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【ネタバレ感想】短編映画「カランコエの花」を観た & LGBTQに関する講演に行ってきた話

はじめに

映画の話をさせていただく前に、まずこの映画を観ようと思ったきっかけについてお話しさせていただきたいです。
ちょい長いので感想を先に見たい方は最後にでも読んでいただけると嬉しいです。

昨今、アリエルの実写化にて黒人の方が起用されたのを皮切りに、中世ヨーロッパか?と(私が個人的に)思うレベルに黒人の方やマイノリティの方々を「ポリコレ(ポリティカルコネクション)」ダ…ナンダ…と叩くのが(私の目には)多くなってきたように思えます。
アリエルの件は、原作でのデザインをわざわざ変えてまでやることじゃないんじゃない?と私でも思ったので、そこに怒る気持ちはわかります。(それはそれとして映画は面白かったし、アリエル役の方は歌も上手ければ髪もきれいなので好きです。)
ただ、オリジナル作品においても「そもそも出すな」だったり「マイノリティのキャラは1人まで」という謎ルールを押し付けてくる方々もいます。マイノリティの方々が1人も出なければ、とりあえず100点満点、と作品の本質やらなんやらを全く無視した評価をする方も。
また、トランスジェンダーの方々に関しては、自分が"そう"と嘘をついて女性に悪いことをする方々と、実際本当に悩んでいる方をないまぜにしている方もいます。
無理に受け入れる必要もないと私は思いますし、嫌うのもまた多様性の一つと言いますが、排除したり無差別に叩いたりするのは違うよなあと。

しかし、世の中悪いことばかりではありません。

こういった取り組みが、私たちが知らない間に行われています。

これらの記事を読み、私はこの問題についてもっと深く知りたいというか、自分も何かをしたいと感じました。

そんな折に、地元でトランスジェンダーの方の講演と映画鑑賞が同時に行われると知りました。

その際に公開されたのが「カランコエの花」だったのです。

私はすぐにそれに申し込みました。

映画の簡単なあらすじ

※セリフなどは簡単に伝えるために端折ったり言葉が違う部分があります。あと飛ばしてるシーンもあります。

7月4日、月曜日。

主人公の女子高生「月乃」は、母親から赤いシュシュをプレゼントされます。母親は、それが自分の好きな「カランコエ」という花に似ていて素敵だから買ったと話しました。

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PhotoACのフリー写真

そして月乃は学校へ。友達の「サナ」と合流します。サナは先週の金曜日に体調を崩し保健室へ行きましたが、元気になったようです。

教室に入り、別の友達と新しい物理の塩顔男性教師の話で盛り上がる月乃。
なんてことのない朝です。

さて、授業が始まりました。英語の時間…でしたが、先生がお休みのため、保健室の先生(愛称は"花ちゃん")が代わりに授業をすることになりました。

花ちゃんは黒板に何やら文字を書き始めます。

"LGBT"

何だ急に?教室内が少しだけざわつきましたが、花ちゃんは続けます。
かいつまんで言うと「LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの略です。彼らは病気でも異常でもありません。でも、彼らを差別したり、偏見を持つ方々がいます。それはとても恥ずかしいことです。恋とは感情の問題です。理屈で恋をする方はいませんよね?誰が誰に恋をしてもいいと私は思います。」とのことでした。

さて翌日。
1人のお調子者の男子「裕也」が、友達の「洋介」に声を掛けました。

「俺、やばいこと気づいちゃった」
「なに?」
「昨日花ちゃんがLGBTの授業やったじゃん?あれさ、うちのクラスだけだったんだって。もしかしてさ…

…いるんじゃね?うちのクラスに」

そこから、2人の男子生徒は興味本位で「その人」を探し始めます。花ちゃんに詰め寄ったり、仲が良い月乃のグループに「仲いいね。もしかしてレズ?」なんて言ったり…。

その波は2人だけでなく、段々とほかの生徒に広がっていきます。

「あいつって、そうっぽくね?」

「(女子更衣室にて下着を隠しながら着替えてる子に対し)なにしてるの?(もしかして…)」

クラスに疑念が渦巻く中、月乃はサナが元気なさげなのに気がつきます。

声をかけると、サナは月乃を人気のない場所に連れていきます。

「もう、どうしたらいいのかわかんない」

LGBTの授業から始まった疑念の行方は?そしてタイトルの「カランコエの花」の意味とは…?

ネタバレ感想

一応前後にスペースを開けておきます。この後の項目では講演についてちょっとだけ話すので、飛ばして読んでも大丈夫なようにです。
観た人だけが読む前提で描いてるので見ないまま読んでも詳しいあらすじ説明とかしてないからわかんないですよ。












タイトルの意味を知った後に見るラストシーン、辛すぎる。でも描写が上手くて大好きだし美しさも感じる。
てか正直なところポスターでネタバレしてるんよ。私がサムネにポスターの画像使ってないのはそういうことです。
私は先に見ちゃったもんですから「絶対これハッピーエンドじゃねーな」ってわかっちゃったもん。本当にそうだし。

