LGBT理解増進法に基づく初の基本計画が16日、閣議決定された。SOGI(性的指向と性自認)の多様性に関する教職員や行政職員への研修機会の確保などが盛り込まれ、具体的な運用は今後策定されるガイドラインで示される見通しだ。一方、トランスジェンダー女性との共生を巡っては、トイレや更衣室といった女性専用スペースの共用を不安視する声もある。女性団体の代表らは学校現場や女性スペースを巡る課題について、当事者団体だけでなく、保護者や女性ら幅広い立場の意見を制度設計に反映させるよう求めた。
「有識者」に偏り
「包括的性教育から子供達を守る地方議員連盟」(22人)の共同代表を務める村松裕美甲府市議、「女性の権利と尊厳を取り戻す会」の青谷ゆかり共同代表、顧問で麗澤大の高橋史朗特別教授(教育学)の3人が取材に応じた。
いずれも性的少数者への理解の必要性は認めたうえで、基本計画策定に当たり、意見を聴取した有識者が偏っていたのではないかと疑問を呈した。
村松氏は、理解増進法施行から3年間で生じた社会的な摩擦が基本計画に反映されていないと指摘。「理解増進法が掲げる『全ての国民が安心して生活できる』という理念がないがしろにされている」と批判した。
学校現場については「性自認が最優先される流れになっている」とし、生物学的に男性のトランスジェンダー児童・生徒が女子のトイレや宿泊部屋を利用する際、他の児童生徒や保護者への十分な説明が行われないケースがあると懸念を表明した。