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2022年4月の記事

2022年4月30日 (土)

機関車工学:上巻(その5)上巻目次(5)過熱蒸気機関車、雑 録

第5編 過熱蒸気機関車(superheated steam locomotive)・・・・・・ 331~378

第1章 「シリンダー」内における蒸気の凝結(condensation)・・・・・・ 331~334

第2章 過熱蒸気(superheated steam)・・・・・・ 335~342

 過熱蒸気の性質・・・ 335~336
 比 熱(specific heat)・・・ 337
 過熱蒸気の利益・・・ 337~341
 「シリンダー」内平均実効圧力(mean effective pressure)の増加・・・ 341~342

第3章 過熱器の種類及び構造・・・・・・ 343~362

 第1.「スモーク・チューブ」式過熱器・・・ 343
 第2.「スモーク・ボックス」式過熱器・・・ 343
 第3.「ボイラー・バレル」式過熱器・・・ 343
 第4.「ファイア・ボックス」式過熱器・・・ 343~344
 過熱器の伝熱面(heating surface)・・・ 344~345
 「シュミット」氏「スモーク・チューブ」式過熱器・・・ 345~352
 「コール」氏「スモーク・チューブ」式過熱器・・・353
 「ボーガン」氏及び「ホルセイ」氏「スモーク・チューブ」式過熱器・・・354~356
 「シュミット」氏「スモーク・ボックス」式過熱器・・・ 356~357
 「ボークレーン」氏「スモーク・ボックス」式過熱器・・・ 357~359
 「ピーロック」氏「ボイラー・バレル」式過熱器・・・ 359~362

第4章 過熱蒸気使用に伴う機械部の改良・・・・・・ 362~368

第5章 過熱蒸気機関車の成績・・・・・・ 369~375

 1.取扱いに注意を要すること・・・ 369
 2.石炭及び水の節約・・・ 369
 3.牽引力を増加すること・・・ 369
 4.高圧力の蒸気を使用するの必要なきこと・・・ 369~370
 5.粘着力の割合・・・ 370~371
 6.汽缶修繕費の節約・・・ 371
 7.給油の困難・・・ 371~372
 8.汽缶蒸発力の減少・・・ 372
 9.複式機関車に過熱蒸気を使用すること・・・ 372
 10.成績の比較・・・ 373~375
 過熱蒸気機関車の実例及び重要寸法・・・ 375~378

第6編 雑 録・・・ 379~412

 長距離無休運転の最近実例・・・ 379~382
 過熱蒸気機関の発達・・・ 382~385
 ロビンソン氏「スモーク・チューブ」過熱器・・・ 386~390
 「ガーラット」式機関車・・・ 391~394
 鉄道院における最近式機関車・・・ 394~412

付 録 度量衡・・・・・・ 413~418


機関車工学上巻 目次 終
 

 

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2022年4月29日 (金)

機関車工学:上巻(その4)上巻目次(4)複式機関車

第4編 複式機関車(compound locomotive)・・・・・・ 262~329

第1章 複式機関車の利害・・・・・ 263~268

 「シリンダー」内蒸気凝結の減少・・・ 263
 蒸気膨張の利用・・・ 263~264
 「ピストン」上の圧力比較的均一なること・・・ 264~265
 高圧蒸気の利用・・・ 265
 牽引力の増加・・・ 265~266
 蒸気及び石炭の節約・・・ 266~267
 複式機関車の欠点・・・ 267~268

第2章 2個「シリンダー」複式機関車・・・・・・ 269~282

 「シリンダー」の面積の割合・・・ 269~270
 「レシーバー」・・・ 270~271
 「インターセプティング・バルブ」及び「スターティング・バルブ」・・・ 271~273
 「スケネクタディ」複式機関車・・・ 273~281
  構造の概要・・・ 273~274
  「インターセプティング・バルブ」・・・ 274~276
  「エキゾースト・バルブ」・・・ 276
  複式として運転するときの作用・・・ 276~280
  単式にて運転するときの作用・・・ 280
  複式より単式に変更するときの作用・・・ 280
  単式より複式に変更するときの作用・・・ 280
  「リリーフ・バルブ」・・・ 280~281
 「ゲルスドルフ」氏式複式機関車・・・ 281~282

第3章 「ボークレーン」氏式複式機関車・・・・・・ 283~292

 構造の概要・・・ 283~286
 「スターティング・バルブ」・・・ 286~287
 「リリーフ・バルブ」・・・ 287~288
 「エアー・バルブ」・・・ 288
 「シリンダー」の直径・・・ 288~289
 運転取扱い・・・ 289~292

第4章 「タンデム」複式機関車・・・・・・ 293~301

 米国機関車会社(American Locomotive Company)式「タンデム」複式機関車・・・ 293~298
  構造の概要・・・ 293~295
  自動副通弁(automatic by-path valve)・・・ 295~296
  「スターティング・バルブ」・・・ 296~297
  単式にて運転するときの作用・・・ 297~298
  「ピストン・ロッド・パッキング」・・・ 298
 「ボールドウィン」会社式「タンデム」複式機関車・・・ 298~301
  構造の概要・・・ 298~299
  「スターティング・バルブ」・・・ 300
  「ピストン・ロッド・パッキング」・・・ 300~301

第5章 4個「シリンダー」平均複式機関車(balanced compound locomotive)・・・・・・ 302~322

 往復部の惰力の平均・・・ 302~303
 軌条に加わる圧力の減少・・・ 303~304
 平均複式機関車の種類・・・ 304~306
 「ボークレーン」氏式4個「シリンダー」平均複式機関車・・・ 306~311
  構造の概要・・・ 306~309
  「スターティング・バルブ」・・・ 309~310
  運転取扱い・・・ 310~311
 「コール」氏式4個「シリンダー」平均複式機関車・・・ 311~318
  構造の概要・・・ 311~314
  「スターティング・バルブ」・・・ 314~315
  副通弁(by-path valve)・・・ 315~318
  複式にて運転するときの作用・・・ 318
  単式にて運転するときの作用・・・ 318
 「フォン・ボリス」氏式4個「シリンダー」平均複式機関車・・・ 319~320
 「ド・グレン」氏式4個「シリンダー」平均複式機関車・・・ 320~322

