時間にすれば6時間そこらの出来事だったのだが、ショックといえばショックだった、そこはもう俺も大人なので、泊まりでとったホテルのベッドに寝ころびながら考えていた・
きっと、俺の知っている先輩は死んだのだ。先輩は綺麗なままで俺の記憶の中に残っているのだ、あれは、先輩だった何かであって、もう先輩ではないのだ。と
しかしコンビニで酒をかって何本も明けるほどにはショックではあった。だがそれも、1日、二日酔いを我慢すれば終わるだけの話だ。そう、先輩は自身の価値をその程度まで自ら他責思想で貶めていた事に気が付いていない。
かつて2000年代から2010年代頭にかけて、周囲が天才と呼び、その背中を多くの若い技術者が追いかけた男である。
その存在が、今や、一人の三十代半ばの技術者が一晩やけ酒を飲めば、ようやく飲み込める程度の出来事になってしまった。
まだ人としての徳目や誇り高さが残っていれば、姿は醜くとも不屈の精神やまだITエンジニアとして人生を戦う覚悟があれば、誰も先輩を見放さなかったのかもしれない。
敗北を認め、それでもなお明日を書く覚悟さえ失っていなければ、きっと誰かは、その背中を支え続けたであろう。
だが、そこにいたのは、自らの失敗を社会や何かのせいにして、なろう系作品にまるで麻薬中毒者の様に救いを求め縋りつき、コンカフェで迷惑行為の末暴れて社会に迷惑をかけ、一言も謝らない、氷河期世代の弱者男性の姿だった。
先輩は、敗北そのものではなく、敗北の受け止め方に敗れてしまった。
失敗を時代へ預け。
その姿は、俺には何よりも痛々しく映った。
秋葉原まで戻って終電になった、どうせ明日は日曜日だ、ここで一泊するのも悪くはない。そう思ってとったホテルの窓の向こうでは、キラキラした世界が広がっている。この世界こそ、昔、先輩が生きていた場所だったのだ、と。
才能を武器に、技術を誇りに、未来だけを見つめて駆け抜けていた頃の、あの人の世界である
平成という時代には、そういう技術者が少なからずいた。彼らは金銭よりも、完成したプログラムの美しさに酔い、肩書きよりも、自らの仕事の精度によって己を測っていた。いま振り返れば、それは一つの時代の気風であった、といってよい。
窓から見えた「キラキラ」世界…しかしふと、部屋の片隅を見る、光の入らぬホテルの宿屋の片隅は、輪郭も見えないほどの暗い闇が広がっていた。
俺はしばらく、その秋葉原の灯を眺めていた。
だが、ふと視線を部屋の片隅へ移した。
窓から届く光は、そこまで届かない。
そこには輪郭さえ失われた闇があった。黒というより、光という概念そのものを呑み込んでしまったような、底知れぬ暗い、暗い、暗がりである。
不意に思った。
俺たちと別れたあと、技術への誇りも、未来への希望も、一つまた一つと灯を失い、やがて世界そのものから色彩が消えてゆく。その果てに人が見る景色とは、おそらくこういう闇なのではあるまいか。
しかし、その光が鮮やかであればあるほど…
人は時に、失った場所へ帰ろうとする。
だが、歴史には戻れない。
昨日という時間は、誰にも返されない…
こういう話はよくあるのだろうか、そして思い出していた。確か昔、筒井康隆が「我が友ウルフ」という題材でこういう小説があった気がする。あれを読んだときの気持ちだ。
人は、あそこまで変わるものだろうか?
いや、変わったのではない。長い年月のあいだ、誰にも見えぬ場所で、少しずつ削られ、摩耗し、最後には別の人格のようなものを纏うに至ったのであろう。
俺が青年時代に憧れ、追いかけ、技術者としての背中を見て育った「あの先輩」は、もうこの世にはいなかった。
きっと、人は、命が尽きる前に死ぬことがある。自らの敗北を他人へ預けないことだけは、自分で選ぶことができる。先輩はそれをしなかった、それだけのことだ。
自分もああいう風にならないように、せめてエンジニアとして、いや人として道に外れない様にしよう、と思った。
それが、青年の日々に憧れた「あの先輩」へ、俺が手向けられる唯一の弔辞であり、供養なのだと思えたのである…
結局、その先輩が見た「闇」がただただ怖くて、それとも悪酔い知れば寝つきが悪くなる元々のタチなのか、それは今となっては言い訳だろうが、俺は眠れなかった。
ただその闇が怖くて、iPhoneの画面をひたすら手慰みに見つめていた。
かつての写真、動画、それだけがあの頃、確かに俺と先輩やみんなは生きていたという現実を認識するためのか細い証拠だった。
ああ、あれは確か最後の宴会の時だっただろうか。その集合写真が、iPhoneの画面に映った。その中心で、先輩は華やかに笑っていた。
技術者というものは、案外、人を笑わせる術も心得ている。その夜の先輩は、皆の輪の中心で笑っていた。その笑顔には、自分がいつか世の中から忘れ去られる人間になるなどという予感は、おそらく一片もなかったであろう。
さらに画面を送る。
IT系まとめサイトや、十数年前のテック系メディアの記事が保存されていた。
そこには、若き日の先輩がいた。
新しい技術を語り、未来を語り、その目には、まだ世界は開拓されるべき荒野として映っていた。
いまとなっては、それが俺にとって、「生きていた先輩」を確認できる最後の証拠になってしまった。
人は死ぬ。
だが、それ以上に恐ろしいのは、一人の人間が生きていた時代そのものが死んでしまうことである。
記事だけが残り、写真だけが残り、そこに映る人間だけが、永遠に若い。
その奇妙な静止が、かえって死というものの深さを教えていた。
