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2024年6月の記事

2024年6月28日 (金)

機関車工学:下巻(その7)列車運行の系統

第1章 列車運行の系統

【 列車運行の系統 】

 列車運行の系統とは、一地点より目的地に旅客貨物を運搬する列車の筋道及び相互の連絡を言ふものにして、その系統は隣接停車場間の交通に始まり、汽船を介して日本と清国、もしくは日本と欧米とのごとき遠距離の連絡問題に終る。

 列車運行の系統を正すとは、各種列車の任務を明かにすること、相当の間隔に各種の列車を分配すること、主要停車場において列車の発着及び継承時刻をして適宜ならしむること、線路の分岐点において本線及び枝線に属する列車の接続をして便利ならしむること、ならびに港湾において列車と船舶との連絡時間を適当に保つこと等にして、これを遂行するには列車を適宜に編成して所定の時刻表により定時にこれを運転するにあり。

 世人は列車運行の系統を見てその旅行の順序を定め、または貨物の輸送を托すものなり。一地点を発したる旅客は、何日何時に目的地に達すべきやを予定して列車に乗込むものなり。その旅程長きものは種々の接続列車に乗換を要するが故に、列車の数分の遅延はややもすればその接続列車を逸し、目的地に到着するに数時間もしくば数日の遅延を来たすことあり。

 貨物の輸送もまたしかり。一地点における一刻の差は到着地において1日の差となり、貨物の腐敗を来たし商品たることを得ざらしむることあり。価格の変動により、もしくは需要時期を逸し商品を不要に帰せしむることあり。商品納入の約を失せしめて商家の信用を損ぜしむることあり。資金の流通を阻碍して商家の資本を害することあり。

 列車の車数を減じ運転速度を緩め各駅停車時間を長くするときは、運転上故障起ること少なくして列車は定時を保ち得べしと言えども、斯くては列車は文明機関たるの用をなさず、列車接続に要する時間を長くするときは連絡を失ふこと稀なりと言えども、斯くては旅客に貴重の時間を空費せしめ貨物の到達を遅延せしむべし。

 速度を早くし接続時間を短縮し昼夜便利の時刻に列車の発着を計り、旅客貨物の集散状態に応じてよくこれを運搬するをもって交通機関の第一義とせば、ここに列車運行の系統を正すことは簡易なる問題にあらざるを知らん。しかしてこれを調理するには計画者及び実行者に多大の熟練と協同一致の動作とを要することは疑を容れず。

 鉄道沿線各地方に特有の事情あり。居住者、通勤者、通学者、漫遊者、ならびに商店、市場、工場等、各その目的により列車に求むる所はなはだ多し。故に列車を分配するには各地方の需要を見てこれに応ぜざるべからず。またある場合には地方を開発するがため地方の要求に先だたざるべからず。

 旅客の員数貨物の数量は地方によりまた季節によりて差違あれども、年来の統計によりまたその他の状報により各地方において運搬すべき最小限及び最大限を予想することを得べし。この予想に基づきて列車の増減を行ひ旅客貨物を流通せしめて停滞する事なからしむるは、また列車運行系統の大なる問題にして運転計画者ならびに実行者が解決すべきものなり。

 旅客貨物の運搬数量は、首府もしくば大都会に近づくに従ひ漸次増加するは自然の趨勢にして、あたかも河川が漸次付近の網流を併呑して水量を増加しもって海に入るがごとし。列車運転と大河の流とは種々の点においてその原理を同ふするものにして、大河の沿岸数十里の地は灌漑舟楫の恵を受くると同じく鉄道沿線数十里の民はまたその便を得べし。従って大河の系統及びこれを支配する自然の法則を研究するときは、列車運転上、資するところ少なしとせず、本線は大河に例ふべく、枝線は支流に比すべく、湖水沼沢は都会または工業地の存在するに似たり。

 大雨到りて水量のにわかに増加するは、いわゆる出荷季に際し貨物の移動するに均しく、干ばつ至りて水量の減少するは、不景気に際し旅客貨物の欠乏するに類せり。ただそれ河川にありては天の恵に頼るもの多く、その水は常に低きに就きて終に大海に注がれ、しかる後雲となり雨となりて自然に水源地に復帰すれども、吾人の鉄道は常に往復の二流を有し人為的器械的に車両を押し流さざるべからず。故にその運転業務は天然の水流に比してはるかに困難なれども妙味またここに存す。

 列車の運行系統を正し、旅客貨物の輸送を安全且つ敏捷に遂行するに就いて数多の手段あるべし。就中経費のいかんに頓着なく列車を濫発し、これを実行せんとするは比較的容易の業に属すべし。しかれども鉄道事業は一つの公共事業たると共に、一面には営利事業たることは争ふべからざるものなれば、これを不経済に経営することは鉄道そのものの基礎を危くするに至るべし。故に総ての方面にわたりて収入支出の関係を審かにし最も経済的方法を講ぜざるべからず。しかしてこれ常に運転当事者の最も苦心するところにして、以下論述する事項がこの運搬の便利と経済との調和の研究に関すること多きを見るべし。

 

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2024年6月27日 (木)

