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刑事責任

事故から100日が経過しました。

調べていく中で、おかしいと思うものについては継続して発信したいと思いながらも、自分が発信をすることで、
 ・知華の同級生や在校生、卒業生達の不利益になってしまう
 ・捜査の妨害をしてしまうのではないか
 ・沖縄に住んでいる方々に嫌な思いをさせてしまわないか
など、思い悩み、書いては消すことを日々繰り返しているのが実情です。

まだ学校に子供を通わせている保護者の心情を考えた時に、
これ以上、波風を立てて話題になって欲しくないのではと思うと、なかなか筆がすすみません。

しかし、心から私たちに寄り添って支えてくださる保護者の方々も実際にはとても多く、本当に心強く思いながら過ごしています。

発信を始めて以来、政治、行政の方々の積極的な動きに何度も勇気づけられています。
また関連する報道や議論も、今後同じ事故が起きてほしくないと願う私たちの励みとなっています。

そうした後押しを力に、今回の記事も最後まで悩みながら出すことにしました。


進捗の少なさ

まだ私たち家族の心は、前を向くことが出来ていません。
いつも頑張っていた知華を失った悲しみが癒えることなどないのはもちろんですが、全容解明という点で、目に見える形の進捗が少ないことも関係しています。

海上保安部は捜査に尽力していただいていると思います。ただ、捜査という性質上、私たちには進捗がはっきりと見えません。
学校法人同志社が設置した特別調査委員会の報告も、まだまだ時間がかかりそうです。

今は、これから起こるかもしれない状況を推測しながら、手探りで準備を進めています。


刑事責任の範囲は?

いろいろな方々に、広く話を聞いています。
その中で、当初から持ち続けている大きな懸念があります。
それは、刑事罰に問われる範囲が、私が想像しているよりも遥かに狭い範囲にとどまってしまうのではないかという点です。

今まで直接やり取りをさせていただいた関係各所、弁護士、専門家、報道の話を総合すると、おおよそ以下のようになります。
・海難事故の捜査は、陸上での交通事故等と違い、送検までに時間がかかる
・海上保安庁が担当する捜査は、海上とその周辺に範囲が限定されがちである
・警察が並行して捜査することはない
・船長を含む反対協議会は被疑者として捜査対象にはなっているはず
現時点で、学校法人、校長、教員は、いずれも被疑者として扱われていない
・旅行会社についても、学校と同様

特に、学校に対する家宅捜索などが未だなされていないことからすると、現時点で、学校関係者が被疑者として捜査の対象になっていないことは間違いなさそうです。

法に明るくない私からすると、
複数年にわたって積み重ねられた学校のいい加減な対応や怠慢。
一部教員が危険を認識しつつも、共有や改善が行われなかった。
違法な抗議活動を行う船長に生徒だけを乗せ、引率教員は乗船すらしなかった。
結果、船は転覆し、知華は未来が奪われた。
事故は何度も防ぐ機会があったのに、学校は何も行わなかった。
そうした学校側の責任は、転覆させた船長と同等に重いのではないでしょうか。それなのに、誰も何の罪にも問われることなく終わるなど、あって良いものかと思うのです。


学校は何を行ってきたのか

現時点で知っている内容を抜粋して挙げてみます。

乗船プログラムが始まってから4年間、先生たちは、下見で実際に船に乗って安全を確かめることを一度もしていない。

過去にプログラムに参加した生徒の感想には、「怖かった」「恐怖を感じた」という言葉が残っている。それでも、プログラムは見直されなかった。

ある年の乗船では、波でずぶ濡れになって帰港する途中の生徒に向かって、協議会側の人間がこう話しかけていた。「海は綺麗だということと、危険だということね」と。その船には同様にずぶ濡れになった教員も同乗していた。これも学校内で共有された形跡はない。

2025年3月の開会礼拝
金井船長「海は危険な場所でもあるんですね。皆さんの船も極力安全にありたいけど、注意を払って船長は船を出します。」「けれど危険な場面もあります。実際に仲間の船長が抗議活動に行って海で亡くなっています。海では実に簡単に人が死ぬ。」「大げさに聞こえるかもしれませんが、事故が起こってアッという間に人が死ぬことがあります。」

