「160キロ候補」から「高卒3割打者」まで ファームで光るパ・リーグの素材型ルーキー
早期の一軍抜擢も
野手で目立つのが、横田蒼和(山村学園→西武5位)だ。 高校時代は入学直後から三塁のレギュラーになると、1年秋から遊撃にコンバートされて中軸に定着した。3年夏は投手を兼任しながら6試合で5割近い打率を残し、2本塁打を放つ活躍を見せている。 プロ入り後は主に三塁で起用されており、二軍では44試合で44安打、1本塁打、22打点、打率.301という見事な成績を残している。他球団の編成担当者は、横田のプレーぶりに驚かされたという。 「高卒の野手は、木製バットとプロの投手のボールの両方に対応する必要があり、最初はなかなか自分のスイングができない選手が多い。ところが横田はプロで何年もやってきた選手のように、自分の間合いでスイングできています。体つきも高卒ルーキーにしてはかなり大きく、大学生のようです。守備はまだ少し拙いところがありますが、肩の強さもある。早ければ来年から一軍のレギュラー争いに加わるかもしれません」 西武は現在好調をキープしているが、三塁は本来外野手の渡部聖弥が守ることが多く、大きなウィークポイントと言える。横田にとってはチャンスが多いはずだ。二軍で結果を残し続ければ、早期の一軍抜擢が考えられるだろう。 横田と同じ高卒野手では、桜井ユウヤ(昌平→ロッテ4位)、岡村了樹(富島→ロッテ6位)のロッテ勢が、二軍で積極的に起用されて存在感を示している。 大学卒の選手では、エドポロ・ケイン(大阪学院大→日本ハム2位)と金子京介(神奈川大→楽天育成4位)がファーム東地区で本塁打を重ねており、長打力は大きな魅力だ。 即戦力として一軍で結果を残す選手だけが、ドラフトの成果ではない。ファームで時間をかけて育つ素材型ルーキーにこそ、数年後の楽しみが詰まっている。石垣、藤川、横田をはじめ、パ・リーグの若い才能がどこまで伸びていくのか。今の段階から追いかけておく価値は十分にある。
西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 デイリー新潮編集部
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