機関車工学:下巻(その6)機関車運転計画

機関車工学 下巻

 工学博士 森 彦三
 工学士  松野 千勝  共著


第13編 機関車運転計画

 機関車運転に従事する者は機関車の操縦に対し技術的知識を活用すべきはもちろん、実地に臨みて鉄道諸法令、殊に鉄道運転規程、鉄道列車保安規程、鉄道信号規程、ならびにこれらに関する規則及び服務規程の類を応用せざるべからず。しかして技術的知識の活用、鉄道諸法令の応用に就いてはまずその目的とする本体、すなわち列車なるものをよく了解せざるべからず。

 しかして列車を了解せんと欲せば列車の系統、種類、組成、配列、機関車及び諸車両の運行順序、ならびに列車運転整理の方法等を研究せざるべからず。故に本編においてはそれらの大綱を陳述し、一般列車運転関係者の参考にも供せんことを期す。

 

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2024年6月26日 (水)

機関車工学:下巻(その5)下巻目次(5)機関車の修繕、付録

第17編 機関車の修繕・・・・・・ 435~548

第1章 総 論・・・・・・ 435~451

 機関車の保存・・・ 435~436
 修繕設備・・・ 436~437
 工 場・・・ 437~438
 工場の分類・・・ 438~439
 機関車組立工場の形式・・・ 439~441
 修繕日数・・・ 441~442
 機関車の修繕順序・・・ 442~445
 機関車の組立・・・ 445~447
 予備品・・・ 447
 炭素焼硬化法・・・ 448~451

  炭素焼硬化法・・・ 448
  硬化用炭素の材料・・・ 448~449
  炭素焼入の方法・・・ 449~450
  炭素焼を要すべき物品・・・ 450~451

第2章 「バルブ・ギア」の修繕・・・・・・ 452~459

 「スライド・バルブ」・・・ 453~454
 「バルブ・スピンドル」・・・ 454
 「エクスパンション・リンク」・・・ 454~455
 「リバーシング・ギア」付属品・・・ 455~456
 「エキセントリック・シーブ」「ストラップ」及び「ロッド」・・・ 457~458
 特種金剛砥磨き器械・・・ 458
 自動螺切器械・・・ 459

第3章 「バルブ・セッティング」(「スライド・バルブ」の調整)・・・ 460~485

 「バルブ・セッティング」の目的・・・ 460
 「ピストン・クリアランス」を求むること・・・ 460~461
 動輪を回転すること・・・ 461~462
 死点を求むること・・・ 463~464
 「クリアランス」を調整する方法・・・ 464~465
 「ポート」の目標・・・ 465~466
 「リリース」及び「コンプレッション」の点・・・ 466~468
 「リード」及び「リード」の目標・・・ 468~469
 「リード」の調整・・・ 469~470
 線図板・・・ 470~471
 「オープニング」・・・ 471~472
 「バルブ」の運動を「ピストン」の「ストローク」の100分率をもって表示すること・・・ 472~473
 「カット・オフ」の調整・・・ 473
 「ロッカー・アーム」を有する「バルブ・ギア」・・・ 474
 「バルブ・セッティング」の巧拙・・・ 474

 「ピストン・バルブ」の調整・・・ 475~479

  内側供給式「ピストン・バルブ」・・・ 475~479

 「ワルシャート」氏「バルブ・ギア」の調整・・・ 479~485

第4章 機械部の修繕・・・・・・ 486~499

 「シリンダー」の保存及び生命・・・ 486
 「シリンダー」の検査・・・ 486~487
 「シリンダー」削正の方法・・・ 487
 「シリンダー・ボーリング・マシーン」・・・ 487~489
 「バルブ・シート」・・・ 489~491
 各「スタッド」・・・ 491
 「シリンダー・カバー」・・・ 491~492
 「ピストン」「リング」及び「ロッド」・・・ 492~493
 「ピストン・ロッド」磨き器械・・・ 493~494
 「クロス・ヘッド」・・・ 494~496
 「スライド・バー」・・・ 496~497
 「コネクティング・ロッド」・・・ 497~499
 「カップリング・ロッド」・・・ 499

第5章 車輪、車軸及び付属品の修繕・・・・・・ 500~519

 外 輪・・・ 500
 外輪の弛緩または亀裂・・・ 500~503
 「ホイール・レース」・・・ 503~505
 外輪焼嵌法・・・ 505~506
 車輪抜取法・・・ 506
 車 心・・・ 506~507
 「クランク・ピン」・・・ 507~511
 車 軸・・・ 511~512
 車軸弛緩の原因・・・ 513~514
 車軸圧入器械・・・ 514~515
 軸 箱・・・ 515~516
 「ホーン・ブロック」・・・ 516~517
 弾機装置・・・ 517~519

第6章 火室の修繕・・・・・・ 520~543

 火室の検査・・・ 520
 「チューブ」穴の変形・・・ 520~523
 「チューブ」穴と穴との間の亀裂・・・ 524~525
 「チューブ・プレート」の「フランジ」の屈曲部における亀裂・・・ 525~528
 鋼製「ファイア・ボックス」の亀裂・・・ 528~530
 「フランジ」の鋲を取換ふる場合・・・ 530
 鋼製「チューブ・プレート」の「フランジ」の成形・・・ 530~531
 鋼製「チューブ・プレート」の焼戻し・・・ 531~532
 銅製「チューブ・プレート」の「フランジ」の成形・・・ 532~534 
 「チューブ・プレート」の穿孔・・・ 534
 「サイド・プレート」の切継ぎ・・・ 534~536
 「バック・プレート」の亀裂・・・ 536~537
 「ファイア・ホール」付近の亀裂・・・ 537~538
 「クラウン・プレート」・・・ 538~539
 火室の大修理・・・ 539
 「ステー」・・・ 539~542
 「チューブ」・・・ 542~543