この年は、雨により乗船は中止となったが、少なくともこの年に参加した教師はこの話の内容を把握しているはず。しかし、教員間で疑問が呈された形跡はない。

2026年3月の開会礼拝
金井船長は「基地建設に反対し、抗議して声を上げ、ここから入るなよっていうエリアがあります。ここから入ったら、法律違反、法令違反、逮捕する、捕まえる、そういう線引きがされるんです。あえてそこを越えて入っていって抗議します。だから当然、陸では警察機動隊に拘束される。海では海上保安庁に拘束されます。」と、違法な抗議活動を行っていることを明言していたとされている。

当日、不屈と平和丸は、2往復し、先発組のどちらかの船に引率教員Aが、後発組のどちらかの船に引率教員Bが乗る予定となっていた。
教員Aは2025年、2026年と2年連続で旅行に参加しており、金井船長の上記開会礼拝の発言は当然知っていて然るべきと判断できる。
それでも当日、その教員は船に乗らなかった。

乗船しなかった理由について、「引率で寝不足と疲れがあった。船酔い体質なので酔うと思った。」と話している。
教員AはBに対して「酔い止めを飲んだので大丈夫です」と出発前には言っていた。

乗船しない決断について、教員Bや管理者への連絡、許可取りもしていない。そして生徒にも伝えずに、出航させた。

誰も下見をせず、詳細な打ち合わせもないため、どのような大きさ、形の船に乗り、どのような航路を通り、何時に帰るかを、誰も把握していない。
金井船長の過去の開会礼拝の言葉を読めば、それが抗議船だということは明らかだが、教員間でそれが共有され問題視された形跡がない。

船の事業登録も、保険も確認していない。
事前および当日、教員によるライフジャケットの装着指導や点検も行われていない。

生徒を守るべき大人が、誰も乗っていなかった。
船の上では船長の判断が重要ではあるが、船長が生徒に操船をさせても、誰もが避ける危険な海域を通っても、止める大人がいなかった。
引率教員がいれば、残る後発組のためのタイムマネージや進言もでき、直接的にも精神的にもブレーキをかけられたはずなのに。


人災、それでも捜査対象外

細かくはまだありますが、これだけのいい加減さが重なっていたわけです。

このプログラムが始まって、今年はわずか3回目でした。
偶発的に起きた不慮の事故ではありません。
起こるべくして起きた人災、事件だと思えてなりません。

それでも、現時点では、海上保安庁が学校関係者を被疑者として捜査対象にしてはいないようです。
当然、納得などできるはずがありません。


社会的にそれで良いのか

例として、学校行事の川下り体験で、地元の業者に委託したとします。
過去に参加した生徒の感想には「流れが速くて怖かった」とありました。業者本人が「増水時は川が荒れ、人が死ぬこともある」と事前に生徒と教員に話していました。
当日、増水の注意報が出ていました。
引率教員は自己判断で川岸に行かず、他の教員にも生徒にも伝えないまま業者に任せて出発させました。
どのような川なのか下見せず、予定時間も把握していませんでした。
ボートは転覆し、生徒が死亡しました。

業者には責任がある。しかし学校に刑事責任は全くない。
それがまかり通ることは、社会的に正しいのでしょうか。

これほど多くのことが放置されたまま子どもが外に連れ出され、それでも学校の刑事責任がないのだとしたら、全ての学校の安全管理意識が高まることなどありえるでしょうか。制度への信頼そのものが揺らぎます。

これでは、二度と同じことが起きない社会になってほしいという願いは叶いません。

現在までのところ、協議会側に家宅捜索が入ったことは報じられています。しかし、今日になってもまだ、学校側への家宅捜索に関しては報じられていません。

令和8年6月5日、参議院予算委員会で、金子恭之国土交通大臣は、「国土交通省としては、省全体として真相解明に努め、事故の再発防止に取り組む。」と明言され、高市早苗総理大臣は、「先ほど来、答弁にありますように、国土交通省、海上保安庁、文部科学省、真相解明をしっかりやると。どこに問題があるのかを突き止めるためにもう既に一生懸命に動いてくれています。」と述べられました。いずれも、大変に勇気づけられました。

海上保安庁には、学校への捜査もしないうちから誰も罪に問えないと判断してほしくはありません。法的な課題があったとしても、可能性を捨てずに、まずは捜査を始めてほしいと思っています。

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