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2021年6月の記事

2021年6月30日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その27)燃 焼

第3章 燃 焼

1.燃 焼

 一般に燃焼とは、物体の分子間に激しい化合作用を起こし、熱と光とを発する現象を言い、普通に言う燃焼とは、物体中の可燃物と空気中の酸素との化合を言うのである。

 総じて可燃物が燃焼するには可燃物の種類に応じ、ある一定の温度を要するものであるから、燃焼を起こさせるためには、まず外部から熱を与えて化合を誘導し、絶えずこの温度を保たねばならぬ。かく燃焼に要する最低の温度を物体の発火点と言い、主なる燃料の発火点は次のごとくである。

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 可燃物すなわち、燃料と酸素および温度の3つは、燃焼に必要欠くべからざる要素で、このうちいずれの一つが欠けても燃焼を起こすことなく、例えばいかに燃え易い物体といえども酸素の供給が無いとき、あるいはその温度が発火点に達しない時は、燃焼を起こさず、また燃焼中の物体に酸素の供給を絶てば即座に消え、あるいはその温度を冷却せしめてもまた、たちまち消火するものである。

 燃料は燃焼するに当たって、焔と光とを発するのが普通である。焔を生ずるのは燃料が最初よりガス体であるか、または燃焼中にガスを発生するためである。
 
 光はその燃え方により、時として発生しないことがある。例えば燈火用石炭ガスに、十分な空気を混じて燃焼させるときは光を発するが、燃焼用ガス管の一端に点火しても光を発せずに燃焼する。

 その光を発するのは、燃焼の熱によりガスの一部分が分解せられて炭素を分離し、その遊離炭素が焔の中に入り赤熱せられるがためであって、光の強弱は温度の高下には全く無関係のもので、例えば水素が燃焼する場合には、ほとんど光を発せざるも、その温度は極めて高いものである。

 

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2021年6月29日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その26)ホネコムの防止

6.ホネコム(Poneycomb)の防止

 内火室煙管口端や天井控頭に付着する燃滓様のものをホネコムと称し、火屑や灰の熔融によって発生するクリンカーと区別しているが、その発生原因は大体同様のものである。

 しかし従来煉炭の場合は特に多く発生するので、あたかも煉炭と因果関係があるごとくに考えられたが、事実煉炭の場合が多いので、粘結剤たるコールタールピッチまたは揮発分のタール分が、通風によって飛び上がって、煙管口端に着いたところに火床上から灰が飛散して来て、これに付着し火室内の高温度によって灰が熔融し、漸次これが増大するものと考えられ、今なお研究中のものである。

 なお現在までの研究過程によると、揮発分中のタールまたは煉炭粘結剤のタールの発生模様、灰の熔融温度、火室温度、煉炭の単位時間における燃焼量等の諸条件によって、発生量に差異を生ずるものと言われている他、供給空気の湿度、配合原料の組合せいかんにも左右されるものとされているが、未だ確たる結論は得ていない。

 従ってこれが防止対策も適確ではないが、缶板および煙管漏洩防止、天井控頭の丸め潰し、煙管口に挿入するフェルール(ferrule:はめ輪)の撤去、微粉炭の混入防止等によって発生量を減少せしめると共に、石炭との混炭、洗缶の際は付着部分の磨き掃除の励行等も効果がある。

 さらに乗務員は、常に適度の撒水によって微粉をよく吸着して燃焼せしめ、また努めて一時的多量投炭を避けることも、ホネコム発生防止に効果がある。

 

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2021年6月28日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その25)煉炭の焚火法

5.煉炭の焚火法

 煉炭と石炭とが相違する著しい点は、揮発分と固定炭素の含有量で、煉炭は普通の石炭に比し固定炭素の量がはるかに多く、揮発分は反対に少ない。これがため自ずから焚火法にもまた多少の相違を生ずるものである。

 揮発分の多い石炭を一時に多量投入すると、火床の通風が悪くなるばかりでなく、投入後、一時に多量の揮発分を放出するから、空気の供給に不足を来たし、揮発分の大部分は未燃焼のまま煤煙となって噴出し、石炭が非常に不経済となるから、可及的少量ずつしばしば投入せねばならぬ。

 これに反し煉炭は揮発分が少なく、且つ形が均一であるから、一時に多量投入するもかような心配は少なく、むしろしばしば焚口戸を開くことは、却って火室内の温度を降下せしめる不利があるとさえ言われている。

 また一方、揮発分の少ない事は、普通の石炭に比し燃え着きが悪いのであるから、長い惰行運転、または停車中においては常に火床に注意を払い、投炭の時期を誤らないよう注意せねばならぬ。

 ドイツハルツ鉄道の焚火法によれば、急勾配においては発車の際、一時に300~350キロの煉炭を投入し、途中風戸と注水器により缶圧力を調整していく方法を採り、従来提唱されていた小量投炭法よりも、却って好結果を挙げたという実績に鑑みても、煉炭では普通石炭のごとく、必ずしも少量ずつ投入するの必要がないものと考えられ、これが優劣に付いては研究を要する点が多々ある。

 

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2021年6月27日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その24)煉炭の製造法

4.煉炭の製造法

 煉炭の原料は大きさ10ミリ以下の無煙炭、または有煙炭の粉炭が最良である。これらの原料炭を使用目的により2種または数種配合し、これを圧し固めて塊状と成すのであって、粘結剤としては、現在コールタールピッチ(石炭を高温乾留してコールタールを得るときに最後に残る物質)が最良である。

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 ピッチを粘結剤として煉炭を作るには、原料炭に約10%のピッチを混ぜて配合機に入れて混合し、これをコンベアーにより粉砕機に送る。石炭とピッチはここにて微粉に砕かれ、これをさらにエレベーターにより混揑機(こんねつき:ミキサー)に送る。

 混揑機には缶から蒸気が導いてあって、原料の周囲から蒸気を吹き付けて熱し、ピッチを溶解せしめ、これをロールに送り所要の形に圧し丸めて煉炭と成すのである。

 

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2021年6月26日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その23)煉炭の利点

3.煉炭の利点

 煉炭が天然の石炭に比し優れている点を、燃焼状態よりいえば、

(1)形状が一定するため、通風および火床の状態がすこぶる良好で、燃焼状態が良好である。

(2)燃焼中、崩壊すること少なくシンダーの発生が少ない。

(3)形状と大きさが均等なるため、揮発分の発生が規則正しい。従ってガスの燃焼状態が良好である。

(4)揮発分が少ないから、燃焼率が大なる場合でも黒煙の発生が少ない。

(5)固定炭素が多いから火持ちが良く、蒸気の騰発が良好である。

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 この他、煉炭の特徴としては、

(1)使用の目的に応じ配合を変え、所要の成分と発熱量とを有するものを作ることができる。

(2)形状、大きさおよび重さを自由に加減することができる。

(3)貯炭中に風化作用を受けることが少ない。

(4)取扱いが便利で積卸しの際、粉炭を生ずることが少ない。

 なお煉炭の工業分析表を示せば、前ページのごとくである。
 

 