カランコエの花言葉、それは「あなたを守る。」

ラストシーンで、泣きながらシュシュを取る月乃。

「あなたを守りたかった」どころか「あなたを守れなかったどころか、深く傷つけてしまった」ってのがしんどい。
例のシーンの前に花言葉を聞いて決意と希望がこもった顔を月乃がしてたから尚更です。
「桜はレズビアンなんかじゃないよ!!」と言いながら黒板の文字を消すシーン…。ここで桜ちゃんは月乃に受け入れてもらえないだろうって思っちゃったわけじゃないですか。これは私の解釈ですが、ある意味桜の自白として書かれたあの文字を、月乃が消した。月乃は桜のアイデンティティを消してしまった…否定してしまったんだと思います。
でもあれを見て本人が書いたとはまず思わない。だし自分がその場にいたら本当に何をすべきかわからないし、かばってしまうかもしれない。

そしてエンドロールのBGMを「桜が想い人である月乃について楽しそうに花ちゃんに話す音声」にして傷口に塩どころか硫酸塗り込んでくる演出

伝わるかわかんないけど「空が灰色だから」の読後に近い。具体的な話を上げるとすれば、5巻の「歩み」。

裕也は本当に興味本位で、差別とか、晒し上げとかそういう意図はなかったのかもしれません(無自覚)。でもあの黒板を見て自分のやっていたことの愚かさに気づいた。対して気づかず笑っている洋介が過去の自分と重なって、最後ああなっていたんじゃないかと思います。
他人事だから。でもそれでは済まされなかった。

ていうか正直映画観てて自分も「誰だ…?」って探しちゃってたよね…。

あらすじは知ってたからサナを真っ先に疑ったし、例のシーンで「やっぱり…!?」って思ったし、
裕也と洋介が恋バナをしているのを見て「一週回って裕也か?」と思ったし、
「物理の先生がそうなんじゃね?」とも思った。

ここは見た後にぞっとするポイントです。日常会話のシーンが多めなのはそれを意図しているのでしょうか。
日常会話のシーンで言えば、友達たちが恋バナ(対象は男性)をするのを聞いて桜は何を思っていたのでしょう。ここはお節介かもです。

歴史の授業のシーンがあのシーンに繋がるとは思わないじゃん…。

感想は終わりです。















おわりに

最後に、講演であったことを少しだけ話そうと思います。

講師の方はトランス女性(体は男、心は女)で、性転換手術を行い、見た目も声も完全に女性です。現在はカウンセラーをなされているそうです。

彼女によると、カミングアウトをされたときに言うとよい言葉は、
「伝えてくれてありがとう(これは言葉で言わなくても良い)」
「何かできることはある?」

等だそうです。更に「カミングアウトをされたということは、あなたはその人に信頼されているということ」ともお話しされていました。

あとは「LGBTQ+という風に各々名前がついているけれど、個人ごとに事情が細かく分かれている」とのことでした。ここには書かないけど、確かに色々な方が色々な悩みを抱え、彼女のもとに訪れているようでした。
書いても大丈夫なもので言うと、去年話題になった「蛙化現象」とも呼ばれる「リスロマンティック」、恋愛対象は女性だが、行為は男性としかできないなどの「クロスオリエンテーション」などなど…。

悩む方、悩まない方など色々いますが「養育歴や環境の影響が大きいと私は思う」と彼女は言いました。彼女はわけあって、自分自身の境遇とか、男性でありながら男性に恋をすることに抵抗がなかったそうです。
彼女は自分自身の養育歴と環境、つまり親御さんに感謝をしていました。

そして、彼女はカウンセラーとして様々な方々と接していますが「最終的な決定権はその人自身にある」とお話ししていました。

最後に質問コーナーがありましたので「LGBTQの方々が創作物にて描かれることもありますが、こんな描写が好きとか、嬉しいとかありますか?」とご質問させていただきました。
すると「これが嬉しいとかは無いけど、私は”美しく"描かれているのが好き」と回答してくださいました。

私はこの点において「当事者の方の気持ちなどを忠実に自然に描いている」というのが良い点の1つとして考えたことはあったのですが「美しい描写が好き」というのはとても新鮮な答えでした。
例として、森園みるくさん、プリシナ、ミッドナイトスワンを上げてくださいました。少しずつ見ていきたいと思います。

最後に、講演会に行った感想。
行ってよかった!というのはもちろんなんですけれども「自分が知っていることは氷山の一角なんだな」というのも実感しました。
私自身は幼いころからはるな愛さんだったり、クリス松村さんなどのことを母から教わっていたので、そういった方々は当たり前だと思っていました。今でもそうですが。(これも"養育歴と環境"の話に繋がりますね)
全部の知識や状況を完全に理解することは難しいし、長い時間がかかるかもしれません。色々な方がいて色々な接し方がある。その人によって正解は異なります。
でも、こういったイベントに参加したりだとか、(正しい)情報を集めたりだとか、それらを扱った創作物を見て、当事者の方々への理解を深めていくことは重要だと思います。深みが増すごとに、いつかの時に自分も相手も、幸せ、とはいかなくても、平和な日常を送れると私は思うのです。

浅い!と思われそうですし、自分もそう思いますが、これが今の私の気持ちです。
「なんだかんだあるけど、平和だし、幸せに生きているな」と思える人が増えてほしいし、私もそうなりたいです。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。



前回の記事と比べると落差がすごい。

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