明治から昭和初期にかけて研究目的でアイヌ民族の遺骨が無断で持ち去られた問題を巡り、真相を究明していく「真実委員会」(仮称)の設置に向けた初会合が27日、札幌市で開かれた。継続的に対話を重ねる他、アイヌ民族の証言や聞き取りの必要性など、話し合いは多岐にわたった。今回参加しなかった東京大など大学側、日本人類学会や日本考古学協会にも呼びかけを続けることで合意した。(木原育子)
◆「なぜ大人は怒らないのか、子ども心に疑問だった」
真実委員会は、重大な人権侵害が起きたことに対して真相を究明し、最終的に和解につなげることを目的とする。アイヌ民族の遺骨は当時を代表する研究者によって収集され、今も大学などに留め置かれたままだったり、慰霊施設(北海道白老町)に集約されたりして、それぞれの「故郷」に還っていない状態で、真実委員会の設置を求める声が上がっていた。世界では100以上の設置例がある。
「幼い頃、お墓に続く道にたくさんの穴が空いていた。そんなことをされてなぜ大人は怒らないのか、子ども心に疑問だった」。27日の会合で、アイヌ民族の小川早苗さん(85)は訥々(とつとつ)と語り出した。
北海道・日高地域の三石アイヌ協会の幌村司さん(71)も「私も実はその…」と切り出し、「アイヌに途中からなった、というぐらい認識がなかった。アイヌ民族のことを考えるようになったのはここ15年ぐらい」と、アイヌ民族として語る場がなかったことを話した。
◆「対立して終わりではなく、そうではない道を探りたい」
山下明美さん(76)は「70歳までアイヌであることを語れなかった」と社会からの根深い差別的なまなざしに言及し、「先祖の遺骨はまだ土に還...
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