石巻・鮎川捕鯨が自己破産 負債額5億5000万円

鮎川捕鯨の本店工場。東日本大震災後に再建された=3月、石巻市鮎川浜

 石巻市鮎川浜の捕鯨会社「鮎川捕鯨」は26日、仙台地裁に自己破産を申請した。帝国データバンク仙台支店によると、負債額は約5億5000万円。日本が2019年に国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、調査捕鯨から商業捕鯨へ移行したことで国の補助金が減少し、赤字に陥った。海洋環境の変化による近年の不漁も影響した。

 同社は、鮎川地区で事業を展開していた大手捕鯨業者の撤退を受け、沿岸小型捕鯨業者4社と鯨肉販売事業所が経営統合し、2008年に設立された。宮城や千葉、北海道沖で捕鯨船2隻による小型捕鯨を操業し、ミンククジラやツチクジラなどを鮎川漁港に水揚げしていた。

 鯨肉の加工販売も手がけ、本店に併設する解体工場で生肉や冷凍など業務用加工のほか、ベーコンスライスや大和煮の缶詰といった一般向け商品も製造。全国で販売し、09年12月期には年売上高約4億7600万円を計上した。

 しかし、東日本大震災の津波で捕鯨船が流失、本店工場も全壊する被害を受けた。グループ化補助金などを活用して12年11月に本店工場、捕鯨船を再建して事業を再開。国策の調査捕鯨のため国の補助金による赤字補填(ほてん)を受けていたが、商業捕鯨移行後は自主経営・採算を求められ赤字経営に陥った。

 近年は人手不足やミンククジラの頭数減少、海水温の上昇などで不漁が続いた。25年3月期には約2億6400万円の年間売上高に対し、約1億円の営業損失を計上。採算確保の見通しが立たないことから、事業継続を断念した。

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