付言 3個「シリンダー」複式機関車・・・・・・ 323~324

第6章 複式機関車の牽引力・・・・・・ 325~329

 牽引力の計算・・・ 325~327
 複式機関車の最大牽引力・・・ 327~328
 単式と複式とにおける「シリンダー」直径の比較・・・ 329

 

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2022年4月28日 (木)

機関車工学:上巻(その3)上巻目次(3)牽引力及び抵抗力

第3編 牽引力(tractive force)及び抵抗力(resistance)・・・・・・ 195~261

第1章 牽引力および粘着力(adhesion)・・・・・・ 195~208

 牽引力の計算・・・ 196~198
 粘着力(adhesion)・・・ 198~201
 「シリンダー」内における蒸気の平均実効圧力(mean effective pressure)・・・ 201~203
 蒸気の平均実効圧力が牽引力に及ぼす影響・・・ 203~204
 牽引力と汽缶の蒸気発生力との関係・・・ 204~207
 機関車の最大牽引力・・・ 207~208

第2章 列車の抵抗力(resistance)・・・・・・ 209~226

 列車走行上の抵抗力・・・ 209~210
 列車走行上の抵抗力公式・・・ 211~212
 列車走行上の抵抗力の分析・・・ 212~220
  「ジャーナル」の摩擦に起因する抵抗・・・ 213~214
  車輪と軌条との間に起こる輪転(rolling)の抵抗・・・ 214
  空気の抵抗・・・ 214~216
  動揺に起因する抵抗・・・ 216~217
  機関車の機械部の摩擦・・・ 217~220
 列車走行上の抵抗力の諸公式・・・ 221~225
 発車の際における抵抗・・・ 225~226

第3章 勾配(grade)に起因する抵抗力・・・・・・ 227~235

第4章 曲線(curve)に起因する抵抗力・・・・・・ 236~249

 曲線の抵抗・・・ 236~240
 曲線の高度(cant)・・・ 241
 高度(cant)の計算法・・・ 241~244
 曲線における遠心力の影響・・・ 244~248
 曲線における軌条及び「タイヤ」摩滅の実例・・・ 248~249
 曲線の線路における「スラック」・・・ 249

第5章 加速度(acceleration)に起因する抵抗力・・・・・・ 250~255

第6章 仮定勾配(virtual grade)・・・・・・ 256~261

 

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2022年4月27日 (水)

機関車工学:上巻(その2)上巻目次(2)近世機関車

第2編 近世機関車・・・・・・ 73~194

第1章 近世機関車形式の類別・・・・・・ 73~75

第2章 最近(輓近)における機関車発達の概要・・・・・・ 76~99

 旅客列車用機関車の発達・・・ 76~77
 貨物列車用機関車の発達・・・ 78~79
 4個「シリンダー」平均機関車・・・ 79~80
 汽缶の発達・・・ 80~82
 水管式汽缶・・・ 82~84
 汽缶用材料・・・ 84~85
 鋳鋼の応用・・・ 85~87
 高圧蒸気の利用・・・ 87~88
 複式機関車・・・ 88~90
 過熱蒸気の利用・・・ 90~92
 速度の発達・・・ 92~93
 機関車重心の高さ・・・ 93~95
 高速度列車の実例・・・ 95~99

第3章 旅客列車用機関車・・・・・・ 100~126

 4-4-0 形式・・・ 100~102
 4-4-2 形式・・・ 102~104
 4-6-0 形式・・・ 104~106
 2-6-2 形式・・・ 106~107
 4-6-2 形式・・・ 107~108
 旅客列車用機関車の実例及びその主要寸法・・・ 109~126

第4章 貨物列車用機関車・・・・・・ 127~141

 0-6-0 形式・・・ 127~128
 2-6-0 形式・・・ 128
 0-8-0 形式・・・ 128~129
 2-8-0 形式・・・ 129~130
 2-8-2,0-10-0,2-10-0 及び 2-10-2 形式・・・ 130
 貨物列車用機関車の実例及びその主要寸法・・・ 130~141

第5章 「タンク」機関車・・・・・・ 142~159

 0-4-4 形式・・・ 143
 4-4-0 形式・・・ 143
 4-4-2 形式・・・ 144
 2-4-2 形式・・・ 144
 2-4-4 形式・・・ 144
 0-6-2 形式・・・ 144~145
 2-6-0 形式・・・ 145
 2-6-2 形式・・・ 145
 種々の形式・・・ 145
 「タンク」機関車の実例及びその主要寸法・・・146~159

第6章 入替用機関車・・・・・・ 160~163

 入替用機関車の実例及びその主要寸法・・・ 161~163

第7章 「マレー」式連合複式機関車・・・・・・ 164~175

 「マレー」式連合複式機関車・・・164~166 
 「マレー」式連合複式機関車の実例及びその主要寸法・・・ 167~175

第8章 急勾配線用機関車・・・・・・ 176~194

 粘着力鉄道及びその機関車・・・ 176~179
 「シェイ」式機関車・・・ 179~181
 歯状軌条鉄道及びその機関車・・・ 181~185
 欧米における「アプト」式機関車の実例・・・ 185~190
 我が国における「アプト」式機関車の実例・・・ 190~192
 反圧制動機(counter pressure brake)・・・ 192~194

 

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2022年4月26日 (火)

機関車工学:上巻(その1)上巻目次(1)緒論、機関車の沿革

機関車工学 上巻

目 次

緒 論・・・・・・ 1~10(ページ)

