「共産党が荒らしている」「ネトウヨのコメントは放置」…杉並区長選で繰り広げられる「岸本聡子氏」と「保守系候補」の仁義なき舌戦
6月21日に公示された東京都杉並区長選(28日投票、29日開票)は、リベラル系の現職区長・岸本聡子氏(51)、前回区長選で187票の僅差で敗れた元職・田中良氏(65)、27年ぶりの自民党推薦候補・大和田伸氏(45)、地域政党「再生の道」が推薦する国際ビジネスコンサルタント・増田義彦氏(68)が熱戦を繰り広げている。SNS上では「リベラルVS保守の対決」「国政選挙の前哨戦」とみる人々が応援やバッシング合戦を展開し、一自治体の首長選としては異例の注目を集めているが、当事者たちは何を思うのか。候補者や杉並区民を直撃した。 【写真】ネット上で炎上した自民党議員も、応援に参戦! * * * 選挙戦4日目となる24日夕方。JR高円寺駅の改札を出ると、北口方面からも南口方面からも、候補者たちがメガホン越しに張り上げる演説の声が押し寄せてきた。 駅前の北口広場近くに陣を取っていたのは、元自民党区議の大和田氏。応援弁士として、門寛子衆院議員や、元杉並区長の山田宏参院議員も駆けつけ、党をあげた手厚いバックアップ体制が敷かれていた。 大和田氏がひときわ熱を込めて訴えたのは、学校現場におけるいじめ問題だ。杉並区では2015年以降に14件の「いじめ重大事態」が発生しているが、うち10件は「調査中」と未解決のままで、対応の遅れが指摘されてきた。 「私は区議会議員のときに今の区長に何度も言いました。『教育委員会や学校現場は二の足を踏んでいるんだ。あなたしか、その子どもさんたちを救うことができないんだ』。しかしながら、結局彼女は首を縦に振らなかった。~中略~ 今の岸本区長では、杉並の子どもたちの命を守ることはできない。だから誰がやるか、私がやるしかないじゃないですか!」 大和田氏がこう叫ぶと、会場からは「そうだー!」「頑張れ!」と喝采がおこり、大和田氏の写真が貼られたうちわを手にした幼い子どもたちはキャッキャと歓声をあげた。
■どぶ板選挙は「感触めちゃくちゃいい」 盛り上がる会場の様子に、陣営関係者は自信をのぞかせる。 「徹底的にどぶ板選挙を展開していますが、感触めちゃくちゃいいんですよ。今日だって(自民党支援者たちに)動員をかけずとも、これだけ人が集まっている。ネット上は共産党のみなさんのアンチコメントもあって荒れていますが、街頭の様子は別物ですね」 「荒れる」一因となったのが、この日応援弁士を務めた門議員の行動だ。4月14日、インターネット番組に出演した門議員は、市民による国会前のデモ活動について「ごっこ遊びにしか見えない」と発言し、物議を醸した。また、6月4日の衆議院予算委員会中継で、不可解な“変顔”姿が映りこんでいたこともネットを騒がせた。 門議員の炎上騒動は痛手では――? 前出の陣営関係者に話を向けると、「二人三脚でやらせてもらってますけど、門さんは門さんで、うちはうちですから」と笑顔で返ってきた。 区議時代から大和田氏を支持してきたという75歳男性は、「彼は愚直に区民のことを考えてくれる。お辞儀が深いのもいい」と政治家としての姿勢を評価する。一方、対抗馬の区長経験者二人については、「今の岸本区長は決断力がないし、その前の田中元区長は自分の考えを押しつけて権力を振りかざすタイプだった」と批判した。 大和田氏やその支持者から“決断できない区長”と指摘された岸本氏だが、高円寺駅北口に設けられた同氏の演説会場には100人あまりの聴衆が詰めかけた。女性や若者の姿も多く、応援弁士として20代の区民が代わる代わる演説台に立つ、一風変わった選挙戦を展開していた。 「安心して暮らし続けられる杉並。これが今回の大きなスローガンです。その安心というのはすべての人を包摂するものです。特に立場の弱い人、経済的な基盤の弱い人にこそ歩み寄り、共に支えあうのが行政の一番のミッションだと思っています。いかがでしょうか?」