法案のデメリットだけ集めた二次創作を公式扱いはやめて欲しい話
タイトルの通りである。
政府憎しで、これから始まる法案や憲法改正の悪い面だけを切り取りまくって、つぎはぎにする二次創作を公式扱いするのは、本当にマジでやめて欲しい。
現政府を悪と断ずる一部の人々は、新しい法案が議論されるたびその法案が持つ本来の目的やメリットには一切触れない。
ただひたすらに、この条文がもし悪用されたら、こんな最悪の事態になるかもしれない!という極端なワーストケースばかりを抽出し、それらをつなぎ合わせて、ほら!こんなおぞましいディストピアが完成したぞおおお!!!!と大騒ぎする。
オタク目線で言わせてもらえばそれは完全に公式設定無視の悪意あるバッドエンド二次創作なのだ。
そう言うパロが好きな気持ちは否定しない。
しかし原作(実際の法案)には、サイバー攻撃からインフラを守るためとか、てめえの汚え首を切ってやる!とか言い出す役人を採用しているEEZとか無視するヤバ国たちのテロの脅威に迅速に対応するためといった、現代社会において極めて現実的で真っ当な目的……いい面がちゃんと書かれている。その運用を急ぐ理由も、台湾有事など危機が迫っているからだ。
それなのに、そのメインストを完全に無かったことにして政府は国民を監視し言論を弾圧し独裁を企んでいる!!という自分たちの脳内で作り上げた都合のいいヴィラン設定を付与し、それを隠された真実だ!と吹聴して回っている。
何かを批判して人々に議論を呼びかけたいのであればこの法案にはこういうメリットがある一方で運用次第ではこういうリスクも懸念される、と両方を提示するのが最低限のフェアな態度というものではないだろうか。
光の部分を一切語らず影の落ちる部分だけを過剰に濃く描き殴った歪なデッサンを見せられて、これが現実だ!目を覚ませ!と叫ばれても、こちらとしては、いや……元の原作の形が全く残ってなくないっすか……?と曖昧な笑みを浮かべるしかない。
私だって確かに、クソ真面目軍人である褐色長身ムキムキの攻と、同じくクソ真面目軍人である小柄ムキムキ受が緊迫した作戦会議の最中に交わす1コマ内での視線のやり取りに「この2人は確実に前夜セックスをしている」と確信を覚えることはある。
だが言うまでもないことだが、それはあくまで二次創作という自身に委ねられた想像の世界での話だ。
私が公式や周りに向かって「この2人って一緒の部屋で寝てた描写があるし、基本的に2人組で行動するし、序盤と比べて明らかに距離が近くなっています。こんなに仲良くなる理由としては、セックスしたこと以外あり得ませんよね。彼らはセックスをするに十分な時間が公式で明確に与えられており、このコマではセックスをしたとしか思えない顔をしています。だから仲良くなった理由はセックスです」とか言い出したらマジの普通に立派な狂人である。
私の中ではこの2人はセックスしてるけど、原作や他の人の中ではそうではないかもしれない、と言うのは当たり前にある前提だ。
ゆえに彼らのその法案の極端な悪い面だけを切り取って繋ぎ合わせたディストピア二次創作が許されて、しかもそれが真面目な政治的議論として罷り通るというのなら、私だって言いたいことがある。
その論理が許容されるなら、私が明日から、いいえ違います!国家情報局の真の目的は、お国の偉い人たちが自分好みのムキムキの受を地下施設に監禁し、国家権力を私物化して合法的にドスケベ拷問をするために作った法案なのです!全ては淫棒によるものです!高市総理は激ヤバの腐女子で、国会議員は全員腐です!と真顔で主張してデモに参加してもいいのだろうか。
彼らは私のその主張を彼らが言う、命と尊厳をめぐる政治的議論のテーブルとやらに乗せてくれるのだろうか?
