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2024年3月の記事

2024年3月29日 (金)

機関車工学:中巻(その258)汽缶の支柱:サイドステー

【 「サイド・ステー」(Side Stay) 】

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 第 1360図は「サイド・ステー」の一般の形状を示すものにして、その両端は「ファイア・ボックス」及び「シェル」に螺ぢ込み、頭部を鋲形に締めたるものなり。「サイド・ステー」の頭部を鋲形に形成するは、いく分その支持力を増加することを得べし言えども、完全なる鋲形を形成するは工作上困難なるのみならず、過度にその頭部を鎚撃するときは「ステー」及び板の螺旋山を損害するの恐れあり。

 また時としては「ステー」を圧迫短縮し板に凹形を呈せしめこれを損傷せしむることあるべし。故に「ステー」の頭部を完全に形成するは却って害ありて利少なきものなれば、通常「スナップ」を用ひずして単に陣笠形に形成し、板と「ステー」との取付を堅牢ならしめ蒸気の漏洩を防ぐに止むるを良とす。

 けだし「サイド・プレート」は缶水欠乏のために焼損するの恐れ少なきものなれば、「サイド・ステー」はその螺旋山の支持力に充分依頼し得べく、「クラウン・ステー」のごとく頭の大なるを要することなし。また応急の修理に際しては第 1361図に示すがごとき頭なき「ステー」を用ふることあり。

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 機関車における「ステー」の取替には汽缶を取除かざる場合あるをもって、一時この種の「ステー」を用ふること多し。この「ステー」はその両端を中空となし、これを螺ぢ込みたる後その孔を押し広げ、もって気密を保たしむるものとす。

 「サイド・ステー」には「テル・テール・ホール」(第 1360図の4)と称する小孔を穿つを例とす。この孔は「ステー」の切断せるに当りて蒸気を噴出せしむるために設けたる通路にして、これにより当局者を警戒するの用に供す。孔の直径は 8分の1" ないし 16分の3" にして、その深さは板の厚さを超へて缶内 2分の1" に達するを常とす。けだし「ステー」の折損切断する個所は概ね「シェル」に接近せる部分なるをもって、「ファイア・ボックス」側にはこの孔を備へざることあり。

 銅製「ファイア・ボックス」には通常銅製「ステー」を用ひ、鋼製「ファイア・ボックス」には鉄製「ステー」を用ふるを例とす。その直径はいずれも 8分の7" ないし1と 8分の1" にして、「ステー」と「ステー」との距間は蒸気の圧力 175ポンド以下にて約4インチとし、175ポンド以上にては約3インチ 4分の3 となすを適当とす。銅製「ステー」は伝熱力大なるの利あるのみならず、鉄に比しその質柔軟なるをもって良く屈曲作用に堪ゆるの益あるものなれども、「シェル」の鋼板と接する部分においては電気分解作用を受けその局部腐蝕せらるるの害あり。

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 英国「ストーン」会社において発明せる撓屈性「ステー」は青銅製にして、第 1362及び 1363図に示すがごとく「ステー」を竪に4個所において切り欠ぎもって撓屈に便ならしむ。この「ステー」は実地使用の結果、普通のものに比すればその生命長きことを証したり。「ファイア・ボックス」の膨張収縮はなはだしき個所に用ふればその効能最も著し。

 

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2024年3月27日 (水)

機関車工学:中巻(その257)汽缶の支柱:ファイアボックスステー

第7章 汽缶の支柱(Boiler Stay)

 汽缶の円形なる部分は蒸気の圧力に対してその平均を保つことを得るものなれども、平坦なる部分は総て支柱(stay)によって支持せらるるを要す。機関車の汽缶は箱形の火室(fire box)を有し、前後左右及び上部共ことごとく平坦なるをもって無数の支柱をもってその内外を連綴せらる。その他「チューブ・プレート」、「バック・プレート」等、平坦なるものは皆支柱によって強固に支持せらる。


【 「ファイア・ボックス・ステー」(Fire Box Stay) 】

 「ファイア・ボックス」の両側前後及び上部は、総て「ステー」によって「シェル」と相連綴しもって蒸気の圧力に抵抗せしむ。しかして両側及び前後における「ステー」を「サイド・ステー」と称し、頂部における「ステー」を「クラウン・ステー」と称す。