第7章 火室(fire box)の外殻(shell)、「バレル」及び煙室(smoke box)・・・・・・ 544~548

 火室外殻・・・ 544~545
 「バレル」の修理・・・ 545~546
 「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」・・・ 546~547
 「スモーク・ボックス」・・・ 547~548

付 録 

 速度表・・・・・・ 549~559


  機関車工学 下巻 目次 終

 

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2024年6月24日 (月)

機関車工学:下巻(その4)下巻目次(4)熱及び蒸気

第16編 熱及び蒸気・・・・・・ 355~433

第1章 仕事及び「エネルギー」・・・・・・ 355~362

 器械の動作・・・ 355
 仕 事・・・ 355
 馬 力・・・ 355~356
 「エネルギー」・・・ 356~360
 機械の効率・・・ 360~362

第2章 熱及びその測定・・・・・・ 362~381

 物体の温度・・・ 362
 寒暖計・・・ 363~364
 絶対温度・・・ 364
 熱量の単位・・・ 364
 比 熱・・・ 364~366
 熱の伝播・・・ 366
 輻 射・・・ 366~368
 伝 導・・・ 368~372
 対 流・・・ 372
 熱のために物体の膨脹・・・ 372~373
 熱と仕事との関係・・・ 373~375
 熱機関の効率・・・ 375~377
 熱の気体に及ぼす影響・・・ 377
 「ボイル」氏の定則・・・ 377~379
 「シャルル」氏の定則・・・ 379
 絶対温度・・・ 379~381

第3章 飽和蒸気の性質・・・・・・ 382~413

 熱の水に及ぼす影響・・・ 382~384
 水の膨脹及び重量・・・ 384
 蒸発沸騰及び飽和蒸気・・・ 384~386
 飽和蒸気の圧力及び温度・・・ 386~390
 水及び蒸気の比熱・・・ 390
 蒸気の全熱量・・・ 390~391
 水の温度を上昇せしむるに要する熱・・・ 391
 蒸発の潜熱・・・ 391~396
 蒸気の比容・・・ 396~397
 蒸発単位すなわち華氏212度における相当蒸発・・・ 397~398
 湿気ある蒸気・・・ 398~400
 蒸気の乾燥を試験する方法・・・ 400~402
 蒸気の膨脹・・・ 402~404
 「インジケーター・ダイアグラム」・・・ 404~405
 蒸気の平均圧力・・・ 405
 「ハイパーボーラ」曲線・・・ 405~409
 飽和曲線・・・ 409
 断熱曲線・・・ 409~411
 平均圧力を計算するに当り注意すべき事項・・・ 411~413

第4章 「インジケーター・ダイアグラム」・・・・・・ 414~433

 「インジケーター」・・・ 414~415
 「テーボル」氏「インジケーター」・・・ 415~416
 「インジケーター」に関する設備及び使用法・・・ 416~419
 「インジケーター・ダイアグラム」の形状・・・ 419~423
 「クリアランス」容積・・・ 423~424
 蒸気の平均実効圧力・・・ 424~426
 機関の実馬力・・・ 426~427
 蒸気の分量・・・ 427~428
 蒸気膨脹の利益及び有益なる膨脹の限度・・・ 428~431
 蒸気の絞りと膨脹との比較・・・ 431~433

 

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2024年6月21日 (金)

機関車工学:下巻(その3)下巻目次(3)石炭及び燃焼

第15編 石炭及び燃焼・・・・・・ 305~353

第1章 元素及び化合物・・・・・・ 306~310

 化 合・・・ 306
 物理的変化・・・ 306
 化学的変化・・・ 306
 元 素・・・ 307
 分 子・・・ 307
 原 子・・・ 307
 分子、原子の容積及び重量・・・ 307~308
 化学的符号及び公式・・・ 309~310

第2章 燃 焼・・・・・・ 311~325

 燃 焼・・・ 311~313
 石炭の燃焼熱・・・ 313~315
 「デューロン」氏石炭発熱量公式・・・ 315~316
 「グータル」氏石炭発熱量公式・・・ 316~317
 空気と燃焼との関係・・・ 317~321
 燃焼の温度・・・ 321~323
 「スパーク」・・・ 323~325

第3章 石 炭・・・・・・ 326~353

 石炭の類別・・・ 326~327
 石炭の組成分・・・ 328
 工業分析・・・ 328~329
 水 分・・・ 329~332
 固形炭素・・・ 332~333
 揮発分・・・ 333~334
 灰 分・・・ 334~337
 本邦産石炭工業分析表・・・ 337~342
 総分析・・・ 343~346
 烟・・・ 346~348
 烟の色の識別法・・・ 348~350
 石炭の自然発火及び風化・・・ 350~351
 石炭の重量・・・ 352~353

 

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2024年6月20日 (木)

