ミーンミンミンミン
P「ふわぁ~……元気だな、セミ」
P「うるさくて眠れない……」ゴロゴロ
摩美々「あー、サボりの不良はっけーん」
P「ん……?」
摩美々「授業中ですよー。新学期早々サボりとはいい度胸ですねー」
P「んー……」
摩美々「んーー?」
P「んーー……?」
摩美々「角度変えてもパンツは見えませんよー」
P「まさか履いてないからか」
摩美々「センパイの目が抉り取られるからー」
P「ははは、随分エグイの吐くんだな」
摩美々「それで、授業中に校庭の木陰でお昼寝している言い訳は?」
P「寝てないぞ。セミがうるさいから」
摩美々「セミは夏の終わりに命を燃やしてるのに、センパイは限られた時間を無駄に過ごしてるんですねー」
P「セミ以下の認定を受けてしまった」
摩美々「悔しかったらセンパイも鳴いてみてくださいー」
P「ぽっぽるぅ~~!!」
摩美々「なんで鳩?」
P「そういえば、セミが鳴くのって求愛行動らしいな」
摩美々「えっ……ごめんなさい。私、好きな人がいるので……」
P「別に摩美々に求愛したわけじゃないが?」
摩美々「ふふー。フラれちゃいましたねー」
P「くっ、なぜか心にダメージが……というか、好きな人いるのか」
摩美々「………ぽっぽるぅー」
P「なんで鳩?」
摩美々「ここの草、寝心地がいいですよねー」
P「そしてお前も自然にサボるんだな」
摩美々「サボりじゃないですー。今の時間、私のクラスは自習ですからー」
P「まったく自ら習っているようには見えないけどな」
摩美々「センパイから人生の指針を習っているところですケド」
P「いつかお前のクラスの担任から呼び出されないか心配だ」
摩美々「何かあったらまみみを守ってくださいねー」
P「赤の他人を装う」
摩美々「ちっ」
P「ちょっと本気でビビったから次からはやめような」
摩美々「やめろと言われるとやりたくなっちゃうんですよねー。悪い子ですからぁ」
P「じゃあやれって言ったら?」
摩美々「喜んでやりまぁす」
P「だろうな……」ゴロン
摩美々「センパイ?」
P「俺は寝るから、3時間目終わったら起こしてくれ」
摩美々「えー?」
P「えーじゃないよ。俺は昼寝しにここにきたんだ。今日は日陰だとちょうどいい涼しさだから」
摩美々「私は眠くないですし」
P「じゃあなんで教室抜け出してここに来たんだ……とにかく、俺は寝る! 以上!」
摩美々「けちー」
P「………」
摩美々「せんぱぁい」
P「………」
摩美々「……ホントに寝ちゃいました?」
P「………」スピー
摩美々「つん、つん……」
P「………」グゥグゥ
摩美々「みーん、みーん」
摩美々「………」
摩美々「ばっどこみゅにけーしょーん」
摩美々「センパイ。せんぱーい」
P「ん……んん? ふわぁ……なんだ、摩美々か」
摩美々「授業、あと5分で終わりですよー」
P「あー……そっか。俺授業抜けてたんだっけ。ありがとう」
摩美々「ずっと隣で待っててあげたんですから、何かお礼が欲しいですねー」
P「お前、本当に寝なかったのか」
摩美々「眠くないって言ったじゃないですか」
P「そうか、それは悪かった。俺にできる範囲で、ひとつ言うことを聞こう」
摩美々「ふふー、言いましたねー?」
P「急に悪寒が」
摩美々「夏風邪ですかぁ?」
P「悪い子ウイルスがやってきたのかもしれない」
摩美々「美少女のウイルスならアリじゃないですかー?」
P「ウイルスはちょっかいかけてくるからなぁ」
摩美々「かんせーん、かんせーん」ツンツンツン
P「そうそうこうやって」
摩美々「そういうわけで、私からのお願いですケド」
P「なんだ?」
摩美々「今日、センパイの自転車に乗せてくれませんか?」
P「俺に歩いて帰れということか」
摩美々「違いますよー。後ろに、乗せてくれませんかー」
P「え?」
P「で? 二人乗りしてどこまで行くんだ」
摩美々「センパイの家ー」
P「冗談はよせ」
摩美々「風が気持ちいいですねー。スカートがめくれそうー」
P「………」チラ
摩美々「うそでーす」