 「ステー」は「ファイア・ボックス」の膨張収縮のために常に屈曲作用を受け、しばしば切断するを免れざるものなり。特にその「シェル」に接せる部分は最も多くこの作用を受くるものなれば、常にその部分において螺旋の底部より切断し始むるを例とす。

 「ステー」の切断せるときは、「ファイア・ボックス」の一部は蒸気の圧力によって漸々膨出し、その付近の「ステー」は余分の圧力を受け漸々切断し、数本切断するに至ればついに汽缶の破裂を来すことあり。けだし「ステー」は汽缶の保安上最も注意を要するものなることを忘るべからず。

 

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2024年3月26日 (火)

機関車工学:中巻(その256)火 室:フレームと汽缶との取付

【 「フレーム」と汽缶との取付 】

 「フレーム」と汽缶とは全く離別せらるるものなれども、英国形「フレーム」においては汽缶の「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」は「ボルト」をもって固く「フレーム」と連結せられ、米国形においては「スモーク・ボックス」と「シリンダー・サドル」とが相連結せらる。汽缶の後部は「ファイア・ボックス」の両側において「エキスパンション・ブラケット」と称する鉄片を有し、これによって「フレーム」上に載せられ自由に前後に滑動し得るよう装置しありて、もって汽缶の膨張収縮を許容するものとす。

 第 1351及び 1352図に示せるは簡単なる形式にして、第 1353ないし 1356図はその他諸種の実例を示す。

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 また「エキスパンション・ブラケット」を用ひずして「リンク」をもって連結するものあり。第 1357ないし 1359図はその構造の実例を示す。

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2024年3月25日 (月)

機関車工学:中巻(その255)火 室:灰 箱

【 灰 箱(Ash Pan) 】

 「アッシュ・パン」は火床(grate)の下部に取付けられ、火床(grate)より降下する灰塵を受納する箱にして、通常厚さ 4分の1" または 16分の5" の鋼板をもって製せらる。

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 その構造は第 1345図に示すがごとくその前後両端に d 及び d なる戸あり。戸は蝶交によって上下に開閉せられ、これより箱内に堆積したる灰塵を取り出すものとす。

 前部の戸は桿 a、「クランク」b 等によって、「キャブ」における「ハンドル」h に連結せられ、後部の戸は直ちに「キャブ」内に導かれ、「ハンドル」h によって運転中機関手が自在にこれを開閉し得るよう装置しありて、これによって「ファイア・ボックス」内に供給する空気の分量を加減し得るものとす。この戸を「ダンパー」と称す。

 また灰塵の掃除を便ならしめんがため、往々「アッシュ・パン」の底に別に引戸を付することあり。またその底を漏斗状となし灰塵を落下するに便ならしむるものあり。第 1346図ないし第 1350図は米国「ペンシルベニア」鉄道の機関車に属するものの実例を示す。

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 灰箱(Ash Pan)は通常上部に隅鉄を有し、「ファウンデーション・リング」に螺ぢ込みある「スタッド」に嵌入し、「コッター」にて支持せられて吊らるるものとす。しかしてその「ファウンデーション・リング」に接する部分ならびに戸の接合等はかなり密着して、「ダンパー」の閉塞せらるるに当りては「ファイア・ボックス」内に空気の通ぜざるよう加工するを要すべし。けだし必要に応じ空気の進入を謝断することあればなり。

 灰箱(Ash Pan)内に灰塵の堆積したるときは、これを焼損するの恐れあるべく、また掃除の際灰粉飛散するをもって「アッシュ・パン」内には注水の装置を備ふるを良とす。水は細管をもって「タンク」より導くか、または「インジェクター」の「オーバー・フロー・パイプ」を導くを普通とす。

 

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2024年3月22日 (金)

機関車工学:中巻(その254)火 室:ドロッププレート

【 「ドロップ・プレート」(Drop Plate) 】

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 火床(grate)の前部を構成せる鉄板7は「ドロップ・プレート」と称し、「ファイア・バー」と同一の構造により軸承に支持せられ「キャブ」内よりこれを開閉することを得べし。その目的は仕業の終りにおいて、これより火床(grate)上の灰塵をことごとく灰箱(ash pan)内に墜落せしむるにあり。

