本能かもしれんが。でもそれだけじゃなくて、私自身が助けたいと思っているから」
智美「………」
こんな時に真面目な顔をして茶化さないのだから、本当に智美はいい性格をしていると思う。
その時執務室の扉が控え目に叩かれた。
扉のすぐ向こうにいるのは女御のようで、彼女は来客を告げてくる。
菫に今日これからの来客の予定はなかったが、智美が「来たか」と言い席より立ち上がった。
視線を向けると、 彼女は今まで座っていた席を直してから座る菫の斜め後ろに移動する。
形式に沿った行動だと思ったから菫も気分を改めた。
女御に入室を許可すると、扉が開いて一人の官吏が一礼をして入ってきた。
微かに菫は目を見張る。……自分にしてみれば知らぬ顔ではなかった。
智美「………」
こんな時に真面目な顔をして茶化さないのだから、本当に智美はいい性格をしていると思う。
その時執務室の扉が控え目に叩かれた。
扉のすぐ向こうにいるのは女御のようで、彼女は来客を告げてくる。
菫に今日これからの来客の予定はなかったが、智美が「来たか」と言い席より立ち上がった。
視線を向けると、 彼女は今まで座っていた席を直してから座る菫の斜め後ろに移動する。
形式に沿った行動だと思ったから菫も気分を改めた。
女御に入室を許可すると、扉が開いて一人の官吏が一礼をして入ってきた。
微かに菫は目を見張る。……自分にしてみれば知らぬ顔ではなかった。
266: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/15(金) 01:04:00.22 ID:MbMrc5gK0
塞「このような内輪の場を設けて下さって、ありがとうございます。台輔」
菫「………いや」
声に躊躇いがあるのはどう反応していいか迷ったからだ。
やってきたのは、塞という名の官吏だ。内宰の立場にあって、形式上では何度も顔を合わせた事があるが。
それ以外でこうも近くで対峙するのは初めてだと思う。
菫からすれば、訪ねてきた姿に含むところはない。
が少し前に智美と相談した内容が頭を掠めたから面食らってしまった感はあった。
思わず自分の斜め後ろに控える智美に視線を向ける。
きっと彼女の事だ、菫が抱く動揺なんて手に取るように分かっているだろう。
案の定、睨んだ自分をなだめるように苦笑を浮かべた智美が言った。
智美「状況が変わったので……助けになる者には歩みよろうかと。台輔の人の見る目を信じます」
その言葉は以前、智美との会話の中で、菫が塞の印象を説明した時の事を言っているのだろう。
あの時自分は塞の事を人格者だと言ったが、今この場にやってきた塞を見返してもみてもあの時言った事は間違っていないと思う。
背筋をピンと伸ばし、向ける眼差しは揺れず明確な意思を感じる。
塞「私を覚えていて下っていたのですか?」
塞の声に顔を向けると菫は数秒、悩んでから結局は頷いた。
菫「立場も、だが……なにかと便宜を図ってくれた事には感謝している」
短い言葉だったが、それを聞いただけで塞も菫が何に対して礼を言っているのかを悟ったようだった。
その上で、彼女は首を左右に振って言う。
塞「些細な事です。結局私の立場でも、台輔のためにはあれぐらいの事しかできませんでしたから」
真摯な言葉だと思った。だから無意識にも菫は信じたいと思っている。
これは麒麟の性なのかもしれないが、それを抜きにしても菫の目からは塞は誠実な人間に見えた。
菫「………いや」
声に躊躇いがあるのはどう反応していいか迷ったからだ。
やってきたのは、塞という名の官吏だ。内宰の立場にあって、形式上では何度も顔を合わせた事があるが。
それ以外でこうも近くで対峙するのは初めてだと思う。
菫からすれば、訪ねてきた姿に含むところはない。
が少し前に智美と相談した内容が頭を掠めたから面食らってしまった感はあった。
思わず自分の斜め後ろに控える智美に視線を向ける。
きっと彼女の事だ、菫が抱く動揺なんて手に取るように分かっているだろう。
案の定、睨んだ自分をなだめるように苦笑を浮かべた智美が言った。
智美「状況が変わったので……助けになる者には歩みよろうかと。台輔の人の見る目を信じます」
その言葉は以前、智美との会話の中で、菫が塞の印象を説明した時の事を言っているのだろう。
あの時自分は塞の事を人格者だと言ったが、今この場にやってきた塞を見返してもみてもあの時言った事は間違っていないと思う。
背筋をピンと伸ばし、向ける眼差しは揺れず明確な意思を感じる。
塞「私を覚えていて下っていたのですか?」
塞の声に顔を向けると菫は数秒、悩んでから結局は頷いた。
菫「立場も、だが……なにかと便宜を図ってくれた事には感謝している」
短い言葉だったが、それを聞いただけで塞も菫が何に対して礼を言っているのかを悟ったようだった。
その上で、彼女は首を左右に振って言う。
塞「些細な事です。結局私の立場でも、台輔のためにはあれぐらいの事しかできませんでしたから」
真摯な言葉だと思った。だから無意識にも菫は信じたいと思っている。
これは麒麟の性なのかもしれないが、それを抜きにしても菫の目からは塞は誠実な人間に見えた。
次回 菫「見つけた。貴方が私の王だ」咲「えっ」 後編
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