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2021年6月25日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その22)煉炭の具備すべき性質

2.煉炭の具備すべき性質

 煉炭として必要な性質は

(1)規則正しい形状と適当の大きさを有すること。

(2)堅くて取扱いの際、破壊せぬこと。

(3)火着きおよび火持ちが良く燃焼の際、煤煙を発せぬこと。

(4)灰分が少なく燃焼の際、破砕し、あるいはクリンカー(clinker)やホネコム(パニカム:poneycomb)を生ぜぬこと。

(5)発熱量が大なること。

(6)取扱いが容易で貯炭に耐え、風化せぬこと。

(7)個々の成分および重量が均一なこと。

 煉炭の形状と大きさは運搬、貯蔵、取扱いおよび燃焼状態等を考慮し、適当に定められるもので、形の小さいものは扱いやすく、急速に且つ完全に燃焼する利益があるが、一方粉炭を生じやすく、且つ機関車の炭庫のごとく限られた場所に積むには、積載量を減ずる不利益がある。また大なるものは投入の際、割って焚かねばならぬ不便があるのみならず、その際、多量の粉炭を生ずる不利益がある。

 次に形に付いていえば、卵形のものは粉炭を生ずる事は少ないが、積み上げたる場合転落するばかりでなく、通風が強いときは火室の前方へ転がっていく欠点があり、また角形のものは角が破損して粉炭を生じやすく、研究の結果、機関車用としては第5図(ロ)のごとく、1個の大きさが50グラム位なマセック形が最も適当な様である。

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 煉炭の堅さを要求するのは取扱いの際、摩擦により粉炭を生じ、あるいは破損するのを防がんがためで、燃え着きを良好にするためには、相当の揮発分を含有せしめねばならぬが、揮発分の多いものは一面煤煙が多いから、煤煙の発生を可及的少なくすると同時に、また火着きをも良好にするためには、煉炭中の揮発分は固定炭素の 2分の1 ~ 3分の1 位が適当である。

 この他、発熱量が大で灰分が少なく、またクリンカーやホネコム(Poneycomb)等をも生ぜぬことが必要で、鉄道省においては煉炭の成分に付き、次の様な規格を定めている。

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 煉炭の強度はトロンメル試験機によって、粉化させたるときの塊炭量の資料に対する100分率で表わす。トロンメル(trommel)とは、粉化させる場合に使用する器具の名称で長さ500ミリ、直径500ミリの鉄板製円筒で、内部周壁に沿って長さ500ミリ、幅30ミリの3枚の羽根を有し、2分間に50回の一定速度で回転し、試料5キロを衝撃および摩擦によって粉化せしめ、これを18.85ミリ目のふるいで塊粉を分ける。すなわち

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2021年6月24日 (木)

機関車の構造及理論:下巻(その21)煉炭の目的

第2章 煉 炭

1.煉炭の目的

 煉炭とは、石炭に加工を施し圧力を加えて固めたもので、これを作る目的は次の通りである。

(1)機関車用缶の燃焼に適応した燃料を作る。

(2)煤煙または悪臭を発せず、良く燃焼する良質の硬い燃料を作る。

(3)石炭を採掘する際、また取扱い中に生ずる粉炭を利用する。

(4)単独には発熱量の少ない石炭でも、これを適当な種類のものと混合し燃焼を容易にし、且つ発熱量を大ならしめる。

 

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2021年6月23日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その20)石炭の混炭使用に付いて

10.石炭の混炭使用に付いて

 石炭の種類はすこぶる多いが、その種類の異なると同様、その性質も相違するものである。故にこれら異種の石炭を適当に混合使用するときは、その種類の有する特異の燃焼条件が長短相補って、相当に良い成績を示す場合が少なくない。それはちょうど、合金を造る金属がその両者の平均性質より、はるかに良い性質を表す事にも似通っている。

 石炭混合使用の問題は第4回運転研究会で議論され、その結果、品川機関区に5500形式機関車を据付け、実際試焚して混炭使用に適する炭種ならびに混合割合の研究を成したのを初めとし、他の鉄道局においても、列車牽引機関車に試焚して混炭の研究を成した。

 これらの結論として未だ決定的なものは発表されてないが、大体次のごとく見られている。

(1)粘結性と不粘結性の石炭を混合すると、一般に有利な結果が得られる。

(2)良質炭と粗悪炭の混合も有利である。

(3)混合炭種の混合割合は 40:60、またはその逆付近が最も経済的の様であるから、まず等半混合とすることが妥当である。

 混炭の利益は大体最良の場合で5%位と見られ、2~4%位が普通であるが、炭種によっては却って不利益の場合もあるわけであるから、混合炭種の選定が何よりも必要な事である。

 しかしていよいよ混炭の有利なことがわかっても、燃焼率、機関車形式、運転状態等によっても若干は相違するから、据付試験に表われる利益が実際運転に使用して直ちに表れるかどうかは、多少の疑問なきを得ない。

 また実際運転に使用して有利な事がわかっても、炭台設備の実情から十分なる混炭を実施することは困難であり、且つまた混炭可能なる場合においても、かかる炭種の配給が十分円滑に行われる事はかなり難しいことである。

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 第4図は混炭試験に表れた成績図の一例で、a炭と b炭との混合割合を変える事により、消費石炭量は一種の曲線となって表れる。すなわち混炭しても何ら損益なき場合は直線となるべきはずで、曲線になったという事は損益の表れた証拠で、直線よりも上回りするものは、不利なることを示し、下回るものは有利なる事を示すものである。

 しかしてイ図は据付機関車で焚火試験されたものであり、ロ図は本線列車で試験された成績である。

 

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2021年6月22日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その19)粉炭の混入による経済性に付いて

9.粉炭の混入による経済性に付いて

 石炭としての炭価から言えば、同一発熱量のものにおいて粉炭よりも塊炭の方が高価であり、換算率も塊炭の方が高い。しかしながら実際の運転焚火に当たっては、ある程度粉炭を混入した方が却って蒸発水量も多く、且つ焚火作業も容易である。

 いかなる程度の粉炭混入が最も経済的であり、焚火作業にも容易なるかに付き、試験された成績概要は次のごとくである。

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 使用機関車形式、線路状態、列車種別および石炭の種類により、かなり相違するから、一概に何%が最も有利であるとは断言できないが、一般のものに付き概括的に見て、粉炭混入量は10~30%程度が最も経済的であり、混入量は50%を最大とし、それ以上にわたる事は著しく不経済となる。