 機関車の特性・・・ 1~3
 英国式機関車・・・ 3~5
 米国式機関車・・・ 5~7
 大陸式機関車・・・ 7~8
 機関車乗務員・・・ 8~10

第1編 機関車の沿革・・・・・・ 11~72

第1章 機関車の起源・・・・・・ 11~16

 蒸汽車・・・ 11~12
 蒸汽鉄道の始め・・・ 13
 第一の機関車・・・ 13
 機関車の父・・・ 13~14
 歯状軌条・・・ 14~15
 軌道の発達・・・ 15~16

第2章 粘着力の利用および機関車の実用・・・・・・ 17~24

 粘着力の試験・・・ 17~19
 「スチーブンソン」氏の機関車・・・ 19~20
 公共鉄道の始め・・・ 20~21
 「ロコモーション」・・・ 21
 六輪連結機関車および傾斜「シリンダー」・・・ 21~23
 米国における最初の機関車・・・ 23~24

第3章 「レインヒル」における機関車の競争試験・・・・・・ 25~30

 競争試験の必要・・・ 25
 試験の条件・・・ 25~26
 競争機関車・・・ 26~28
 「ロケット」・・・ 28~29
 「プラネット」・・・ 29
 試験の結果・・・ 29~30

第4章 旅客および貨物列車用機関車の発達・・・・・・ 31~37

 単一動輪式・・・ 31
 四輪連結式・・・ 31
 米国製機関車・・・ 31~32
 従輪の応用・・・ 32~33
 六輪連結式・・・ 33~34
 四輪式の利益・・・ 34
 機関車一覧表・・・ 35~36
 当時の標準機関車・・・ 36~37

第5章 広狭軌間(gauge)の戦争時代・・・・・・ 38~50

 広軌(7フィート)鉄道の開始および戦争の発端・・・ 38
 「ノース・スター」・・・ 38~39
 「ハリケーン」(10フィートの動輪)・・・ 39
 広軌機関車・・・ 39~40
 大形狭軌機関車・・・ 40
 高圧蒸気・・・ 40~41
 英国へ輸入せる米国製機関車・・・ 41~42
 長形汽缶・・・ 42
 「バルブギア」の改良・・・ 42~44
 外側式「シリンダー」・・・ 44
 「グレート・ウェスタン」・・・ 44~45
 「コーンウォール」・・・ 45~46
 「リバプール」・・・ 46
 9フィートの動輪・・・ 46~47
 戦争の結果・・・ 47~48
 各国における鉄道の軌間(gauge)・・・ 48
 3フィート6インチの狭軌鉄道・・・ 49~50

第6章 19世紀後半紀における機関車の発達・・・・・・ 51~68

 石炭の使用・・・ 51
 「プロブレム」・・・ 51
 走行中の給水装置・・・ 51~52
 汽缶中心の高上・・・ 52~53
 単一動輪4輪「ボギー」・・・ 53~54
 4輪連結旅客列車用機関車・・・ 54~55
 我が国における最初の鉄道および機関車・・・ 55~56
 4輪連結4輪「ボギー」・・・ 56
 「グロブナー」・・・ 56~57
 「ウェップ」氏複式機関車・・・ 57~58
 「グラッドストーン」・・・ 58~60
 「ミッドラント」鉄道の機関車・・・ 60
 「ホールデン」氏の機関車・・・ 60~61
 「ワーズデル」氏複式機関車・・・ 61~62
 「アダムス」氏の機関車・・・ 62~63
 「グレート・ブリテン」・・・ 63
 我が国において初めて製造したる機関車・・・ 63~68

第7章 1888年における速度の競争・・・ 69~72

 ロンドン「エジンバラ」間の急行列車競争・・・ 69~72

 


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2022年4月25日 (月)

機関車工学:日本最初の機関車工学書

「機関車工学」(上中下 全3巻)

工学博士 森彦三  工学士 松野千勝 共著

 「機関車工学」はそのタイトル名通り、蒸気機関車全体にわたる工学書でありました。本書は日本語で書かれた初の本格的機関車工学書です。そのため当時の鉄道エリートのごく一部を対象としていたためか、現在価格で1~2万円(各巻)という高価もあり発行部数は少数で、今日、本書を目にする機会がほぼないのも当然の状況です。

 初版は明治43年と古くその後発行元の大倉書店は廃業してしまい、まさしく幻の書籍になってしまいました。しかし令和時代の今、国立国会図書館のデジタルコレクションにて無料一般公開されており、大正14年の第8版が誰でも見られます。古き資料を当たるには良い時代になったものです。

 この工学書が鉄道マニアとりわけ蒸気機関車マニア間に有名なのは、著者である森彦三がSL設計思想において島安次郎との設計主導権争いに敗れ、工作局を去る代わりに自らの考えを「機関車工学」という書籍に表したのだという、後世伝えられるドラマ性による事が大きいのでしょう。この様な後日エピソードには、いつでも各種の想像を掻き立てられるものであります。

 それでは、森彦三が「機関車工学」に自らの設計思想、すなわち幻といわれたアトランの理論を記しているのでありましょうか。本書は松野千勝との共著であります。執筆にあたり松野が森にどの様な影響を与えたかわかりません。その答えは本書を読めば導き出せるかもしれませんが、そもそも森設計のアトラン図面は本書には出てこないながらも、歴史に登場した様々なアトランティック軸配置のSLたちは、知るべき資料として掲示されているわけです。

 森が巷間言われている通り主導権争いに敗れ現場を去り、その想いを書籍で表わしたのだという説がある一方、先にも記した通り「機関車工学」には森が設計したアトラン図面を世に問わない姿勢が見られるのは、本当の辞職原因はアトランではなかったのか、あるいは松野との共著だったからという理由なのか、狭軌鉄道ではアトランであっても機関車効率に限界を感じていたのか全ては不明のままです。執筆当時とは蒸気機関車が日々技術進歩していたSL最盛期でしたから、理論派であるほどにアトランより世界の新しい技術や可能性が目に入ったのかもしれません。