 また「ファイア・バー」の代りに水管をもって火床(grate)を成形し、管の内部に缶水を交通せしむるの装置あり。これを「ウォーター・グレート」と称す。この形式は主として無烟炭を燃焼とせる機関車に応用せらる。

 

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2024年3月21日 (木)

機関車工学:中巻(その253)火 室:ロッキンググレート

【 「ロッキング・グレート」 】

 粗悪なる石炭を使用するときは灰塵が「ファイア・バー」の間隔より落下し難く、いたずらに火床(grate)上に堆積することありて、為に燃焼を害するをもって運転中時々これを振り落すの必要あるべし。この目的をもって設計せられたるものを「ロッキング・グレート」と称し米国において最も多く使用せらる。

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 第 1343及び 1344図はその一例を示すものにして、「グレート・バー」は鋳鉄にて製せられ、図のごとくその中心及び指片は同体に鋳造せられ、数組の「グレート・バー」は互に指頭を交叉し、もって火床(grate)を構成するものとす。しかして各「グレート・バー」は両側において軸承にて支持せられ、また各「グレート・バー」の一端には下部に突出したる腕(arm)1を有し、その突端は「ピン」によって「コネクティング・バー」3に連結せらる。

 この桿の運動により「グレート・バー」を一部回転するときは、その間隔に滞留せる灰塵は指片の動揺によって攪乱せられ、容易に灰箱(ash pan)の中に落下するものとす。「コネクティング・バー」3は「ロッド」5によって攪桿(shaking bar)4の下端に連結せらるるが故に、機関手は把柄6を前後に動かし自在に「ロッキング・グレート」を振蕩することを得べし。

 

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2024年3月20日 (水)

機関車工学:中巻(その252)火 室:ファイアバー又はグレートバー

【 「ファイア・バー」または「グレート・バー」(Fire Bar or Grate bar) 】

 「ファイア・バー」または「グレート・バー」は、「ファイア・ボックス」の下部に併列して火床(grate)を形成し、石炭を燃焼するに供せられたる数多の鉄桿にして通常鋳鉄にて製せらる。

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 第 1339ないし 1342図は英国形「ファイア・バー」の一例にして、その横断面は図のごとく下方に向て勾配を付し、もって灰燼をしてその間隔を落下するに便ならしむ。その厚さは上部を 3"/4 ないし 4 1"/4 とし、下部を 3"/8 ないし 7"/8 とす。その深さは長さによって異なるものにして 4" ないし 4 1"/2 とす。小形なる「ファイア・ボックス」においては火床(grate)の全長を通じてこれを1本となしたるもの多しと言えども、大形なるものにありてはこれを分割して2本となしたるものあり。

 この図は中間において分割せる「ファイア・バー」の装置を示すものにして、その両端は火床(grate)に横架したる支梁によって支持せられ、支梁は「ファウンデーション・リング」に取付けある軸承によって支持せらる。また小形なる「ファイア・バー」は2個または3個を一組となし、共に鋳造したるものあり。

 各「ファイア・バー」の間隔は燃料の種類によって異なるものにして、塊炭には比較的この間隔を広くし、粉炭にはこれを狭くするを良とす。しかして空気進入のためその間隔の総面積は、通常火床(grate)面積の 4分の1 ないし 3分の1 を要すべし。

 

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2024年3月18日 (月)

機関車工学:中巻(その251)火 室:ファイアドア

【 「ファイア・ドア」(Fire Door) 】

 「ファイア・ドア」は「ファイア・ホール」に取付けある戸にしてその構造種々あり。横に蝶交を有するもの、いわゆる開戸なるものあり(第 1324ないし 1326図)。

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 上部または下部に蝶交を有し、上部に跳ね上げまたは下部に落下するものあり。あるいは戸を2個に分割して左右に滑動するもの、いわゆる引戸なるものあり(第 1319及び 1320図)。要するにその構造簡単にして作用敏活なるを良とす。