機関車工学:下巻(その2)下巻目次(2)機関車運転

第14編 機関車運転・・・・・・ 141~304

第1章 機関車運転総論・・・・・・ 141~167

 機関車乗務員・・・ 141~147

  機関車乗務員の責任・・・ 141
  運転技能・・・ 141~142
  精勤節約・・・ 142~143
  学理的研究・・・ 143~144
  修繕の心得・・・ 144
  青年火夫・・・ 144
  慎重なる注意・・・ 145~147

 機関手仕業順序・・・・・・ 147~150

  機関車受領・・・ 147
  運転準備・・・ 147
  機関車連結・・・ 148
  列車運転・・・ 148
  終端駅到着・・・ 149
  仕業終了・・・ 149~150

 機関車点検・・・・・・ 150~155

  一般点検の順序・・・ 150~151
  検査に関する諸注意・・・ 151~153
  機関車備品・・・ 153~155

 列車出発・・・・・・ 155~156

  徐々引出・・・ 155
  空 転・・・ 155~156
  注 視・・・ 156

 線路の熟知・・・・・・ 156~158

  線路熟知の必要・・・ 156~158
  徐行運転・・・ 158

 定時運転・・・・・・ 158~159

  定時運転の必要・・・ 158
  時間回復・・・ 159

 停車場に進入するときの心得・・・・・・ 159~162
 
  徐行進入・・・ 159~161
  制動機使用方法・・・ 161~162
  「ハンド・ブレーキ」速度・・・ 162

 機関車二台にて運転・・・・・・ 162~167

  機関車二台にて運転の場合・・・ 162~164
  二台運転の困難・・・ 164
  二台運転に関する注意事項・・・ 164~167

第2章 天候不良の場合における運転・・・・・・ 168~184

 濃霧中の列車運転・・・・・・ 168~172

  英国における濃霧中の列車運転・・・ 168~172

 大風雨中の列車運転・・・・・・ 172~177

  大風雨に対する運転準備・・・ 172
  大風雨中の運転・・・ 173~174
  風の速度・・・ 174
  風の圧力・・・ 174~176
  暴風警報・・・ 176
  風難の実例・・・ 176~177

 大雪中の列車運転・・・・・・ 177~184

  雪・・・ 177~178
  除雪器・・・ 178~179
  除雪の方法・・・ 179~180
  雪 庫・・・ 180~181
  雪中の運転・・・ 181~182
  凍結の予防・・・ 183~184

第3章 機械部取扱・・・・・・ 185~210

 運転中蒸気の加減・・・・・・ 185~189

  列車出発・・・ 185~186
  経済的運転・・・ 186
  蒸気を絞りて運転する場合・・・ 186~188
  蒸気を使用せずして運転する場合・・・ 189

 放出蒸気の音響・・・・・・ 189~194

  音響の種類・・・ 190
  4個の音響・・・ 190~191
  「ピストン・リング」の故障・・・ 191
  「スライド・バルブ」の故障・・・ 192
  「バルブ・モーション」の故障・・・ 192~194

 空転及び撒砂・・・・・・ 194~197

  空 転・・・ 194
  空転の原因・・・ 194~195
  空転の結果・・・ 195
  空転防止・・・ 195~196
  砂及びその用法・・・ 196~197
  
 運転中の打音・・・・・・ 197~200

  打音の原因・・・ 197~200

 非常事故に際し急速に停車する手配・・・・・・ 200~204

  急速停車の必要・・・ 200~201
  急速停車の順序・・・ 201~202
  「レバー」反転・・・ 202~203
  非常汽笛・・・ 203
  列車分離脱線・・・ 203~204

 機関車破損したるときの処理・・・・・・ 204~207

  救援機関車・・・ 204
  応急処理・・・ 204~206
  木片の応用・・・ 206~207

 片「シリンダー」にて運転・・・・・・ 207~210

  片「シリンダー」にて運転・・・ 207~210

第4章 給 油・・・・・・ 211~236

 給油の目的・・・ 211
 油の性質・・・ 211~212
 引火点・・・ 212
 油の粘度・・・ 213
 「レッドウッド」粘度計・・・ 213~215
 器械油製造方法・・・ 215~219
 油仕様書・・・ 219~220
 摩擦の増減・・・ 221
 諸実験の結果・・・ 221~225
 注油方法・・・ 225
 毛糸「トリミング」・・・ 226
 「プラグ・トリミング」・・・ 226
 「テイル・トリミング」・・・ 226~227
 「トリミング」の加減・・・ 227~228
 「コルク」・・・ 228
 「タスク・パッキング」・・・ 228~229
 「メタリック・パッキング」・・・ 229
 「サイト・フィード・ルーブリケーター」・・・ 229~232
 油使用量・・・ 233~234
 摩擦部の発熱及び手当・・・ 234~236

第5章 汽缶取扱・・・・・・ 237~304

 汽缶点火・・・・・・ 237~240

  点 火・・・ 237
  点火に関する注意事項・・・ 237~240

 燃炭の方法・・・・・・ 240~252

  出発前炭火の調整・・・ 240~241
  運転中炭火の調整・・・ 241~242
  火夫の姿勢・・・ 242~243
  経済的燃焼・・・ 243
  交叉燃炭法・・・ 243~244
  燃焼作用及び温度・・・ 244~246
  黒 烟・・・ 246
  火 層・・・ 246
  「クリンカー」・・・ 247
  「ダンパー」・・・ 247~248
  空気の分量・・・ 248~249
  汽缶の鳴音・・・ 249~250
  石炭塊の大小・・・ 250
  「ブロワー」・・・ 250~251
  埋め火・・・ 251
  灰燼掃除・・・ 251~252