 森自身、狭軌における蒸気機関車の能力上での構造限界については、広軌(標準軌)論を唱える島安二郎と同様に十分わかっていました。本書の中にも若干ならがらその記述がみられます。むしろ「機関車工学」をまだ輸入機主体の時代の中で書いたのは、日本の鉄道技術の将来方向を決めるに際し、機関車の現場を知らないどころか、主役となる蒸気機関車の技術理論を勉強した事のない鉄道行政の幹部に対し、技術論をベースに正当な論議ができる人材を多数生み出したいという考えが強かったのではないでしょうか。技術論の先にはじめて原価計算など国家予算案が来るべきで、軍の力が強く財政数字が鉄道への大きな制約となり、部品点数を少しでも減らし共通部品化を進めるコスト案こそ正道、という風潮があった日本が未だ新興国だった時代です。技術議論の本質を理解できない人材ばかりの中で、森が島と技術対決することは日本の鉄道未来を考えると、その対立は森自身のメリットにもなりません。関係者が同じ土俵上で正しく技術論議ができる環境を整える使命感こそ、森が自ら現場を去った理由の様にも思われてきます。現場や理論に関わらず、教育に勝る人材育成方法は無いのです。

 さて本稿の今後ですが、本来の目的であるGSRメンバーに向けた教科書的意味合いは「機関車工学」には少なく、何かと話題に出てくる本書に付いてはメンバーに限らず興味の多いところの様ですから、とにかく現代語で読めるレベルを提供する点のみを目的といたします。従って、原文を尊重する歴史資料的位置付けに鑑みながらも、今日では使用しない漢字や用法等については、元の意味を変えない程度に現代文へと変更いたします。ただし、できるだけ原書に忠実にという観点から、極力オリジナルを尊重する方針に変わりはありません。「機関車の構造及理論」編では教科書的扱いの意味合いもあり、旧字体を新漢字に書き換える過程で多少アレンジいたしましたが、それでも良くわからないとのご指摘をいただいておりました。今回はさらに古い明治期の書籍であり、原書のオリジナル文意に影響を与えない程度での現代文へと置き換えに止めます。人名等は時代により日本語での表記にも揺れもあり、人名や会社名等は進行中での適宜の扱いといたします(従ってサイト上で表記の統一性がございません)。あくまでも蒸気機関車研究に勤しむ諸兄への参考として、日本最初の機関車工学書を現代語で読めるお手伝いとなりましょうか。読み換えが正しくない、誤字脱字があるとのご指摘を頂きますが、メンバー向けには適宜訂正を行っている一方、公開版はメンテナンスしていませんので読者様にてのご対処を願います。

 ところで今回も全て手作業となるため、且つメンバーのテキストではないので進行スケジュールもなく、掲載についてはかなり不連続となります点、あらかじめご承知おき願います。担当者、今後も健勝であれば脱稿まで数年ほどを見込み、もしかしたら思わぬ途中終了もあるかもしません。なお現代文への変換版権は放棄しておりません。転載の場合はご連絡いただければ幸いです。

 原書では縦書きなのですが、今やスマホでの閲覧が主体となっている事情から、現代語版は要望により横書きといたします。また原書入手困難な書籍のため、公開されております国会図書館所蔵の版を採用いたします。公開資料には欠落ページが存在しますが、本サイトではあえて補う事はせず、欠落箇所は読者様ご自身での対応に任せる事としましょう。オリジナルの閲覧は直接デジタルコレクションまでアクセスしていただければ幸いです。

 

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2022年4月22日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その322)主要機関車形式図表


付録 蒸気機関車機能表および主要機関車形式図表


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2022年4月21日 (木)

機関車の構造及理論:下巻(その321)蒸気機関車機能表

付録 蒸気機関車機能表および主要機関車形式図表

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2022年4月20日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その320)試験台試験の成績:熱の釣合

 (20)熱の釣合(別形式機)

 火室内へ投入された石炭の有する熱量が、実際缶水に伝達されるまでには種々の損失を伴うもので、これらの熱量関係を図示すると第163図のごとくなる。

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 すなわち図中 CO、水分、シンダー、未燃炭およびその他の損失は、せっかく燃焼すべかりしものが、完全燃焼せずして損失となるのであるから、燃焼効率に参入される損失であり、輻射、煙室ガス等による熱損失は、発生した熱量が缶水に伝達されずに逃げるものであるから、伝熱効率に参入さるべき損失である。

 これらの関係は石炭の種類、機関車形式、焚火の巧拙等により相違する。同図はC11形式に夕張切込炭を使用した場合における、試験台試験の成績である。
 

       改訂増補 機関車の構造及理論〔下巻〕終

 

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2022年4月19日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その319)試験台試験の成績:缶圧力の差異による炭水消費量の相違・石炭消費量

 (ロ)石炭消費量

 石炭消費量は缶効率の関係で、缶圧16キロ/平方センチメートルの場合よりも14キロ/平方センチメートルの場合の方が、かえって石炭消費量が少ない成績を示している。これは同一出力の場合、低圧力の方が蒸気消費量多く、通風状態良く燃焼効率の良好なりし事が原因しているらしい。

 故に吐出ノズルの口径を変え、燃焼効率を同一程度に引き上げ得るならば、蒸気消費量の少ない高圧力の方が、燃料節約にもなるものと考えられている。

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 第159および160図より、同一指示馬力に対する場合に付き、動輪回転数別の石炭消費量を比較すると、第161および162図のごとく、16キロ/平方センチメートルの場合の方がやや多い事になる。