 

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2021年6月21日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その18)石炭の吸水量

8.石炭の吸水量

 石炭は固有水分として、その石炭ごとにほぼ一定の水分を有する他に、その表面またはその近くに絶えず多少の水分を保有している。これは石炭が坑内から地表に搬出される際、既にある程度含有されているが、さらに選炭作業、貯炭中、または運搬中など第二次的に加わるもので、完全に乾燥した石炭というものは実際問題としてはほとんどあり得ない。

 従って石炭を売買する場合、またはその他の場合においても、石炭の重量に関しては絶えずその表面水の量、すなわち湿潤の程度および状態が考えられねばならぬ。

 石炭が表面水として水を吸蔵するには、二様の状態が考えらえる。すなわち単独に存在する炭塊または炭粒が、その表面および割れ目等に吸蔵するものと、多くの炭塊または炭粒が累積する時に前者の他、さらにその相互間の隙間に保有されるものであって、前者は炭質と炭粒の大小によって異なり、後者は炭塊および炭粒の大小と、その混合割合によって相違する。

 以下は研究所において調査された石炭吸水量の成績概要である。試験方法は布袋中に所定石炭を入れ、これを石油缶中に満たした清水中に浸し、一夜放置して引き上げ、1時間空気中に吊るし置きたる後、坪量し、次に再び清水中に2時間沈めたる後、引き上げて、1時間空気中に吊るし置きしたる後、坪量し、数回繰り返してその平均を求めたものである。

 もっとも布袋自体は別途同一形状として、同一条件の下に坪量して引き去り、石炭自体の吸水量のみ測定したものである。

 その成績は次図のごとくで、試験の結果から次のことが言われる。

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(イ)石炭の粒の大きさが等しい時であっても、炭質によって吸水量を異にする。

(ロ)炭質の如何を問わず粒子が小さくなるに従って、その吸水量は双曲線的に増加する。

(ハ)同一の粒子のものが集積した場合と、1個の粒子の場合との吸水量の差は、炭質によって相違するがあまり著しくはない。すなわち炭粒集積によって保有される水量は、ごく小量なものである。

(ニ)1個の炭粒の場合に粒子の大小にかかわらず、単位表面積上の吸水量はほぼ等しい。従って粒子が小さくなるに従って吸水量が増加するのは、粒子が重量に比して、表面積が漸次増加する結果に他ならぬ。

(ホ)2種以上の石炭粒子の混合炭(例えば塊粉混合)の吸水量は、小さい粒子の量が多くなるに従って吸水量が増加するが、その増加の割合は理論的計算値より最初は多く、後は少ない。

 石炭の吸水量は図によってわかるごとく、最大7%以内であるが、これは十分水切れした状態のものであるから、石炭に撒水したる直後とか、あるいは雨に濡れた直後においては、さらに多量の水分を含んでいるものである。

 

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2021年6月20日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その17)石炭の換算率算式

7.石炭の換算率算式

 石炭には種々の種類があり、その発熱量や燃焼の状態に相当の差異がある。すなわち発熱量が同一であっても、機関車用燃料としての効果は必ずしも同一でなく、火力の強弱、焔の長短、着火力の早遅等、燃焼の条件がかなり相違する。故に標準炭を決めて、これに対し機関車用燃料としての効果を比較し、その割合を求めたものが石炭の換算率である。

 機関車に対する使用燃料の多寡を比較研究する場合、使用石炭の実キロにその換算率を乗じ換算キロとすれば、直ちに比較することができて便利であり、また機関区で初めて使用する炭種に付いても、その換算率の判明している事は、機関車用燃料としての価値が判明している事であるから、その配給ならびに使用計画等にもはなはだ便利である。

 鉄道省における石炭換算率の算式は次のごとくで、試焚成績と発熱量とを加味して計算された試験率に、種々の斟酌を成して決定される。

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 D・・・試験率
 A・・・平均分析率(年間の平均発熱量を8200で割ったもの)
 B・・・試験換算率
 C・・・試験分析率(試焚時の発熱量を8200で割ったもの)

 (注)8200カロリー標準炭(換算率100)の発熱量である。

 

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2021年6月19日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その16)石炭の仕様書

6.石炭の仕様書

 鉄道省における石炭の仕様書は次のごとくにして、省で購入される石炭がこの基準に合格する事を要するのは言を待たぬところである。

(1)石炭は精選したるもので、契約当初協定せる品質より劣らざる事を要する。

(2)石炭は最近採掘したるもので、長期にわたり貯炭しておったものでない事を要する。

(3)石炭は品質が一定で乾燥しており、岩石や頁岩(けつがん:shale)その他の夾雑物を含まない事を要する。

(4)塊炭は粉炭を含まないこと。ただし積込みまたは輸送中、必然に生じたるものと認められる粉炭は検査の結果、坑所納めのものは全量に対し1割、場所納めのものは2割まで混入を許容する事がある。

(5)切込炭は坑所選出の塊粉半々混入したることを原則とし、検査の結果粉炭は全量に対し5割を超過してはならぬ。

(6)前2号の塊粉混合の割合は、坑所納めにあっては直径18ミリ丸目ふるい、場所納めにあっては角12ミリ網目ふるいにてふるい分け検査をする。ただし北海道坑所納めは直径15ミリ丸目ふるいによる。

(7)粉炭はできる限り微炭を含まないこと。

(8)石炭発熱量は「 」カロリー以上保証すること。

(9)石炭灰分は「 」%以下を保証すること。

(10)容積により検査する場合は一立方メートルに付き「 」キロとする。

  (※)「 」内は炭種によりそのつど明示するものである。

(11)坪量により検査する場合は、石炭試験法により測定したる湿分に相当する量の濡引をする。

 

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2021年6月18日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その15)石炭の風化、石炭の等級と重量

4.石炭の風化

 石炭は採掘後、長く貯蔵するときは空気中から酸素を取って漸次酸化するもので、これを石炭の風化という。風化作用は常温においても絶えず徐々に進行し、湿度の高い時はいっそう激しい。

 一般に炭化の若い石炭ほど風化の激しいものであるから、水分の多い褐炭はかなり風化作用を受けるが、無煙炭はほとんど風化する事がない。なお、粉炭は塊炭に比し酸化表面積が大きいのと、空気の流通が悪いため、内部に熱を貯える程度が大であるから、塊炭に比し風化作用も大である。

