受験生のとき1日6時間や7時間は勉強していたのではないだろうか? 専門の勉強を始めたのに,昨日どれだけ勉強してきたかと発表者に聞くと,3,4時間と答える学生が多かった.そんな甘いことでやっていけるほど学問は甘くない.(75歳の)私ですら1日8時間は数学をやっているのだからね.
足立恒雄
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数学を専攻しました。早稲田の理工を2011年3月に退職しました。ツィッターは卒業生や私に関心を持って下さる方々に、私が日常をどう過ごしているか、何を考えているかなどをつぶやき、無事でいることをお知らせするために使います。新たにホームページを始めました:note.com/adachi_norio
埼玉県
Joined April 2011
- 吉田茂内閣が「新仮名遣い」を強行した日、新村出は一晩泣き明かしたそうだ。では新村の手になる『広辞苑』はどうなのか?
- 斎藤正彦さんが大晦日に亡くなられたそうだ。長い間親しくしていただいた方で、楽しい思い出がいっぱいある。心から哀悼の意を表する。この時期なので、ご家族で葬儀は済まされたそうである。
- 『数学セミナー』2月号に、定年になってから数学を始め、70歳過ぎてから論文を書き始めた人の話が載っている。前にも書いたが、数学は若い人の学問だというのは中年過ぎた数学者の怠けるための口実である。
- 80歳過ぎた人間が数学の研究をしていると言うと「驚愕すべきこと」と言ってくれるが、「どうせ老人の暇つぶし」あるいは戯言(ざれごと)と思われているに違いない。そうでないことを立証せねばならない。つまり新しい結果を出す必要がある、と書くということは「出来た」ということを意味する。
- とにかく数学は面白い.数学者が世間知らずの幼稚な人間になるのも無理はない.麻薬のようなものだね,数学は.百歳まで数学をやっていたい.
- 昨日「和算とゼロ除算」と題する講演を聴いた。1÷0を0と定義すると実に素晴らしい結果がたくさん得られるという。どこかの大学の先生と仲間の二人なので精神に異常があるというわけではないらしい。全ての数字者は間違っているとか。何を言っても聞きそうにない。宗教的な講演だった。
- 線形代数を知っているということは全射,単射,次元といった概念を自由に使えるということである.微積分を知っているということは一様収束,一様連続という概念をわきまえているということである.位相について基礎を知っているということはコンパクトという概念を抑えているということである.
- 数学書・論文で「明らか」と書いてある場合,三つのパターンがある.(1)真に明らかな場合,(2)証明手続きは単純だが長くて大変なので明らかで済ませてある場合,(3)結果は正しいけれども,実は証明が大変な場合,(4)著者の勘違いで,実は間違っている場合.(1)が多いとは言えない.
- 初心者(大学3年生や4年生)がセミナーで数学の本を読む場合の心得としては,「明らか」,「容易」(英語で言えばtrivial,clear)と書いてある隙間をきちんと埋めてくるのが予習である.明らかと書いてある箇所をそのまま「明らか」と説明するような学生は数学を学ぶ資格がない.
- 金田一秀穂氏(キンダイチ国語商店の三代目)が夕刊で「図書館の価値は、誰も借りたことのない本が何冊あるかだ」と語っていた。こんなに我が意を得た言葉はめったにない! そして「書庫の価値は読んだことのない本が何冊あるかで決まる」と言い換えたい。わかるかなあ? 豊かさというものの意味が。
- 数学にアフィン(affin)という術語がある.アフィン空間など.近接した,疑似的といった意味で,語源はaffīnis (近接した)で,ad(の近く)+finēs(finīsの複数対格)から.finīsは「境界,終点,完成」という意味の名詞.英語のfinite, fine,finishなど,フランス語のfinなどが派生語である.