 蒸気発生不良・・・・・・ 252~257

  機関車水に追はる・・・ 252
  蒸気発生不良なる原因・・・ 252~257

 缶水補給・・・・・・ 257~262

  給水の要点・・・ 257
  「ゲージ・グラス」内の水面・・・ 257~258
  給水の時期・・・ 258~259
  給水杜絶・・・ 259~260
  「レッド・プラグ」鎔解・・・ 260~262

 汽水共発・・・・・・ 262~265

  「プライミング」の原因・・・ 262~263
  「プライミング」の兆候・・・ 263~264
  「プライミング」に対する処置・・・ 264
  「プライミング」の害・・・ 264~265
  「プライミング」と「フォーミング」・・・ 265

 「インジェクター」取扱・・・・・・ 266~274

  「インジェクター」の利益・・・ 266
  水の温度・・・ 266
  蒸気と水との割合・・・ 266~267
  「インジェクター」故障・・・ 267
  水の吸上げ不良・・・ 267~270
  水の押込み不良・・・ 270~274

 水の汽缶に及ぼす作用・・・・・・ 274~279

  缶板腐蝕・・・ 274~275
  「プライミング」・・・ 275~276
  「スケール」・・・ 276~278
  硬 水・・・ 278~279
  
 水の改良方法・・・・・・ 279~283

  改良の程度・・・ 279~280
  改良方法・・・ 280~281
  化学公式・・・ 282~283

 汽缶洗滌・・・・・・ 284~292

  洗缶の時期・・・ 284
  洗缶用水圧・・・ 284~285
  洗缶に要する時間・・・ 285~286
  汽缶急速冷却法・・・ 286~287
  温水洗缶法・・・ 287~290
  洗缶の順序・・・ 290~292

 「ステー」に関する注意・・・・・・ 292~298

  「ステー」折損の原因・・・ 292~296
  「ステー」の折損を知るの方法・・・ 296
  「ステー」より汽水漏洩・・・ 296~297
  「ステー・ヘッド」の焦損・・・ 297~298
  
 「チューブ」の故障・・・・・・ 298~300

  「チューブ」漏洩の原因・・・ 298~299
  「チューブ・プラグ」・・・ 299~300

 汽缶破裂・・・・・・ 300~303

  原 因・・・ 300~301
  設計に欠点あること・・・ 301
  材料及び加工不完全なるとき・・・ 301
  缶板腐蝕または衰弱せること・・・ 301~302
  取扱粗暴なるとき・・・ 302~303  

 

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2024年6月18日 (火)

機関車工学:下巻(その1)下巻目次(1)機関車運転計画

機関車工学 下巻

目 次

第13編 機関車運転計画・・・・・・1~140

第1章 列車運行の系統・・・・・・ 2~4

第2章 列車の種類・・・・・・ 5~9

 列車の種類・・・ 5
 旅客及び貨物列車・・・ 5
 米国における貨物列車の種類・・・ 5~7
 混合列車・・・ 7
 工事用列車・・・ 7
 試運転その他・・・ 8
 列車番号・・・ 8~9

第3章 列車運転及び停車時間・・・・・・ 10~29

 各駅停車時間・・・10~12 
 各駅間の運転時間・・・ 12~14
 両駅間の距離・・・ 14~15
 勾配線の距離及び位置・・・ 15~16
 停車場の状況・・・ 16
 制動機の多少・・・ 16~17
 運転時間の実例・・・ 17~24
 ドイツにおける列車速度の制限・・・ 24~27
 プロイセン官有鉄道列車制動機付軸数の割合・・・ 27~29

第4章 列車時刻表及び運行表・・・・・・ 30~48

 列車時刻表・・・ 30~33
 列車運行表・・・ 33~36
 列車運行表、時刻表作製・・・ 36~46
 臨時列車の時刻表作製・・・ 46~48

第5章 列車の組成・・・・・・ 49~60

 勾配線の影響・・・ 49~50
 旅客列車の組成・・・ 50~52
 貨物列車の組成・・・ 52~56
 混合列車の組成・・・ 57~58
 貨車仕別け駅・・・ 58~60

第6章 機関車の牽引定数・・・・・・ 61~73

 牽引定数・・・ 61
 換算車両数・・・ 61~65
 牽引定数の応用・・・ 65~66
 米国における機関車牽引定数・・・ 66~67
 英国における機関車牽引定数・・・ 67~71
 ドイツにおける機関車牽引定数・・・ 71~73

第7章 機関車運行・・・・・・ 74~97

 機関車運行表・・・ 74~85
 第1 機関車の流用を善くすること・・・ 85~86
 第2 機関庫の設備を顧慮すべきこと・・・ 86~87
 第3 一機関車運行表中には同種の列車を集むべきこと・・・ 87
 第4 終端駅における滞在時間・・・ 88~89
 第5 仕業時間・・・ 89~90
 第6 運転区間及び運転マイル数・・・ 90~91
 第7 機関車の単行及び連結・・・ 91~92
 第8 補助機関車・・・ 92~94
 第9 積貨車の多数が移動する方向に留意すること・・・ 94~96
 第10 臨時に機関車の運行表を変更すること・・・ 96~97

