機関車の構造及理論:中巻(その225)空気圧縮機(4)
【作用の説明】
『高圧蒸気ピストンおよび低圧空気ピストンの下り行程ならびに低圧蒸気ピストンおよび高圧空気ピストンの上り行程(第202図参照)』
高圧蒸気ピストンの上り行程の終わりでは単式圧縮機と同様に、逆転板は逆転棒の肩に当たり、逆転棒を逆転弁共上方へ押し上げる。従って逆転弁下端の通路は開かれ、蒸気は f 室に入り蒸気ピストン弁を左方に移動する。
小ピストン弁シリンダーの周囲には1個の脇溝があって、ピストン弁が左に向かって押され始めたときは、b 室の蒸気の一部はこの脇溝をくぐって a 室内に流れ込む。しかしピストン弁がさらに左方へ移動すると、小ピストンはこの脇溝を閉め切り、同時に a 室内にある蒸気を圧縮して、蒸気の弾性によりピストン弁が左方の小ピストン蓋に突き当たるのを防ぐ。
ピストン弁が左方極端に移動したため、先に述べたるごとく高圧蒸気ピストン上部へ高圧蒸気を送り、低圧蒸気ピストン下部へ高圧蒸気ピストン下部にて一度使用せる低圧蒸気を送り、且つ低圧蒸気ピストン上部にて使用せる蒸気を大気へ排出する。
かくして高圧蒸気ピストン(低圧空気ピストンも)下り行程を、また低圧蒸気ピストン(高圧空気ピストンも)は上り行程を成し、その終端に達した時、高圧蒸気ピストンにある逆転板は逆転棒のボタンに当たり、逆転弁を伴って引き下げ、従って f 室へ通じる蒸気の通路を塞ぎ、同時に逆転弁中の溝により f 室の蒸気は大気へ排出される。
この際、大ピストンの内面に働く蒸気総圧力は、小ピストン内面に働く蒸気総圧力よりも大きいから、ピストン弁は第203図のごとく右方に移動する。第一、第二、第三中間ピストンはその直径がいずれも等しいので、これらピストンの両面に働く総圧力は釣合いの状態にある。
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