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1122p542

2022年4月18日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その318)試験台試験の成績:缶圧力の差異による炭水消費量の相違・蒸気消費量

 (19)缶圧力の差異による炭水消費量の相違

 缶圧力が16キロ/平方センチメートルと14キロ/平方センチメートルと、各々の場合において同一出力の状態に付いて、その炭水消費量に及ぼす影響を比較すると、次のごとくなる。

 (イ)蒸気消費量

 指示馬力当たり蒸気消費量は、第155および156図のごとく、高圧力の場合の方わずかに良好なる成績を示している。

15516
15614

 しかしてこれを動輪回転数に付いて比較すると、第157および158図のごとくなる。

157150
158200

 

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2022年4月17日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その317)試験台試験の成績:動輪回転数と蒸気消費量・指示馬力時当たり蒸気消費量・指示馬力時当り石炭消費量

 (16)動輪回転数と蒸気消費量

14916
15014

 各締切別にして、動輪1回転当たりの蒸気量を図示すると、第149図のごとく回転数が増加するに従って漸次減少する。

 (17)指示馬力時当たり蒸気消費量

15116
15214

 1指示馬力を1時間連続する時に消費する蒸気量の割合は、第151および第152図のごとくにして、各蒸気締切別の最少消費量を判断する事ができる。

 (18)指示馬力時当たり石炭消費量

15316
15414

 1指示馬力時当たりの石炭消費量を図示すると、第153および第154図のごとくなり、各蒸気締切別における最も石炭消費量の少ない、経済的な動輪回転数(速度と同意味)を知る事ができる。

 

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2022年4月16日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その316)試験台試験の成績:動輪回転数と平均有効圧力・動輪回転数と指示牽引力及び同馬力

 (14)動輪回転数と平均有効圧力

 締切別の動輪回転数と平均有効圧力との関係は、第145図のごとくで、同一締切でも動輪回転数が増加すると、蒸気の供給がこれに伴わず平均有効圧力は低下する。

145_20220330104101
146_20220330104101

 第145図から平均有効圧力を求める式は、次のごとくなる。

  缶圧16キロ/平方センチメートルの場合

   10%締切の場合・・・・・・4.005―0.009456n

   20%締切の場合・・・・・・7.104―0.01456n

   30%締切の場合・・・・・・9.680―0.01904n

   40%締切の場合・・・・・・11.328―0.02136n

    n =動輪回転数(毎分)

 (15)動輪回転数と指示牽引力および同馬力

 シリンダー内の平均有効圧力がわかれば、シリンダーや動輪等の関係寸法から、指示牽引力を算出することができ、これを図示すると第147~149図のごとくなる。

147_20220330104101
148_20220330104101

 

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2022年4月15日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その315)試験台試験の成績:燃焼率と缶効率・動輪回転数と排気圧力

 (12)燃焼率と缶効率

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142_20220330094701

 缶効率は燃焼効率と伝熱効率との相乗積であり、それらが燃焼率とどんな関係にあるかは、第141図および第142図のごとくで、缶圧力の低い方が燃焼効率は良好で、缶効率も良くなっている。これは同一出力に対して、低圧力の場合の方が消費蒸気量がいく分多きため、排気量も多く通風量が高く、燃焼上有利なる結果と考えられる。

 (13)動輪回転数と排気圧力

143_20220330095101

 同一締切であっても、動輪回転数が増加すると排気圧力も増加する。しかして缶圧力の高い時は、低い時よりも排気圧力は高い。

 なお排気圧力と消費蒸気量との関係は、図示すると次のごとくなり、圧力の高低による差異はあまり無い様である。

144_20220330095101

 

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2022年4月14日 (木)

機関車の構造及理論:下巻(その314)試験台試験の成績:過剰空気とCOの量・燃焼率とシンダーの発生・燃焼率と相当蒸発力

 (9)過剰空気とCOの量

138co

 この関係は第138図のごとくで、本線試験の場合と若干相違し、過剰空気50~60%でないと CO の量がゼロにならない様であるが、過剰空気は大体40%内外欲しいことがわかる。もちろんこれらは使用石炭によっても相違するものと考えねばならぬ。

 (10)燃焼率とシンダーの発生

139_20220330091401

 第139図に示したシンダー発生量は、煙室内に残留された量と、煙突外部のシンダー採取装置で収集したものとの合計であって、その発生割合は燃焼率の増加に従って増し、煙突外に噴出される量は、いっそう増加する傾向を示している。

 (11)燃焼率と相当蒸発力

140_20220330091401

 燃焼率と相当蒸発量との関係は第140図のごとく、燃焼率の増加に従ってその値は減少する。しかして高圧力の場合は低圧力の場合よりも、いく分低い値を示している。これは同一出力に付いては排気圧力が相違し、燃焼状態に差異のあった結果と思われる。

 

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2022年4月13日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その313)試験台試験の成績:動輪回転数と蒸気消費量・燃焼率と過剰空気・燃焼率と燃焼ガス

 (6)動輪回転数と蒸気消費量

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 動輪回転数が増加すると、蒸気消費量も第135図のごとく増加するが、その増加の傾向は回転数の高くなるに伴って低率となる。すなわち速度が高くなるに従って同一締切であっても、シリンダー内に送り込まれる、一行程当たりの蒸気量が漸次減少する事がわかる。

 (7)燃焼率と過剰空気

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 燃焼率が100~300キログラム/平方メートル/時付近では、過剰空気の量に相当の変化があるが、これは通風力のところでも述べたごとく、例えば燃焼率は同一であっても締切の相違する場合は、当然通風力が相違するもので、ことに蒸気吐出の瞬間的には相当異なるものと考えられ、この影響が現れたものであろう。