第8章 機関車及び乗務員交番・・・・・・ 98~118

 交番表・・・ 98~102 
 勤務及び休憩時間・・・ 102~103
 汽缶洗滌・・・ 103~105
 機関車の分配・・・ 105~106
 機関庫に備へ置くべき機関車の数・・・ 106~107
 交番表の実例・・・ 107~111
 機関車運用図解・・・ 111~114
 機関車の受持を一部の乗務員に限ること・・・ 114~117
 入換仕業・・・ 117
 結 論・・・ 117~118

第9章 運転整理・・・・・・ 119~139

 総 論・・・ 119~121
 列車遅延の原因・・・ 121
 第1 事 故・・・ 122
 第2 運転速度・・・ 122~123
 第3 入換作業・・・ 123~124
 第4 旅客乗降多数・・・ 124~125
 第5 緩急車積貨物取扱・・・ 125~126
 第6 閉塞器及び信号機取扱の疎略・・・ 126
 第7 他列車遅延の影響・・・ 126~127
 列車運転整理の原則・・・ 127~128
 列車特発・・・ 128~130
 列車待避・・・ 130~131
 行違変更・・・ 131~133
 事故の場合における運転整理・・・ 133~139

 

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2024年6月16日 (日)

機関車工学:中巻(その304)付 録:水及び諸材料の重量

【 水及び諸材料の重量 】

 清水の重量は普通の計算用としては1立法フィートに付き 62.4ポンドと仮定するを常とす。これ華氏 52.3度の温度の水の重量に相当するものなり。また水の1「ガロン」の重量は 10ポンドと仮定するを常とす。これ標準平均温度華氏 62度の水の重量に相当するものなり。なお水の温度と重量との関係は左のごとく水は華氏 39.1度のときをもって最も重しとす。

 付録第6表:水の温度と重量との関係

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 また水の容積と重量との関係は左のごとし。

 付録第7表:水の容積と重量との関係

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 付録第8表:諸材料の重量

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 付録第9表:円の直径、周囲及び面積

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2024年6月14日 (金)

機関車工学:中巻(その303)汽缶の付属品:砂 箱

【 砂 箱(Sand Box) 】

 既に述べたるがごとく軌条の湿潤せるとき、または油気を存するときは、発車の際または勾配線において車輪と軌条との間の摩擦力、すなわち粘着力を欠き動輪の空転することあり。かかる場合においてその粘着力を増加するの手段として、機関車には必ず砂箱を備へ必要に応じ砂を軌条上に撒布するを要すべし。

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 第 1534図に示すは米国形砂箱の一例にして、通常汽缶の上部に取付けられ「パイプ」によってこれを連結車輪の前部に導くを例とす。図に示すがごとく砂箱の上下部1及び2は鋳鉄にて製せられ、中腹4は鋼板にて製せらる。またその全部を鋳鉄製となすものあり。8は「パイプ」の取付部分にして左右に各一個所あり。5は「バルブ」にして「リーチ・ロッド」6を引くときはこの「バルブ」を回転し「ポート」を開くべし。7は連結桿にして左右の「バルブ」を同時に開閉するの用に供せらる。

 英国形砂箱はその形種々あれども、多くは箱形をなし「フート・プレート」の上または下部に取付けらる。この場合においては砂箱は左右に各1個を要すべし。

 砂の湿潤せるときはその流出不充分なることあるをもって、米国にては制動機用圧搾空気を利用して砂箱より流出し来る砂を空気の圧力にて吹き出す装置を施すものあり。「エア・サンダー」と称するものこれなり。また英国にては蒸気を利用し砂を誘出する様「サンド・エジェクター」と称するものを備ふるものあり。これらの装置は撒砂の目的を確実ならしむるの益あるのみならず、強風のとき砂の飛散して軌条外に逸するの恐れなからしむるに有効なり。

 

  機関車工学 中巻 終

 


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2024年6月13日 (木)

機関車工学:中巻(その302)汽缶の付属品:クラックボックス

【 「クラック・ボックス」(Clack Box) 】

 「クラック・ボックス」は「インジェクター」の「デリバリー・パイプ」の末端にある「チェック・バルブ」にして、汽缶に取付けられ缶水の逆流を防ぐの用に供せらる。多くは手用「ストップ・バルブ」をも備へもって一つの「バルブ」箱を形成せり。近来一般に使用せらるる「グレシャム・インジェクター」(第 1501及び 1502図)は、その「デリバリー・パイプ」が直ちに汽缶内に進入するをもって別に「クラック・ボックス」を有せず。

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2024年6月12日 (水)

機関車工学:中巻(その301)汽缶の付属品:フュージブルプラグ

【 「フュージブル・プラグ」(Fusible Plug) 】

 汽缶の水は験水計(water gauge)によって常にその高さを指示するものなれども、時としてこれを見誤りまたは験水計に異状ありて缶水の欠乏を来し、「ファイア・ボックス」の頂板を過熱し為に不時の損害を蒙るのみならず、時として焼板膨出して汽缶破裂の大事故を惹起することあり。

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 「フュージブル・プラグ」は、この事故を未発に防ぐの目的をもって設備せられたる簡単なる「プラグ」にして、第 1533図に示すがごとくその中心に鎔解し易き合金を填充しありて、これを「ファイア・ボックス」の頂板に螺ぢ込み置くものとす。缶水欠乏して頂板のまず過熱せらるるときは、この「プラグ」の中心は直ちに鎔解するをもってその穴より蒸気噴出して事故を機関手に報ずべし。

