王様の食卓/雑な料理はもう飽きた(仮)
だいぶ昔に書いた小説が出てきたのでサルベージ。
アーサー王時代に呼び出される赤弓さんがみたいなぁと思って書いた。
誰か書いて下さい!!!
あと他に
王様の憂鬱/我が神だ (金ピカ)
御子の恋煩/男でもOK (青槍)
王女の幸福/可愛いモノしかいらない (奥様魔女)
とかそれぞれの時代に召喚されてメシ使いもとい執事してる赤弓とか考えたけど描き起こすの('A`)マンドクセ
- 411
- 387
- 20,303
ある日、朝食を食べていた王様が言いました。
「……雑だ」
は?と兵士が振り向くとそこには敵を前にしたかのように険しい表情の王がいた。
やがて静かな静寂の後、王は手を置きフキンで手を洗うと席を立った。
兵士がテーブルの上を見ると、いつもは完食される食事が一口しか食べられていなかった。
(どこかお体の具合でも悪いのであろうか?)
「マーリン!マーリンは居るかっ!」
玉座に続く長い廊下をズンズンと歩いて声を張り上げるがまわりに人のいる気配はない。
しかし王には呼んでいるその人物がいつどこにいようと聞こえているのは知っていた。
「なんだ?いつもは人一倍…いや二倍三倍食べておるのに……腹でも壊したか?」
茶化した言い方をしてみたが、王は存外本気だったようだ。
その証拠に
「食事が不味い。今日中になんとかせよ」
眼が怖いどころか背後に餓えたライオンが見えました。byマーリン
自分が食われる幻を見たような気がする魔術師はブツブツと文句を言いつつ何やら魔法陣を描いていく。
「まったく魔術師使いが荒いヤツよ」
完成した魔法陣に包丁と鍋を置き呪文を唱えた。
―――満たせ(閉じよ)……(長いので省略)
ドーンと何かが天井を突き破って落ちてきた。
かなり無茶な召還というか、ただの包丁と鍋で呼ばれるモノ(人物)なんてたかが知れているためマーリンはあらかじめわかっていたかのように、物陰に隠れていた。
「くっ……私のマスターになる人物は無茶な召還しかしないのかっっ」
何かが嘆いている。
同じ経験をしたことがるのか、それとも毎回こういう召喚しかされないのかわからないが嘆いていた。
やがて落ちてきた衝撃で舞った埃も落ち着き、マーリンは自分の呼び出したものを見ることができた。
赤い襦袢、白くくすんだ髪、浅く変色した褐色の肌、鷹のように鋭い目……まるで武人のような人物に失敗したのかとマーリンは思った。
「あなたが私のマスターかね?」
「いんや……お前の仕える方は一人の王より、それを打ち倒した2人の王よりもっともっと偉大な王である」
遠回しな言い方に召喚された男は眉を寄せる。
「だがラインはあなたに繋がっているようだが……?」
「私はただ呼び出しただけだ。お前が仕えるのはその偉大なる王である」
本来は呼び出した本人がマスターになるものだが、召還者がほかに仕えよというなら召喚された側はそうするしかない。
「その偉大なる王というのはどういう人物なのだ?」
「このブリテンを治めるただ一人のお方、アーサー王である」
「!!」
男は目を開いて驚いているようだった。
しばらくの沈黙の後、男は口を開いた。
「それはそれは、確かに偉大な王だな。で、私は聖杯を探し出すために呼ばれたのかな?」
アーサー王といえば聖杯の探究……その知識が世界から呼ばれたものである男の口から出るのは意外でも何でもなかった。
ただ、今回はその限りで呼ばれたわけではないことを男に告げなければならないマーリンあっけらかんと言い放った。
「いんや、王の口に合う食事を作ってもらいたいんだ」
「………………は?」
こうして王の料理を作るにふさわしい“料理人”は召喚された。
―――なんでさっ!!