メインコンテンツへスキップ
/ 1

[社説]強引な皇室典範改正は禍根を残す

詳しくはこちら

政府による皇室典範改正案の内容が明らかになった。与野党協議でまとめた「立法府の総意」の枠を越え、男系による皇位継承を固めたい意向が鮮明だ。幅広い合意形成が必要な皇室を巡る議論の進め方として、乱暴と言わざるを得ない。丁寧な対応を求めたい。

先に公表された「立法府の総意」は、意見が割れる論点の多くで結論を出していない。皇室の養子となる旧皇族の子孫の子に皇位継承権を与えるかや、結婚する女性皇族の配偶者や子を皇族とするかどうかなどだ。

ところが政府が検討する具体的な皇室典範の改正案には、「総意」にはなかった内容がいくつも盛り込まれている。

養子に男子が生まれれば、皇位継承権を持つことが明確にされた。生まれた時から一般人だった人の子が天皇になりうるということだ。現在の天皇家に取って代わるということでもある。これほど大きな方針転換を十分な議論もなく行うのは、民主主義の軽視にほかならない。国民の理解が得られるか極めて疑問だ。

養子は配偶者と子のいない15歳以上の男子で、いったん皇族になれば自らの意思でその身分を離れられないという。養子選びに政治的な思惑が入り込む余地もあり、人権上も問題があろう。

結婚した女性皇族には住民基本台帳法が適用される。皇族は通常「皇統譜」と呼ばれる皇室の特別な戸籍に記載されるが、それとは異なる扱いになる。女系継承の可能性を排除する方策ではないか。

全体を通して男系継承にこだわる意図が明確だ。報道機関の世論調査では女性・女系天皇への高い支持が目立つ。養子案は賛否が割れるうえ「分からない」との声も多い。改正案は国民の意見を十分に反映しているとは言えまい。

皇室問題は国民統合の根幹に関わる特殊なテーマだ。だからこそ与党の「数の力」によらない議論が求められ、歴代政権も慎重に対処してきた。それを無視すべきではない。強引な改正は禍根を残す。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員限定
日経電子版の記事を学習したAIが
ニュースの疑問を
その場で解消!
Ask Nikkeiを使用している画面例
Ask! NIKKEI
詳しくはこちら

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連キーワード

セレクション

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
エラー
操作を実行できませんでした。時間を空けて再度お試しください。

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_