 しかれどもこの「プラグ」の上部、水に接する部分は「スケール」の付着するものなれば、為にその穴を塞ぎ必要の際その用をなさざることあり。故にこの「プラグ」は時々「スケール」の掃除をなすか、または新調するを必要とす。缶水欠乏のため従来蒙りたる損害にしてこの「プラグ」の用をなさざりしもの多きは、けだし「スケール」の掃除不充分なりしに帰因するものと知るべし。

 「フュージブル・プラグ」の位置はかなり四方の「ファイア・ボックス」板を隔つるを要すべし。否らざれば事故の際これらの缶板に接触する水は、その低き温度を頂板に伝へてこれを冷却し、その距離近ければ近き程「フュージブル・プラグ」の鎔解を妨ぐるの傾向あるは実験に徴して明かなり。故に「プラグ」の位置は頂板の中心において、「チューブ・プレート」または「バック・プレート」を1フィート以上隔てて各1個を備ふるを例とす。またこれに用ふる合金は最も鎔け易きものを選択するを要すべしと言えども、普通は鉛を用ふるもの多し。

 

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2024年6月11日 (火)

機関車工学:中巻(その300)汽缶の付属品:ボイラーマウンティング

【 「ボイラー・マウンティング」(Boiler Mounting) 】

 汽笛、「インジェクター」、「エジェクター」等に要する蒸気は、かなり乾燥して水分を混ぜざるを良とす。故にこれらに使用する蒸気は管を「ドーム」に導き、汽缶の内部を経て「ボイラー・マウンティング」と称する蒸気室に連絡するを例とす。「ボイラー・マウンティング」は数多の「コック」を備へ、必要の部分に蒸気を分配するよう装置せらる。

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 第 1530ないし 1532図は本邦における英国形機関車に属する「ボイラー・マウンティング」の一例にして、上部両端における「コック」は大小汽笛に蒸気を送るものにして、その中間にあるものは験圧計に属し、前部にあるものは「サイト・フィード」給油器に至る。

 

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2024年6月10日 (月)

機関車工学:中巻(その299)汽缶の付属品:ブローオフコック

【 「ブロー・オフ・コック」(Blow-off Cock) 】

 「ブロー・オフ・コック」は一般に缶水を抜出すために設けられたる「コック」なれども、また汽缶の圧力を利用し缶水の一部を噴出せしめ、もって沈澱せる泥垢を誘出するの用にも供せらるるものにして、多くは「スロート・プレート」の下部に取付らる。不良なる水を使用する区間においては洗缶と洗缶との間に度々これを使用して、缶水の約 3分の1 を抜き捨て水と共に泥垢を噴出せしむるを必要とす。

 第 1523及び 1524図はプロイセン官有鉄道、第 1525及び 1526図は「バーデン」官有鉄道、第 1527ないし 1529図は本邦において多く用ひらるる「ブロー・オフ・コック」の実例を示す。

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2024年6月 7日 (金)

機関車工学:中巻(その298)汽缶の付属品:ウォッシュアウトプラグ

【 「ウォッシュアウト・プラグ」(Wash-out Plug) 】

 普通の水は種々の不純物を含有するものにして、中には蒸気と共に飛散するものもあれども、多くは缶内に残留し「チューブ」または缶板に固着すること、あたかも泥様の固形物が鉄瓶内に付着するがごとし。その固形物を「スケール」と称す。

 「スケール」は熱の不導体なるをもって、「チューブ」または「ファイア・ボックス」に固着するときは汽缶の蒸発効率を減少するのみならず、「チューブ」または「ファイア・ボックス」を過熱し、これらの焼損を促がし汽缶を害するの原因となるものなり。故に汽缶は時々水を抜き充分に内部の洗浄を行ひ、停溜せる泥垢を流出し「スケール」の固着せる部分は種々の方法によりて除去するを要すべし。

 汽缶の洗浄はかなり圧力高き水を用ひ、蛇管(hosepipe)及び「ノズル」をもって汽缶に注入し泥垢を洗浄するの目的なれば、各所に注入口を設け平素は第 1516図に示すがごとき簡単なる「ウォッシュアウト・プラグ」と称する真鍮製の栓を螺込みあり。

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 または第 1517ないし 1518図に示すがごとき「ウォッシュアウト・キャップ」と称する装置を備ふ。

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 通常「ファイア・ボックス」の下部外側の四隅に1個ずつ、「バック・プレート」の前面及び「セル」の両側にして「ファイア・ボックス」の頂板を洗浄するに都合良き個所に数個ずつ、及び「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」に数個を備ふ。第 1516図のごとき坐(seat)を有せざるものは、缶に属する螺旋が洗浄の際磨損せらるるを免れざれども取付個所に余地なき場合に応用せらる。第 1519ないし 1522図は米国「ペンシルベニヤ」鉄道における洗浄孔装置の実例を示す。

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 汽缶洗浄後、清水を汽缶内に充すにも上部の洗浄口を利用するを常とす。

 

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2024年6月 6日 (木)