 風化作用が起こる原因は2つある。その1つは石炭中の黄鉄鉱の酸化で、他の1つは石炭中の炭素および水素の直接酸化である。黄鉄鉱の酸化が風化の原因であるという事は、古くから唱えられたる事で、この作用はいっそう風化を促進せしめる作用を有し、石炭の容積を増し、炭質を不良ならしめる。

 炭素および水素の直接酸化は、石炭の発熱量を著しく減少せしめ、光沢ある石炭が褐色または灰白色となるのはこの作用によるのである。

 風化により石炭の発熱量が減少する程度は、石炭の種類によって異なるのはもちろん、貯蔵の方法、塊粉等の状態、気候風土等によっても異なり、実験の結果もまちまちであるが、一般に採掘当初はきわめて迅速で、時日の経過と共にその割合が小さくなり、1ヵ年経過後において少ないものは3%位、はなはだしいものは20%位減少すると言われている。

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 第1図はかって官房研究所で行った風化作用を、調査した試験成績の一部を示したもので、供試石炭は坑所より直接に可及的早く取り寄せ、これを2つに分け、1つは日光風雨にさらし、他は日光を遮って試験したのである。図中太線は日光を遮った場合、点線は日光風雨にさらした場合の実績である。

 これによると、風化は風雨にさらした場合の方が大で、両者とも採掘後4カ月位までが最もはなはだしく、その後は比較的徐々である事がわかる。

5.石炭の等級と重量

 本邦産石炭はその炭質によって、甲乙丙丁の4種に大別することができる。これらの表示方法は次のごときもので、従来しばしば用いられたが最近はあまり用いられない。

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2021年6月17日 (木)

機関車の構造及理論:下巻(その14)石炭の粘結性

3.石炭の粘結性

 石炭が燃焼する際、粘結するものとしからざるものとがあって、前者を粘結炭、後者を不粘結炭と言い、粘結する性質を粘結性と言う。

 石炭に粘結、不粘結の差異が起こる主なる原因は、その中に含まれている粘結性分の多寡によるのであるという事だけは、多くの学者によって認められるところであるが、さらに進んだ研究に付いてはまちまちである。

 石炭の粘結性は一般にネバル(粘る)と言われ、往々クリンカーと混同せられることがあるが、クリンカーと粘結とは全く別のもので、後者は灰が熔解するために生ずるものである。

 粘結性の石炭は揮発分の放出が容易であり、且つ燃焼の際、粉炭が互いに結合し合うためシンダーとなって飛散し、あるいは灰箱に落下する損失が少ない利益があるも、粘結性の過大なるものは熔けた石炭が火床を覆い通風を害し、燃焼がすこぶる困難であるから、機関車用としては不適当である。

 

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2021年6月16日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その13)石炭の分析および成分(4)

(2)元素分析

 石炭の元素分析とは、石炭中の水分と灰分を除いた残りを元素に分析する方法で普通、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄および燐等に分け、主として学術上の研究に用いられ、実用としては発熱量の計算に用いられる。

 この分析による炭素とは固定炭素はもちろん、揮発分中に含む炭素をも含むものである。水素は炭化水素および水分として石炭中に含有するものであるが、このうち水分として含まれている水素は、発熱上効果のないものであるが、炭化水素は多量の熱を発生するものである。

(イ)石炭中の酸素

 石炭中に酸素の存在する事は非常に損である。全て燃焼とは可燃物と空気中の酸素との化合を言うのであって、石炭中に存在する酸素は遊離の状態、すなわち酸素そのものとして存在するものでなく、必ず化合物として入っているものであって、これら化合物は既に燃焼を終えたものであるから、石炭中に酸素化合物が存在する事は、すなわち燃えカスが入っている事である。仮に酸素化合物が分解せられ再び燃焼するとしても、燃焼によって生じただけの熱が分解に費やされるから、やはり差し引き何らの利益がない。

 酸素の化合物として最も多量なものは水である。それゆえ分析表によって発熱量を計算する場合には、水素の量より酸素と化合して水となる量を減ぜねばならぬ。

(ロ)硫 黄

 硫黄は多く黄鉄鉱の形で含まれ、その含有量は大体 0.5~3%である。石炭中に黄鉄鉱が含まれているときは燃焼の際、酸化鉄を生じ、クリンカーの生成を促すものであるが、有機質の硫黄はこの傾向が無いから、硫黄分の多いこと必ずしもクリンカーの生成を意味するものではない。

 石炭中に硫黄分の多い時は、亜硫酸ガスを発して悪臭を放ち、これが冷却する時は水と結合して亜硫酸となり、さらに硫酸となるから隧道通過等の際、乗務員の眼を刺激しその作業を困難ならしめる。

 以上、要するに硫黄は普通の含有量では、燃焼上特別の悪影響は無いが、黄鉄鉱として含まれているときはクリンカー形成の原因となり、また亜硫酸ガスの発生により乗務員の作業を困難ならしめるから、硫黄分の多量なる石炭は、隧道多き線路に使用するのはあまり好ましくない。

 

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2021年6月15日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その12)石炭の分析および成分(3)

(ハ)固定炭素

 固定炭素は空気中の酸素と化合して、一酸化炭素(CO)または炭酸ガス(CO₂)となる。この場合、空気の供給が十分なときは炭酸ガスとなるが、不十分な場合は無色な燃焼性の一酸化炭素となり著しく発熱量が減少する。

 しかしていったん酸化炭素となったものも、さらに十分なる空気を補給すれば炭酸ガスとなり、またいったん炭酸ガスとなったものも火床を通過する際、空気の供給が不足するときは、一酸化炭素に還元するものである。発生熱量としては、最初より炭酸ガスになる場合も、またいったん一酸化炭素となり、さらに空気の供給を受け炭酸ガスとなる場合も何らの相違がない。

(ニ)灰 分

 灰分とは、燃焼により後に残る部分を言い、その量は普通5~25%位で、一等炭と称する石炭でも、なお5~7%の灰分を含有している。灰分は不燃物であるから、燃焼の点からいえば全く無用のもので、石炭の発熱量を減じ、これあるがために運搬費を高め、その取捨に人手を要するのみならず、熔融点の低い灰はクリンカー(clinker)を形成し燃焼を困難ならしめる不利益がある。

 灰分は主として硅酸(ケイ酸)と礬土(ばんど:酸化アルミニウム)とより成り、この他に硫黄化合物および酸化鉄を含んでいる。酸化鉄は灰の媒溶剤として作用し灰を熔解せしめ、且つケイ酸、石灰および酸化アルカリ等と結合してクリンカーを生成し、通風を妨げ燃焼を害する。

 また灰の中に石灰の存在するのは、石灰中に含有する酸化石灰が熱のため炭酸ガスを生じ後に石灰を残すためで、石灰そのものは何ら害の無いものであるが、石灰は酸化鉄の媒溶剤であるから、酸化鉄の熔解を助け、いっそうクリンカーの成生を容易ならしめる害がある。

