100億円の整備計画に渦巻く疑念
その一つが、同大学の校舎建て替えとの関係だ。
千葉商科大学では現在、100億円を超える巨額のキャンパス整備計画が進行中であることが、その疑念に拍車をかけているのだ。
2021年に元理事長が逮捕された日本大学の不祥事で広く知られたように、私立学校では、建築工事のバックマージンなどの疑惑がしばしば問題になる。その際、不正の温床として、学校法人の子法人や関連会社が利用されるケースもある。
2025年に発効した改正私学法では監事や会計監査人に子法人の調査権限が付与された。しかし、すべての子法人について常時、一律の調査を義務付けているわけではない。監事や会計監査人が実際に機能しなければ、不透明な取引が見過ごされるおそれは残る。
千葉商科大学で、同窓会をはじめ今回の騒動に懸念を持つ関係者が疑念を深めている理由はここにある。
そして、彼らの不信の最大の要因になっているのは、内田理事長を辞任に追い込んだ正当な理由が聞こえてこないことだ。
なぜ内田氏の辞任を急いだのか。
なぜ中立的な調査や十分な弁明の機会を設けなかったのか。
なぜ同窓会が求めた理事全員の辞任を拒み、自分たちだけが残ったのか。
大義なきクーデターによって残されたのは、「正統性」を失い、崩壊しつつあるガバナンスと、蚊帳の外に置かれた教職員、そして混乱のなかに取り残された学生たちだ。