寝付けないまま、窓の光が人口の街灯ではなく、白み始めた陽光をかすかに感じさせた。
俺はiPhoneの画面を閉じた。
眠れないのであれば、歩けばいい。そう思った。
歩くことは、人間に許された最も古い思索の方法である。そして、かつての先輩もよくそうしていた。
「馬上・枕上・厠上だよ、増田君」
「なんですかそれ、先輩。」
「国語力、国語力、変なラノベや萌え漫画ばっかり読んでないで教養も身に就けないとね、エンジニアなら」
行き先など決めなくともよい。ただ、この夜と、この朝のあいだに置き去りになったものを拾い集めるように、俺はホテルを出ることにしたのである。
ホテルから出て、iPhoneとワイヤレスイヤホンを同期し、俺はふと思い出したのでユーチューブで曲を検索した。
先輩が好きでよく聞いていた曲だ。「茜色が燃えるとき」という曲だった。
その歌は、青春を歌っているようでいて、おそらく時代そのものの終焉を歌っていた。
当て所なく秋葉原を歩いている様で、俺はふと気が付いた、すべて先輩と歩いた道、教えられた店「だった場所」、そこを反芻していることに。
高速電脳は、もうない。
パーツ通りも、様変わりしている。
シャッツキステも、もうない。
街というものは、人よりも長生きをするようでいて、案外、人間より先に死ぬことがある。
散らばる孤独が貫かれていく。俺の思い出は、無情の彼方だ。
ああ、今いるこの場所はすり減るだけのゲーム、そう耳に聞こえてきた。なぜ俺やみんなと同じように、笑うだけで勝てるはずだったのに。先輩はできなかったのだろう。
夜を超えて行け、そう聞こえた、俺達は眠れないで散歩しているだけで、簡単に超えた。だが、先輩はあの部屋の片隅から夜を超えることができなかったのだろう。そう思う。
先輩が好きだったこの歌は、2000年代と2010年代という時代が過ぎ去っていく時代の涙と悲しみを歌っているのだろうか。そう感じる。
ふと、ガラスの向こうに自分の顔が映る。そこには、30も半ば過ぎを超えた自分の顔が映っていた。あの写真の頃と、先輩ほどではないが変わっている。
汚れたままで振り返ってみれば、歩いてきたこのITエンジニアとしても道は、純と野望、性・金・承認の欲求と、もっと綺麗な思い出、友情、そしてもっと神聖なものと矛盾している、矛盾こそが、俺たちの生きている世界だった。
「汚れたままで振り返れば。この道は矛盾と愛さ」
「今いるこの場所は、落ちていくだけのゲーム、それなら俺はただ踊るだけで勝てるはず」そう聞こえた。
ああ、先輩はどうしてかつてから今の俺の様に、IT業界にしがみついて、周りからは滑稽に踊っている様にしか見えなくとも、戦い続けることができなかったのだろうか。それだけでも勝てただろうに。
「馬鹿、幾ら何でも俺が女子高生と付き合うわけないだろうが。」
「でもめっちゃモテモテじゃないですか、先輩。告られたのJKギャルっすよ、JKギャル、しかも〇〇(上級私立)の、ハ〇テのごとくみたいじゃないっすか、化物〇みたいじゃないっすか。」
「あのな、これからの時代はエンジニアはな、コンプライアンスが大事なんだよ増田くん、アングラオタクの個人芸なんて時代はもう終わる。ワキが甘いことしてると痛い目をそのうち見るぞ」
「そんなもんっすかねェー…」
先輩との思い出が色と匂いと、あの頃の感覚に戻ったように反芻されていき、俺の記憶を貫いていく。
そのころの俺は、半分も理解していなかった。
技術者という生き物が、これから組織と社会の中でどう生きるかまで見通そうとしていた。
だからこそ、その人が時代から零れ落ちたという事実は、俺にはなおさら理解し難かった。
昨日へは、神話の神でさえ戻せない、だが、人はあの日の記憶だけは自由に戻れる権利を持っている。それが、神が与えた人間の領域だと、俺は思う。
夜が白み始めて、ホコ天を貫く様に俺は目が細まる思いをした。
鳩が、その朝日の夜明けへと向かっていっているのを見かけた、俺の後ろを抜いていく。
いつもは秋葉原の駅前で人にエサをねだって歩き回っている、まるで昨日の夜の先輩の様な汚らしい鳩が、そのときだけは誇り高く、どこか神々しく、しかし哀しく見えた。
ああ、あれはきっと「あの頃の先輩」の魂なのだ。俺をもう一度この場所へと引き戻してくれたのだ。そして、別れを告げに来たのだろう。
鳩が茜色の夜明けへ消えていく。燃え尽きようとも構わない、とばかりに。
まるで、刹那も永遠も消えていく場所へ還っていくかの様に。夜を超えていく様に。夢を抱えて、そして超えていくように。
寝不足とやけ酒のせいだろうか、幻聴とも幻覚ともとれる感覚を覚えた。
それでも、人間は人生のある時期になると、理屈だけでは済まぬ朝に出会う。
「はい、先輩」
朝だけがあった。
茜色が街を包んでいた。
夜明けの茜色が滲んでいるのは、寝不足と疲れと年のせいだろうか。
それとも、俺の中の悲しみと思い出をあの茜色が燃やし尽くして持っていこうとしてくれているのか。
答えはもうわからない。だが一つ言えることがある。
あの日、あの時、この街で、あの場所で、「生きていた先輩」が遺して、受け継いだものを道しるべにしながら―――刹那も永遠も消え去って、悲しみの果てに燃え上がるまで。
30代を捧げてきた技術が死にそう https://anond.hatelabo.jp/20250528222518 という記事を読んで、ふと始めて勤めたITベンチャーで世話になって物凄い憧れだった先輩の話を思い出した。 というか本...
