米国雇用の逆K字型とAI失業
2年連続夏休みの空騒ぎ
米国の労働市場は年単位で異様な安定が続いている。2024年夏に失業率が大きく上昇し「サームルール」が発動されたため景気後退が懸念され、株式市場のクラッシュと2024年後半の100bp利下げを招いたが、結局その後サームルールは偽陽性で終わった。失業率の上昇はバイデン政権の下で移民流入が加速した結果だったからである。2025年の同じ季節になると、NFPの増え方が明らかに前年より鈍くなったということで、似たような議論がもう一度蒸し返された。2025年のNFP増加鈍化は景気の悪さというより、今度はトランプ政権の移民政策によって総労働者数の増加が抑制されたためでもあったが、2025年のジャクソンホールではこれを「NFP総数の停滞は雇用のダウンサイドリスクの高まりに繋がる」と解釈したため、2025年後半に更に75bp利下げが行われた。
結果的に2024年と2025年の雇用指標の一部悪化はともに移民関連の人口動態のブレとして説明されるわけだが、2024年が完全なる「偽サームルール」だったのに対し、2025年の労働者数の減速は消費等にも二次効果を及ぼすはずだった。しかし、2024年夏の失業率上昇にしろ2025年夏のNFP鈍化にしろ、労働市場における二次効果の発現しなさは想像以上であった。2025年のジャクソンホールのダウンサイドリスク説に対し、2025年12月FOMCまでの間に行われた75bp利下げが済んだ後からFed内外からの批判が噴出した。2026年1月FOMCでは労働市場は「安定化の兆しを示したということで、ジャクソンホールのダウンサイドリスク説は棄却され、合わせて早期追加利下げへの望みも断たれることになった。2024年の分も合わせて175bp利下げはもう済んだとはいえ、二次効果のなさについては何らかの総括を行わなければならない。
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