機関車工学:中巻(その297)汽缶の付属品:ブロワー

【 「ブロワー」(Blower) 】

 「ブロワー」は機関車が停止せるとき、すなわち蒸気を使用せざるとき、通風(draught)を発生せしむるために使用せらるるものにして、この目的を達するには新鮮なる蒸気を煙突に噴出せしめ、もって放出蒸気と同一の働をなさしむるにあり。

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 第 1515図に示すは英国形機関車に属する「ブロワー・コック」にして、「スモーク・ボックス」の外部左側に取付けられ、蒸気は「ドーム」より細き管により汽缶の内部を経て「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」を貫き、「スモーク・ボックス」の内部よりこの「コック」に導かれ、これよりさらに「ブラスト・パイプ」の「ノズル」付近に導かれ、上部に向て煙突に蒸気を噴出するよう装置せらる。「コック」の開閉は「キャブ」内より長き「ロッド」によって操縦せらる。

 点火の際蒸気少しく発生したるときはこの蒸気を用ひ、「ブロワー」によりて通風を促せば迅速に蒸気の昇騰をみるべく、また点火の際これを使用するときは石炭ガスの「キャブ」内に逆流するを防ぐべし。しかれども「ファイア・ドア」を開きたるとき、過剰にこれを使用するときは寒冷なる空気を「ファイア・ボックス」に突入せしめ、「チューブ」その他蒸気の漏洩を来すの原因となるをもって、「ファイア・ドア」を開く時はかなり通風を減少せしむるに注意を要すべし。

 仕業を了りたる機関車の蒸気を点火すべき機関車の「ブロワー」に導くときは、速に蒸気の昇騰を促すことを得べし。故に「ブロワー・コック」には別に「ホース・パイプ」を取付くべき装置を施し置くを必要とす。

 

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2024年6月 4日 (火)

機関車工学:中巻(その296)汽缶の付属品:験圧計

【 験圧計(Pressure Gauge) 】

1514

 験圧計は汽缶内における蒸気の圧力を指示するものにして、第 1514図に示すは「ブルドン」形と称するものの一種に属し機関車用として普通使用せらるる形式とす。

 その主要なる部分は、隋円形の断面を有する真鍮または銅製の管 a、及び歯を有する「クォードラント」f、ならびにこれに咬合ふ「ピニオン」g にして、a の一端 b は c なる鋳物に取付けられ、k なる蒸気管に通ずる蒸気の通路に連結せられ、他端は d なる頭をもって閉塞せられ自由に運動し得べし。また d は e なる「ロッド」によって f の下端に連結せらる。f は m に中心を有するをもって、d の運動は直ちに e f g を通じて指針 P に伝はる様装置せらる。

 管 a は隋円形の断面を有するをもって、蒸気の圧力を受くるときはその断面円形ならんとするの傾向あるべし。その結果は円形に屈曲せる a 管を直線に延ばさんとするの傾向を生じ、もって管の一端 d は右側に運動せしむ。しかして d における些少の運動は前記器械的装置によりて数倍せられ、もって指針をして明かにその運動を示さしむるものとす。

 験圧計は汽缶内蒸気の圧力を指示する重要なる計器なるをもって、試験器によって時々その正否を試験するを必要とす。もし圧力の誤差が各圧力を通じて一様なるときは、単に指針の位置を換へてこれを訂正し得べしと言えども、もしその誤差が不同なるときは h における連結位置を換へ、もって指針運動の倍数を変更するを要すべし。その不正なるものは多く圧力なきとき、指針がゼロポンドを示さざるをもって発見し得べし。

 

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2024年6月 3日 (月)

機関車工学:中巻(その295)汽缶の付属品:験水計

【 験水計(Water Gauge) 】

1512

 「ウォーター・ゲージ」は缶内の水量を指示するために備へらるるものにして、第 1512図に示すがごとく上下に「コック」を有し、「ゲージ・グラス」と称するガラス管によって相連接せり。下部の「コック」A は缶内の水を導き、上部の「コック」B は缶内の蒸気を導くものにして、両「コック」を開放するときはガラス管内において汽水相出合して一つの境界を生じ缶内汽水の位置を知ることを得るなり。通常二組の「ウォーター・ゲージ」を備へ、もって相互ひにその正確なるや否やを比証するに供せり。

 米国にては「ウォーター・ゲージ」を一組を備へ、また「テスト・コック」と称する簡単なる「コック」3個を備へて他の一組を代用せしむ。「テスト・コック」はガラス管を有せず、その上部の「コック」を開けば蒸気を噴出すべく、下部の「コック」を開けば水を噴出すべく、中間の「コック」を開けば水または蒸気を噴出するをもって、これによって汽水の位置を試験することを得るものとす。

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 第 1513図は英国において多く使用せらるる形式にして自働「バルブ」と称する「ボール・バルブ」を備ふ。この「バルブ」は平常はその自重によって図に示せる位置にあれども、ガラス管破損したる場合には水の噴出に伴ひ跳ね上げられて自働的に管の下部における孔道を閉鎖するものとす。けだしガラス管は往々破損することありて、蒸気はなはだしく噴出するに当り「コック」を閉鎖するははなはだ困難なるものなれば、「コック」の閉鎖は必ず自働的なるを要すべし。またガラス管の破損せるときは蒸気噴出して機関手の火傷することあるをもって、ガラス管の前面には相当の隠覆を備るを良とす。

 

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