分からないなりに伝えたい時事と本など。
(お題箱より)
政治関連のニュースや知識はどのような媒体で手に入れておられるのでしょうか?自分も興味がありますがネットでは特定の政治家や政権をこき下ろすような偏ったものが多く苦手です。政治に詳しい方の書籍等を紹介していただけると助かります。
興味をお持ちいただきありがとうございます! わたしもめちゃくちゃ素人ですが、分かる範囲で紹介させてください。全体的にそのくらい知ってるよ〜という感じでしたら申し訳ないです。
1.報道のこと
前提として、日本の報道(ジャーナリズム)は虫の息です。だから趣味垢でこんな話をしなくてはならないハメに陥っています。垢を分けると、危機感を持つ者同士で繋がって広がらないまま完結してしまい、何の意味もないからです……。
で、報道とは新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなど様々な媒体での「真実を伝える動き」だと思ってください。
ここで大切なのが「大勢の人に、事実として共有される」ことです。
例えば、会見を開かずX(旧twitter)でポストだけする首相がいたとします。しかしテレビから情報を得る人には届きませんし、それが放送されても一度きりであれば見逃した人には伝わりません。不正確な伝聞でなく「どういった背景での発言か」といった解説も必要です。
政府の動きはあらゆることに関わるので、色々な媒体で、広くあまねく周知徹底が必要です。今の日本はとにかくこれができていないのです。
ピュリツァー賞で有名なジャーナリストのピュリツァー氏は、報道について「民主主義とともに栄え、ともに滅ぶ」と予言しました。
厄介なことに、自由を殺そうとする社会(独裁)はまず報道を殺します。自分たちのやりたいことが、大勢の市民に伝わって反発を招いては困りますよね。
つまり、報道が生きていくためには自由な社会(民主主義)でなくてはなりません。忠誠を誓うべきは権力ではなく市民ですし、中立よりもむしろ、やや「反権力」でなくてはなりません。権力者の言い分をそのまま伝えるだけでは、市民ひいては自分たちの存在を脅かされるからです。
しかし今、市民に仕えるべき報道が権力に絡め捕られ、自分で自分の首を絞めています。ついでに市民の首も絞めに来ています。
頼む、早く正気に戻ってくれ。
(ちなみに報道を正気に戻す方法は「意見を送る」と「ボイコット」だそうです。手が焼ける。)
残念ながらこういった現状から、民主主義が危機的状況に瀕していることを、念頭に置いていただければ幸いです。
そして今、現政権が押し通そうとしている法案は「すべて危険で警戒が必要」、と思ってください。多くの人に気付かれる前に、とにかく急いで成立させたいものばかりなのです。
『国旗損壊罪』はピンと来なくても、ガソリン価格が300円になったり食品価格が2倍になったらみんな(政府は何やってる!)と思いますよね。現政権は「今はまだ無関心な大多数」が関心を持ち始めるのを恐れ、すごく焦っているのです。
それでは、あまり多くはありませんが、現政権と対峙するメディアをいくつか挙げていきます。
2.政権批判ができるメディアを応援しよう
『東京新聞』 『神奈川新聞』
新聞は全紙このくらいであってほしいな~!という印象。市民との距離が近く、デモの記事が載ることが多いのも特徴です。いずれも記者の方が、X(旧twitter)で個人の意見も発信されています。
東京新聞労働組合さん
矢部真太さん/神奈川新聞記者
ちなみに、いま日本各地で起きている規模のデモを、大手新聞各社が「記事にしない」こと自体が政府への忖度です。権力はとにかく団結した市民を恐れるため、デモが知れ渡っては困るのです。
逆にデモが載る新聞は報道が生きています。事前にデモ開催を報じて話題になった『徳島新聞』しかり、緊急事態条項を分かりやすい図解で批判した『北海道新聞』しかり、地方紙にはジャーナリズムが残っている印象を受けます。
『保団連(全国保険医団体連合会)』
医師・歯科医師さんたちの団体のX(旧twitter)アカウントです。
メディアではありませんが、現政権により医療制度の改悪や人権軽視の政策が進められているため、関連するニュースを引用するかたちで問題点を指摘されています。人権意識が高く「どの政策の、何が国民の不利益になるか」ソース付きで把握できるのでおすすめです。
『日経新聞・日経電子版』
政治も経済も基本的にフラットな語り口です。しかし現政権は経済に良い影響を及ぼさないためか、いつも中立的な日経にしては珍しく他紙より切り込んで批判的な記事を出すこともあります。
日経も始めは首相ブームの旗を振っていましたが、衆院選の『円安ホクホク』発言あたりで流石に頭に来たのか距離を取っています。
最初からそうして。
『しんぶん赤旗』
いわゆる新聞ではなく日本共産党の機関紙ですが、別に怖がらなくて大丈夫です。現政権が「防衛・安全保障」と称している軍拡や対米従属を、特に厳しく批判しています。
『しんぶん赤旗』は記事に記者の意見や感情が出ているので、主観的な文章が苦手な方には読みにくいかもしれません。もちろん共感する方もいると思います。週刊文春と並び、自民党の不祥事を暴くことが多いのもこちら。
その他に、Xのリストを作成して「読売・毎日・朝日・時事ドットコム・47NEWS・ロイター通信・BBC」など大手メディアを入れています。この内で特に「リポスト・コメント」が「いいね」を大きく上回っている政治の記事は(炎上してるな、批判を浴びているな)と思って詳細を調べたりします。
ネットニュースはクリックさせてなんぼなので、見出し詐欺っぽいものも結構あります。全部見ようとすると疲れるので、お好みで選別してくださいね!
