世界各地の言語を学べる東京外国語大学で、マイナー言語の教育体制縮小が懸念されている。大学執行部に検討の動きがあるとして、一部の教員が抗議し、執行部側は「縮小は考えていない」とする声明を出し、火消しに追われた。教員たちが取材に応じ、学内で何が起きているか、そして多様な言語を学ぶ体制を維持していく意義を語った。(中川紘希)
◆「専任教員2人体制」をさらに減らすことをほのめかし
「日本にとって主流ではなくても、虐げられている国の人々の視点で物事を考えられる人材育成を東外大は目指してきた。その理念を壊そうとしている」。執行部の対応を問題視する小規模語科の教員有志の1人、日下渉教授(フィリピン研究)は、そう憤った。
教員有志によると、昨年12月の懇談会で執行部側は、ラオス、カンボジア語科などの名前を出しながら、人工知能(AI)も活用することで現行の専任教員2人体制から1人体制に人員を削減しても運営できるようにしていくと示唆したという。
教員有志は今月18日に教職員組合のホームページに抗議文を投稿。小規模語科には、日本社会の多文化共生への貢献や日本と諸外国をつなぐ外交的な役割があったとして「縮小という拙速な判断を既定路線にするのは避けるべきだ。本学の生存と社会的意義のため、全学的な討議を通じて広範な合意形成を」と学内に呼びかけた。
この発信はネット上で話題に。「マイナー語科あっての外大だ」「大学の存在意義を否定している」などの声が出た。
◆反発の高まりに大学は声明を出して
大学執行部は23日に春名展生学長の名前で声明を発表。現在の28専攻語体制の縮小を「考えていない」としつつ、今後の財務運営が厳しくなることを予測した上で「教員数の将来的な減少を見...
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