想像してみてほしい。
私がもし「国家権力によるドスケベ拷問反対!」という手作りのクソデカプラカードと、バニー姿で開脚しながらドスケベ拷問を受けている無辜の市民の絵を掲げて彼らのデモに合流したら、彼らは「その通りだ同志!共に権力の変態的暴走から市民を守ろう!」と熱く肩を組んでくれるだろうか。
絶対にそんなわけがない。
「ふざけるな」「真面目な話に下品な妄想を持ち込むな」「頭おかしいんかお前」と、間違いなく冷たい目で界隈からつまみ出され、それこそ冷笑勢の荒らしとしてブロックされるのがオチだ。
だが、これも冷静に考えてみてほしい。
デメリットだけをつぎはぎした最悪のケースを人々に開示し、それを現実の法案の裏の目的だと断定して大騒ぎするというアプローチの構造においては、私のお国の偉い人によるドスケベ拷問説も、彼らの治安維持法の再来で市民が虐殺される説もやっていることは変わらない。
私が通しているフィルターがBLと性癖で、彼らが通しているフィルターが悪い政府ありきのディストピア小説。
ジャンルが違うだけで、現実の法律の見たい部分だけ見て解釈をしているという点では、全く同じ穴の狢である。
結局のところ、彼らは悲劇の二次創作だけを正史として扱いたいだけで、少しでも自分たちの見たいストーリーから外れる異論は最初から議論のテーブルに乗せる気すらないように思える。
私たちは、現実の政治や国家防衛という極めてドライで複雑なシステムを自分たちのヒロイズムを満たすための舞台装置として消費してはいけない。
「国家権力が暴走して、罪のない市民が監視され、弾圧される暗黒時代!」だの「特高警察がオタクの部屋に踏み込んでくる!」だの、そういう手に汗握るスリリングな展開は薄い本の中だけでやってくれという話なのだ。
私が彼らに対して決定的な相容れない感を抱いている理由はここにある。
彼らは「暴政から命と尊厳を守る!」と大義名分を掲げながらその実、現実の法律や実在の政治家を都合よく切り貼りして自分たちを巨大な悪に立ち向かう悲劇のレジスタンスに見立てた、政治的エンタメ消費に酔いしれているだけに見える。
現実の社会不安や複雑な国際情勢を自分たちの正義の物語を盛り上げるための都合の良いヴィランとして消費し、それに付き合わない人間を「どうして無視するのだ」と嘆き「あなたたちは何も知らないのだから私たちの話をとりあえず聞くべきだ」と断ずる。
しかしこちら側から見れば、現実とフィクションの境界線を完全に見失い、現実の広場で自分たちの作ったディストピア同人誌を大声で朗読している彼らこそ、ある意味で最もタチの悪いマナー違反のヴィランなのだ。
悪い面だけを切り走りした世界線の話を現実だと思い込んで、強大な敵との聖戦に熱狂するのは自身の自由だ。
けれどそのフェアじゃない二次創作を絶対の真実としてコーティングし、オタクがこぢんまりと暮らしているテリトリーで頼んでもいないのに「真実はこうだ!」と急に立ち上がって啓蒙活動を始めてビックリさせないでほしいし、その思想のためになんの関係もない版権やアイドルのペンライトを振り回すのをやめて欲しい。
人を無知扱いして、ほとんどのオタクがオタクアカウントで政治について論じないのを無関心だと断ずるのをやめて欲しい。
黙っているオタクは黙っている理由があるのだと、黙っている1人のオタクとして言わせてもらいたい。そちらが大騒ぎすることが政府に対する意思表示であるように、こちらも黙っていること自体が意思表示なのだと尊重してもらいたいのだ。
少なくとも私にとっては、そういう切り貼りされた「真実」とやらに付き合っている暇はない。
私は私のキャンバスで推したちの魅力を切り貼りではなく余すところなく拾い上げ、ただ緻密な筋肉と情熱に溢れた至高のフルカラー原稿を誠実に描き上げたいのだ。



原作は元々ある憲法&法律で、法案と憲法改正は後世の人が考えるリメイク、もしくはメディアミックス案じゃないの? もちろん法案によってより良い方向に進んでいったものもこれまでにもあるだろうし法案=悪とも思わないけど、法案批判=悪!ヘイト二次創作!ってやってるのも無茶苦茶な感じ。 原作…
https://note.com/ila_agent/n/n262814797b87
実名・住所付きの病歴が本人の同意なくAIに学習される法案が出ているのは、間違いなく現実で起きているけど、源さんの世界にはないニュースなんですか?「病歴 本名 住所」で検索すると出てくるんですが…
法案は今ある法律を変えるための案なのに原作扱いは違和感すごい。法案って別に自民党や高市さんだけで考えてるわけでもないし、中道や共産党なんかも法案提出したりする事分かってます??源さんが納得できる法案(自民党案)のみが原作で、納得いかない法案(共産党系の野党案)は劣悪なスピンオフみたい…