 灰の色には白、黄、漆黒、鳶、赤等種々あるが、この色は成分の混じり具合によって生ずるもので、その色によって灰の熔融点の大体が判断できる。従ってクリンカー生成の点も大体推定ができる。

 白色のものは大部分がケイ酸と礬土から成るもので、熔融点が比較的高いからクリンカーを生成することが少ない。無煙炭は多く白色である。

 赤色のものは石炭中に酸化鉄を含むがためで、参加鉄は灰の熔融点を低めるから、灰の色が赤い石炭はクリンカーを生成しやすい同時に、また硫黄の含まれていることを示すものであるが、石炭中に硫黄を含有するがため灰の色が赤色となるのではない。

 鉄分を大量に含む石炭は、空気の供給が不十分な時の灰は、多く黒色または鼠色となり、クリンカーを形成する時は鉄とケイ酸と結合し、ケイ酸鉄を作り黒色または緑色となる。

 

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2021年6月14日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その11)石炭の分析および成分(2)

(イ)水 分 

 石炭中の水分の量は石炭の種類によって著しく異なり、一般に生成年代の新しきものほど大である。また同一石炭でも採掘当時は多量の水分を含有するも、空気中に放置すると蒸発して漸次水分の量が減少し、あるいは空気中より水分を取りその量に増加を来すものである。それゆえ石炭を比較するには、採掘せられたる新鮮な材料を使用するのが良い。

 石炭中に含有する水分は、瀝青炭に在りては5~6%位までなるも、褐炭は8~15%位で、その大部分は単に湿気として存在するも、一部は化合水として含有せらる。前者は摂氏105度にて1時間熱すれば全部蒸発するも、後者は水そのものとして存在するものではなく、一種の化合物として含まれ、燃焼の際はじめて水となる部分で、生成年代の新しい石炭ほど大である。

 石炭中に存在する水分の大部分は石炭が燃焼する際、蒸気となって煙突より逃げ去るものであるから、この水分を排出ガスと同温度の蒸気に化するため、それだけ石炭の発熱量を減少せしめるものである。

 しかしもっぱら実際においては、必ずしもそれだけ石炭の発熱量を減ずるものではない。その理由は燃焼の際、一部の水は複雑なる化合および分解作用を成し、化合の際生じたる熱量は、分解の際再び費やされるから、一見差し引き損得の無いことになるが、分解および化合により石炭の燃焼を助ける効果があり、且つ適度の撒水を行えば、乾燥せる粉炭の飛散するのを防ぎ、且つ強き通風により粉炭が未燃焼のまま、煙突外に排出せられるのを防ぐ効果があるから、単に燃焼の点のみより考えれば熱損失となるものであるが、他の方面において利益を挙げ得ることになる。しかし過大なる撒水は石炭の損失となることは言うまでもない。

(ロ)揮発分

 揮発分とは石炭を熱した場合に出るガス状物質の総称であって、すなわち、水素沼気(しょうき:メタンを主成分とする有機物の腐敗ガス)、オレフィアントガス(olefiant gas)、ベンジン(benzine)、その他、窒素化合物および硫黄化合物等の混合物である。

 石炭が燃焼する際、長い焔を生ずるのは揮発分が燃焼するためで、これらの揮発分中、最も多量なるは水素と沼気で、燃焼の際、水素は空気中の酸素と化合して水蒸気となり、炭素は酸素と化合して炭酸ガスとなる。また硫黄化合物中の硫黄は、酸素と結合して亜硫酸ガスとなり、さらに水素と化合して亜硫酸となる。

 炭化水素の燃焼温度は化合物の種類により異なり、480~650度に達したとき、炭素と水素とに分解せられ、やや透明な青き焔を発して燃焼し、炭酸ガスと蒸気とになるが、空気の供給が不足する場合、または火室内の温度が低いときは不完全燃焼をなし、黒煙となって排出され各部を汚損し、乗客に不快の念を与えるのみならず、発熱量を減じ、石炭が不経済となるをもって、揮発分を完全に燃焼せしめるには絶えず十分な空気を供給し、且つ火室内を高温に保たねばならぬ。

 

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2021年6月13日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その10)石炭の分析および成分(1)

2.石炭の分析および成分

 石炭の成分を表すに、最も普通で且つ簡単にその性質を表す方法に、工業分析法と元素分析法との2種がある。

 石炭の工業分析とは、その成分を水分、固定炭素、揮発分および灰分の4種に分析するのが普通で、これにより概略の可燃物と不燃物の量を知ることができるから、主として工業上の目的に必要である。元素分析とは石炭中の灰分を除きたる残りの成分を、各元素に分析する方法で、主として学術上の研究に用いられる。

(1)工業分析法

 工業分析では、まず粉末状態にした試料から一定量(ふつう1グラム)を精密に坪量(はかり及び分銅で質量を計る)して皿に乗せ、これを電熱器により摂氏105度に保たれた円筒竪形グリセリン乾燥器に入れ1時間熱し、石炭中の水分を(化合水を除く)ことごとく蒸発せしめた後これを取出し、冷却後坪量りし、先に入れたる時との重量差をもって水分とする。

 灰分を求めるには、先に水分測定に使用した試料を電気炉の燃焼管中に入れて電流を通じ、摂氏750度にて約30分間ほど熱すると、石炭は全く燃焼し灰となるから、これを乾燥器中に入れ冷却した後、坪量しその量をもって灰分とする。

 次に揮発分を測定するには、試料1グラムを白金製ルツボに入れ軽く蓋をなし、最初弱い焔をもって熱し、揮発分および水分の急激な逸出が終わったとき、軽く蓋を叩いて空気の侵入を防ぎ、ニクロム線電気炉にて7分間摂氏950度に熱し、冷却後坪量し、その減少量より水分を差し引いたものをもって揮発分とする。

 かようにして水分、灰分、揮発分を知ればその残りの量は骸(残)炭分であるから、これから灰分を引き去って固定炭素とし、これらの各重量を百分率で表示する。しかして分析表においては、硫黄分は揮発分と灰分との両者に含まれているため、表中の各項を累計するときはこれを除かねばならない。かくしなければ100%を超過することになる。すなわち

         水分+灰分+揮発分+固定炭素=100%

 以上は鉄道省における工業分析法の大略であるが、時として硫黄の量をも加える場合がある。

 石炭の性質を知るには工業分析で十分であって、石炭としての価値は灰分、揮発分および固定炭素の量により支配せられるものである。次表は国有鉄道において使用する、運転用主要石炭の工業分析を示すものである。



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2021年6月12日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その9)石炭の分類(2)