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 通常手力をもってこれを開閉するものなれども、時として蒸気または圧搾空気を使用するものあり。本邦における英国製機関車には、第 1321及び 1322図に示せる「チャット・フィールド」式と称するものを備ふるもの多し。

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 第 1323図に示すは英国において用ひらるる形式の一つにして、「ファイア・ドア」が「ファイア・ボックス」内において開閉し、戸は上部に向て跳ね上り、「ラッチ」によってその開き方を加減するよう装置せらる。この戸は「ファイア・ボックス」の内部にあるをもって、火夫は操縦に便利なるのみならず、「バッフル・プレート」の代用となるをもってその装置を省略することを得べし。

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 第 1324ないし 1338図は欧米各国に用ひらるる「ファイア・ドア」の2~3の実例を示す。

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2024年3月15日 (金)

機関車工学:中巻(その250)火 室:ファウンデーションリング

【 「ファウンデーション・リング(Foundation Ring) 】

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 「ファウンデーション・リング」は、「ファイア・ボックス」の下底において「ファイア・ボックス」内外の板を連接する簡単なる長方形の輪にして、その大体は第 1294ないし 1296図7に示すがごとし。

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 第 1312及び 1313図に示すは本邦機関車に属するものの一例して、直径 8分の7" の鋲をもって単鋲式によりて締結せらる。欧米各国における大形なる汽缶は複鋲式となすもの多し。

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 第 1314ないし 1318図に示すは米国における「ファウンデーション・リング」締結法の実例にして、いずれも複鋲式とす。

 「ファウンデーション・リング」の隅角は、「ファイア・ボックス」の内側において鋲頭を容るるの余地なきをもって、その部分には図に示すがごとく鋲の代りに「スタッド」を用ふ。また「リング」の外側または内側を下部に延長し、別に単鋲式によりて板と「リング」とを締結するものあり。「リング」のこの部分は蒸機の漏洩し易き部分なるをもって、その締結方は特に注意を要するものとす。

 

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2024年3月14日 (木)

機関車工学:中巻(その249)火 室:ブリックアーチ

【 「ブリック・アーチ」(Brick Arch) 】

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 b は「ブリック・アーチ」と称し、耐火煉瓦を用ひて孤形に「ファイア・ボックス」内に成形せらるるものにして、「サイド・プレート」に取付けある「ブラケット」によりて支持せられ、「チューブ・プレート」の下方より斜めに「ファイア・ボックス」の中央部に向ひ突出するものなり。その効用左のごとし。

 1.火焔の流れを迂回せしめ、石炭、ガス、及び飛散せる石炭分子をして充分に燃焼せしむること。

 2.「グレート」上の通風を均一ならしむること。

 3.冷気をして直接に「チューブ」に進入せしめざること。

 その他「ブリック・アーチ」は「ファイア・ボックス」内において常に赤熱の状態にあるものなれば、「グレート」を通過し来る空気または「ファイア・ホール」より直入し来る空気を熱し、ガスをして燃焼せしむるに有効なるものとす。

 またガスの燃焼を充分ならしめんがため、「ブリック・アーチ」を空虚となし無数の小孔を穿ち、外部より導きたる空気をその内部より「ファイア・ボックス」内に噴出せしむるものあり。また「ファイア・ボックス」の伝熱面を増加せんがため、「ブリック・アーチ」を鋼板製箱形となし缶水をその内部に導くものあり。

 

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2024年3月13日 (水)

機関車工学:中巻(その248)火 室:バッフルプレート

【 「バッフル・プレート」(Buffle Plate) 】

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 第1310及び1311図に示せる a は「バッフル・プレート」と称するものにして、「ファイア・プレート」より内部下方に傾斜して突出せり。「ファイア・ドア」の開かれたるとき、「ファイア・ボックス」内に進入する空気はこれによりて下方に向て斜に火中に放射せられ、もって完全に石炭を燃焼し、且つその進入する冷気を直接「チューブ」または「チューブ・プレート」に向て放射するを防御するものとす。けだし寒冷なる空気が「チューブ」に進入するときは、「チューブ」の伸縮不平均を来し、「チューブ・プレート」より蒸気の漏出する原因となるものなり。

 


