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大阪・関西万博でも開催。人気イベント「いそべのゲームワールド」を生んだ磯部公彦が考える売れっ子の条件

芸能記者
人気イベント「いそべのゲームワールド」が大阪・関西万博でも行われ注目を集めている「まるむし商店」の磯部公彦さん

 芸歴40年を超える漫才コンビ「まるむし商店」の磯部公彦さん(67)に今一度注目が集まっています。約35年前に考案し数々の売れっ子を輩出してきた人気イベント「いそべのゲームワールド」が大阪・関西万博のステージで行われ、外国人来場者を中心に話題になっているからです。8月27日には東京・ルミネtheよしもとでイベント「いそべのゲームワールド in ルミネtheよしもと~大阪芸人VS東京芸人で本気のゲームバトルや!~」も開催。「―ゲームワールド」を通じてあらゆる芸人を花開かせてきた磯部さんが語る「売れる芸人の条件」とは。

原点

 35年ほど前に始めた「ゲームワールド」をやることになる。はっきり言うて、そんなことは微塵も予想はしてませんでしたけど(笑)、ご縁というか、なんというか、本当にありがたいことだと思っています。

 これまでやってきた芸人が出演するバージョンとは少し違うんですけど、それでも8人ほどにステージに上がってもらって、いろいろな体を使ったゲームに挑戦してもらい、見ているお客さんに楽しんでもらう。その構図は一緒なので、自分が作ったものながら、うまいこと整備したら他の国でもできるなという手ごたえも感じています。

 「ゲームワールド」の原点は子どもの頃やと思います。桂三枝師匠、今の文枝師匠がやってらっしゃった「ヤングおー!おー!」(MBSテレビ)です。テレビの中で芸人さんがワチャワチャと「叩いてかぶってジャンケンポン」的なゲームで対戦する。それを見ててものすごく楽しかったし、自分もあれをやりたいと思ったんです。

 小学2年から高校卒業までずっと学級委員やったんですけど、それから考えても「仕切りたがり」というか(笑)、そういう意識があったんでしょうね。小学6年の頃には今の「ゲームワールド」の原型になるような大喜利企画というか、そんなことを同級生を教室の前に呼んでやってましたしね。

 そんな思いを持ちつつ芸人になったんですけど、これも縁と運のもんなんですかね。当時若手のホームグラウンドになっていた心斎橋筋2丁目劇場から「ダウンタウン」とか中心メンバーが上京するためにごそっと抜けたんです。そうなると、人員的に手薄になる。何か新しい企画を考えて空いた穴を埋めないといけない。そこで当時の吉本興業の社員さんから言われて「ゲームワールド」をやることになるんです。えらいもんで、そこから35年ずっと続いていますし、めぐりあわせというか、そんなことを痛感します。

 ただ、自分で言うのもナニですけど「ゲームワールド」はシステムとして笑いが生まれる形を作っているので、きちんとやれば必ずウケるんです。だからこそ、万博で一般のお客さんにステージに上がってもらっても盛り上がる。そこもあって皆さんにかわいがってもらってきたのかなとは思います。

売れっ子の条件

 そして、初期の頃で言うと「吉本印天然素材」のメンバーとか「ゲームワールド」によく来てもらっていたメンバーで売れていった人もたくさんいます。今の「千鳥」とか「かまいたち」もそうですし、今年「THE SECOND」で優勝した「ツートライブ」もそうです。

 これだけ長いことやっているとね、はっきり言うて、売れるというニオイを感じるようにもなってきました。「ツートライブ」も少し前からそのニオイがしてましたしね。

 売れる人に共通するもの。それはね「素直」ということです。人の言葉に耳を傾ける。それを取り入れる。これがね、できそうで、できない人はできないんです。

 あと「全力」でやる。これやと思います。アホみたいなゲームであったとしても、こちらですら「そこまでやるか」と感じるくらいやる。そういう人は必ず芽が出ます。

 「かまいたち」の濱家君なんかも当初から素直やったし、これでもかと大きな声も出していました。シンプルなことですけど、そういうことなんやろうなと思います。先日、スタッフさんと話をしていたら、濱家君が「ゲームワールドの時の磯部さんの仕切りを勉強させてもらって、日々の仕事に活かしています」と話してくれていたみたいで。ありがたいなと思うと同時に、そういうことこそ大きな声で言うてくれとも思いますけど(笑)。

 あと、イベントを担当してくれていた吉本の社員の女性が結婚して仕事を辞めるとなった時にあいさつに来てくれたんです。そこでホンマにうれしいことを言ってくれました。

 「磯部さんの『ゲームワールド』はどの芸人さんに出演依頼をかけても、誰一人断る人がいませんでした。イベントを担当する者として、そんなイベントに関わらせてもらったことがとてもうれしかったです」

 僕のほうこそ、うれしいばかりの言葉でしたし、続けてきて良かったなと思えた瞬間でもありました。

 ここからの目標ですか。僕らの仕事はオファーがないと成立しない仕事なので「やってくれ」という声がある以上、全力でやる。それだけですね。ま、一つあるとすると「ゲームワールド」の中で「パンツでジャパン」というゲームがあって、これをやる時には郷ひろみさんの曲を流しながらやるんです。いつの日か、いつの日か、郷ひろみさんご本人にこのゲームをやってもらいたい。そうなったら、そらもう本望です。はっきり言うて。

(撮影・中西正男)

■磯部公彦(いそべ・きみひこ)

1958年1月14日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属。77年、桃山学院大学の落語研究会で出会った東村雅夫とコンビ結成。83年デビュー。別の事務所を経て85年に吉本興業所属となる。弟子入りでもなくNSCでもなくオーディションでもない形で吉本入りした稀有なパターン。「まるむし商店」としてNHK上方漫才コンテスト優秀賞、上方お笑い大賞銀賞、上方漫才大賞新人奨励賞、花王名人大賞新人賞などを受賞。得意フレーズギャグは「はっきり言うて」「ノノンノー」など。

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ありがとうございます。
芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「中西正男のエラいすんまへん…。」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」特別賞など受賞。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?。この連載と連動したYouTubeチャンネル「芸能記者・中西正男の正味の話」を展開中。原稿の裏話やよりリアルに説明する動画を日々アップ。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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