あとは『NHKニュース(総合テレビ)』も一応見ていますが、もともと偏向報道だったのがますます酷くなっているな~!と感じます。80代半ばの祖母も「最近さらに酷い」と言っていたので、間違いなく過去最低レベルです。
(余談ですがNHKは2014年、当時の会長が「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と発言して大きな非難を浴びました。公共放送でありながら、最も政府寄りメディアのひとつです。)
逆に、ネット上で大きな話題になっている事柄をNHKが報じなかったりごく短時間で終わらせたりしていたら「あ、これ政府にとって都合悪い?」という視点が持てます。テレビをお持ちでしたら、ネットニュースと並行して「何がNHKのトップニュースに来るか」だけでも確認してみるのもありです。
3.大体みんな怒っている
>特定の政治家や政権をこき下ろすような偏ったもの
おっしゃる通りです。わたしもポストがどんどん乱暴になっており申し訳ありません……!
ちなみにこのコメントを拝見して思い当たるのが『日刊ゲンダイ』ですが、あっていますでしょうか……?
恐らく、他のメディアが書かない分「これくらい言ってほしい!」と怒っている層の支持が集まっているのだろうと感じます。ある意味お手本のような反骨のジャーナリズムでもありますし、新聞だって売れてなんぼ、という話かもしれません。
しかしながら『日刊ゲンダイ』や『週刊文春』の売上が絶好調となり、政府に忖度ばかりしている各紙の売上が低迷すれば、メディアの態度も少しずつ変わるかなとは思っています。実際に『産経新聞』は極右にウケる論調に振った結果、大きく売上を落としています(15年くらい前はもっと普通の新聞だったのですが……。)
政治に詳しく、本を出していらっしゃる方で、ぱっと思いついたのが
・望月衣塑子さん(ジャーナリスト)
・前川喜平さん(自民党政権下で働いていた元官僚)
・内田樹さん(大学教授・思想家)
です。が、皆さんもほとほと呆れ、怒っていらっしゃるのでX(旧twitter)アカウントのポストは辛口だったかと記憶しています……。
身も蓋もないですが、政府のやり方はそれくらい悪辣なんだと受け取っていただければ幸いです。
4.やさしめの本を読もう
現政権は急進的すぎるので、最新の問題まで網羅した書籍はまだ出ていないかと思います。そのため、政治や経済への取っ付きやすさ重視でおすすめ本を紹介させていただきます。
『政治のキホンが2時間で全部頭に入る』 馬屋原 吉博(2018)すばる出版
少し古い情報もありますが、国会の動きやニュースの単語が一通り掴めます。著者は中学受験講師の方で、 分かりやすい参考書といった感じです。
久しぶりに読み返しましたが、2時間で読了はちょっと厳しいかな……。
『ざっくりわかる 8コマ 日本の政治』 中野 晃一 監修・うかうか 絵(2024)朝日新聞出版
うかうかさんのゆるい漫画で、最後までサクサク読めます。「政治の話は重い、疲れる」と苦手な方に特におすすめ。
タイトル通りざっくりなので、詳しく知りたい方には物足りないかもしれません。しかし、昨今の自民党における裏金や統一教会問題にも少し触れていて、きちんと批判の目をもって書かれた本だと思います。
『13歳からの経済のしくみ・ことば図鑑 新版』 花岡 幸子(2024)WAVE出版
「そもそも金融緩和や円安って?」という方に。図が多く、とにかく易しいです。巻末索引付きで、辞書のように使えて便利。正直わたしも、経済の本は「何が解らないのか判らない」人間なのでとても助かりました。
『改訂版 檻を壊すライオン ― 安倍・菅・岸田政権で学ぶ憲法』 楾 大樹(2024)かもがわ出版
自民党政権下で行われた法改正(憲法上問題がある、と指摘されているので正確には改悪)にフォーカスした本です。
憲法とは「国の一番おおもとの決まり」であり、権力の暴走から国民を守っています。そして日本国憲法は、簡単には変えにくい作りになっています。
そのため、 憲法は変えられないまでも権力者にとって都合よく解釈したり、法律を作ったり変えたり、改憲への外堀を埋めてきた――という経緯があります。
先日の『国家情報局(会議)設置法案』も同様に、プライバシー侵害の問題を指摘されながら成立してしまいました。これまでの実例とともに、今まさに押し進められている『国旗損壊罪』『国民投票法改正法案』など、現状への問題意識と理解が深まると思います。
その他、憲法に関する本では、
『あたらしい憲法のはなし 他二篇――付 英文対訳日本国憲法』 高見 勝利(2013)岩波現代文庫
『「リベラル」ではない人のための憲法のお話』 堀 新(2026)かもがわ出版
こちらが読み物としても面白かったです。
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。毎日疲れますが、上手に息継ぎしながら頑張っていきましょうね。(どうかご無理はなさらず!)


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