- 「高木貞治『代数的整数論』は読みやすい本ではないけれど、ぼくは証明の細かいところは読まないから読みやすかった。あれを馬鹿正直に読むのはバカだよ。証明というのは、定理の内容がわかってみれば、自分流に考えた方がよくわかる。」こういう率直な語り口がとても良い。
- 本格的な専門書を書いたとしよう。法学や経済の本よりは数学の本の方が売れると思うが、それでもせいぜい千部ってところだ。5千円の本でも印税は50万円だ。執筆には数年を要する。英語の良心的な本なら桁が違って売れる。これが日本からは良い本は出ない根本理由だ。
- 微積と線型代数を知っていれば高度の数学は容易に理解できると書いた責任上、どの本のレベルを想定しているかを記しておこう。微積分は高木貞治『解析概論』、線型代数は斎藤正彦『線型代数入門』で必要十分である。もちろんこれらと同等以上ならどれでもよい。
- 面白いと思ったのはルネサンス以来、イタリアでは女性が大学教授になったり、数学を勉強したりすることに違和感がまったくなかったという話である。イギリス、ドイツ、フランスなどとは大いに異なる事情だそうである。西欧と言っても一様ではないのだね。「女性が学位の帽子をかぶったり大学の教授に
- 余命1年と診断されたら人は最もやりたかった事に専念するものだそうだ。私も高齢だから、精神上の余命は1年だと思っている(そう大差はないだろう)。読み残した本を読み、趣味(古典の勉強)に集中的に取り組むのはそういう理由からだ。毎日勉強しているからって、それほど不思議でもなかろう。
- 数学の本を斜め読みするったって、素養がなきゃできないでしょう、という声もあろう。その通りだが、その素養とは微積分学と線型代数を「キチンと」マスターすることに尽きる。そうすれば、たとえば代数的整数論なんて赤子の手をひねるようなものである。基礎がいい加減だから砂上楼閣になるのである。
- 私が一番恐れているのは,プーチンとの「トップ会談」で,ウクライナの立場を一顧だにせずロシアに有利な形で停戦を決め,ウクライナにこの停戦条件をのまなければタダでは済まんぞと恫喝することである.
- 一方で、数字を(海外向け文書でもないのに)3桁区切りにするのはおかしい。123,456,789円がすぐに読めるのは銀行員位だろう。1,2345,6789円と書けば、1億2345万6789円であることは一目瞭然なのである。ちなみに1億円を1万倍すると? 1兆円である。日本語の数字は4桁区切りなのである。
- 《よみがえる非ユークリッド幾何》の見本が来た。定価を低く抑えるために、1.ペーパーバックにした。2.1ページの字数を多くし詰め込んだ。3.著者の印税率を低くした。「日本で出版された唯一の非ユークリッド幾何学の専門書」と敢えて挑発的に書いておこう。その批判には受けて立つ用意がある。
- 私は、トランプを右翼だとも左翼だとも思わない。単なる虚栄心の強い、(ゴルフのスコア一つ正直に申告しない)嘘つき、簡単に言えば「人間の屑」だと思っている。どうしてこんな男を支持する人がいるのか、正直わからない。教えてくれる人がいれば耳を傾けたいとすら思う。
- い日8時間というのは言葉の綾で,遊んでいる日もあるので平均して8時間といったまで.一日家にいる日は少なくとも12時間は机にしがみついている.それが嫌なら数学なんかヤメな.
- 先生になったら、勉強はしなくて良いと思っている人たちが多すぎる。小学教諭から大学教授まで、勉強しなくては精神と頭脳の後退あるのみだ。
- 読んでない本をたくさん持っていると、自分が知らなければならないことの万分の一も知らないのだと思わされ、謙虚な気持になる。と同時に、どんなに偉い人だって、人類の知恵の集積から見れば、ほんのごく一部しか知らないのだと思えて、気が楽になるという効用もある。
- 小林昭七『曲線と曲面の微分幾何』を読んでいる。丁寧に書かれているばかりではなく、普通の教科書には出てこなさそうな話題(例えば、ベンガルの数学者Mukhopadhyayaによって証明された4頂点定理など)が随所に織り込まれていて、易しい割には程度が高い、稀に見る名著である。
- 「経過時間をΔt、時刻をΔt=0、矢の飛んだ距離をsとして、数式を用いながら、「時間を単なる時刻の集積したものと考え得ないこと」を示せ。」入試問題だという事で影響が大きいだろうから、これ以上は書かないが、その他の設問もハッキリ言って意味不明である。
- 『私が選んだこの一冊』((2018年度版)という記事の原稿を書こうとあくせくしている.3歳の時に失明し中年になって目が見えるようになった人の実話ロバート・カーソン『46年目の光』を取り上げようと思う.記録に残る限りではこういう人が20人ばかりいるが,その多くが自殺,他は重い鬱病になった.
- 囲碁でアマ四強の一人としてならした平田博則さんが亡くなられた。96歳。90を超える高齢になっても碁で活躍した、おそらく唯一の方であろう。早稲田でも非常勤として「数学」を教えておられた。元職員のS氏に紹介されてお宅に何度も伺い、指導を受けた。逝去もSさんの知らせで知った。