 (8)燃焼率と燃焼ガス

137co2co

 燃焼率と燃焼ガス( COとCO₂ )の関係は、第137図のごとくであるが、この場合も燃焼率100~300キログラム/平方メートル/時付近では、実績の各点がかなりの相違を示しているが、これも過剰空気の場合と同様、締切の大小に原因するものと考えられる。

 

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2022年4月12日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その312)試験台試験の成績:火室内の温度・給水ポンプ用蒸気量・燃焼率と蒸発量

 (3)火室内の温度

132_20220327175901

 燃焼率と火室温度との関係は第132図のごとく、燃焼率の増加に伴って高温となる。缶圧力の相違による差異はほとんどわからない。

 火室温度の測定位置は、前述せるごとくレンガアーチの上で、火床やレンガアーチからの輻射熱は、かなり避け得るような構造であるから、この温度は火室内の燃焼ガスの温度と見る事ができる。

 (4)給水ポンプ用蒸気量

133_20220327175901

 給水ポンプによる消費蒸気量は、ほぼ送水量に比例し、送水量の2~3%に相当する。しかして缶圧力により差異のある事が判然している。

 (5)燃焼率と蒸発量

134_20220327180001

 第134図のごとく、缶圧力の相違による蒸発量は、低圧力の場合の方がいく分良好であるが、その差異は極めて小さい様である。

 

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2022年4月11日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その311)試験台試験の成績:燃焼率及び蒸気消費量と通風力・煙室及び蒸気室温度

(4)試験成績

 本線試験成績の場合と同様、図表により示す事とする。

 (1)燃焼率および蒸気消費量と通風力

 缶圧力の高低による通風力の差は、あまり無い様である。燃焼率を基準にした図表と、蒸気消費量を基準にした図表とでは、曲線の形状が相当変わっている。

128_20220327084501
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 通風力は元来シリンダー排気量によるものであるから、蒸気消費量を基礎として図表を作ることが良い。燃焼率と蒸気発生量も、もちろんある一定の関係はあるが、これは焚火の巧拙により相違する場合が絶無ではないから注意を要する。

 なお単位時間内における蒸気消費量が同一の場合でも、蒸気締切の大小によっても、ある低度相違する事も考慮せねばならぬ。

 (2)煙室および蒸気室温度

 燃焼率が180~200キログラム/平方メートル/時位までは、煙室の温度よりも、むしろ蒸気室温度の方が低いが、それ以上の燃焼率になると煙室の方が20~50℃位高い。

130_20220327084601
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 缶圧力が16キロ/平方センチメートルの場合と、14キロ/平方センチメートルの場合とで、両者の温度がどの程度相違するか、これを数字的に一例を挙げると次のごとくである。

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2022年4月10日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その310)試験台試験の成績:測定方法及び箇所

(3)測定方法および箇所

 種々の測定値は、その測定位置ならびに測定方法により相違するが、本調査は次によっている。

 (イ)通風力

 通風力は U 字管を使用し、煙室吐出ノズル付近、反射板下中央部付近、火室の上下部2箇所(側板控の知せ穴を貫通した、前より9本、天井より3本目および前より11本目、天井より10本目控位置)、および灰箱前後風入口(前後平均)の各通風力を測定した。

 (ロ)缶使用圧力

 運転室内では温度の影響により、圧力計に指示誤量を生ずるので、試験室の側壁面、運転室内と同一高さの記録式圧力計によった。

 (ハ)蒸気室の蒸気圧力

 缶圧力計と同様にした。

 (ニ)排気圧力

 蒸気室の前蓋に穴を開け、微圧力計にて測定した。

 (ホ)火室内燃焼ガス温度

 側板に管控を新設し、火室内へ熱電体を入れて測定した。(管板から2本目、天井板より3本目控位置)

 (ヘ)排気温度

 蒸気室前蓋に穴を穿ち、排気通路に熱電体を挿入して測定した。

 (ト)給水温め器温度

 温め器繰出管逆止弁箱のすぐ手前に、熱電体を装置して測定した。また給水温度は注水器吸水管に寒暖計を挿入し測定した。

 (チ)蒸気消費量

 送水量は台秤をもって10分ごとに測定し、缶水に増減ありたる場合には、あらかじめ測定せる値によって修正した。

 (リ)石炭消費量

 石炭消費量は自動秤により10分ごとに測定した。焚火の際、撒水量は約4%見当である。

 (ヌ)石炭種別

 使用石炭は夕張切込炭を使用し、粒の大きさを一定するため節分けを為し、各種大きさの都合を下のごとく混合した。

P520

 石炭の工業分析成績は次のごとし。

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 (ル)シンダー発生量

 シンダーは煙室内に残留せるものと、機関車の煙突外に排出され、シンダー採集装置によって採取されたものと、各別々に測定した

 (オ)動輪回転数および速度

 動輪回転数は回転計により測定し、速度はあらかじめ測定せる動輪直径と、回転数とから算出した。

 (ワ)速度の調整

 機関車速度が予定の試験条件に成りたる時、オルデン式水圧ブレーキにより水圧を加減し、常に同一の動輪回転数を保たせる。

 (カ)温め器用蒸気量

 給水温め器に利用せる蒸気量は、その排気を復水室に導き、その量を測定した。

 (ヨ)煙室からの排出ガス成分

 煙室内にガス吸込管を設け、これをポンプにて吸込み、集めたガスをオルザット式分析器で分析したもので、試験中発生したガス成分の平均値を示すものである。

 (タ)指示牽引力および同馬力

 指示牽引力は機関車両側、シリンダー前後同時に描取する研六式指圧器により記録せしめ、平均有効圧力を求め、これより牽引力と馬力とを算出した。

 

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2022年4月 9日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その309)試験台試験の成績:試験施行の概要・試験種別及び方法