(3)瀝(歴)青炭

 ふつう石炭と称するのは、実にこの歴青炭を指すものにして、黒炭、真正炭、有煙炭または脂質炭等と呼ばれることがある。褐炭の炭化が進んだもので、その色は黒色で光沢を有している。これを乾留(蒸焼きにして揮発分をガスとして追出しコークスを残す操作)する時は多量のコールタールを生ずるをもって、歴青炭の名があるのである。その産額最も多量にして、我が国の北海道および九州炭等はこれに属す。

 炭素の含有量が多く、また多量の揮発分(30~40%)を含んでいるから燃焼の際、長き焔を生ず。機関車用燃料としては最も適当な石炭であって、燃焼の状態により次のごとく分類せられる。

 (a) 長焔不粘結炭
 (b) 長焔粘結炭
 (c) 中焔粘結炭
 (d) 短焔粘結炭

 長焔不粘結炭は燃焼の際、長き焔を生じ粘結しないから、機関車用燃料として最も適当である。

 長焔粘結炭は前者と異なり、燃焼の際、膨張して粘結するから、その程度の少ないものは機関車に使用し得るも、斯く種石炭は燃焼に際し多量のガスを発生し、多孔質の一塊となるをもってガスおよびコークスの製造に適当である。

 中焔粘結炭は長焔炭に比し火焔短く、且つ粘結性を有し粉末といえども、なお良く一塊となる性質がある。

 短焔粘結炭は火焔最も短く、粘結するをもってコークス製造に適するも、我が国には産出が少ない。

(4)無煙炭

 無煙炭は各種石炭中、生成年代の最も古いもので質硬く、漆黒色を呈し光沢を有す。固定炭素の含有量が極めて多量であるから、発熱量は多いが揮発分が少ないため燃え付きが悪く、燃焼に当たっては焔が短く、ほとんど黒煙を発せず、火室内にて熱を受ける時は細粉に破砕しやすいため、灰燼(かいじん)と共に落下する恐れがある。機関車用燃料としては不適当であって、主として煉炭と成し軍艦に使用せられる。

 

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2021年6月11日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その8)石炭の分類(1)

第1編 燃料および水

第1章 石 炭

1.石炭の分類

 石炭が古代の植物より生成したものであることは、もはや疑いのない事実であって、その当時は今日想像することができないほど植物が繁茂し、これが乾地または湿地に堆積し、地殻の変動により地中に埋没せられ、地中にて熱、圧力および微生物の作用を受けて分解し炭素、水素および酸素等の一部は炭酸ガス、水およびメタンガス等になって消失し、その結果、炭化して石炭となったもので、年代の古いほど炭化の程度が進み炭素の含有量が増し、質も硬くなり、水素と酸素との含有量が少なくなるから、その品質も優良である。

 石炭はその生成年代、成分、用途その他種々の方面から分類せられるものであるが、含有炭素の量により泥炭(でいたん)、褐炭(かったん)、歴青炭(れきせいたん)、および無煙炭の4種に分類するのが最も普通である。次表は鉄道省の分類標準によってその各成分を示したものである。

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(1)泥 炭
 泥炭は石炭中、最も生成年代の新しいもので、炭化前の植物の組織が容易に認められ、その色は褐色または黒色を呈し、外観海綿状または土塊状を成すものがある。

 泥炭は石炭となる第一段階のもので、未だ石炭と称すべきほどのものでないから、炭素の含有量は少なく60~80%の水分を含む。故にそのまま燃料として用いる事はできないから、水分が10~30%位になるまでこれを乾燥せねばならぬ。灰分は10~50%にして30%以上のものは燃料として不適当である。

 泥炭は機関車用燃料としてはもちろん不適当であるが、近来は乾燥して普通燃料として使用し、さらにこれに加工を施し燃料として使用することが研究せられている。

(2)褐 炭

 褐炭は泥炭の炭化が進んだもので常磐、山口、樺太の一部炭はこれに属す。その色は黒褐色を帯び乾燥せる時は粉砕しやすく、また風化しやすく空気中にて酸化し炭酸ガスを発生し、時として自然発火の現象を呈することがある。

 褐炭の特徴は水分の含有量が大なることで、時として10~40%を含み良く乾燥しても、なお10%前後の水分を含んでいる。炭化不十分なるため発熱量も少なく長焔を発して燃焼し、良質のものは機関車用燃料として使用せられるも、劣質のものは家庭用燃料として使用せられ、また最近では人造石油資料(低温乾留用=石炭を加工して得られる石油代用燃料)としても使用される様になった。

 

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2021年6月10日 (木)

機関車の構造及理論:下巻(その7)下巻目次(6)

第9編 曲線力学

第1章 概 論・・・・・・443

第2章 遠心力の作用・・・・・・443

 1.曲線路において内側ならび外側車輪上重量を示す一般式・・・443
 2.カントなき曲線路における運転速度と内側車輪上重量の減少・・・447
 3.曲線路を運転するに最も適当なるカント・・・450
 4.カントが過不足の場合における内外車輪上重量の変化・・・451

第3章 曲線通過に伴う回転運動・・・・・・454


第10編 制限速度

第1章 総 論・・・・・・457

第2章 曲線における制限速度・・・・・・457

 1.線路の分岐に付帯せざる曲線・・・457
 2.線路の分岐に付帯する曲線半径・・・459
 3.制限速度算定の基礎・・・461

第3章 下り勾配線における制限速度・・・・・・465

 1.下り勾配線における制限速度・・・465
 2.下り勾配の制限速度を決定するに必要な事項・・・467

第4章 車両の構造による制限速度・・・・・・469

第5章 列車の操縦方法による制限速度・・・・・・469

第6章 前途の状態その他による制限速度・・・・・・470


第11編 参考資料

第1章 動力車の将来に対する問題・・・・・・471

 1.交通機関としての鉄道・・・471
 2.高速度運転に付いて・・・472
 3.高速度運転と車両の形態・・・475
 4.流線型・・・477
 5.高速度運転とブレーキ・・・480
 6.機関車進展の動向・・・482
 7.蒸気機関車の改良・・・482
 8.高圧蒸気機関車・・・485
 9.タービン機関車・・・490
 10.ディーゼル機関車・・・492
 11.電気機関車・・・495
 12.内燃動車・・・497
 13.蒸気動車・・・505

第2章 機関車性能試験成績の概要・・・・・・505

 1.本線路における試運転成績・・・505
 2.試験台試験の成績・・・517

〔付録〕蒸気機関車機能表および主要機関車形式図表・・・・・・545


 -目次終り-

 

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2021年6月 9日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その6)下巻目次(5)