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2024年3月12日 (火)

機関車工学:中巻(その247)火 室:クラウンプレート

【 「クラウン・プレート」(Crown Plate) 】

 「ファイア・ボックス」の頂板、すなわち「クラウン・プレート」は水平なるものあり。また少しく孤形をなすものあり。孤形をなすものは泥垢の流下するに便なるをもって、鋼製「ファイア・ボックス」においてはこの形式を採用せるもの特に多し。

 またその両側隅の屈曲せる箇所は、これまたかなり半径大なる曲線をもって屈折し、「ファイア・ボックス」の膨張収縮の自由を許すを要すべし。否らざれば内部に幾多の小なる亀裂を生じ、漸々増大してついに大なる亀裂を生ずるに至るべし。この亀裂は多年使用の結果避くべからざる顕象なりと言えども、屈曲急なるものにありて特にしかりとす。

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 しかれどもその曲線の半径余りに大なるときは、その局部が蒸気の圧力に対する抵抗力を殺がれ付近における支柱(stay)の折損を助け、第 1309図に示すがごとき顕象を呈することあるべし。

 

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2024年3月11日 (月)

機関車工学:中巻(その246)火 室:チューブプレート

【 「チューブ・プレート」(Tube Plate) 】

 「チューブ・プレート」は数多の「チューブ」を支持するものなれば、「チューブ」を緊締するため他部に比しはるかに厚き板を用ゆるを例とす。その厚さは銅製「チューブ・プレート」にあっては 4分の3" ないし 1" にして、その下部「チューブ」の取付なき部分及び「フランジ」は、その厚さを逓減して他部と等しくなすを例とす。鋼製のものにあってはその全長を通じて 2分の1" の板を用ふ。大形なる汽缶には 8分の5" の板を用ふるものあり。

 鋼製「チューブ・プレート」において最も困難を感ずるは、「フランジ」における鋲の孔より縁端に向ひて亀裂を生ずることにして、その亀裂は実に「ファイア・ボックス」の致命傷と言ふべく、蒸気の漏洩を来すに至れば修理の道なきものなり。その亀裂せる部分小なるときは、「パッチ」を施して一時蒸気の漏洩を防ぐべしと言えども永く使用に堪へざるべし。

 けだし鋼は銅のごとく柔軟ならざるをもって、しばしば火熱に逢遇すれば膨張収縮に堪ふる事あたわざるに帰因するものにして、特に継目における板の重ね目においては内部の板は直接水に接せざるをもって、火熱を受くること比較的強きをもって最も早く損傷するを免れざるものとす。故に「ファイア・ボックス」における板の継目は単鋲式にして、その「ラップ」のかなり小なるを要すべし。

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 通常第 1306図に示すがごとく 2" もしくは 2 1"/4 となし、 または第 1307図のごとく火に接する面は板の縁端を薄くし、水に接する部分の鋲の頭を沈みとなすものあり。

 「チューブ・プレート」の「フランジ」は「ファイア・ボックス」の膨張収縮に伴ひ、その曲り角において亀裂を生ずるものなり。その頂部において特にしかりとす。故に頂部における「フランジ」はその曲りを最も緩ならしめ半径 2" を下らざるべく、下部に至るに従ひ漸次その曲りを急ならしむるを良とす。

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 第 1308図は「カナディアン・パシフィック」鉄道における最近の設計に属するものにして、頂部「フランジ」の曲りは 2" の半径を有し、中部において約 1" となすを見る。

 

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2024年3月 8日 (金)

機関車工学:中巻(その245)火 室:ファイアボックスの材料

【 「ファイア・ボックス」の材料 】

 英国及び欧州大陸においては多く銅製「ファイア・ボックス」を採用し、米国にてはもっぱら鋼板を用ふ。銅は鋼に比すれば伸張力弱けれども、その質平等にして疵痕少なく、柔軟にして良く膨張収縮に帰因する内力に堪ゆるをもって、劇しく熱せらるる部分には極めて安全なる材料なり。その他銅は伝熱力に富むこと、悪水のために腐蝕せられざること、水垢の付著少なきこと等種々の利益ありて「ファイア・ボックス」の保存上有利なる材料なり。

