「それはテクハラです」 SNSで日常化?文章に潜む女性差別

2001年、テクハラ裁判で闘う中、『テクスチュアル・ハラスメント』を出したSF・ファンタジー評論家の小谷真理さん=本人提供
2001年、テクハラ裁判で闘う中、『テクスチュアル・ハラスメント』を出したSF・ファンタジー評論家の小谷真理さん=本人提供

 「テクハラ」という言葉をご存じだろうか。「テクスチュアル・ハラスメント」の略、つまり文章上のセクハラ(性的嫌がらせ)だ。

 「どうせ男が書いたんだろう」

 「女の書くものはつまらない」

 2001年に出版された評論書『テクスチュアル・ハラスメント』は、「女に創造的なことはできない」という偏見に基づいて女性作家を不当におとしめる“難癖”の数々を分類。性差別が潜む文学のダークサイドを暴いた。

 それから四半世紀たった今春、増補新版がインスクリプトから刊行された。

 著者の一人、SF・ファンタジー評論家の小谷真理さん(67)は01年の初版刊行時、テクハラ訴訟で闘っていた当事者でもある。

 「多くの人が文章を使ってやりとりするSNS時代の今、テクハラは文学の世界にとどまらず、日常的な問題といえます」と語る。

批評のテクハラ表現を分析

 『テクスチュアル・ハラスメント』はフェミニストのSF作家、ジョアナ・ラス(1937~2011年)の著書『女性の書き物を抑圧する方法』(83年)の全訳と、小谷さんがそれを解説した論考で構成される。増補新版では今年執筆したエッセー「変革のときを迎えるために」などを加え、再構成した。

 ラスの本には19世紀生まれのヴァージニア・ウルフや現代作家のアーシュラ・K・ル=グウィンら女性の書き手の名がずらりと並ぶ。

 ラスは彼女たちの作品がどのように批評されてきたかを具体的に示し、そこに内面化された抑圧の構造を分析。批評におけるテクハラ表現は①「女はそれを書いていない」と書き手の主体性を否定する②「女の書いたものは大したものじゃない/真の芸術ではない/生涯に一作だけ」などと揶揄(やゆ)する――の大きく二つに集約できる、と論じた。

 例えば…

この記事は有料記事です。

残り2099文字(全文2825文字)

全ての記事が読み放題

夏得最初の3カ月50%OFF

※割引期間中でも解約いただけます。

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

1時間
24時間
SNS

スポニチのアクセスランキング

1時間
24時間
1カ月