2.試験台試験の成績

(1)試験施行の概要

 C57形式機関車を、官房研究所大井試験室の試験台上に載せて運転し、その成績を調査したもので、本線試験と異なる点は、走行に対する空気抵抗の無いだけで、他はほとんど本線路運転の場合と変わりはない。

(2)試験種別および方法

 缶使用圧力を、14キロ/平方センチメートルと16キロ/平方センチメートルとの場合に付いて施行し、一次試験と二次試験とに区別した。

 一 次 試 験

  缶使用圧力・・・・・・16キロ/平方センチメートル

  蒸気締切・・・・・・10、20、30、40 %

  動輪回転数・・・・・・40~250毎分

  加減弁・・・・・・全 開

 二 次 試 験

  缶使用圧力・・・・・・14キロ/平方センチメートル

  蒸気締切・・・・・・10、20、30、40 %

  動輪回転数・・・・・・40~200毎分

  加減弁・・・・・・全 開  

 試験の方法は、加減弁を全開し蒸気締切を一定とし、約15分間の準備運転を為したる後、連続1時間試験を為す。ただし準備時間内において、缶圧力、缶水位、火床燃焼状態、運転速度(動輪回転数)等を試験条件に合致せしめたる後、試験を開始する。

 

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2022年4月 8日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その308)試験成績:蒸気消費量と引張馬力・機関車効率

 (12)蒸気消費量と引張馬力

 実際シリンダーで消費した蒸気量と、引張馬力(炭水車後部の自動連結器に表れた馬力)との関係である。

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 (13)機関車効率

 ここでいう機関車効率とは炭水車後部、自動連結器に表れた仕事量と、投入石炭発熱量に対する仕事量との比である。

 一般に機関車の熱効率として考えられているもの(指示馬力と石炭発熱量に対する仕事量との比)と、混同しないよう注意を要する。

 運転試験の燃焼率は、250~450キロ/平方メートル/時位であるから、仕事量、すなわち平均引張馬力の大なるほど効率が良くなっている。これによると大なる牽引荷重を持たせた方が利益となる事になるが、どこまでも上向きを示す線でなく、ある限度に達すれば当然下向きとなるべき曲線である。

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2022年4月 7日 (木)

機関車の構造及理論:下巻(その307)試験成績:平均有効圧力と缶圧力との関係・指示牽引力と動輪周牽引力

 (10)平均有効圧力と缶圧力との関係

 この関係は締切の大小、速度の高低により変化するもので、これを締切別に図示したものが第124図である。

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124c55
124c51

 (11)指示牽引力と動輪周牽引力

 動輪周牽引力は引張棒牽引力(測定値)と、その場合における機関車の抵抗計算値との和で、計算には次の式を用いている。

  加速度抵抗= 1060W÷35.28×A ・・・・・・(キログラム)

  空気抵抗= 0.054V² ・・・・・・(キログラム)

  車両抵抗= (2.0+0.012V)×W ・・・・・・(キログラム) 

   W =平均機関車重量(トン)

   A =平均加速度(キロメートル/時/秒)

   V =列車速度(キロメートル/時)

 すなわちこれらの公式が完全に正しいものとすれば、第125図による指示牽引力と動輪周牽引力との差異は、機関抵抗を意味する事になるわけで、この比率を機械効率と称している。

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2022年4月 6日 (水)

機関車の構造及理論:下巻(その306)試験成績:過剰空気の割合と完全燃焼との関係・指圧線図

 (8)過剰空気の割合と完全燃焼との関係

122co

 通風力の大なることはシンダー損失が多く、且つ過剰空気による損失(冷気を熱気とするため)等を伴うわけであるが、一酸化炭素(CO)として半燃焼状態で逃げる損失を少なくする利益がある。煙室ガス分析の結果から見ると、過剰空気が30%程度の場合に CO がゼロとなっている。

 (9)指圧線図

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 実際の指圧線図は第123図のごとくであるが、ここに注意すべきは、C51形式のピストン弁は複式給気口なるに対し、C55、C57形式のものは単式給気口なる事である。実際の速度に関連して、膨張曲線や圧縮曲線の変化状態に留意されたい。

 

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2022年4月 5日 (火)

機関車の構造及理論:下巻(その305)試験成績:燃焼率と缶効率・シリンダー排気量と煙室通風力・燃焼率と煙室通風力

 (5)燃焼率と缶効率

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 第119図において、下の線はC571形式の機関車試験台における成績であり、上の線が本線路における運転試験の成績で約5%相違する。これは試験台の場合は夕張切込(発熱量7521カロリー)であり、運転試験は煉炭なりしためと認められる。

 (6)シリンダー排気量と煙室通風力

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 吐出ノズルの前端で測定した通風力で、第120図の上の線はC51形式機であり、下側はC57形式(C55も同様)である。C51形式はノズルも小さく、且つ排気室も無いから通風力が高い。すなわちC51形式は高い通風力でないと蒸気が間に合わず、これに起因する相当の損失が想像される。

 (7)燃焼率と煙室通風力


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 燃焼率と煙室通風力との関係は、前述せるシリンダー排気量と通風力との関係とほとんど等しいもので、単にその目盛を変えただけである。すなわちシリンダー排気量は蒸発量に相当するものであり、蒸発量は燃焼率と密接な関係があるからである。

 上回っている線がC51形式で、中線がC57形式、下回っている線はC57形式の特殊な場合(軽い連続力行の場合)である。

 

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2022年4月 4日 (月)

機関車の構造及理論:下巻(その304)試験成績:補助機に使用する蒸気消費量・燃焼率と蒸発量

 (3)補助機に使用する蒸気消費量

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 空気圧縮機および給水ポンプに使用される蒸気量を、その行程数から計算し、全蒸発量に対する割合を求めると、第117図のごとくで 2.2~3.3 %となっている。

