変わる大学、大学はいま
「私立大を3分の1に」財務省主張の危うさ 地方小規模大学の価値を知ろう
2026.06.23
大学増加の要因は規制緩和 進学ニーズ掘り起こす
「日本には大学が多すぎる」「少子化が進んでいるのに大学が増えるのはおかしい」
こうした主張は経済界、政界を中心によく聞かれる。うなずく人も多いだろう。だが、なぜ大学が増えてきたのか、その背景を認識している人は意外と少ない。
増加に大きく影響したのは、政府が進めた1990年代以降の規制緩和だ。大学を設置しやすくしたことで、まず4年制大学を目指す女性が増えていたことを受けて短大が次々と改組した。若者を増やして地域を活性化しようと、土地などを用意して誘致する自治体も相次ぎ、地方都市にも大学が続々と進出した。
地方に大学が増えたことで、経済的な負担が大きい下宿をせずに進学できる若者が増えた。2020年度に政府が始めた修学支援新制度も、家計が厳しいとあきらめていた層の若者が進学する背中を押してきた。こうして進学率が上昇したことで、18歳人口は減っても、大学入学者数は1990年の49万人から2025年には65万人に増加。大学は微増してきたが、数年前まで撤退を決める大学はごくわずかにとどまっていた。
しかし、こうした構図も崩れてきた。少子化が進んだ地方に立地していたり、小規模で知名度が低かったりする大学を中心に、定員割れとなる私立大は半数を超えるようになった。24年には59%と過去最悪の状態に。18歳人口が前年より3万人近く増えた25年でも、53%までしか回復しなかった。一方で首都圏や関西の有名大では、今でも定員の数倍もの志願者を集め続けており、二極化が加速している。