 これに反して鋼板は上記各項に対し比較的不利益なる材料なり。しかれども銅に比すればその価大いに低廉にして大よそ銅の価の 5分の1 に過ぎず。また鋼は銅に比し膨張の度小なるのみならず「シェル」とその材料を同じふして、内外「ファイア・ボックス」伸縮の差比較的少きをもって、「ステー」を屈曲折損せしむる作用少なきこと、及び内外同一の地金を用ふるをもって、電気分解作用に帰因する腐蝕を避くることはその利益と称せらる。

 鋼の伝熱力は銅に比しておよそ 2分の1 に過ぎず。しかれども鋼は銅に比しておよそ2倍の抗張力を有す。故に鋼製「ファイア・ボックス」においてはその厚さを減少して伝熱力を補ふことを得べし。通常銅製「ファイア・ボックス」の厚さは 16分の7" ないし 16分の9" にして、鋼製「ファイア・ボックス」にあっては 4分の1" ないし 8分の3" なり。

 

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2024年3月 7日 (木)

機関車工学:中巻(その244)火 室:構造の概要

第6章 火 室(Fire Boxes)

【 構造の概要 】

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 「ファイア・ボックス」は「ファイア・ボックス・シェル」の内部にありて、第 1294及び 1295図のごとく長方形をなせる箱にてして、「クラウン・プレート」1、「サイド・プレート」2、「チューブ・プレート」3、及び「バック・プレート」4より成る。その上部両側及び前後とも水をもって覆はれ、下部に「グレート」を有す。後部に石炭を投入する口「ファイア・ホール」5あり。また前部にはガスを流出すべき多数の「チューブ」6あり。

 この図は普通の形式を示すものにして、「チューブ・プレート」及び「バック・プレート」は「フランジ」を有し、「クラウン・プレート」及び「サイド・プレート」に連継せらる。その下部は「ファウンデーシング・リング」と称する長方形の輪7によって、「ファイア・ボックス・シェル」8と相抱合せらる。「ファイア・ホール」もまた「ファイア・ホール・リング」と称する楕円形の輪9によって「シェル」と相抱合せらる。また「ファイア・ボックス」の上部両側及び前後共、ことごとく多数の「ステー」10によって「シェル」と相支持せられ、もって蒸気の圧力に抵抗せしむ。

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 銅製「ファイア・ボックス」においては上部及び両側を1枚の板をもって製し、鋼製「ファイア・ボックス」においては上部及び両側を離別して3枚の板を用ふるを例とす。けだし鋼は銅に比して腐食し易きをもって、修繕の際「ファイア・ボックス」の下部のみを取替ふるに便なればなり。

 「ファイア・ボックス」の外面は運転中絶えず水をもって覆はるるものにして、もしその外面が水を有せざる箇所あるときは、その局部たちまち熱焦して焼損するものとす。缶水減じて「ファイア・ボックス」の上部が蒸気に露出せらるるときは、「クラウン・プレート」は熱焦せられ、蒸気の圧力によりて下方に押し出され、あるいは破裂して不測の災を招くことあるべし。また「ファイア・ボックス」の板は薄くして火と水とかなり接近せしむるを要すべし。

 故に継目において板の重複せる部分は板または鋲の焦損すること早く、また「ファイア・ボックス」内に施工したる「パッチ」のごときは永く使用に堪へざるべし。その他「ファイア・ホール・リング」における鋲の付近は水を離るること遠きに過ぎ、且つ熱を受くる事はなはだしき部分なるをもって最も焼損し易きものとす。

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 近来は「ファイア・ホール」に「リング」を用ひずして第 1297ないし 1300図に示すがごとく、「シェル」の「バック・プレート」と「ファイア・ボックス」の「バック・プレート」とを屈曲して互ひに直接に連綴せり。またこの方法は「ファイア・ホール」付近の焼損を軽減するのみならず、「ファイア・ボックス」の膨張収縮を自由ならしむるの便益あり。特に鋼製「ファイア・ボックス」にはこれらの構造を応用するを一般の慣例とす。

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 また「ファイア・ホール」付近の焼損を防がんがために、第 1301ないし 1303図に示すがごとくその内部周囲に当金を備ふるを良とす。