 (4)燃焼率と蒸発量

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 缶効率が一定ならば、燃焼率と蒸発量とはある一定の比率で、直線的に増加するはずであるが、実際には燃焼率が高くなるほど缶効率が低下するので、第118図のごとく曲線的に増加する。

 

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2022年4月 3日 (日)

機関車の構造及理論:下巻(その303)試験成績:試験区間の線路勾配が上り列車の仕事量及び給気距離に及ぼす影響・給水ポンプの使用状況

(4)試験成績

 試験成績は、可及的図表によって示す事とする。

 (1)試験区間の線路勾配が、上り列車の仕事量および給気距離に及ぼす影響

114

 第114図は、東北本線の試験で下り勾配の場合を100%とし、上り勾配に対する場合の割合を示したものである。

 すなわち同一トン数の列車でも、その速度種別により、また同一速度種別でも荷重の変化により、その比率にかなりの変化がある事が伺われる。しかして上り勾配では、いかに大きな仕事量を必要とするかがわかる。

 (2)給水ポンプの使用状況

115_20220321174901

 缶で蒸発する水量の全部を、給水ポンプにより送水することは不可能で、通客の場合に73%、停客の場合は34%の成績を示している。停客では惰行中送水する場合が多いが、本省式の温め装置では惰行中の送水はほとんど不可能で、注水器の使用を余儀なくされる結果、停客列車の温め器の使用効率が悪いのである。

116_20220321174901

 給水ポンプによる送水割合の少ない場合は、力行時間の割合も少ないのが普通で、ほぼ直線的に比例する。

 すなわち給水ポンプは、連続力行運転の列車に適していることがわかる。

 

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2022年4月 2日 (土)

機関車の構造及理論:下巻(その302)機関車性能試験成績の概要:本線路における試運転成績

第2章 機関車性能試験成績の概要

 機関車の構造作用に対する研究を為し、あるいは運転上に関する種々の理論を検討することは極めて必要であるが、また機関車が実際上どんな成績を示すものかを確かめておくことも、すこぶる肝要なことである。以下、研究所でC57形式機関車に付き調査した実際の試験成績を示し、これに若干の解説を為し参考に資する事とする。

1.本線路における試運転成績

(1)試運転施行の概要

 昭和11年度新製C57形式機に対し、C55およびC51形式との比較試験を為すと共に、C57形式自体の缶使用圧力を16キロ/平方センチメートルの場合と、17キロ/平方センチメートルの場合とに付いて比較したものである。

(2)試験場所および試験種別

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(3)試験施行の要領

 試験施行の方法としては、可及的同一条件下において行う事とし、運転および操縦の方法はもちろん、乗務員も一定とした。

 なお使用石炭は、甲種第一号煉炭(三菱)配給のままを使用し、その工業分析は次のごとくである。

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2022年4月 1日 (金)

機関車の構造及理論:下巻(その301)動力車の将来に対する問題:蒸気動車

13.蒸気動車

 蒸気動車の歴史はかなり古く、主として欧州において発達し今日に及んでいる。我が国でも以前ある程度使用されたが、内燃動車の出現と共にその影を潜め、わずかに数両が命脈を保っている程度である。

 機関車による蒸気鉄道は、主として大量輸送に向かって発達したものであるが、一面一般公衆としては、列車単位を小にし、その運転回数を増加させることを要望しており、蒸気動車はこの要望に応ずるため生まれ出でたものである。

 しかるに内燃機関の出現は、蒸気動車の最も不便不都合とする蒸気缶や黒煙等の問題を解決し、その性能の優秀にして取扱いの簡易なる事はたちまちにして、蒸気動車の地位を奪うの情勢に至った。

 ここにおいて、致命的な打撃を蒙った蒸気動車としては、その不都合とする部分を根本的に検討し、内燃動車に劣らざる性能とすることが必要となり、その結果、優秀なる蒸気動車が出現した。

 すなわち内燃動車の取扱いとあまり相違せざる程度に、全部自動的に操作できるもので、英国のセンチネル会社、ドイツのヘンシェル会社等の新製蒸気動車はその代表的なものである。

(1)センチネル(Sentinel)式蒸気動車(英国)

 この蒸気動車は従来のものと大いにその趣きを異にし、機関は単動式(蒸気がピストンの片側にのみ働く)6シリンダーの横形で、200~250馬力2台を床下に釣下げ、1台は第1ボギーの第1軸を駆動し、他の1台はツナギボギー(付随車と動車との中間に共用される台車)の第2軸を駆動している。

 シリンダーの直径およびピストン行程は 150×180 ミリで、弁装置は内燃機関と同様な「キノコ弁」で、クランク軸から回されるカム軸で駆動され、締切は27、45、75%の3段に変え得る様になっている。

 缶は水管式で20~23キロ/平方センチメートルの使用圧力で、過熱装置を備え、過熱温度は400℃である。燃料は重油を使用するので、焚火のため別に人手を要しない。

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(2)ドーブル(Doble)式蒸気動車(ドイツ)

 ドーブル式蒸気動車はヘンシェル会社が製作したもので、ドーブル式蒸気缶を使用したものである。

 蒸気缶は単管式の高圧蒸気缶で使用圧力は70~80キロ、過熱温度は400℃である。機関は2シリンダーの複式機関であって凝結器を有し、弁装置はスティーブンソン式を採用している。

 この装置は全部完全に自動的に操作され、普通蒸気動車のごとく缶を焚くために別の人手を要せず、前後いずれの運転室からも、一人の運転手で操作できる。

 燃料は重油を用いて特殊の燃焼器を使用し、缶への給水や燃料の供給等は、温度調整器と圧力加減器との働きによって電磁式の装置を用い、全く自動的に操作される様になっている。しかしながらこのために装置は相当複雑になっている。

 第113図はドイツ国有鉄道が試用しているドーブル式蒸気動車の写真で、定員70人、自重34トン、最高速度90キロメートル/時である。

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