには「大谷翔平に『子宮を休ませろ』だのなんだの言ってるBBAども」といった文章が書かれていた。 「年子批判」への不快感を示したのは男性だけではない。タレントの蒼井そら氏は「なんで年子出産が叩かれてんだよ」、グラビアアイドルの茜さや氏も「うちも年子だけど、(略)大人と大人が話し合って決める事なのに…。女性側にはなんの決定権も無く、男性側から無理に…て考えがまず怖すぎる」、産婦人科医の宋美玄氏は「人の出産に『賛否』ってどういうこと?おめでとう以外に何があるの?他人にダメ出しばっかりしている人は自分が満たされていないだけ」などと投稿した。 今となっては「年子批判」よりもこれに対する著名人らの反論からのほうが多く拡散されているため、もともとの年子批判投稿を探すのがやや難しい状況ではある。だが、さかのぼると「自分の妊娠出産を経たことで、産後1年以内に妊娠させる男に引いてしまう」と産後すぐの妊娠を懸念する声や、年子批判する人たちの投稿の意図について「産みもしない男性が、何人欲しいとか時期について好き勝手言うな、ということ」(いずれも要約)と説明する投稿があった。 大谷選手が花巻東高校時代に詳細な人生設計シートを作成していたことは有名で、このシートでは「28歳男の子誕生」「31歳女の子誕生」「33歳次男誕生」と記されているという(6月26日 日刊スポーツ)。実際には30歳で女児、31歳で男児が誕生している。 ● 反論が優勢だが 上がった声も理解できる 個人の事情に横から口を出すのは要らぬお節介であるし、ときには有害にすらなる。また、最初に書いたように、経済面から体力面、果ては人の縁まですべてに恵まれているであろう大谷夫妻のニュースから年子の負担を論ずるのはお門違いにも思える。 ただ、「年子批判」をする人々と、その反論がやや噛み合っていないようにも見えた。