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 第 1304及び 1305図は米国における「ファイア・ホール」構造の実例を示す。

 

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2024年3月 5日 (火)

機関車工学:中巻(その243)鋲継目:鋲の形状

【 鋲の形状 】

1285

 鋲の頭は手力によるものと水圧力によるものと多少その形を異にすと言えども、「スナップ」を用ひて形成するものは第 1285図に示すがごとく球形にして、板の孔口において少しく沈形となるを普通とす。

1286

 第 1286図に示すは沈形(counter sink)と称し、鋲の頭が他に触るるを避くる場合においてのみ使用せらるるものとす。

 鋲頭の高さ、直径等の割合は、理論上これを一定する事あたわずと言えども大略左式によるを穏当とす。

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 第 67表及び第 68表はこの公式を参酌して実地適当なる数字を掲ぐるものとす。

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P51368

 第 1287ないし 1292図はフランス東部鉄道における汽缶各部の鋲継手の実例にして、第 1293図はプロイセン官有鉄道における汽缶の鋲継手の一例とす。

12871292
1293

 

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2024年3月 4日 (月)

機関車工学:中巻(その242)鋲継目:鋲の穴

【 鋲の穴 】

 汽缶製作における「リベット」の穴はかなり丁寧に穿つを要すべし。キリにて穿ちたるものは板の体質を害せざれども、「ポンチ」にて打抜きたるものは穴の周囲を挫砕して大いに板の強さを損ずるものとす。故に「ポンチ」を用ふる場合には最初小さき穴を打抜き後ち、キリをもって所定の大きさに広げるを良とす。また最初より所定の大きさに打抜きたるものは焼き戻してその挫傷を回復するの法あり。

 

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2024年3月 2日 (土)

機関車工学:中巻(その241)鋲継目:バレルの安全率

【 「バレル」の安全率 】

 汽缶の安全率とは普通のいわゆる安全率にして、汽缶がその常用圧力に対し幾倍の強さを有するかを示す数字なり。すなわち蒸気の圧力が缶板に及す力と、缶板がこれに抵抗する最大の強さとの比なり。しかして後者は缶板の最も弱き部分、すなわち継目の強さをもって算するものとす。

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 前条既に述べたるがごとく、缶板が水平の方向における一点 a または b(第 1264図)において、蒸気の圧力に抵抗すべき力は

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にして、円周の一点(第 1265図)において抵抗すべき力は

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なり。すなわち f は f´ の2倍に相当するをもって、安全率は常に f を基礎として計算するを例とす。


■ 例61

 直径4フィートの汽缶にして缶板の厚さ 2分の1"、常用圧力 160 ポンドなるときは、

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 継目が複鋲式なるときは例56または例57により E = 69.7% なり。また缶板に用ふる鋼板の強さを 55000 ポンドとすれば、継目の最大抵抗力は

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ポンドなり。ゆえに安全率は

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なることを知るなり。一般に汽缶の安全率としては5をもって普通とし、いかなる場合に場合においても4以下にあることは危険なりと認めらる。

 

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2024年3月 1日 (金)

機関車工学:中巻(その240)鋲継目:継目の効率(2)

■ 例55

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 単鋲式「ラップ」継目の場合(第 1279図)。

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 1.1個の鋲がせん断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 2.鋲と鋲との間の板が切断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 3.板または鋲の圧砕せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 4.鋲孔なき板にて「ピッチ」の長さに均しき長さを有する板の抵抗力は左のごとし。

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 故に

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■ 例56

128056

 複鋲式「ラップ」継目の場合(第 1280図)。

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 1.2個の鋲がせん断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 2.鋲と鋲との間の板が切断せらるる場合における抵抗力左のごとし。

P505_20240229162902

 3.2個の鋲の前面が圧砕せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 4.鋲孔なき板にて「ピッチ」の長さに均しき長さを有する板の抵抗力は左のごとし。

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 故に

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■ 例57

128157

 複鋲式「バット」継目の場合(第 1281図)。

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 1.2個の鋲が上下2個所において二重にせん断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 2.鋲と鋲との間の板が切断せらるる場合における抵抗力は、例56の2と同じく 57475ポンドなり。