第6編 運転速度

第1章 列車速度およびその変化・・・・・・327

 1.列車の加速および減速・・・327

第2章 列車運転時分の計算方法・・・・・・330

 1.運転時分計算方法の種類・・・330
 2.ストラール氏の方法・・・332
 3.フェルテー氏の方法・・・363
 4.運転線図の描法に対する必要事項・・・369

第3章 機関車の最大許容速度・・・・・・374


第7編 列車制動

第1章 ブレーキの概念・・・・・・377

第2章 制輪子圧力・・・・・・377

 1.手ブレーキの制輪子圧力・・・377
 2.空気ブレーキの制輪子圧力・・・380
 3.空気の圧力および容積の変化に関する基礎知識・・・382
 4.制動管の減圧量から制動筒圧力を求める方法・・・385
 5.制動管所定圧力と最高制動筒圧力との関係・・・390
 6.制動筒圧力から制輪子圧力を求める方法・・・392
 7.軸制動率と全車制動率との関係・・・396
 8.制動率から制輪子圧力を求める方法・・・397
 9.列車の全車制動率を求める方法・・・400

第3章 摩擦係数・・・・・・402

 1.制輪子と車輪との間の摩擦係数の変化・・・402
 2.摩擦係数算式・・・406

第4章 制 動 力・・・・・・409

 1.制動力と粘着力との関係・・・・・・409
 2.下り勾配線において等速度運転をなすために必要な制動力・・・411

第5章 制動距離・・・・・・412

 1.空走時間および空走距離・・・413
 2.実制動距離・・・414
 3.全制動距離・・・418


第8編 列車の衝動

第1章 列車衝動の一般的理論・・・・・・425

 1.総 論・・・425
 2.衝動理論・・・425

第2章 列車衝動の実例およびその防止方法・・・・・・431

 1.空気ブレーキの取扱いによる列車衝動・・・431
 2.引張摩擦装置の影響・・・440
 3.加減弁または逆転機の取扱い方による列車衝動・・・442

 

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2021年6月 8日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その5)下巻目次(4)

第4編 列車抵抗

第1章 総 論・・・・・・257

 1.列車抵抗の種類・・・257
 2.列車抵抗の測定標準・・・258

第2章 出発抵抗・・・・・・258

第3章 走行抵抗・・・・・・261

 1.走行抵抗を起こす原因・・・261
 2.走行抵抗の一般式・・・267
 3.機関車の走行抵抗・・・268
 4.客車の走行抵抗・・・273
 5.貨車の走行抵抗・・・274

第4章 勾配抵抗・・・・・・279

第5章 曲線抵抗・・・・・・282

 1.曲線抵抗・・・282
 2.換算勾配・・・285

第6章 加速度抵抗・・・・・・287

 

第5編 機関車牽引定数

第1章 牽引定数の意義・・・・・・293

第2章 牽引重量・・・・・・294

 1.引張棒牽引力・・・294
 2.牽引重量・・・295
 3.均衡速度・・・298
 4.牽引重量を支配する要素・・・301

第3章 支配勾配・・・・・・304

 1.支配勾配の意義・・・304
 2.仮想勾配の意義とその求め方・・・305
 3.支配勾配の決定方法・・・309

第4章 上り勾配における牽引定数・・・・・・312

 1.運転区間の分割・・・312
 2.列車速度種別と支配勾配の均衡速度との関係・・・313
 3.形式別機関車の牽引定数・・・315

第5章 下り勾配における牽引定数・・・・・・315

第6章 牽引定数査定上考慮すべき事項・・・・・・316

第7章 牽引定数法の種類・・・・・・319

第8章 牽引定数の表示方法・・・・・・325

 

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2021年6月 7日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その4)下巻目次(3)

第3編 機関車牽引力

第1章 牽引力の一般式・・・・・・157

第2章 シリンダー牽引力・・・・・・160

第3章 缶牽引力・・・・・・163

 1.概 論・・・163
 2.本省運輸局式過熱蒸気機関車牽引力算出方法・・・164
 3.本省運輸局式飽和蒸気機関車牽引力算出方法・・・196
 4.ストラール氏の牽引力算出方法・・・204
 5.キーゼル氏の牽引力算出方法・・・219
 6.ボールドウイン機関車工場提案の牽引力算出方法・・・223
 7.官房研究所牽引力算出方法・・・225

第4章 動輪周牽引力・・・・・・227

 1.機関抵抗・・・227
 2.官房研究所の動輪周牽引力算出方法・・・230
 3.朝倉博士の過熱蒸気機関車の動輪周牽引力算出方法・・・231

第5章 粘 着 力・・・・・・241

第6章 指示粘着力とシリンダー牽引力との関係・・・・・・247

第7章 速度と牽引力との関係・・・・・・250

 1.牽引力が速度によって変化する理由・・・250
 2.シリンダー牽引力を発揮して運転し得る臨界速度・・・251
 3.計画粘着力を発揮して運転し得る臨界速度・・・253
 4.牽引力を制限する因子・・・254
 5.機関車の利用し得る牽引力・・・255

 

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2021年6月 6日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その3)下巻目次(2)

第2編 熱および蒸気

第1章 熱・・・・・・75

 1.熱と温度の測定・・・75
 2.熱量の単位・・・75
 3.比熱・・・76
 4.熱の伝播・・・78

第2章 仕事および工程・・・・・・82

 1.仕事・・・82
 2.エナジー・・・85
 3.回転力・・・87
 4.工程および馬力・・・88
 5.熱と仕事との関係・・・90
 6.熱機関の効率・・・91
 7.蒸気機関車の効率・・・92

第3章 気体の膨張と圧縮・・・・・・95

 1.ボイルの定則・・・95
 2.シャールの定則・・・97
 3.絶対温度・・・97
 4.気体の特性方程式・・・99
 5.比熱とガス常数の関係・・・101
 6.等温膨張および圧縮・・・104
 7.断熱膨張および圧縮・・・105

第4章 蒸 気・・・・・・108

 1.熱の水に及ぼす影響・・・108
 2.飽和蒸気の性質・・・109
 3.蒸気の顕熱・・・112
 4.蒸気の潜熱・・・114
 5.飽和蒸気の全熱量・・・117
 6.相当蒸発量および蒸発因子・・・119
 7.過熱蒸気・・・121
 8.過熱蒸気の利益・・・121
 9.過熱蒸気の比熱・・・122
 10.過熱蒸気の容積・・・123
 11.過熱蒸気の全熱量・・・124

第5章 シリンダー内における蒸気の作用・・・・・・126
 1.シリンダー内における蒸気の膨張・・・126
 2.等温膨張によって成す仕事および平均有効圧力・・・127
 3.断熱膨張によって成す仕事および平均有効圧力・・・130
 4.ダイヤグラム・ファクター・・・136
 5.過熱蒸気と飽和蒸気の成す仕事の比較・・・136
 6.指圧線図とこれより平均有効圧力を求める方法・・・137
 7.蒸気膨張の利益とその限度・・・139

