3人の孤児たちの叫びと愛『オーファンズ』――山時聡真×本島純政×村井良大インタビュー
ステージ
インタビュー
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若い世代にこそ感じてほしいリアル
――さきほどトリートに関して「凶暴で不安定」と話されていますが、こういう役のオファーが来たことはどんなふうに受け止めていますか?
山時 こういうタイプの役はずっとやってみたいと思っていました。これまで、どちらかというと“いい子”の役が多かったので(笑)。普段は見せられない自分を見せることができるというところでワクワクしました。ただ、トリートは凶暴でありつつも、誰よりも愛情深くて、誰よりも弱い男だとも感じているので、そういう内面をしっかりと捉えて演じていきたいと思います。
――フィリップも変化の多い役柄ですね。
本島 作品全体を通して子どもっぽさを感じさせる役ではありますが、その中にも孤独であったり、家から出られない閉塞感みたいなものだったりを感じさせる存在でもあるので、それをお芝居でどう伝えていけるのか?とても難しい部分ですけど、きちんとお伝えしていきたいです。
――ハロルドの存在、役割はどのように捉えていますか?
村井 謎の多い役ではあって、理不尽なところもあるし、すごく多面的な男だと思います。役割という意味ではもちろん、トリートとフィリップを導いていくわけですが、僕自身、これまでどちらかというと下の世代の役をやることが多かったので、自分もそういう年齢になって、こういう役が回ってくるようになったんだなという思いはありました。ただ、こうしたニュートラルな立場の役というのは、もともとの自分とすごく合っていると感じていて、年齢や見た目、置かれた立場といった曲線が、ちょうど良いポイントで重なってきたのかなと思います。
――この作品が伝えるメッセージという部分で、どんなことを感じていますか?特に若い世代に向けて、こういうところを見てほしいという思いがあればお聞かせください。
山時 家族について考えるきっかけになるのではと思います。自分が小さい頃から、当たり前と思っていることは、家族から教わったことが多いと思います。僕自身、この作品に入って、そのことを強く感じました。トリートは大人にならざるを得なかった子どもだと思います。環境や周囲からの圧で、自分が変わらざるを得なかった瞬間があったと思いますし、そこに寂しさや苦しさを感じるところもありますが、どこかで少し勇気を感じていただけると思います。
本島 舞台と客席が近く、客席を使った演出もあるので、この世界にどっぷりと浸かって、舞台をご覧になっているというより、お客さまが舞台の世界の一部になって彼らの生活をのぞいているような感覚になっていただけると思います。そこで何を感じるのかはお客さまそれぞれ違うと思いますが、まずこの“世界”を感じていただけたら嬉しいです。
村井 本当に若い人たちにも観ていただけたら嬉しいですね。「生みの親なのか? 育ての親なのか?」「兄弟の血のつながりとは?」――自立と親離れ、子離れ、嫉妬……本当にいろいろなテーマがたった3人の登場人物たちに詰め込まれています。特に若い方には「あぁ、日頃思っていることを言ってくれてありがとう」と感じていただけたらと思います。
取材・文:黒豆直樹
<公演情報>
『オーファンズ』
作:ライル・ケスラー
翻訳:小田島恒志
演出:荒井遼
出演:山時聡真 本島純政 / 村井良大
2026年6月28日(日)〜7月5日(日)
会場:東京・東京芸術劇場 シアターイースト
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/orphans/
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