AIが止まらない
C-C-B Romanticが止まらない https://www.youtube.com/watch?v=JmnL2ndXeSc
テッテッテッ、テッテレッテレッ、テーテ、テー テッテッテッ、テッテレッテレッ、テレ、テレ、テレ、テレッ!
You は Chat AIで職が消えてゆく You は Chat 俺の仕事も消えてゆく 長い修行 コードで支えても 今は無駄だよ 邪魔する壁はプロンプトひとつでダウンさ You は Chat AIで納期早くなる You は Chat ...
取り戻す以前に手に入れてないやで😧
章のタイトルが文章になっているのとか、シェアは減ったけど需要がまだ全然あるRubyをオワコン前提で話をしているのとかどうもAIっぽさがあるのよな
内容そんな見てないけど筒井って単語目についたので突っ込ませてもらう 「我が良きウルフ」の間違いじゃねタイトル
こういう話 年代 ドンピシャの増田に刺さるから めっちゃ発狂されそう
次の波にうまく乗ることができなかったって、目の前に来た仕事をこなすのに、上手くいくもへったくれもなくね
これ増田のことじゃん 言っちゃ悪いが弱者男性
たしかに口伝というか、人で学ぶ面はあるけど、 基本的に、IT系というか、情報科学系、計算機関係で良かったのは、独学できるところだったと私は思ってる…😟 何が良いって、発達...
バイアウトで一般社員に金が入って解散同然になる事例なんて聞いたことがない 一定規模の事業なら人材ごと移籍しないと事業の継続ができないし 本当に小さいベンチャーで特定事業の...
FlashかPerlかRubyあたりなのかなと思った。 そのなかで基礎がない場合に他スキルへのコンバート困難なのがPerlだと思う? 憧れてた先輩が、別の道を歩んでる間にショボくなるの見ると辛...
どんな言語だって1個出来たら他が出来ないなんてないだろうよ
時間かかっちゃう メンドイ
応用が利かないタイプかな
ブー 正解は、一番得意というPythonも実のところよく理解してない人でした
技術に対応できないっていうより過去の成功体験を引きずって新しい環境で腐ってしまうパターンな気がする
Rubyとかもはやコボル感がある
webベンチャーでSIerってのがよくわからんが… プロジェクトを管理運営できる人なら特定の技術力が通用しなくなったとしてもそこまで関係ないでしょという感想
FlashかPerlかRubyあたりなのかなと思った。 そのなかで基礎がない場合に他スキルへのコンバート困難なのがPerlだと思う? 憧れてた先輩が、別の道を歩んでる間にショボくなるの見ると辛...
バックエンドはまだ延命できると言ってる人もいるがもうAIで良いになってる インフラもそう
図書館にあった2013年版JavaScriptマニュアルにはaddEventListenerの説明がなかったので 製紙印刷屋は常に信じてはいけないことが分かる
嘘臭いな
チームリーダーや管理職の対人技能を軽視するのはエンジニアとしては恥ずべきことだよな 人間という不具合のあるシステムを無視するのはやってはいけなかった
全く意味が分かりません。どういう脈絡があるのかな?
アニメ見れるのってまだまだ若いと思うわ 俺もう漫画もアニメも見れなくなったもん 眼科行ったときに鬼滅が置いてあってんで読もうとしたんだけど映像が頭の中でつながんねえし話が...
加齢は怖い
ちょっとハゲたからってバカにすんのやめてもらえますか? ていうかこの流れでデリヘル出てこないのかよ!
あまりにもAIすぎる
ラノベ増田先生の新作か?
この記事を読んで思いを書いてみる。 https://anond.hatelabo.jp/20260627180014 振り返るとチューリップ・バブル様々だったなと思う。各社こぞって高級はたいて優秀なITエンジニアを採用してた...