もはや「居酒屋談義」ですらない。
『SPA!』6/23・30号の倉山記事。
妄想がタコツボ化して、それがどんどん深くなっていくので、誰も突っ込みようがない。
一から十まで妄想なので、突っ込むのすら面倒くさいのだ。
が、本人はおそらく「オレ様は正論を吐いているから誰も突っ込んでこない」と悦に入っているに違いない。
とりあえず、「妄想ですから」という突っ込みだけは入れておこう。
今回の記事では、皇族数確保のための全体会議の取りまとめについて取り上げている。
この内容に対する認識からして、すでにズレている。
政府の有識者会議では、減少する一方の皇族数への対処に主眼が置かれ、「悠仁殿下までの流れを揺るがせにしない」との前提で、それ以後の皇位継承に関しては慎重な表現に留めている。だから「皇位継承」について話し合われているのだが、建前上は話し合われていないことになっている。
まるで逆。
「減少する一方の皇族数への対処に主眼が置かれ」ているのだから、実際には「話し合われていない」のだ。「悠仁殿下までの流れを揺るがせにしない」との前提で、安定的な皇位継承という本丸から目をそらしているに過ぎない。それを「建前上」などとして、さも話し合われているかのように印象操作。
それ、ただの妄想ですから。
多くの人が「皇位継承問題」を「次の天皇にふさわしいのは、愛子さまか悠仁さまか」と勘違いしてしまったのは、最たる誤解だ。愚かなマスコミが垂れ流した風説である。愚の骨頂が『週刊文春』で、「次の天皇にふさわしいのは誰か」アンケートまでやらかした。あの人たち、世が世なら、三条河原にさらし首だろう。あるいは四条河原か六条河原か。
さも軽薄な世論がはびこっているかのような書き方をしている(実際にそう思っているのだろう)が、マスコミが報道しているのは「なぜ天皇陛下の長女である愛子さまが天皇になれないのか」である。
ちなみに文春のアンケートは、「次の天皇にふさわしいのは誰か」ではない。「女性天皇や女系天皇を認めることに賛成か、反対か」である。
結果が出ているので、リンクを貼っておく。
《女性天皇賛成93%》「国会は世論を反映していない」有識者はバッサリ…2万5000件の回答から浮かび上がる皇室典範改正案への“違和感”「政治的な目的があるのでは」
「女性・女系天皇」緊急アンケート結果発表
https://bunshun.jp/articles/-/89607
倉山クンはアンケートの内容を歪曲し、妄想だけで「三条河原にさらし首だぞ!」と周りを脅しているのである。この人は一度、その三条河原でみそぎでもしたほうがいい。
政界の大勢は、軽佻浮薄なマスコミを一顧だにしなかった。(中略)今回ばかりは世論が間違えて、政治家が正しかった。与野党ともに「令和の和気清麻呂」が大量に現れた。そして薄氷の勝利で全戦全勝、国体を守り切った。
大量の和気清麻呂? 薄氷の勝利? 全戦全勝?
これこそ「ザ・妄想」。
この人はいつの時代を生きて、一体何をみているのだろうか。素朴な疑問が湧き起こる。
世論が「愛子様が女性だというだけで、なぜ天皇になれないの?」などとヒステリーを起こす中、政界は正気だった。なぜか。圧倒的多数が、「先例に基づく議論を行おう」で合意していたからだ。
おお、ちゃんと世論を認識してるんじゃないか。「次の天皇にふさわしいのは、愛子さまか悠仁さまか」ではないと自分で言っている。語るに落ちる。
しかし、これを単なるヒステリーなどと片付けてしまう点で、思慮が浅い。日本国憲法下の天皇・皇室というものをわかっていない。
自分と異なる意見は「ヒステリー」か。
そして「政治家は先例に基づく議論を行おうと合意」って、さも自分の主張によって政界が正しいほうへ導かれたとでも言わんばかり。我田引水。
その後は、合意案の内容について述べている。
第二案(養子案のこと)が本命のように扱われてきた。
→扱われていない。第一案(女性皇族の身分保持案)が本来なら天皇退位の特例法の附帯決議に合致する。
旧皇族に本来の身分を取り戻していただく。今後は「新皇族」となる。
→新皇族? 一般国民の間で勝手に身分を作るなんて、あなたナニサマ? 神さま?
単に「法の下の平等」を理解していないだけだと気づけ。
そしてその内容にまた勝手な解釈を付け加える。
(以下、要旨)
養子になった人は、これから「茨の道」を歩む。なぜなら悠仁殿下に男の子が生まれれば「新皇族」の子孫は天皇にならないから。悠仁殿下のために尽くすだけの人生になるから。要するに秋篠宮家の楯となってもらう。
→わはは。「新皇族」さんはたまったもんじゃないね。これから皇族になろうという人にも脅しをかけている。そんなんで「養子になろう」という人がいると思っているのだとしたら、あまりに想像力が欠けている。偉ぶりたいあまり、自分で第二案の可能性をつぶしてしまっている。おかわいそうに・・・。
最後はこちら。
第一案には猛毒は含まれており、皇室を即死させる。
翻訳すると、次のとおり。
第一案(女性皇族の身分保持案)で、配偶者と子どもが皇族となれば、一般人の男が皇族になる。これは先例がなく、皇室の伝統から外れる。
しかもこれを、
「内親王が旧皇族の方とご結婚される場合も含まれるから」、中道改革連合では「将来、適時適切に(検討する)」となり、その「暗号」が自民党に伝わり、最終的には「皇室の歴史に整合的」となった、
と記している。
猛毒。即死。暗号。
妄想オンパレ、すさまじい。その暗号とやら、本当に合ってる?
最後の最後で、マスコミをこう腐している。
それにしても、多くのマスコミは「女性皇族の配偶者の身分に関しては明記せず」と報じている。字が読めないのか?
いやいや、取りまとめ案の全文には、実際に配偶者の身分に関して明記はしていない。
「適時適切に」との文言があるのは、「皇族方を取り巻く環境、その他皇室の状況について勘案するとき」だ。
妄想だけで「字が読めないのか?」とすごまれてもねぇ・・・。
水面下で「皇族方を取り巻く環境」が話し合われ、それが「内親王の旧皇族との結婚」を指すのなら、そのことをきちんと明記していない取りまとめ全文の欺瞞を批判して然るべきだろう。まがりなりにも「言論」を志しているのなら。
あらん限りの優しさをもって言うが、倉山は友達を作ったほうがいい。
まるで社会性がない。だから妄想が暴走して、タコツボがどんどん深くなっていくのだ。
なお、現在、皇室典範改正案の骨子が衆参両院の正副議長に大筋で了承されたとの報道が流れている。しかし、そもそも政府に提出した全体会議取りまとめ案が誠にひどい。
「慎重に制度設計を」
「必要があると認めるときは見直す」
「必要があると認めるときは所要の措置が講じられる旨の検討条項を付則に設ける」
「必要があると認められるときは、適時適切な措置を講じる」
「安定的な皇位継承のための方策を引き続き検討し、付帯決議において確認するよう要請」
なーーーーんにも決めきれていない。
玉虫色が過ぎて、もはや何を言っているのかもわからない。ひと言でいうなら「ウヤムヤのまま進めます」だ。
こんなことで、国体そのものである天皇・皇室のあり方を変えようとするなど、天皇に弓引く以外の何ものでもない。「国民の理解を得られるものに」と発言されたお気持ちをまるっきり無視しているのだから。
これで骨子案なぞ、茶番もいいところだ。
この国には、「国旗毀損罪」なんかより、「天皇皇室毀損罪」が必要じゃないか?