P「冗談は……よせ……!!」
摩美々「さっきと感情のこめ方が違いすぎません……?」
P「とにかく! 行先決めないと、このまま真っすぐ海まで突っ走ることになるぞ」
摩美々「いいんじゃないですかー、海」
P「今日はそこまで行ける体力がない」
摩美々「へたれー」
P「じゃあお前が漕げよ」
摩美々「疲れるのでイヤですー」
P「気が合うな」
摩美々「まったくですねー。あ、私、コンビニに行きたいですー」
P「買い食いか?」
摩美々「悪い子ですからー」
P「不良に付き合うのは大変だな」
摩美々「と言いつつ華麗に方向転換してませんかー」
P「チャリ漕いでたら暑くなってきた。アイス食べたい」
摩美々「気が合いますねー」
P「今日ポイント5倍デーだからコンビニじゃなくてそこのスーパーでいいか?」
摩美々「アイスの品ぞろえ悪くないですか?」
P「わがままだなままみは」
摩美々「今噛みませんでした?」
P「……コンビニへ行ってやろう」
摩美々「ふふー♪」
P「ほら、お前のぶん」
摩美々「ありがとうございまぁす」
P「ここで食うか?」
摩美々「ですねー。センパイ、自転車押しながらだと食べづらいでしょうし」
P「気づかいどうも。じゃ、いただきます」
摩美々「いただきまぁす」
P「夕陽が眩しいな。直で当たると結構ジリジリくるし」
摩美々「まだギリギリ夏って感じの暑さですねー」
P「そういう日だからこそ、アイスがウマいってもんだ」
摩美々「冷たさが身体に染みわたりますね」
P「……にしても、お前の買ったアイスバー、でかくないか?」
摩美々「季節限定特大サイズのチョコバーですよー」
P「特大……そういえば摩美々っていつもなんか食べてるイメージだし、実は大食いなのか?」
摩美々「んー、どうなんですかねー? 確かに甘いものはあるだけ食べちゃいますケド」
P「太るぞ」
摩美々「女の子に太るとかゆーたらあかんばい」
P「何弁だそれ」
摩美々「さあ?」
P「お前たまに思いつきだけで話してるよな」
摩美々「相手は選んでますよー」
P「どういう意味だ」
摩美々「それより、忘れないうちにアイス代渡しちゃいますね」
P「別にいいぞ。一本くらい奢ってやる」
摩美々「払いますよ。センパイに借り作りたくないですしー」
P「あー、借りか。そういう発想はなかったな。じゃあなおさら受け取らな――」
摩美々「はい、130円」ギュッ
P「うわ、無理やり握らせてきた」
摩美々「ふふ、悪用はさせませんよー」
P「ちゃっかりしてるなぁ」
摩美々「悪い子ですからー」
P「関係あるのか? それ……」
摩美々「計算高いってヤツじゃないですかぁ?」
P「言ってる本人が疑問形じゃな……ところで摩美々」
摩美々「なんですか」
P「なんで、手を離さないんだ?」
摩美々「……悪い子ですから」
P「今度こそ関係ないだろ」
摩美々「センパイの顔が赤くなり始めたので、どこまで面白い顔になるか観察してるんですー」
P「なっ……! そ、そういう摩美々の顔も赤くなってるぞ」
摩美々「私は夕陽に照らされてるだけですよー」
P「じゃあ俺もそうだ!」
摩美々「強情ですねー」
P「こうなったら、我慢比べだな」
摩美々(……なんだかんだ、離さないでいてくれるんですね)
摩美々「……ねえ、センパイ」
P「なんだ?」
摩美々「センパイは……ひと夏のあやまちってどう思います?」
P「えっ」
摩美々「そういう、勢いでいっちゃうヤツ……私は、アリだと思うんですよね」
P「お前、それどういう」
摩美々「センパイ……私とじゃ、嫌ですか?」ズイ
P「ま、待ってくれ。いきなりすぎるしまだ心の準備が」
摩美々「はい、一口どーぞ」ギュム
P「つめたっ!?」
摩美々「ふふー。アイスを無償で食べさせてあげるなんて、ひと夏のあやまちはおそろしーですねー」
P「………」
摩美々「どうしましたぁ?」
P「ま……摩美々~~!!」
摩美々「わあ、怒ったー」
P「こうしてやる!」
摩美々「わひゃっ、ほっぺ、ほっぺは痛いですー」
P「まったくいつもいつもお前は――」
完璧か