 3.2個の鋲の前面が圧砕せらるる場合における抵抗力は、例56の3と同じく 86450ポンドなり。

 4・鋲孔なき板にて心距(pitch)の長さに均しき長さを有する板の抵抗力も、前例と同じく 82500ポンドなり。

 故に継目の効率も第2例と同じく

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■ 例58

128258

 単鋲式「ラップ」継目にして内部に目板を有する場合。ただし目板の厚さは主板と同一とす(第 1282図)。

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 この場合においては大なる心距(pitch)P は小なる心距 P の2倍にして、a なる部分は内列2本の鋲と外列1本の鋲とによって支へらるるものと仮定せらる。

 1.外列鋲の部分において、鋲と鋲との間の板が切断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 2.内列鋲の部分において、鋲と鋲との間の板が切断せらるると共に、外列鋲の1本がせん断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 3.3個の鋲がせん断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 4.3個の鋲の前面が圧砕せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

P507_20240229163902

 5.内列鋲の部分において鋲と鋲との間の板が切断すると共に、外側鋲の1本の前面が圧砕せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 6.鋲孔なき板にて P なる心距(pitch)に等しき長さを有する板の抵抗力は左のごとし。

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 故に

P508_20240229164102


■ 例59

128359

 複鋲式「ラップ」継目にして内部に目板を有する場合。ただし目板の厚さは主板と同一とす(第 1283図)。

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 1.外列鋲の部分において鋲と鋲との間の板が切断せらるる場合の抵抗力は左のごとし。

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 2.4個の鋲がせん断せらるる場合における抵抗力左のごとし。

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 3.内側鋲の部分において鋲と鋲との間の板が切断せらるると共に、外列鋲の1本がせん断せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 4.4本の鋲の前面が圧砕せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 5.内列鋲の部分において鋲と鋲との間の板が切断せらるると共に、外列鋲の1本の前面が圧砕せらるる場合における抵抗力は左のごとし。

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 6.鋲孔なき板にて P なる心距(pitch)に均しき長さを有する板の抵抗力は左のごとし。

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 故に

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■ 例60

128460

 3鋲式「バット」継目の場合。ただし外部の目板は 16分の7”、内部の目板は 8分の3” とす(第 1284図)。

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 1.外列鋲の部分において鋲と鋲との間の板が切断せらるる場合。

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 2.4個の鋲は二重にせん断せられ1個の鋲は単一にせん断せらるる場合。

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 3.内列鋲の部分において鋲と鋲との間の板が切断せらるると共に、外列鋲の1本がせん断せらるる場合。

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 4.4個の鋲の前面が圧砕せらるると共に、外列鋲の1本がせん断せらるる場合。

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 5.5個の鋲の前面が圧砕せらるる場合。

 5個の鋲のうち4個は内外の目板を貫通するが故に、その圧砕作用は主板において起るべし。しかれども残り1個の鋲は内部の目板のみを貫通するをもって、その圧砕作用は内部目板において起るべし。けだし内部目板は主板よりも薄ければなり。


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 鋲孔なき板にて P なる「ピッチ」に均しき長さを有する板の抵抗力は左のごとし。

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 継目の効率のみに付いて論ずれば鋲の直径を増加し、従ってまた心距(pitch)を増加するときは、継目の効率は増加することを得べし。ただし板の厚一定するときは、いかに鋲の直径を大にしてそのせん断力を増加するとも、鋲および板の圧砕力はこれに伴ふて同じ比例に増加する事あたわざるをもって、鋲の直径は板の厚さに応じて自ら制限あるべし。

 すなわち前に述べたるごとく「ラップ・ジョイント」においては d = 2.54t、「バット・ジョイント」においては d = 1.27t をもって d の制限となすべく、これに対する心距(pitch)を計算して定むるときは理論上は継目の効率をして最大ならしむることを得べし。しかれども前に述べたるごとく斯く心距(pitch)の大なるものは、工作上板の弾力のために堅牢なる「コーキング」を施すこと困難なるをもって、心距(pitch)を縮めて効率を減殺するは汽缶の製作上止むを得ざるものと知るべし。

 

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