第6章 サイクルおよびエントロピー・・・・・・140

 1.カノー・サイクル・・・140
 2.ランキン・サイクル・・・144
 3.エントロピー・・・146
 4.水のエントロピー・・・148
 5.飽和蒸気のエントロピー・・・148
 6.過熱蒸気のエントロピー・・・150
 7.エントロピーの応用・・・152

 

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2021年6月 5日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その2)下巻目次(1)

新訂増補 機関車の構造及理論
〔下 巻〕

目 次

第1編 燃料および水

第1章 石 炭・・・・・・1

 1.石炭の分類・・・1
 2.石炭の分析および成分・・・4
 3.石炭の粘結性・・・11
 4.石炭の風化・・・12
 5.石炭の等級と重量・・・13
 6.石炭の仕様書・・・14
 7.石炭の換算率算式・・・15
 8.石炭の吸水量・・・15
 9.粉炭の混入による経済性に付いて・・・17
 11(※).石炭の混炭使用に付いて・・・18 

   (※)目次上では11だが本編では10で表記

第2章 煉 炭・・・・・・20

 1.煉炭の目的・・・20
 2.煉炭の具備すべき性質・・・21
 3.煉炭の利点・・・23
 4.煉炭の製造法・・・24
 5.煉炭の焚火法・・・25
 6.ホネコムの防止・・・26

第3章 燃 焼・・・・・・27

 1.燃 焼・・・27
 2.燃焼に必要な化学・・・28
 3.石炭の燃焼・・・31
 4.燃焼に必要な空気量・・・33
 5.石炭の発熱量・・・37
 6.不完全燃焼に基く損失・・・42
 7.一酸化炭素による損失・・・43
 8.水分による損失・・・43
 9.シンダーによる損失・・・45
 10.黒 煙・・・46
 11.黒煙の識別・・・47
 12.燃焼ガスの温度・・・48
 13.火焔の色と温度の関係・・・50

第4章 伝 熱・・・・・・51

第5章 缶の用水・・・・・・54

 1.缶用水一般・・・54
 2.水の分類・・・54
 3.水の分析・・・57
 4.水質が缶に及ぼす影響・・・61
 5.水の改良・・・63
 6.清缶剤・・・65
 7.重クロム酸カリとソーダ灰の併用・・・65
 8.ソーダ灰の単独使用・・・66
 9.清缶剤使用上の注意・・・71
 10.缶用水の缶外処理法・・・71
 11.石灰、ソーダ灰処理法・・・72
 12.ゼオライト法・・・72
 13.清缶塗料・・・74

 

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2021年6月 4日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その1)本書の内容

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本書の内容

〔上 巻〕
 
 第一編 総論
 第二編 金属材料および力学
 第三編 缶
 第四編 台枠

〔中 巻〕

 第一編 走り装置
 第二編 ブレーキ装置
 第三編 機関車付属装置
 第四編 運転室
 第五編 炭水車
 第六編 機関車の検査と修繕
 第七編 雑

〔下 巻〕

 第一編 燃料および水
 第二編 熱および蒸気
 第三編 機関車牽引力
 第四編 列車の抵抗
 第五編 機関車牽引定数
 第六編 運転速度
 第七編 列車制動
 第八編 列車衝動
 第九編 曲線力学
 第十編 制限速度
 第十一編 参考資料

 

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2021年6月 3日 (木)

機関車の構造及理論:中巻(その378)寸法および重量に関する術語

7.寸法および重量に関する術語

缶 圧 力
  缶で発生する蒸気圧力。

火格子面積
  燃料を燃焼させる火床の面積。

全伝熱面積
  過熱伝熱面積と蒸発伝熱面積との和。

缶水容量
  缶内に保持する水の量。

水槽引量
  タンクまたは炭水車水槽の水量。

牽引定数
  機関車が本線路において牽引し得べき車両列の換算両数、または車両列の重量(実トン数による場合)。

有 効 長
  隣接線路に支障なく車両を収容し得られる線路の長さ。

軽積貨車
  貨車の自重と積載荷重との和が、積貨車換算両数を10倍したるものより小なるもの(軽量品積載貨車)。

重積貨車
  貨車の自重と積載荷重との和が、積貨車換算両数を10倍したるものより大なるもの(重量品積載貨車)。

実際トン数
  車両自重(トン)と積載したる荷重(トン)との和。

換算トン数
  車両の換算数を10倍したるトン数。

 

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2021年6月 2日 (水)

機関車の構造及理論:中巻(その377)取扱いに関する術語と解説

6.取扱いに関する術語と解説

力  行
  出力して運転すること(給気運転)。

惰  行
  出力せず惰力によって運転すること(絶気運転)。

締  切
  シリンダーにおける蒸気の締切に関すること(カットオフ)。

牽引力の弾性
  機関車が焚火操縦の程度によってその牽引力に大小を与える事柄。

繰返し制動
  1回制動後いったん弛め、さらに制動する場合(2回または3回制動ということも同じ)。

追加制動
  追加減圧による制動(2段または3段制動というも同じ)。

投炭回数

掬炭(きくたん)数
  投炭に当たり1ショベルにすくう石炭の量(キロ)

投炭間隔

石炭の蒸気量
  石炭1キロが蒸発し得る水量(キロ)

缶の蒸発量
  缶が発生し得る単位時間における蒸気の重量(キロ)

空走時間
  制動開始後ブレーキが有効に作用するまでにおける時間

空走距離
  同上に走行せる距離

 

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2021年6月 1日 (火)

機関車の構造及理論:中巻(その376)速度に関する術語と解説

5.速度に関する術語と解説

均衡速度
  引張棒牽引力と車両の総抵抗力とが釣合った場合の速度。

臨界速度
  シリンダー力または粘着力と汽缶力との交差点における最大有効の速度。

平均速度
  運転区間の距離を純運転時間(停車時間を除いた)で除したるもの。

表定速度
  運転区間の距離を途中停車時間と純運転時間との和をもって除したるもの。

計画速度
  計画上における運転速度。

進入速度
  列車がある箇所に進入するときの速度。

進出速度
  列車がある箇所から進出するときの速度。

実測速度
  計器により実際に測定したる速度。

観測速度
  計器によらず認識により判定せる速度。

快復速度
  所定時刻に遅延した場合、その時間を回復する時の運転速度。

制限速度
  制限せられたる運転速度。

超過速度
  制限速度を超えたる速度。

許容速度
  運転上差し支えなしと認められた速度。

 

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