「米帝の危機」に「説明不足だった」
まず聞いたのは「1991年の五月テーゼ(武装闘争から大衆運動重視への転換を示した路線文書)についての評価は」というもの。これに対しては、矢嶋氏は「組織内で見解を一致させてから表明すべき」とし、今後の革命における軍事路線については明言を避けた。
さらに尋ねたのは、党の情勢分析だ。機関紙の最新号1面では、情勢分析を語る中で「米帝の危機」の根拠として6月5日のテック株急落を挙げている。しかし、これを危機とするのは、いささか疑問だ。「日本経済新聞」などを読めば、この急落は雇用が順調な中で、FRBが利上げをするという予測が出たためということはすぐわかる。
いわば、市場のありがちな値動き。実際、その後はすぐに回復。なにより、ナスダックをみると昨年来値動きはずっと右肩上がりで、過去半年間で5000ポイント以上上昇している。
つまり、米帝は危機どころか、ますます盛んなのではないか……。
これにいささか困った顔をしてマイクを握ったのは、水樹氏であった。「一日の動きを証拠とした点は説明不足だった」とは認めつつも、こう語った。
「製造業が空洞化しており、末期的状況を示していると考えている」
水樹氏は、中核派ではレーニンの文献の解説書も執筆してきた理論派。レーニンの文献は、どれも情緒ではなく農工業の統計を示して分析するのが定番。それを知っているからこそ、若手たちの情緒が先走った書きぶりを指摘され、いささか困惑しているように見えた。